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相棒21第9話『丑三つのキョウコ』都市伝説vs特命係。

第9話『丑三つのキョウコ』

あらすじと感想

相棒season21第9話のタイトルは『丑三つのキョウコ』。放送日は2022年12月14日です。「丑三つ」といえば真夜中の午前2時~3時くらいを指し、「丑三つ時」とも言います。鬼門が開き、死者や魔物が現われるとされ、闇が深く不吉な時間帯と考えられています。ゆえにこのタイトルからは、真夜中に現れる不吉な女「キョウコさん」を思い浮かべずにはいられません。

では最初に、第9話『丑三つのキョウコ』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

白いコートの女“丑三つのキョウコ”に出会ったら最後、心臓をえぐり取られて殺される…。という噂がSNSで流布され、動画まで拡散していた。都市伝説に興味津々の右京(水谷豊)に対し、薫(寺脇康文)は否定的。そんな中、フリースクールの入口で、胸を刺された男性の遺体が発見される。殺害されたのは、同校の代表を務める男性。死亡推定時刻に、現場の近くを白い服の女が徘徊する姿が撮影されており、「現実にキョウコが出現!」とネットが沸騰する。いっぽう、撮影された“キョウコ”は偽物だと主張する人物も現れた。右京が話を聞くと、問題の男は、現場から離れた場所で、血だらけの女を目撃したという。同じ頃、現場付近で聞き込みをしていた薫は、殺害された代表が、問題を抱える子を強引に自宅から連れ出し、親から金を取ったら放り出すという、悪質な商売をしていたという情報を掴んでいた。右京は、その悪徳スクールの被害者の中に、“キョウコ”を思わせる黒髪女性がいることに気づく。自宅を訪ねると、青山加奈(江田友莉亜)というその女性は、両親を亡くした今も家から出ないままで、生活の世話は足立(廣川三憲)という高校時代の担任がしていると分かる。右京と薫は、話を聞こうと呼び掛けるが、加奈は姿さえ見せようとしなかった。
殺人犯は実在する“丑三つのキョウコ”!?
恐ろしい都市伝説の裏に隠された真実とは?
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!!

このたび特命係の相手となったのは、「丑三つのキョウコ」という都市伝説。

都市伝説で語られているキョウコという白いコートの女が実在し、人を殺したのではないかと。

なんともそそられる掴みです。視聴者はもちろんですけれど、幽霊やオカルトが大好きな右京さんの心をも、ばっちり掴んでしまう事件ですね。

とにかくオカルト要素のあるお話では、「活き活きする右京さん」を楽しめるというのも、一つの醍醐味。

しかしもちろん都市伝説は都市伝説、その裏には現実的な事件が潜んでいます。

都市伝説のキョウコという線と、現実に起きた殺人事件を追う線、この2本が並行して走り、交わりながら進んでいくような展開です。

事件現場の近くでは、「丑三つのキョウコ」と見られる白い服の女が撮影されていますが、一方で現場から離れた場所で、血まみれの「丑三つのキョウコ」も目撃されています。つまり、同時刻に2人の丑三つキョウコが存在しちゃってるんです。

そして特命係は、事件解決のため、この二人のキョウコさんの正体を突き止めるべく奔走します。

で、捜査の過程で、「青山加奈という引きこもりの女性と、その面倒を見る元担任」と、「丑三つキョウコの撮影者と社会心理学者」という二組の人間がクローズアップされますので、彼らが何かしら事件に関わっているであろうことは窺えます。しかし、誰がどうなってどうなるのかは、なかなか読めず。

読めそうで読めない、みたいな感じでしたね。

最後に特命係が明らかにした都市伝説の真相は、痛々しくもあり、切なくもありましたが、救いもある終わり方でした。

右京さんと亀山くんの優しさや温かさが伝わってきて、見ているこちらの気持ちまで温かくなりました。

都市伝説を中心に繰り広げられていく物語ではありましたが、引きこもりの問題、SNSでの承認欲求や己顕示欲の暴走など、そういったものにも少なからず焦点が当てられていたのではないかと思います。クズ野郎もたくさん出てきました。

終わってみれば、けっこう色んなものが詰め込まれていた回だったようにも感じます。

何気に「ウォーキング大好きマン」とか、かなり残っちゃってますし。

青山加奈を演じたゲストの江田友莉亜さんも、陰のある雰囲気がめっちゃ出てまして、素敵でした。なんと回想シーン以外では一言も喋らないという、珍しい出演でもありましたし(コメント欄にて教えて頂きました)。

今回は益子さん登場しましたけど、そういえば土師太をこの数回見てないですね。

伊丹さんと亀山くんの「おじさん」の応酬も面白かったですし、安定のこてまりシーンではしっかりと和みました。

都市伝説と現実がリンクする事件、楽しませて頂きました。

第9話『丑三つのキョウコ』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

それでは次に、第9話『丑三つのキョウコ』に出演された、主なゲストさんを紹介します。

江田友莉亜(えだゆりあ)

引きこもり生活をしている女性、青山加奈役で江田友莉亜(えだゆりあ)さん。

殺害された男が代表を務めていた、悪徳フリースクールの被害者の一人です。父親を5年前に、母親を半年ほど前に亡くし、現在は27歳ではありますが、家に引きこもる生活を続けています。母親の葬儀にも出席しなかったとのこと。

江田友莉亜さんは、元新体操の選手で、2010年には国体で優勝もしています。2011年の高校生のときに首の痛みにより新体操を引退し、同年に芸能活動を始めた女優さんです。今回の相棒では、回想シーン以外では一切台詞がないという、大変珍しいパターンでのご出演です。メインゲストさんがこれだけ喋らないというのも、初ではないかと。台詞の少なさについては、コメント欄にて教えて頂き、初めて気付きました。

 

廣川三憲(ひろかわみつのり)

元高校教師、足立達夫役で廣川三憲(ひろかわみつのり)さん。

青山加奈が高校時代に所属していた体操部の顧問(※公式サイトでは新体操部となっていますが、おそらく体操部の間違いかと考えられますので、こちらでは体操部にしました)で、彼女が家に引きこもるようになったのは、当時厳しく叱責し過ぎた自分のせいだと後悔している教師です。そのためか、現在は一人で家に閉じこもる彼女の面倒を見ています。

廣川三憲さんは、舞台を中心に活躍されている俳優さんのようです。多くのドラマにも出演されていまして、僕もなんとなく見た覚えのある俳優さんです。相棒には何度か出てそうな雰囲気の方ではありますが、今回が初出演になります。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記2名になります。

他には、社会心理学者の大村啓太郎役で、佐藤銀平(さとうぎんぺい)さん。丑三つのキョウコを撮影した松田綾人役で、寺山武志(てらやまたけし)さんなどが、上記に次ぐゲストさんで出演されています。

佐藤銀平さんは佐藤B作さんの息子さんで、今回が別役で2度目(過去にはS7-13)の出演です。寺山武志さんは、失礼ながら僕は途中からコロチキのナダルさんに見えてきちゃいました…。すみません。

 

丑三つのキョウコ

今回の物語は、「丑三つのキョウコ」という都市伝説から始まります。

丑三つのキョウコという白いコートの女に出会ったら、心臓をえぐり取られて殺されるという、恐ろしい都市伝説です。

キョウコには心臓がないので、奪おうとするみたいですね。

もし出会ってしまったら、ハート型のキーホルダー(心臓の代わりに)をキョウコに投げつけると、助かるんだと。

美和子さんもハート型のキーホルダー持ってました。

なんと角田課長も。

「丑三つ」は不吉な時間帯を表すことからきていると思われますが、「キョウコ」という名前は、何が元になっているのかは不明。都市伝説というのは、出どころや広がり方がわかっていないからこそ、都市伝説なんだとは思いますけれど、余計に出どころが気になりはします。

内容としては、ひと昔前の「口裂け女」みたいなもんですね。

しかし口裂け女と違うのは、丑三つのキョウコはなんと動画にも撮られ、SNSで拡散してるんです。

白い服に黒髪という、日本の幽霊の特徴にも近いですし、歩き方も怖いです。

こちらは、こてまりにてみんなでその動画を見ている場面。

右京さんは幽霊とか都市伝説とか超常現象が大好きですので、丑三つのキョウコにも興味津々。目がキラキラしちゃってますもの。

これまでの相棒でも、幽霊や超常現象に興奮する右京さんというのは、何度も目にしています。活き活きしちゃうんですよね。

右京さん、亀山くんに「この手の話 好きなんですか?」と聞かれ、「ちょっと好きですね」と答えてたんですけど、たぶんちょっとじゃないですね。社会心理学者とマニアックな都市伝説の話で盛り上がってたりもしましたし。

で、ここからが本番。

なんと丑三つのキョウコの犯行が疑われる殺人事件が発生しちゃいます。

胸を刺された男性の遺体が発見され、その死亡推定時刻には、白い服の女が現場の近くを徘徊する姿が撮影されてるんです。

被害者は心臓を刺されていますので、都市伝説の内容とも重なる部分もありますし、これはホントに「丑三つのキョウコ」の犯行ではないかと。

しかし、現場近くで撮影されたキョウコは偽物だと主張する男も現れます。彼は殺人事件のあった夜、現場から離れた場所で血だらけの女を目撃していて、その女こそが本物のキョウコではないかと。

つまり、事件のあった夜、同じ丑三つ時に、二人のキョウコが存在していたんです。

白いコートに長い黒髪で、同じような容姿の二人のキョウコ。

しかしそれぞれが現われた理由は、正反対ともいえるほど、全く違うものでした。

 

引きこもりの女

特命係は、二人のキョウコの正体を追うとともに、殺害された被害者の線からも事件を追います。

被害者はフリースクールの代表をしていた男性で、殺害現場もそのフルースクールの入口。

フリースクールといえば、何かしらの理由で学校に行けなくなってしまった子供たちが、学校の代わりに過ごす施設。不登校の子供たちにとっては、救いの場所でもあります。

しかし今回殺害された男性が代表を務めていたフリースクールは、問題を抱えている子供を強引に自宅から連れ出し、親から高額な金を取ったら放り出すという、悪質な商売をしていたことがわかります。

連れ出された子供は、名ばかりの寮という何もない部屋に、ほぼ監禁のような形で閉じ込められています。

行き場をなくしている子供たちを、さらにひどい目に遭わせるという、なんとも非道なフリースクール。

そのような背景があるということは、犯行が都市伝説の「丑三つのキョウコ」による無差別なものではなく、怨恨の線での事件という可能性が濃厚になってくるわけです。

「丑三つのキョウコ」を装った怨恨という可能性ですね。

そして右京さんと亀山くんは、悪徳フリースクールの被害者の中に、「丑三つのキョウコ」の容姿によく似た女性を見つけます。

それが江田友莉亜さん演じる青山加奈、27歳。

両親を亡くし、自宅に引きこもっている女性です。

確かに雰囲気が丑三つのキョウコによく似ていますね。

両親を亡くした27歳の女性が、引きこもったままどうやって生きているのかといいますと、足立という元高校教師が、生活の面倒を見てあげてるんです。

ちなみにこの足立さんが持っている「奥羽りんご」の段ボールは、S16第19話『少年A』で、加藤清史郎くんが持っていた段ボールと同じです。僕は気付かなかったのですが、コメント欄にて教えて頂きました。

青山加奈は高校時代に体操部に所属していて、そのときの顧問がこの足立先生。しかし当時はかなり厳しく指導をしていて、それが原因で加奈が引きこもるようになったと自責の念を抱き、それゆえに面倒を見てあげているとのこと。贖罪ですね。

特命係は、丑三つキョウコによく似た青山加奈に話を聴こうとしますが、彼女は姿すら見せてくれません。

これまでの相棒でも、引きこもりが事件解決の鍵になっている事件は、S10第15話『アンテナ』、S20第5話『光射す』でありました。どちらもなかなか引きこもりには話が聴けませんが、今回も同様のパターンです。こもってるのが女性というのは初ですけれど。

彼女が、フリースクールの代表に恨みを抱いていて、深夜に「丑三つのキョウコ」に扮し、犯行を犯したとも考えられます。

しかし、長年家に一人で引きこもり、他人と接することを拒み続けている女性が、そこまでのことをするのかどうか。

特命係が事件の真相に辿り着いたとき、「丑三つのキョウコ」という都市伝説の真相も、全てが明らかになります。

そこには、大事な人を守ろうとする、悲しくも健気なキョウコの物語がありました。

 

その他の見どころ

では最後に、第9話『丑三つのキョウコ』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。

小手鞠のスマホに手毬★

このたび、小手鞠さんのスマホが登場しまして、そこには小さな手毬と思われるストラップがついてました。そこまではっきりとは確認できなかったのですが、おそらく薄い黄色の小手鞠ではないかと。

以前、S19第9話『匿名』のときに、小手鞠さんのスマホカバーが、小手鞠のデザインになっていたのは発見済みだったんですけどね。こちら、そのときの画像です。

どうやら今回登場したものは、以前とはカバーが違うようですので、手帳型に変更したものと思われます。

で、おそらく小手鞠のついたストラップを付けたんですね。

こういう細かい遊び心、好きです。

僕は鈍いので、気付かないこと多いんですけどね。今回は気付けて嬉しい。もし違ったら恥ずかしいですけど。

 

右京がトレンド入り

右京さんの一般人への聴取が隠し撮りされ、SNSにアップされました。

そしてなんと、「一つよろしいですか?」がトレンド入りまでしちゃいます。

「一つよろしいですか?」がループする編集までされ、完全に遊ばれちゃってました。

「#一つよろしいですか?」タグまでできて、拡散。

このトレンド入りを見つけた小手鞠さん、めっちゃ笑ってました。

右京さんって、何気にこれまでもネット上にけっこう出てるんですよね。S17第11話『密着特命係24時』のオールバック刑事とか、S20第12話『お宝探し』での埋蔵金ハンターとか。

あと、コメントにて頂き気付いたのですが、ネット上ではありませんが、ついこの前(S21第2話『ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀』)も「妄想モンスター杉下右京」で、名前まで出て記事にもなっちゃってますね。

現役の刑事がこんなにあれこれ出ちゃっていいものかと心配にはなりますが、右京さん本人は、そんなことは特に気にもしていない様子ですし、一切動じてもいないようですので、さすがです。

 

以上、本日は相棒season21第9話『丑三つのキョウコ』についてでした。

 

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