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相棒19第13話『死神はまだか』落語家の林家正蔵と笹野高史

第13話『死神はまだか』

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あらすじと感想

本日は、シーズン19第13話についてです。

相棒season19第13話のタイトルは『死神はまだか』。放送日は2021年1月20日です。どうやら『死神』という落語の演目に掛けられたタイトルのようですが、死神が何を指すのか、どんな意味を持つのか。

ではまずはじめに、第13話『死神はまだか』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

噺家の椿家團路(笹野高史)一門に路里多(立石晴香)が入門する。
新弟子は團路の家に住み込みで修業に励むのが一門のしきたりだったが、落語界きってのスケベ王として名を馳せる團路は、セクハラでも有名。注意するよう路里多に忠告していた兄弟子の駄々々團(水沢林太郎)は、それを團路に知られ、破門されてしまう。
ひと月がたったある日、椿家團路一門の会が開かれ、そのステージ上、演目「死神」を披露していた團路。演目中に観客の目の前で突然倒れ、なんとそのまま息を引き取ってしまう! 
小手鞠(森口瑤子)からチケットをもらい、たまたま会を見に来ていた杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)はその現場を目撃。多くの観客がホールの外へ出される中、そのまま中に紛れ込んだ右京は、團路の死を悼む弟子の小ん路(林家正蔵)らの様子を見つめながら、破門になったはずの駄々々團が一門とともに行動していることに疑問を…。さらに、大袈裟なくらい團路の死を悲しんだ怪路(遠山悠介)にも疑いの目を向け…?
捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)の3人までも召集した「特命係」は、がんを患っていたという團路の死の真相が、病死なのか他殺なのかを探るべく、捜査を開始する。
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

久しぶりに、容疑者がたくさんいて、犯人はこの中に?というパターンの事件でして、楽しませて頂きました。

右京さんの夢の中、さらには右京さんの寝顔という、もう導入からして引きが強かったです。

落語や噺家が事件の中心となるのは、S1第3話『秘密の元アイドル妻』以来かと思いますので、20年近く振りです。今回は右京さんと冠城くんが二人で寄席にいる場面もありましたが、20年前は寄席で右京さんの隣には亀山くんがいたんだな~と思うと、時間の流れを感じてしまいます。

米沢さんがいなくなってから、右京さんの落語好きネタも鳴りを潜めていたので、久しぶりにそこに触れられていたのも嬉しいです。

今回はたまたま特命係が訪れた寄席にて、噺家が演目の最中に突然死してしまいます。で、病死かと思われたのですが、右京さんだけが殺人事件ではないかと考えるんです。

そんな右京さんの判断を、冠城くんや捜一も誰もなかなか信じていないという、珍しい状況でもありました。それだけ事件性を疑うような、説得力のあるものがなかったってことなんですけどね。右京さんの直感のみで走り出し、そのまま最後まで押し切った形です。こんなパターンも滅多にないのではないかと思います。

右京さんが疑いの目を向けたのは、噺家のお弟子さんたちです。この方々の怪しさがじょじょに増していき…僕は途中からラストがある程度読めた!と久しぶりに思ってしまったのですが、やっぱり見事に外れました。最後の最後に裏切られました。

落語を題材にした回だけに、ちゃんとオチがありました。

『死神はまだか』という今回の物語のタイトルに関しても、その意味がラストでわかります。

ゲストさんも豪華でして、落語界きってのスケベ王という團路役の笹野高史さん、ハマってました。一門に師匠として君臨し、パワハラモラハラしまくりで、でも落語の腕はピカイチという噺家でして、実際にこういう人いるんだろうな~と。

そんな師匠に従うのが、林家正蔵さんや立石晴香など、弟子の面々です。本物の落語家である林家正蔵さんが、落語家の役で出てるというのが、面白ポイントでもあります。

物語としては、突然死を殺人と疑った右京さんが、その弟子たち各々の話を聞きつつ、犯人に迫っていくという流れです。展開自体は複雑なものではありません。

しかし真相の方は、そう簡単にたどりつけるものではなかったですし、犯人側の正義が是だったのか非だったのかも、僕は一瞬迷ってしまいました。もちろん結論は非なんですけどね。

そういう意味では、観る側がじゃっかん複雑な心境を抱いてしまう、そんな結末だったかもしれません(僕だけかもしれないですけど)。よくよく考えれば、犯人の身勝手な正義ではありますけれど。

本筋以外では、出雲&右京での聴取という初のものも見れましたし、伊丹さんの「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン(ハクション大魔王)」も聞けましたし、久しぶりに冠城くんの口から「フォトス」の名前も出たり、細かいお楽しみもあれこれありました。

捜一トリオは前話に続き、またしても特命に召集されてましたけど、今回はそれを新生した内村さんが後押ししてました。まだ僕はニュー内村に慣れきれてないんですけどね。内村さんの「デュープロセス」連呼も気になってしまい、ググってみたところ、「法の適正な手続き」を意味するみたいです。

今回は青木年男出てこないのかな~と思っていたら、ちゃんと見せ場がありまして、笑わせて頂きました。

第13話『死神はまだか』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

では続きまして、第13話『死神はまだか』に出演された、主なゲストさんを紹介します。今回は3名です。

林家正蔵(はやしやしょうぞう)

噺家の椿家一門で、弟子たちをまとめる総領弟子である、椿家小ん路役で林家正蔵(はやしやしょうぞう)さん。

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椿家小ん路は「つばきやこんろ」と読みます。真打ちとして、一門では師匠に続く落語の技量の持ち主でもあり、他の弟子たちにも慕われています。傍若無人な師匠も、小ん路の言葉には耳を貸すことも。

林家正蔵さんは、9代目の林家正蔵さんでして、前のお名前は林家こぶ平(はやしやこぶへい)さんです。僕も個人的にはこぶ平さん、として覚えちゃってました。本物の落語家が、相棒の中でも落語家として出演するという、貴重なパターンになります。

 

立石晴香(たていしはるか)

椿家一門の新弟子で、師匠の家で住み込みで修行をしている、椿家路里多役で立石晴香(たていしはるか)さん。

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椿家路里多は「つばきやろりーた」と読みます。本名は板橋百江です。最初は「椿屋うん子」と命名されそうになりますが、小ん路によりそれは回避されます。師匠である團路のセクハラに悩まされています。

立石晴香さん、失礼ながら僕は存じ上げていない女優さんだったのですが、モデル出身の女優さんで、とっても美人さんでした。舞台での着物姿も綺麗でしたし、楽しそうに落語を演じる姿も素敵でした。

 

笹野高史(ささのたかし)

椿家一門の師匠であり、演目中に突然死した、椿家團路役で笹野高史(ささのたかし)さん。

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落語界のスケベ王ランキングで「東の横綱」と言われるほど、女好きでも知られている噺家です。がんを患っていて闘病中で、余命宣告も受けていました。椿家團路は「つばきやだんろ」と読みます。

笹野高史さんは今回が別役で三度目の相棒出演です。一度目はS4第6話『殺人ヒーター』に工場長の役でちょい出演、二度目はS15第12話『臭い飯』で、元受刑者役でがっつり出ています。今回はスケベな噺家の役、ハマってました。

 

以上、 今回の主なゲストさんは上記3名になります。

他には、椿家一門の弟子の一人、椿家駄々々團役で水沢林太郎(みずさわりんたろう)さん。同じく弟子の一人、椿家怪路役で遠山悠介(とおやまゆうすけ)さん。同じく弟子の一人、椿屋いろ里役で紺野ふくた(こんのふくた)さん。同じく弟子の一人、椿屋丈團役で植木紀世彦(うえききよひこ)さんなどが、ちょいゲストさんで出演されています。

植木紀世彦さんは別役で2度目(過去にはS13-18)の出演です。

 

死んだ師匠と怪しい弟子

古典落語の『死神』という演目を披露している最中に、お客さんの目の前で突然倒れ息を引き取ったのは、落語家で椿家一門の師匠でもある、笹野高史さん演じる椿家團路です。

こてまりさんからもらったチケットで、たまたまこの落語を聴きに来ていた右京さんと冠城くんも、その現場を目撃することに。

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團路は癌で闘病中で、余命宣告もされていたとのことなので、それが原因となった病死ではないかと考えられます。

しかしです。右京さんが病死という判断に待ったをかけるんです。殺人事件ではないか?と。

そして疑惑の目は、團路一門の弟子たちへと向けられることに。

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團路は多くの弟子を抱えている高名な落語家で、弟子たちにとっては神とまでいわれています。

しかし一方で、女好きとして週刊誌に取り上げられたり、周囲の女性へのセクハラも絶えなかったリして、落語界きってのスケベ王としても名を馳せています。

実際に新弟子として入門した、立石晴香さん演じる路里多(板橋百江)は、美人さんですし、師匠のセクハラの餌食になっています。

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團路はセクハラだけではなく、一門の中でも師匠として我儘放題の振る舞いをしています。

例えば、路里多に師匠のセクハラに注意しろと忠告をした兄弟子が破門にされてしまったり、テレビでの活躍に苦言を呈されていた弟子がいたり。

つまり、路里多をはじめ弟子たちはみな、團路に何かしらの恨みを持っている可能性があるんです。

いずれも曲のある弟子たちばかりですが、そんな弟子たちをまとめているのが、林家正蔵さん演じる椿家小ん路です。

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落語家だけに、小ん路をはじめ弟子たちは皆、口が上手です。彼らの言葉は嘘か本当はわかりません。

そんな彼らに対し、右京さんは…

「失礼ながら、洒落が渦巻く世界の住人である皆さんの発言は、僕のような猜疑心の強い人間には、到底信じられません」と。

すなわち、容疑者は一門の弟子全員です。

『死神』という演目は、今にも消えそうなロウソクを「お前の寿命だ」と死神に宣告された男が、死神から渡された新しいロウソクに火を移そうとするものの、いまくいかずにそのまま命を落としてまう、という内容です。

癌という病を患い、余命宣告をされていた團路のロウソクの火は、まさに消える直前の状態だったのかもしれません。

しかし團路の火は、燃え尽きてしまう前に、無常にも消されてしまいました。

 

その他の見どころ

続いて、第13話『死神はまだか』のその他細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。

右京の居眠り

右京さんが落語を聴きながら、居眠りしてます。

聴いていた演目は『死神』でして、それ故に怖い夢まで見ちゃってました。笑

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右京さんの居眠りというのは、これまでも何度かありましたけれど、落語を聴きながら、しかも夢まで見てるっていうのは初ですね。

夢の中の右京&冠城も、楽しませて頂きました。

 

青木の着物姿

青木年男が着物を着て、噺家になってます。

しかも出囃子付きで登場しました。

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右京さんと冠城くんはたま~にコスプレしますけど、青木年男は初じゃないかと。

スーツ以外の青木年男というのも初なのではないかと思います。初登場の『警察嫌い』のときも、部屋でもYシャツ姿でしたし。

新鮮なものが見れました。

レギュラー陣のコスプレは、それだけで楽しいですね。

ちなみにですが、青木役の浅利陽介さん、実際に落語もされていて、「谷田川亭ちゃりん」という高座名で、寄席デビューもしているそうです。コメント欄にて教えて頂きました。今回のシーンは、そんな背景があってのものなのかもしれません。

 

紅茶の新アングル

お馴染みの右京さんが紅茶をカップに注ぐシーンが、今までにないアングルのものでした。

なんと、紅茶の真上、ポットからのアングルです。

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次はどんな新しい紅茶シーンが出てくるのか、ついつい期待せずにはいられません。

 

以上、今日は相棒season19第13話『死神はまだか』についてでした。

 

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