「私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女」
相棒season2最終話のあらすじと感想
ついに、相棒シーズン2も最終話まで来てしまいました。DVD-BOXでシーズン2を見始めたのが、7月のあたまです。嫁と二人で毎晩お酒を飲みながら、一日一話のペースで見ていました。プレシーズンは全3話でしたし、シーズン1は全12話。ですので、シーズン2の全21話は、とっても長いイメージを持ってました。見ても見てもなかなか終わらないのではないかって。
ですが早いものですね。気付けばこれで最終話。最終話を見るのはもちろんめちゃめちゃ楽しいんですけど、シーズン2が終わってしまうのは淋しいです。見たいけど見たくない。そんな気持ちを抱きながら見ました。
では、本日はそのシーズン2最終話(第21話)についてです。
相棒season2最終話のタイトルは「私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女」。放送日は2004年3月17日です。2時間スペシャルで放送されたものです。このタイトルから、死刑囚でしたが脱獄して自殺したと思われていた、浅倉禄郎のことを指しているかと推測できます。しかし赤いベルの女の方は全く想像がつきません。
では、そんな最終話のあらすじを簡単に。
「平成の切り裂きジャック」と呼ばれた連続殺人犯の浅倉禄郎。特命係に逮捕され、死刑囚となりましたが、その後拘置所を脱獄。そして断崖絶壁から身を投げて自殺。しかし遺体は発見されませんでした。その浅倉禄郎が、ホームレスの炊き出し場で発見され、緊急逮捕となります。しかし浅倉は記憶喪失になっていて、過去に自分が起こした事件のこと、大学の同級生である亀山くんのこと、全て覚えていません。浅倉に対し催眠療法で記憶を呼び戻そうと試みますが…その前夜、浅倉が謎の自殺。結局浅倉の記憶が戻ることはないまま事件は幕を引くかと思われますが…浅倉は何故自殺したのか?果たして本当に自殺だったのか?特命係は捜査を開始します。そして意外な結末が…。
ざっくりですけど、だいたいこんな流れです。
最終回にふさわしく、とても内容の濃いストーリーでした。なかなか大掛かりな展開が仕掛けられていて、とても面白かったです。見入ってしまいました。結末も予測できませんでした。
シーズン2は浅倉禄郎から始まりました。そして最終話も浅倉禄郎。浅倉で始まり浅倉で終わるシーズンです。相棒の犯人史上、ここまで何度もピックアップされた犯人は他にいないかと思うんです。そう言った意味でも、浅倉禄郎の存在感って大きいですよね。
ストーリー、ゲスト出演者、浅倉禄郎などなど、どれを取っても大満足の最終話でした。
相棒season2最終話のゲスト出演者
シーズン1の最終話もゲスト出演者は豪華でしたが、シーズン2も豪華です。やっぱり最終話って豪華になる傾向が今後もあるんでしょうかね。
見てる側としては、次から次へと豪華なゲストが出てくると、それだけで楽しいですよね。
では、そんな豪華ゲストを一人ずつ紹介して行きます。
生瀬勝久(なませかつひさ)
まずは「平成の切り裂きジャック」浅倉禄郎役で、生瀬勝久(なませかつひさ)さん。
プレシーズン第2話で特命係に逮捕された元検事で、亀山くんと美和子さんの大学時代の同級生です。シーズン2第2話で脱獄し、自殺したかと思われていました。しかし記憶を失くしホームレスとして生活しているところを発見されます。シーズン2を通してかなり重要な役どころです。キレ者の検事だったり、狂気を持った殺人者だったり…生瀬勝久さんの演技がハマってます。
岸田今日子(きしだきょうこ)
続いて、最高検察庁の次長検事、皆川千登勢役で岸田今日子(きしだきょうこ)さん。
過去には、検事時代の浅倉禄郎をかわいがっていました。検察庁の権力者です。偉い人です。岸田今日子さんは、残念ながら2006年に亡くなられています。独特な雰囲気を纏った女優さんでした。相棒にも出ていたんですね。
国生さゆり(こくしょうさゆり)
次に、皆川千登勢の部下、永井紘子役で国生さゆり(こくしょうさゆり)さん。
法務刑事局刑事課長と言う役職です。美人で頭がキレる女な感じで出てます。国生さゆりさんも相棒出てたんですね。知らなかったです。
津川雅彦(つがわまさひこ)
続いて、法務大臣の瀬戸内米蔵役で、津川雅彦(つがわまさひこ)さん。
僕は夕方の再放送で、この瀬戸内さんは何度も見ています。しかし初登場の回を知りませんでした。ここが初登場だったんですね~!!シーズン1の最終回では、津川雅彦さんの兄、長門裕之さんがゲストで出ていましたので、兄弟揃って最終回にゲスト出演してるんですね。
伊藤洋三郎(いとうようざぶろう)
続いて、浅倉禄郎が収容されていた拘置所の刑務主任、中津一義役で伊藤洋三郎(いとうようざぶろう)さん。
たまに見掛ける俳優さんです。僕もなんとなく見覚えがあります。失礼ですみません…。
泉谷しげる(いずみやしげる)
続いて、シーズン1第1話で警視庁に立て篭もり逮捕された、田端甲子男役で泉谷しげる(いずみやしげる)さん。
泉谷さん、シーズン1第1話で登場したっきり、その後一切出てこなかったので、もう出ないのかと思ってました。そしたらいきなりシーズン2最終話で登場!久しぶりに出て来て嬉しかったです。
以上、メインで登場するゲストさんはこの6名になります。
生瀬勝久さん演じる浅倉禄郎を中心に、豪華なゲストが事件に関わって行きます。
ゲスト出演者だけ見ても、とても見ごたえのある最終回でした。
拘置所と刑務所の違い
今回の事件は、死刑囚である浅倉禄郎を中心に展開して行きます。
以前から少し気になっていたのですが、浅倉がいる場所が刑務所ではなく拘置所なんですよ。僕はこの辺りにも疎いので、あれ?なんで刑務所じゃないんだろ?って疑問に思いました。
僕の認識では、拘置所は「逮捕された被疑者が、裁判で判決が出るまでの間、収容されている場所」。
一方、刑務所は「裁判で刑が確定した人間を収容する場所」。
そのような認識でした。そして、それは基本的に間違ってはいないようです。
しかしです。浅倉禄郎は裁判で死刑判決を受けたにも関わらず、収容されてる場所が拘置所なんですよ。なので、その点がちょっと疑問だったんです。
ですのですっきりさせたくて調べてみると…
「死刑囚は刑務所ではなく拘置所に収容される」ようなんです。知らなかった…。
その理由なのですが、死刑と言うものは、犯した罪に対する刑罰が「死」なわけです。
一方「懲役~年」と言うのは、「その間刑務所から出ることができず、刑務所内で働かなければならない」と言う刑罰なわけです。
つまり、「死刑」に関しては、刑務所で働く義務はないとのこと。刑罰である「死刑」が実行されるまで、拘置所で身柄を拘留しているだけ、と言う解釈のようです。なんだか難しい解釈ですが…。
しかし、大きな刑務所だと、刑務所内に拘置所も死刑場もあるみたいです。そして別々のところもあると。余計にややこしいですが。
色々ややこしい解釈の部分もありますが、浅倉禄郎は死刑囚なので拘置所にいるんですね。
逆に泉谷しげるさんの田端甲子男は、裁判で上告していて、まだ刑が確定していないので、拘置所にいるわけです。
ちょっとモヤモヤしていた部分だったので、一つ勉強になりました。
警察と検察と法務省
先ほどの、拘置所と刑務所の違いに関連してもう一つ。
犯罪を犯した犯人を逮捕するのは警察です。そしてその犯人をその後「検察庁」に送検します。そして検察庁では、検察官が起訴をするかどうか判断し、起訴した場合は法廷で裁判が行われます。
そして裁判で有罪が確定し、刑が確定した後、刑務所に送られることになります。死刑の場合には拘置所です。
刑務所も拘置所も、管轄しているのは法務省になります。
つまり、一つの事件が起こると、「警視庁や警察庁の警察」がまず関わることになり、次に「検察庁」が関わることになり、その後の刑務所や拘置所では「法務省」が関わることになります。
これだけ見てもなかなかややこしいですよね。
津川雅彦さん演じる瀬戸内米蔵は、法務大臣です。法務省のトップです。政治家です。
そして、「死刑執行」の命令を出すことができるのは、この法務大臣なんですよ。ですが瀬戸内さんは実家がお寺であり、自分の僧侶をしていたこともあり、死刑執行はしないんです。ですので浅倉禄郎の死刑も行う意志がありません。
一方、浅倉禄郎の死刑を執行したがっているのが、岸田今日子さん演じる皆川千登勢です。
皆川千登勢は検察庁の人間です。検察庁の中でも一番格上である最高検察庁の次長検事。これは検事総長に次ぐ地位です。
そして、その皆川千登勢の部下である、国生さゆりさん演じる永井紘子は。法務省の刑事局の人間なんですね。
法務省と検察庁は別の組織ですが、親戚みたいなもので、密接に関わっている組織です。おそらくお互いに出向と言う形で、人事交流も頻繁に行われているかと思います。
警視庁と警察庁の関係に似てるのかもしれませんね。全然違ったら申し訳ないですが…
ですので当然、瀬戸内米蔵と皆川千登勢も密接に関わる相手となるわけです。
ちなみに、瀬戸内さんは皆川さんを「検察庁の妖怪」。
皆川さんは瀬戸内さんを「くそ坊主」。
って陰で呼んでました。笑
亀山くん伊丹さんを殴る
突然の死を迎えてしまった浅倉禄郎。その遺体は亀山くんと美和子さんが引き取って、火葬します。
火葬場に集まったのは、亀山くん、美和子さん、右京さん、たまきさんの4人だけ。
とても淋しい火葬場です。
しかし、そこに伊丹さんと三浦さんが来てくれます。いつものごとく、「特命係のかめやま~」と現れるわけです。
ところが、この時の亀山くん、浅倉の死にイライラしてるんですよ。
浅倉の記憶が戻らない時点で既にイライラしてました。特命の部屋でも、ゴミ箱蹴って、右京さんに「何を蹴飛ばそうとかまいませんが、後始末はきちんとお願いしますよ」って言われて片付けてましたし。笑
浅倉が死んで、余計にイライラした亀山くん、せっかく火葬場に来てくれた伊丹さんを、突然殴ってしまいます。これ、かなり理不尽です。笑
でも伊丹さんやり返さないんですよね。いきなり殴られたのに。
この場面、どう考えても手を出した亀山くんが悪いんですよ。それなのに伊丹さん、怒りもせずにやり返さないんです。もしかして伊丹さん、超大人なのかも?
と思ったワンシーンでした。笑
また、右京さん始め、皆さんの礼服姿も初めてでした。
シーズン2最終話その他の見どころ
では、最終話ですが、いつものごとく細かい見どころもいくつか挙げてみます。
特命係と瀬戸内米蔵の初対面
瀬戸内米蔵は、その後の相棒でも度々登場する人物です。
僕も夕方の再放送で、いくつかの回で見掛けていて、よく覚えています。基本的に特命係とは良好な関係を持っている印象があります。
その瀬戸内さんですが、今回が初登場で、特命係とも初対面することに。
地下の駐車場で偶然会う形です。右京さんと瀬戸内さん、少しだけ話もしています。
今回はそのほんの少しの絡みのみでした。どのような流れで特命と関係が深くなって行くのか、今後が楽しみです。
小野田官房長がホールインワン
小野田官房長と、瀬戸内さん、一緒にゴルフしてるシーンがあるんです。
これを見ると、この二人は以前からそれなりの付き合いがあるんだろうな~と、察することができる場面です。
そして、なんと小野田さん、ホールインワンを出してしまうんです。笑
何故ここでホールインワンなのか全くわかりませんが…笑
でもなんだかこの二人、仲は悪くなさそうです。
しかしこの後、瀬戸内さんが法務大臣を辞任する形になってしまうのですが、それにはどうやら小野田官房長が絡んでいるみたいで…今後の二人の関係にも注目したいです。
内村刑事部長のかっこいいシーン
普段はかっこ悪い内村刑事部長。体裁と自分の立場ばかり気にしてますからね。
しかしそんな内村さんも、たま~にかっこいい時ありますよね。
今回、東京地検が大勢で警視庁に乗り込んで来るんです。ちなみに、「東京地検」ってよく耳にするかとは思うんですけど、「東京地方検察庁」のことなんです。検察庁ですから、岸田今日子さん演じる皆川千登勢の組織です。
大勢で乗り込んで来た東京地検を、内村さんは堂々と追い返すんです。
内村かっこいいじゃん!と思った場面でした。
右京さん亀山発言にびっくり
亀山くんが、新聞記者である美和子さんの名前を使って、脅しの電話を掛けます。笑
こちらの要求を飲んでくれないと、奥寺美和子が記事にしちゃいますよ~って。
その際に「俺が一言言えば彼女は記事を控えます。何故なら彼女、俺には絶対服従ですから」って亀山くんが言うんです。
それをそばで聞いていた右京さんの顔が…笑
なかなか見られない顔です、僕も笑ってしまいました。笑
あと、別のシーンですが、特命の部屋で右京さんまた紅茶にミルク入れてました。やっぱたまにミルクティーで飲むんですね、右京さん。
タイトルの「赤いベルの女」
最終話のタイトルは「私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女」です。
生きていた死刑囚と言うのは、もちろん浅倉禄郎です。
一方、赤いベルの女の方なんですけど、最終話を最後まで見たらわかるかな~と思っていたのですが…
いまいちわからなかったんですよ。笑
なぜ赤いベルなのか?
いや、推測はできるんです。「赤いベル=非常ベル」なのかな~とは。浅倉禄郎の死には非常ベルが絡んでいます。ですので、その非常ベルが絡んだ事件を引き起こすに至った、その元となる女は一人しかいませんので。
それは岸田今日子さん演じる皆川千登勢です。
おそらく「赤いベルの女」は皆川千登勢を指すものだと思うのですが…
これ、難しいタイトルです。笑
最後はシーズン2のOPが流れて…
全21話を締めくくる最後の場面。
シーズン2のオープニングテーマ曲が流れました。
ドラマの冒頭以外でオープニングテーマ曲が流れるのはこれが初めてです。
シーズン3からは、現在では定番となった、あのオープニングが使われていますので、シーズン2のオープニングを聞くのはこれが最後になります。(DVDなのでいつでも見返せば聞けますが…)
そう思うと、なんだかちょっとジーンときてしまいました。
泣きそうになってしまったんです。感慨深いものがあって…。
僕も嫁も、見終わった後しばらく放心状態でした。すごく良い映画を観終わった時みたいな感じです。
相棒シーズン2、とてもよかったです。大満足です。
ありがとう相棒。ありがとうシーズン2。
以上、今日は相棒season2第21話(最終話)「私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女」についてでした。
次はシーズン3を制覇します。