第15話『食わせもの』
あらすじと感想
本日は、シーズン20第15話についてです。
相棒season20第15話のタイトルは『食わせもの』。放送日は2022年2月9日です。相棒ではこれまでも、数々の「食わせもの」が出てきましたが、この度はどんな食わせものが出てくるのか。
ではまず、第15話『食わせもの』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。
特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、サイバーセキュリティ対策本部の青木年男(浅利陽介)から、ある動画を見せられる。マンションの敷地内で転落事故が起きたときの模様を住民が撮影し、動画投稿サイトにアップしたものだったが、撮影を制止しようとして映りこんだ管理人の顔を見て、右京たちは驚く。数年前、特命係や青木とだまし合いを演じた詐欺師・平井貞夫(風間杜夫)だったのだ。
すでに罪を償った平井は1カ月ほど前から管理人として働き出したらしく、すっかり更生しているように見えた。だが、彼を訪ねた右京は平井が規約を破ってこっそり防犯カメラを確認していたのを目撃、このマンションで何かよからぬことが起きていると直感する。
右京のにらんだとおり、実は平井はトラブルに巻き込まれていた。数時間前、平井は偶然、かつての詐欺師仲間・工藤丈治(玉置孝匡)と再会。なんと工藤は、宅配便の“置き配サービス”を利用して、このマンションの空き室あてに違法薬物を送らせ、不動産業者を装って荷物を回収するウラ稼業に精を出していたのだ。だが、届いているはずの荷物がこつ然と消失。平井は、焦った工藤から前科があることを住民にバラさないかわりに、荷物探しを手伝うよう脅されていたのだ。
工藤が荷物をくすねたとにらんだのが、空き部屋の隣室の住人・桜田美月(関谷奈津美)。平井は彼女が父・成一(樋浦勉)を献身的に介護する姿に感心していたが、工藤に強要されて仕方なく、下階で水漏れがあったと嘘をついて桜田家に侵入するが…!?
その頃、伊丹憲一(川原和久)ら捜査一課は、繁華街で起きた男性刺殺事件を追っていた。まもなく、被害者は薬物の“売人”だったとわかり…!?
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/)
今回も面白かったです!
かつて特命係の働きにより逮捕された詐欺師、風間杜夫さんの平井貞夫が再び登場するとは。
まずはこの意外な再登場が嬉しいですね。
平井貞夫が初登場したS15第4話『出来心』が、関東地方では1月に再放送されています。にもかかわらず、またしてもこの2月に再放送予定になっていましたので、もしかして風間杜夫さん再登場なのか?もしくはテレ朝のミスでは?と思っていたんです。結果的には前者でした。
もちろん、この度の物語の中心となるのは平井です。
しかし彼は犯人というわけではなく、事件におもいっきり巻き込まれるような形です。で、いつの間にかその中心になっちゃった、みたいな。
何本かの軸が同時に走り出すような展開でしたが、一番太い軸は平井が管理人として働いているマンションです。出入りする不審者、生活する住人など含め、その大きなマンション自体が中心になっています。
特にこのマンションで消えてしまった、麻薬の行方というのが要ですね。
そして同じマンションの敷地内にて、転落死体が発見されたことで、特命係も関わっていくこととなります。
さらには冒頭で出てきた、繁華街のゴミ置き場で発見された刺殺死体というのも絡んできます。
巻き込まれた平井に対して、特命係がアプローチしていきますので、前回同様また両者のなんとも言えない絶妙なやりとりを見ることができます。それだけでも面白い。
平井という男は、悪事を働いた前科者ではあるのもの、根っからの悪人ではなく憎めない男でもありまして、どこかコミカルでもあるんです。風間杜夫さんがそんな役を見事に演じてくださっていますので、より魅力的です。
平井という存在により、物語全体もコミカルなものに仕上がっていた感じがします。
ある意味で今回は、主役は特命係というより、平井の方だったかもしれません。恋バナというおまけも付いてましたし。
そして今回はまさに、色んな「食わせもの」のお話でした。右京さんと冠城くんも含め、食わせものだらけ、詐欺師だらけですね。
マンションの住民や麻薬の運び屋たちも、皆さん癖の強い方々ばかりで、インパクトありましたし。父の介護をする娘役の関谷奈津美さん、派手なおばちゃん役の大高洋子さん、どちらも凄かったです。
結末は恒例のどんでん返しがありつつも、いい話になってました。みんな、なんだかんだで優しいんですよね。家族の在り方のところは、前々話(第13話)『死者の結婚』に通じるような部分もありましたけれど。
平井さんにもぜひ、もう一回くらい再登場して欲しいです。
前回、美人局に騙されそうになった青木も、今回しっかりその過去を引きずっての登場でしたので、そちらもまた笑いを提供してくれていました。
平井の妄想の茶番だったり、冠城くんが右京さんの甥っ子設定で不動産屋に行ったり、細かい笑いどころも多かったです。
また、転落死体と刺殺死体の繋がり方が、ある意味思ってもいない形でして、そういうパターンもあるのか、という新鮮な驚きもありました。
集合住宅を舞台にした詐欺師だらけの物語、楽しませて頂きました。
第15話『食わせもの』、面白かったです!!
ゲスト出演者
続きまして、第15話『食わせもの』に出演された、主なゲストさんを紹介したいと思います。
風間杜夫(かざまもりお)
転落死体が発見されたマンションの管理人、平井貞夫役で風間杜夫(かざまもりお)さん。
かつては「青空らくだの会」という胡散臭いNPO法人の代表をしていた元詐欺師です。5年前に特命係により詐欺を暴かれ逮捕されましたが、最近出所し、一か月前からマンションの管理人という仕事に就いています。
風間杜夫さんは同じ役で二度目の相棒出演です。前回の出演はS15第4話『出来心』ですので、約5年振りの出演です。風間杜夫さん、前回も胡散臭い詐欺師でありつつ、根っからの悪人ではない、憎めない感じがとっても魅力的でしたが、今回も同じくいい人でした。
以上、今回の主なゲストさんは、風間杜夫さん1名になります。
他には、マンションに出入りする詐欺師、工藤丈治役で玉置孝匡(たまきたかまさ)さん。マンションの住人、桜田美月役で関谷奈津美(せきやなつみ)さん。奈津美の父、桜田成一役で樋浦勉(ひうらべん)さん。マンションの住人、村山佳枝役で大高洋子(おおたかようこ)さん。麻薬の運び屋、相川達彦役で垣雅之(かきまさゆき)さんなどが、ちょいゲストさんで出演されています。
玉置孝匡さんは別役で2話目の出演(過去にはS14-9)、樋浦勉さんは別役で4話目の出演(過去にはS6-19、S9-5、S18-11)の出演です。
詐欺師たちの騙し合い
S15第4話『出来心』は、詐欺師と特命係の闘いでした。
「青空らくだの会」という団体を隠れ蓑にして詐欺を行っていたのが、風間杜夫さん演じる平井貞男です。
彼は詐欺師であるにもかかわらず、うっかり「出来心」でひったくり犯を撃退するというヒーローになったことをきっかけに、特命係に目をつけられました。
平井貞男はかなり胡散臭い男でしたが、彼のパートナーである、内田慈さん演じる尾形留美子もなかなか強烈なキャラでした。
特命は青木年男をおとりに使ったりして、平井の詐欺師という正体を暴き出し、逮捕に至ります。
そんな平井が、このたび5年振りに再登場。
どうやら無事にお務めを終えたようでして、一か月前からマンションの管理人として働いています。
彼の働く築年数の古いマンションは、住民からの苦情も多かったり、管理人がコロコロ変わるなど、何かと問題も多いようですが、彼はすっかり心を入れ替え、管理人の仕事を全うしています。
そんな彼が働くマンションの住人は、濃い方々ばかり。
特に大高洋子さん演じる、派手な服装のおばちゃんが強烈でした。相棒ってこういう脇役が濃いことが多々ありますね。
どうやら平井さんは、笑顔の素敵な一人の住人に、好意を寄せている様子なんかも。
罪を償い、新たな人生を踏み出した平井さんを応援したいところではありますが、そんな彼の身に、二つの災難が降りかかります。
まず一つは、彼の働くマンションの敷地にて、転落死体が発見されるという事件、あるいは事故。
この発見時の映像が動画サイトにアップされ、青木年男がその中に平井の姿を見つけたため、またしても特命係の目を引いてしまったんです。
ちなみに青木は以前、平井逮捕のおとりに使われた際、美人局にまんまと騙されそうになっていて、そのことを根に持ってます。
そして平井にとってのもう一つの災難は、マンションに出入りする麻薬の運び屋の一人が、平井と面識のある詐欺師だったこと。
運び屋たちは、マンションの空き部屋を悪事に利用していました。で、偶然そのうちの一人が、面識のある平井と対面してしまったんです。
彼らはこのマンションで消えた麻薬を探していましたので、管理人である平井を強引に麻薬探しに協力させます。手伝わなければ前科のことを住民にバラすぞ、と脅されて。
平井さん、ホントにツイてないんですよ。
平井さん自身は犯罪になんて加担したくないのに、そうせざるを得なくなるわけです。
そんなとき、右京さんと冠城くんが突然目の前に現れますので、もうびっくり。5年振りの再会です。平井さん「うわー!」って言ってました。
平井は5年前、特命係に目を付けられ逮捕されることとなりましたが、二人のことを恨んではいません。前回の取り調べ時の、右京さんの温かいお説教も身に沁みていることと思います。ちゃんと罪を償い出所した今は、しっかり改心しています。
ですので麻薬探しに協力していることなど、特命係にバレるわけにはいきません。
特命係は転落死についての捜査で訪れているわけですが、マンションに出入りする怪しい人物たちの存在にはいずれ辿り着くはず。そうなると平井の密売人への協力も明らかになりかねないので、平井としてはなんとか特命をマンションから遠ざけたい。
つまりここで、特命vs平井の攻防が始まるわけです。
しかし平井は元詐欺師といえど、右京さんと冠城くんには敵いません。
平井自身、もう悪事には手を染めたくないと考えているようですし、さらには好意を寄せている女性にも危害が及ぶ可能性があったため、最良の手段を講じます。
それは、特命係と手を組むことでした。
かつては出来心でうっかり「ヒーロー」となってしまった平井が、今度は自らの意思で「ヒーロー」になることで、事件を解決へと導くんです。
転落死体の一件で、彼が特命係に再び目を付けられてしまったことは、彼にとって災難ではなく幸運でした。
そして消えた麻薬の行方が明らかになったとき、一番の「食わせもの」も明らかになります。
それは思ってもいない人物でした。
その他の見どころ
それでは続いて、第15話『食わせもの』のさらに細かい見どころを、二つ挙げてみたいと思います。
特命係が清掃員に
右京さんと冠城くんの、新たなコスプレが披露されました。
公園の清掃員です。
今回は二人お揃いの格好でして、帽子も被ってます。唯一違うのがマフラーですね。背中には「クリーンアップ隊 清掃活動中」って書かれてました。
スーツの似合うお二人ですので、こういう格好をするだけでも面白い。
S20は特命係のコスプレがかなり多いシーズンになっているかと思います。初っ端から忍者コスプレでしたし、喫茶店の店員に扮したり、埋蔵金ハンターに扮したり。
次はどんなコスプレを披露してくれるのか、楽しみにしています。
青木がQTTA
右京さんと冠城くんがマンションの捜査に出掛けている間、青木年男が一人、特命の部屋で昼食してました。
右京さんの椅子に座り、机に足を投げ出し、カップラーメンです。
QTTA食べてました。スポンサーがマルちゃんでしたので、QTTAなんだと思います。
青木は右京さんと冠城くんがいなくても、特命の部屋に昼飯食いに行ってるんですね。
以上、今日は相棒season20第15話『食わせもの』についてでした。