相棒が好き過ぎて

ドラマ相棒が好き過ぎるが故の戯言と悪ふざけ

相棒、小野田官房長は何故死ななければいけなかったのか

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杉下右京と小野田官房長

小野田官房長と言えば、相棒が始まった頃からの、相棒主要メンバーの一人です。

フルネームは小野田公顕(おのだこうけん)。正式には「こうけん」ではなく「きみあき」と読むようです。

彼は警察庁長官官房室長と言う、警察庁の中でも絶大な権力を持つ地位にいた人物です。右京さんとは古くからの付き合いで、過去には深い因縁もあります。演じているのは岸部一徳さん。

特命係が誕生するに至った原因を作った張本人でもあり、相棒内でのキーパーソンでした。

ドラマの中では、キレ者ながらも、温厚でどこかのんびりした雰囲気を醸し出していて、そこが逆に怖かったりもしました。笑

右京さんとは時には良好な関係であり、時には対立する関係でもあります。

官房長自身は右京さんの能力をとても高く評価していて、それを利用している節もあり、時には強力な後ろ盾にもなってくれています。

ある意味で特命係が自由に捜査できるのは官房長がいるおかげでもあり、お互い持ちつ持たれつの関係でもあります。

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そんな二人はしばしば対立するんです。元々はその対立がきっかけで特命係ができたようなものですし、一見良好に見える二人の関係性でも、その対立が解消されることは決してありませんでした。

対立の原因は「正義」に対する考え方です。

右京さんは、どんな悪も一切許しません。どんな理由があれ、どんな事情があれ、法に反する行為は一切許さない「絶対的な正義」が信念の人です。

それに対し小野田官房長は、大きなものを守るためには、小さな罪は見逃してもいい。「大局的な正義」が信念の人です。それが大きな正義を守ることに繋がると。

この正義の対立は、相棒の中での大きな一つのテーマでもありました。

この対立があるが故に成り立っていたストーリーも少なくはありません。

 

官房長が劇場版Ⅱでまさかの死

相棒の大きなテーマであった「正義」の闘い。

さらには特命係が自由に動けるためには、必要な存在だった小野田公顕。

僕は、まさか官房長が死んでしまうなんて思ってもいませんでした。

小野田官房長と右京さんの関係は、正義の対立を続けながら、ずっと続いて行くんだろうな~と思ってました。

ですので劇場版2で逆恨みされ、突然刺されて死んでしまうなんて…。かなり衝撃的な事件でした。え?小野田さん死んじゃうの?マジで?

こんな重要人物の小野田さんが死んじゃって、大丈夫なのか?と。

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劇場版2のストーリーからすると、小野田さんが刺されて亡くなったのは、特に不自然と言うか無理やり感があったわけではありません。

小野田さんは警察の大規模な改革を目指していました。その改革を行うには、多少強引な手段を取らざるを得ません。そしてそれには犠牲が伴います。改革を進めることで恨みを買ってしまったんですね。それで結局刺されてしまいました。

劇場版Ⅱについては、こちらの記事で詳しく書いています。

官房長の死と言うのは、劇場版2での一つの目玉だったと思います。本筋は警視庁占拠事件でしたが、それと並行して進行していった、もう一つの軸ではありました。

これまでの相棒で主要人物が死ぬという展開はこれが初めてでしたので、相棒史上に残る大きな事件となりました。

 

小野田官房長の死には裏がある?

小野田官房長が突然死んでしまったことは、やはり相棒ファンの中でもかなり大きな事件だったようです。

ですので、何か裏があるのでは?とかそう言った噂が出るのも止むを得ないかもしれません。

例えば、水谷豊さんとの不仲説で降板とか、岸部一徳さんの体調の問題とか。

しかしその後も水谷さんと岸部さんは共演もされていますし、岸部さんも普通にドラマや映画にも出演されていますので、それらの線は単なる週刊誌的な憶測に過ぎないと思われます。

ではなぜ、ストーリー上も大変重要だった小野田公顕が死ななければならなかったのか?

もちろん僕は相棒の制作サイドの人間だったり関係者ではありません。単なる一視聴者ですので、その真相が知れる立場にはありません。

とは言え相棒を心から愛していますし、それなりにじっくり見ているつもりです。

それを踏まえて小野田さんの死の理由を考えた結果、辿り着いたのは、やはりこれしかありません。

それは「相棒にとっての起爆剤」という役割です。

 

官房長退場の真相は?

相棒にとっての起爆剤と書きましたが、マンネリ化の打破と言ってもよいです。

相棒は2000年から放送されているドラマで、小野田官房長も2002年のシーズン1から登場しています。

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劇場版Ⅱの公開が2010年ですので、約9年ほど出続けていることになります。

小野田さんは右京さんと正義の対立を繰り返しつつも、なんだかんだ特命係の後ろ盾にもなってくれている存在ですので、彼がいる限りはある意味特命係は安泰なんです。

そんな安泰の状態を一度ぶち壊し、今後の相棒はどうなるんだ?と敢えて波乱を巻き起こしたのではないかと。

相棒はシーズン7の半ばにて、初代相棒の亀山くんが卒業しています。

この卒業には様々な憶測が囁かれてはいますが、結果的に相棒にとっては一種の起爆剤になったかと思います。

小野田さんの死は亀山くんの卒業と同じく、相棒にとってマンネリ化を防ぐという意味では大変効果的なんです。

主要メンバーがまさかの急死というのはインパクトも大きいですし、今後どうなるんだ?という不安もプラスの意味で生み出し、さらには話題性も上がります。

おそらく「主要メンバーの誰かを殺す」という起爆剤を用意するにあたり、小野田官房長が選ばれた結果、劇場版Ⅱでの殉職になったのではないかと。

僕は漫画(アニメ)のワンピースが大好きなんですけど、ワンピースで例えると、主人公ルフィの兄であるエースが途中で死んじゃうようなものです。

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(画像出典:prcm.jp)

インパクトのある事件が起きることにより、さらに物語の魅力が増すんです。

相棒の場合には、そんな大事件が毎週水曜の通常版の一話としてではなく、劇場版と言う特別な舞台が用意され、これは小野田官房長と言う特別な存在に対する敬意も込められているのではないかと、そうも思っています。

 

甲斐峯秋の登場

劇場版Ⅱは時系列の設定としては、シーズン8とシーズン9の間、2010年7月に起きた事件ということなっています。

それ以降、特命係は小野田公顕という後ろ盾を失ったまま、いつ誰に潰されてもおかしくない状態になってしまったわけです。

しかしです。

小野田さん亡きあと、特命係の後ろ盾になり得る権力を持った人物が新たに登場します。

2012年10月スタートのシーズン11より登場した、石坂浩二さん演じる甲斐峯秋(かいみねあき)です。

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(画像出典:xn--p8j2bhdbq15a.com)

三代目相棒、甲斐享の父親でもあり、肩書は警察庁次長。これは小野田さんと同格のポジションです。つまり小野田さんと同じくらいの権力を持っている人物なわけです。

小野田さんが亡くなってから、シーズン9、シーズン10と後ろ盾がないまま乗り切った特命係に、またしても新たな後ろ盾が誕生したことになります。

小野田さんと甲斐さんはまた違ったタイプですし、設定上も違う点は多々ありますが、役割としては近いものがあります。

この甲斐次長、現在は息子のカイト君が起こしたダークナイトの事件のせいで、警察庁長官官房付と言う少し格下げはされていますが、いまだに力は持っています。

甲斐峯秋の登場あたりから、相棒の人物相関図にも次々と新しく書き換えられるようになった気はします。

小野田さんが生きているままだったら、人物相関図自体がマンネリ化してしまっていた可能性もあり、そう言った意味でも官房長の死は、新しい相棒を生み出す一手だったと言えるかもしれません。

官房長の突然の死はとても残念でしたし、淋しかったですけれど、きっと彼の死は相棒にとって無駄ではなかったと、僕はそう思うことにしています。笑

 

以上、今日は小野田官房長の死について書いてみました。

最後に愛を込めて叫びます。

かんぼうちょぉぉぉぉ!!!

(記事トップ画像出典:blog.goo.ne.jp)

 

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