相棒が好き過ぎて

ドラマ相棒が好き過ぎるが故の戯言と悪ふざけ

相棒23第10話『雨やどり』傘職人と消えた赤い傘の女。

第10話『雨やどり』

あらすじと感想

相棒season23第10話のタイトルは『雨やどり』。放送日は2025年1月8日で、通常放送としては2025年一発目の相棒となります。

ではまず初めに、第10話『雨やどり』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

美術館を訪れた右京(水谷豊)が、突然の荒天で雨やどりをしていると、隣に誰かと待ち合わせをしている様子の青年が。右京は、青年の特徴的な傘が印象に残る。翌日、スナックのママが撲殺される事件が発生。現場には、殺害時に青年の傘がそこに置かれ、持ち去られた痕跡があった。それに気づいた右京は、薫(寺脇康文)と共に青年の行方を捜索。すると、青年は長年続く洋傘店の一人息子で、福丸健吾(碓井将大)という人物であることが判明。しかし、健吾は半年前、職人気質の父とぶつかり、今は家を出ているらしい。その後、福丸を捜し当てた右京は、偶然を装って接触。事情を聞くと、福丸は片想いしていた女性と雨やどりをきっかけに交流を持ち、逢瀬を重ねていた。ところが、塔子(青島心)というその女性は半年前に突然、姿を消してしまったらしい。右京は、現場から消えた傘は、福丸が塔子にプレゼントしたものではないかと推理し、塔子と被害者に何らかの接点がないか調べ始めるが…!?
不思議な縁から始まった数奇な事件
背後に見え隠れするのは親子の情
涙雨の先にあるのは、幸福か悲劇か
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

「雨やどり」というやタイトルからして、なんだか情緒のある物語を想像してしまうのですが、まさに雨が似合う素敵なお話でした。

雨宿りなだけに、傘というものが、随所で大きな役割を担っています。

中心となる登場人物は、福丸健吾という洋傘職人の青年。冒頭にて、雨宿りをしていた右京さんと、偶然居合わせた青年です。

そしてその翌日、ある殺人事件の現場から、福丸の持っていた傘の痕跡が見つかったため、何かしらの事件への関与が疑われます。

犯人が福丸ではないことは最初から明示されますので、すぐに中心はもう一人の人物、「福丸が想いを寄せていた女性」へと移っていきます。桐山塔子というその女性が、殺人現場にいたのではないかと。さらに彼女は半年前に福丸の前から突然姿を消していたので、ミステリアスな存在にもなっています。

塔子が「姿を消した理由」が、この度の事件を解決へと導く肝ですね。

右京さんと福丸の出会いも雨宿りでしたけど、福丸と塔子の出会いもまた、雨宿りだったそうです。雨やどりから始まる恋なんて、まるでドラマのようです。ラブストーリーは突然に。

そしてそんな「ドラマのような恋出会い」というのも、これまた最後の最後へと繋がる、ちょっとしたポイントになってます。

全体の構成としては、けっこう複雑だったのはないかと思います。序盤はわかりやすかったんですけどね、中盤あたりから少しずつ複雑になっていきました。ゆえに、犯人や結末はもちろん、どんな展開になっていくのかも全くと言っていいほど読めませんでした。

事件も人間関係が交錯していましたし、恋の方も交錯していましたし、さらにはその事件と恋が交錯しちゃっているという、色んなものが絡み合ってましたからね。

福丸が家を出たのも半年前、塔子が消えたのも半年前でしたので、その「半年前」に何かあるであろうことは窺えるものの、そちらも全くわからずで。

転倒事故の話題が出てから、急展開していきました。

序盤からはっきりしていたのは、被害者のスナックのママのクズ具合ですかね。全てそこに帰結していた気もします。彼女の暴力性も凄くて、ちょっと笑ってしまいましたし。

親子の問題というものにも、じゃっかんですがスポットは当てられていました。

なかなか複雑な事件ではありましたが、最後に素敵なオチが待っていまして、やられちゃいました。なんていいお話なんだ、と。

右京さんと亀山くんの締め方もよかったですし、雨のしっとりの後には、雨上がりに輝く太陽のような、そんな終わり方になっていました。若い二人の素敵なラブストーリーでした。

最後は特命係がまた縁を繋いだんじゃないかと。

福丸と塔子が雨宿りで出会ってさえいなければ、この事件は起きなかったのかもしれません。しかし出会ったからこそ、二人とも新しい人生を歩み始めることができました。

また、同じく福丸が右京さんと出会っていなかったら、事件の解決には至らず、こんな結末にもなっていなかったはずです。

雨やどりのご縁が繋いでいった物語でした。

福丸と塔子を演じた、碓井将大さんと青島心さん、このお二人のゲストさんもよかったです。どちらも特撮で活躍されていた方でして、特撮ファンの間でも盛り上がっていたみたいです。最後の傘の色も、特撮の役柄の緑(グリーン)に掛けているんじゃないかとか。

休日に美術館を訪れるという、右京さんのプライベートも垣間見ることもできましたし、雨やどりをする右京さんってのも新鮮でした。

右京さんの妄想力にも笑いました。「女心は不得手なもので」なんて発言もありましたし。

福丸の自宅まで追いかけ玄関に入るという、一歩間違えたらヤバい右京さんも見れましたし。知らないおじさんにいきなり玄関までついて来られたら怖いですからね。

伊丹さんからは「ぬる亀」という新しいの出ました。

久しぶりのBGMが流れたり、何度も映るスカイツリーだったり、そういったちょっとした楽しみも。

S8『怪しい隣人』の三人組の一人を演じていた松本実さんが、別役で出演されていたのも、同じくちょっとした楽しみどころです。最初、あれ?この人見たことあるけど誰だっけ?と一瞬わからなかったんですけどね。すぐに思い出しました。

傘と傘職人が中心の物語でもありましたので、最後には右京さん、傘作ってもらうんじゃないかな~と思っていたんですけど、それはなかったですね。

あと、僕も傘を大事にしなきゃ、なんて思ったりもしちゃいました。

雨から始まった不思議なご縁の物語、楽しませて頂きました。

第10話『雨やどり』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

それでは続いて、第10話『雨やどり』に出演された主なゲストさんを紹介します。

碓井将大(うすいまさひろ)

洋傘職人の青年、福丸健吾役で碓井将大(うすいまさひろ)さん。

雨やどりをしていた右京さんと、同じ場所に居合わせた青年です。老舗の洋傘店の一人息子ですが、職人気質の父とはぶつかり、現在は家を出ています。ある殺人現場に、彼が持っていたのと同じ傘の痕跡があったことから、事件への関与が疑われます。

碓井将大さんは別役で2度目の相棒出演。一度目はS17第10話(元日SP)『ディーバ』で、大手保険会社社員の弟役で出演されています。2007年にデビューした俳優さんで、翌年には『炎神戦隊ゴーオンジャー』にゴーオングリーン役で出演し、その後ドラマや映画で活躍されています。

 

青島心(あおしまこころ)

福丸が想いを寄せている女性、桐山塔子役で青島心(あおしまこころ)さん。

福丸が公園でスケッチ中に雨に降られ、美術館の入口で雨やどりをしていたところ、偶然居合わせた女性です。そこから二人は逢瀬を重ねるようになりましたが、半年前に突然姿を消し、以来どこにいるのかもわかっていません。福丸はそんな彼女を探し続けています。

青島心さんは相棒初出演。モデルもされている女優さんです。2015年にモデル活動を開始し、ドラマデビューは2017年です。その後『仮面ライダーギーツ』にツムリ役で出演されています。今回の相棒では、突然姿を消してしまった、ミステリアスな女性の役。美人さんです。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記2名になります。

他には、居酒屋の店主、岡昌宏役で松本実(まつもとみのる)さんなどが出演されています。

松本実さんは別役で3度目(過去にはS8-17、S10-14)のご出演です。

 

洋傘職人の青年

物語は、右京さんの雨宿りから始まります。

右京さん、休日に一人で美術館を訪れたようでして、鑑賞を終え外に出たところ、突然の大雨に。

右京さんとしたことが、うっかり天気予報を見逃してしまったようで、傘を持たずに出てきてしまったとのこと。

土砂降りでしたので、美術館の入口でしばし雨やどりをすることに。

右京さんの休日はいつもとっても有意義な感じがします。たまには家でゴロゴロとかしないのかな、とか気になりますけれど。そんな右京さんもいつか見てみたいですし。

また、美術館には小手鞠さん誘わなかったのかな~とも。

それはさておき、一人で右京さんが雨やどりをしていますと、同じく美術館の入口には、誰かを待っていると思われる青年の姿がありました。

そして右京さんが「止みませんね」と話し掛け、二人は言葉を交わすことに。雨やどりが導いたちょっとした偶然の出会いです。

右京さん、青年の持っていた傘にも目を留め、「いい傘ですね」とも。

傘の手元には、特徴的な形のチャームも付いています。

青年は、傘を持っているということは、雨宿りではなく誰かを待っていることになります。そしてどうやらその相手は、「赤い傘の女性」のようですが、右京さんもそれ以上深くは聞かぬまま、美術館を後にしています。親切な美術館の職員さんが傘を貸してくれたそうで、無事に帰路に就くことができたとのこと。

きっとこういう出会いって、大概はもうお互い二度と会うこともないものですよね。

しかしです。

右京さんはすぐに、再びこの青年と出会うことになります。

この翌日、スナックのママが何者かに撲殺され遺体で発見されます。現場には血だまりの中に、「何か」が置かれていた跡がくっきりと残っていたのですが、誰にもそれが何なのかわからず。

そんな中、現場写真を目にした右京さんは、前日に見た傘に付いていたチャームの痕跡なのでは?と気付いてしまうんです。

そこから、雨やどりで出会った青年が誰なのかを突き止めるという捜査を開始し、あっという間にその素性を突き止めてしまいます。

青年は、「フクマル洋傘店」という老舗の洋傘店の一人息子で、福丸健吾という人物でした。

彼自身も傘職人ではありますが、店を継いでいるわけではなく、職人気質の父親とぶつかることが多かったようで、半年前に家を出ています。家を出ているというか、どうやら父親に勘当されたみたいです。現在は近くで一人暮らしをしていて、コンビニでバイトをしていると。

そんな彼の傘が、なぜ殺人事件の現場にあったのか。

捜査を進めて行きますと、福丸と同じチャームの付いた傘を、もう一人持っている人物がいることがわかります。

それこそが、福丸が美術館で待っていた「赤い傘の女性」でした。

 

消えた赤い傘の女性

右京さんと福丸が出会った美術館のエントランス。

そこで福丸が待っていた「赤い傘の女性」は、彼が想いを寄せている桐山塔子という人物でした。

福丸と塔子が出会ったのも、同じ美術館のエントランスです。福丸は公園でスケッチをしていたとき、急な雨に降られ、雨宿りに逃げ込んだ先で塔子と出会います。同じく彼女も雨宿りです。

素敵な偶然の出会いです。

ドラマやアニメでしか見たことないやつです。実際こんなふうに出会って、恋が生まれるってことあるんでしょうかね。

と、野暮なことを考えてしまいますが、福丸と塔子はこの出会いから、順調に愛を育んでいきます。

幸せそうな二人です。

しかし、別れは突然やってくるもの。

半年前、塔子が突然何も言わずに姿を消してしまうことに。

福丸はそれから彼女を探し続けています。

右京さんと出会った日も、彼は塔子が現れるのを待っていたんです。塔子は雨の日の美術館が好きだったとのことなので、そこで待っていればもう一度会えるのではないかと、そんな想いで。

そして、同じく特命係も彼女の行方を捜します。

福丸の証言により、殺害現場にあった傘が、塔子の傘であることが明らかになったからです。傘は福丸が彼女にプレゼントしたものでした。

お揃いのチャームで、福丸は青、塔子は赤い傘です。チャームもそれぞれ傘の色と同じ青と赤。

塔子が殺害現場にいたのだとしたら、事件と無関係ではありません。しかも彼女の行方はわからないまま。

そして塔子の素性を突き止めた特命係は、じょじょに事件の真相へと近づいて行きます。

まさに、塔子が福丸の前から姿を消した理由、それこそが事件の全容解明へと繋がる大きな鍵となっていました。

塔子は福丸には言えない、秘密を抱えていたんです・

福丸と塔子が雨やどりで出会わなければ、今回の事件は起きていなかったはずです。

しかもその偶然の出会いにもまた、もう一つ秘密がありました。

福丸と塔子は、お互いを探していたんです。

 

その他の見どころ

では最後に、第10話『雨やどり』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。

右京と亀山と雨

右京さんは美術館にて急な雨にやられはしましたが、職員の方に傘を借りたため、雨に濡れずにこてまりまで辿り着きました。

一方、同じ雨に亀山くんもやられたようでして、こちらはびしょびしょになってこてまりに到着。

小手鞠さんはタオルも用意してくれてます。

この対比は、実に右京さんと亀山くんぽいです。

でも個人的には、雨にやられてビショビショになって、タオルを借りてる右京さんってのも見てみたかった。

 

怖いおじさん

右京さんが、じゃっかんヤバいおじさんになってました。

たまたま雨宿りで出会っただけの相手を追いかけ、家の玄関先まで押し掛けるという、なかなか強引な場面。

もちろん右京さんは捜査のためではありますが、このときはまだ警察だとは名乗っていません。相手にとっては「ただ雨やどりで偶然出会ったおじさん」に過ぎませんからね。

そのおじさんが、別れた後も玄関先まで追いかけて来るというのは、なかなかの恐怖なのではないかと。

しかし右京さんのその強引な行動が、事件を解決へと導くわけですからね。これもまた右京さんの魅力です。

 

凶暴な被害者

このたび何者かに殺害されたスナックのママ、佐伯美鈴は、だいぶ問題のあるママだったようです。

人当たりのいい外の顔とは別に、裏の顔を持っていました。しかもすぐに手が出るタイプのようで、随所で暴力性を発揮しています。

もちろんどんな人間でも殺されていいわけではありませんけれど、どうしても自業自得感を抱いてしまうほどの、最低なママです。

演じていたのは冨田直美(とみたなおみ)さん。狂暴でインパクトのあるママに仕上げてくださっています。

 

松本実さん

ゲストの項でも紹介させて頂きましたので、少し重なる部分もありますが、居酒屋の店主役で出演されていた松本実(まつもとみのる)さん、彼は過去に二度相棒に出演されています。その二度は同じ役でして、S8第17話『怪しい隣人』とS10第14話『悪友』で登場した三人組の一人、山崎正一です。

この一番左が松本さんです。

ちなみに真ん中は脇知弘(わきともひろ)さん、右は石田パトリシア(いしだパトリシア)さん。

僕は今シーズンあたり、『怪しい隣人』と『悪友』の三人組、そろそろ再登場してくれないかな~なんて思っていました。ですが今回、松本実さんが別役で出演されていたので、三人組の再登場はまだしばらくないかもしれません。

別役でも、また相棒で松本さんを見れたことは嬉しいですけれど。

 

以上、今日は相棒season23第10話『雨やどり』についてでした。

 

こちらの相棒記事もおすすめ