第10話『紅茶のおいしい喫茶店』
あらすじと感想
本日は、シーズン20第10話についてです。
相棒season20第10話のタイトルは『紅茶のおいしい喫茶店』。放送日は2021年12月22日で、2021年最後となる相棒です。相棒で紅茶といえば右京さんではありますが、今回は一軒の紅茶の美味しい喫茶店が、何かしら事件の舞台になるようです。
ではまずはじめに、第10話『紅茶のおいしい喫茶店』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。
特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、組織犯罪対策五課長・角田六郎(山西惇)から張り込みを手伝ってくれと頼まれる。角田は捜査二課と組んで、マッチングアプリと仮想通貨を巧みに連動させたロマンス詐欺グループを追っていたが、彼らはだまし取った金を足がつかないよう現金に換え、8カ所あるアジトのどこかに隠しているという。特命係には、そのうちの1カ所、輸入家具店の倉庫を張り込んでほしいというのだ。
その詐欺グループは、偽のサイトを制作する“IT担当”、ターゲットとの“交渉役”、金を運ぶ“運転手”など細かく役割が分担されており、誰ひとり”指示役”のリーダーの顔を見たことがないという謎深き集団だった。
さっそく張りこみ先の倉庫まで出向いた2人は、出入り口がよく見える場所にガラス張りのカフェがあるのを発見。定年退職後、趣味で店をオープンしたというマスター・真鍋弘明(酒井敏也)に頼み込み、店員のふりをして24時間、張り込むことを決める。右京も亘も、エプロンに蝶ネクタイといういで立ちで店を切り盛りし、右京は常連客・大杉瑞枝(麻丘めぐみ)と紅茶談義を楽しむまでに…。
そんな中、2人はついに倉庫に1台の車が入っていくのを目撃! しかも、車に乗っていた詐欺グループのメンバーと思われる1組の男女が、右京たちの喫茶店にやって来たからビックリ。亘は店を出た後の彼らを尾行しようとするが、見失ってしまい…その直後、思いもよらぬ事態が起きるが…!?
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/)
今回も面白かったです!
まず、右京さんと冠城くんが喫茶店の店員になるというだけで、もう面白いです。いきなり二人の「いらっしゃいませ」から始まりましたので、つかみもバッチリでした。
店員コスプレも披露してくれますし、接客もおもいっきりしてましたし、いつもは見られない二人の姿を存分に楽しむことができます。二人ともエプロン姿がけっこう似合ってましたし。
もちろん二人は趣味で喫茶店で働いているわけではなく、詐欺のグループを逮捕するための張り込みですけど。
で、ここに関わってくるのが、麻丘めぐみさんの紅茶好きな常連客、瑞枝です。紅茶好きということは、自然と右京さんと意気投合もしちゃいますし、この二人のやりとりも見物です。窓際の席が特等席、というのもポイントだったりします。
あくまでも主軸は詐欺グループの逮捕ではありますが、麻丘めぐみさんの瑞枝が、最初から気になる存在として登場します。彼女がもしや事件に何か関わりがあるのでは?と見ている側としては、どうしても思わずにはいられず。
麻丘めぐみさんの、少し憂いのある様子も、余計に怪しいんです。
そもそも「誰も詐欺グループのリーダーの顔を見たことがない」という設定でしたので、思わぬ人がリーダーなのでは?と勘繰らずにはいられない作りにもなっています。
故に、必然的に他のお客さんだったり、マスターの酒井敏也さん演じる真鍋までもが疑わしく見えてきます。
だからこそ、惹き込まれてしまうんですけどね。
そんな中、なんと冠城くんが尾行に失敗(これも厳密には冠城くんのせいとも言い切れないですけど)したため、新たな事件まで起こってしまい、冠城くんが責められたりもしてて、ちょっとかわいそうでした。
事件がどんな方向に進んでいき、どんな結末を迎えるのか、二転三転と目まぐるしく状況は変わっていきます。
恒例のどんでん返しも待ち受けていました。
なんとな~く、リーダーはあの人では?というのは察しがついてはしまったんですけどね。でもそんな推測が裏切られるかもしれないのが相棒ですので、最後までやっぱり気は抜けませんでしたけれど。
右京さん冠城くんのコスプレに始まり、右京さんの紅茶談義、麻丘めぐみさんとのやりとりなどなど、細かい楽しみどころも盛りだくさんの内容でした。
巧妙な詐欺の手口も時間を割いて紹介されていましたので、じゃっかん警鐘も込められていたかもしれません。右京さんも冠城くんも、悪質で非道な詐欺に対して、かなり怒ってました。ほんと、ひどい話ですからね。
ラストシーンは、右京さんと冠城くんの優しさが沁みるものでもありました。そういう意味では、悪い終わり方ではなかったと思います。相棒ではお馴染みの、日比谷松本楼も登場しましたし。
2021年最後に、特命係の優しさに触れられたのは嬉しいです。
少し残念だったのは、青木年男が今回もお休みだったことですね。これで3話続けてお休みですので、ちょっと寂しいです。あの憎まれ口は、ないと物足りなくなっちゃってます。前話に続き、また代わりに土師太が出てくれてもよかったんですけどね。次回こそ、青木の登場を期待しています。
喫茶店を舞台に繰り広げられる騙し合いの物語、存分に楽しませて頂きました。
第10話『紅茶のおいしい喫茶店』、面白かったです!
ゲスト出演者
では続きまして、第10話『紅茶のおいしい喫茶店』に出演された、主なゲストさんを紹介したいと思います。
麻丘めぐみ(あさおかめぐみ)
特命係が張り込みのために潜入した喫茶店の常連客、大杉瑞枝役で麻丘めぐみ(あさおかめぐみ)さん。
いつも窓際の席に一人で座る常連客です。紅茶の知識が豊富なため、店員に扮した右京さんとも紅茶の話題で盛り上がり、意気投合しています。ふと寂しげな表情を見せることもあり、右京さんも気にしています。
麻丘めぐみさんは、別役で2度目の相棒出演です。1度目はS2第8話『命の値段』に、バーの主人として出演されています。『命の値段』が2003年12月の放送でしたので、そこから18年振りの再出演です。
酒井敏也(さかいとしや)
特命係が張り込みのために潜入した喫茶店のマスター、真鍋弘明役で酒井敏也(さかいとしや)さん。
定年退職後に、趣味で店をオープンした紅茶好きのマスターです。特命係からの、店を張り込みに使わせて欲しいという依頼に最初は戸惑っていたものの、右京さんの紅茶好きに共感してか、協力を承諾します。
酒井敏也さんは、別役で2度目の相棒出演です。1度目はS4第8話『監禁』で、不動産会社の社長役で出演されています。佐藤江梨子さんと一緒に亀山くんを監禁していた役ですね。『監禁』が2005年11月の放送ですので、約16年振りの再出演です。酒井さん、前はこんなにツルツルじゃなかった気がします。
以上、今回の主なゲストさんは、上記2名になります。
他には、詐欺グループの一人、鷲尾琢磨役で松田航輝(まつだこうき)さん。詐欺グループの一人、赤堀絵里役で水田萌木(みずたもえぎ)さんなどが、ちょいゲストさんで出演されています。
喫茶店で働く右京と冠城
このたびは、右京さんと冠城くんが、張り込みのために喫茶店に潜入します。
この張り込みは角田課長のお手伝いです。マッチングアプリと仮想通貨を組合わせ、巧妙な詐欺を行っているグループが、お金の保管場所として使っている疑いがあるという倉庫を見張るお仕事。
角田課長の組対五課と、詐欺などを扱う捜査二課が合同で追っているようです。
その詐欺グループは、50人ほどもメンバーがいるという大きな組織で、役割分担も細かく分担されているとのこと。しかし、誰ひとり指示役であるリーダーの顔を見たことがないという、謎も多い集団です。
で、その疑いのある倉庫の目の前にあったのが、紅茶の美味しい喫茶店なんですよ。そこはガラス張りのカフェでしたので、対象の倉庫もよく見えますので、張り込みにはうってつけの場所なんです。
紅茶好きの右京さんには、またとないシチュエーションですね。
特命係は喫茶店のマスターに協力を依頼し、店員に扮することになるわけです。
右京さん設定としては、右京さんが店長で、冠城くんがバイトみたいです。笑
二人とも白いシャツに蝶ネクタイでエプロン姿。なんだかとっても似合ってます。ちなみにこの蝶ネクタイは、こてまりさんが用意してくれたものになります。そのままだと刑事丸出しなので、つけた方がいいと。
張り込みでの潜入とはいえ、二人ともしっかり仕事もしています。
紅茶をいれたり、客席まで運んだり、レジを打ったり。
さらには右京さん、紅茶の知識も存分に発揮して、オリジナルのブレンド紅茶なんかも作っちゃったりしてましたし。自分で茶葉も買ってきてました。
もしかしたら紅茶専門の喫茶店というのは、刑事と同じくらい右京さんに向いてる仕事なのかもしれません。
喫茶店が紅茶推しなだけあって、お客さんの中にも紅茶に詳しい人がいたりもします。
いつも窓際の席に座る、麻丘めぐみさんの大杉瑞枝がその一人です。
紅茶好きな店員と紅茶好きな客が出会うわけですから、当然二人は意気投合もします。右京さんがいれた紅茶を、瑞枝はパーフェクトだと言ってました。
右京さんも紅茶の魅力を共有できる相手ができて、とっても嬉しそうでした。
右京さんは過去にも、紅茶という趣味ではS12第13話『右京さんの友達』での尾美としのりさんだったり、クラシックの趣味ではS2第7話『消えた死体』での若松武史さんだったり、好きなものを共有できる相手には出会っています。しかし皆さん、犯人として捕まってしまってるんですよね…。あとはS13元日SP『ストレイシープ』の石田ひかりさんももういませんし。ですのでもしかしたら今の右京さんには、そういう趣味を共有できるお友達が誰もいない可能性も、なきにしもあらず。
ですので大杉瑞枝が、紅茶を通じて右京さんといい友人になれたらいいのですが。
そんなこんなで、意外と喫茶店での潜入を楽しんでいるかのような特命係ですが、本業は張り込みです。昼は店員として、夜は刑事として、しっかり張り込みもこなしています。
実際、倉庫に出入りしていた男女が、お客さんとして喫茶店にやって来るという、またとない機会がありまして、退店後には冠城くんが尾行を試みます。
しかしです。
なんとタイミング悪くクレーム客に捕まってしまって、尾行できなくなっちゃうんです。「コーヒーに髪の毛入ってる」と絡まれて。
しかもこのとき見失った男性の方が、その後遺体で発見されるという事態が発生し、冠城くんは伊丹さん芹沢さんに、ネチネチと責められてます。笑
冠城くんが尾行できなかったことにより、詐欺グループ検挙への一つのチャンスは失ってしまいましたが、なんと特命係はさらに重要なヒントを、喫茶店にて既に見つけていたんです。
それは、詐欺グループリーダーの正体へと繋がる、大きな大きなヒントでした。
その他の見どころ
では最後に、第10話『紅茶のおいしい喫茶店』のさらに細かい見どころを、今回は一つだけ挙げてみたいと思います。
小手鞠さんの差し入れ
張り込みに向かう右京さんに、小手鞠さんが手作りのお弁当を差し入れです。
右京さんにさりげなく「お夜食にでもどうぞ」と渡してました。
どうやら冠城くんの分と二人前あるようでして、実に美味しそうです。
ちなみにこの中身ですが、「手まり寿司」や「手まり麩(てまりぶ)」と、小手鞠さんに掛けられたものになっていると、コメント欄にて教えて頂きました。(僕は恥ずかしながら気付きませんでした…)
こんな気の利いたお弁当を差し入れられる手鞠さんって素敵ですね。
こんな美味しそうなお弁当を作ってもらえる右京さんは、幸せ者です。
以上、今日は相棒season20第10話『紅茶のおいしい喫茶店』についてでした。