第16話『花は咲く場所を選ばない』
あらすじと感想
相棒season23第16話のタイトルは『花は咲く場所を選ばない』。放送日は2025年2月19日です。
ではまず、第16話『花は咲く場所を選ばない』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。
2か月前、小手鞠(森口瑤子)に誘われて一面の菜の花畑を訪れた右京(水谷豊)は、そこで虻川希美(松井愛莉)という女性と出会う。希美は、日本画の巨匠・虻川徹の娘で、自身もすでに高い評価を受けている美大生。小手鞠は、芸者時代に徹夫妻と交流を持ち、希美とも顔見知りだという。その菜の花畑は1年前、徹が心臓の病気で急死した場所でもあった。2か月後、画商の男性が刺殺される事件が発生。現場の状況などから、希美が容疑者として浮上する。警察は、画商が徹の死にかかわっていて、それを知った希美が殺意を抱いたのではないかと疑っていた。捜査に乗り出した右京と薫(寺脇康文)は、行方が分からなくなっている希美を捜すため、被害者の画商が最近、推していた倉田ひかり(山谷花純)という画家から事情を聞く。ひかりは、希美と同い年の美大生だが、境遇の違いから接点はなかったと語る。そんな中、徹の遺産をめぐって、驚くべき事実が明らかになる。
日本画の巨匠の死は病死か、他殺か?
容疑者の美大生はなぜ姿を消したのか!?
特命係が菜の花に隠された殺意に迫る!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/)
今回も面白かったです!
絵画や画家が中心となる物語はこれでまでもけっこうありましたが、今回は二人の美大生が中心のお話。
軸となるのは、画商の男が刺殺されるという事件。その犯人を突き止めるのがこの度の特命係のミッション。
で、ここにけっこう細かい謎があれこれと提示され加わってきます。1年前の画家の死の真相、消えた絵画、消えた美大生などなど。されらが最終的には画商を殺した犯人にも繋がっていくわけです。
冒頭でいきなり「黒い菜の花」が出てきまして、それが結果的には全てを紐解く大きな鍵にはなっているのですが、もちろん最初にその意味まではわかるはずもなく。
重要人物として登場する二人の美大生は、一人が一年前に亡くなった巨匠の娘、松井愛莉さん演じる虻川希美。もう一人は殺害された画商が最近推していた、山谷花純さん演じる倉田ひかり。
虻川希美の方は、事件現場に痕跡も残り、容疑者として浮上していますので、犯人ではなかったとしても、何かしら事件には関わっていることは窺えます。一方、もう一人の倉田ひかりも、おもいっきりスポットが当てられたキャラでしたので、無関係ってことはないだろう、と。当たり前のこと書いてるかもですけど。
で、希美は犯人ではない、くらいは推察できたのですが、じゃあひかりが犯人?ってのもシンプル過ぎますし、そもそもこの二人が事件とどう関わっているのか、全く読めなかったです。この二人の物語だとはわかっていても、どんな物語なのかがわからないという。
ようやく右京さんにより生年月日の話が出たところで、ぼんや~りとは見えてきたんですけどね。
とはいえ、あくまでぼんやりでしたし、犯人の方は動機も含めて最後まで僕はわからなかったです。
ですので全ての点と点が繋がった瞬間は、ぼんやりしたものが全部はっきりと見えたような、そんなスッキリ感はありました。
点の数自体も多かったので、その分回収されたときの繋がり方が、気持ちいいんですよね。
最初の黒い菜の花の意味もわかりましたし。
一方、しっかり出てきていた数々の伏線に、ほぼ気付けていない自分の鈍さを、改めて実感もしてしまいました。
あと、犯人にはびっくりしましたね。全然予想もしていなかった人だったので。怪しいかな、と思う人はいたんですけどね、僕の思ってた人物とは違いました。
二人の美大生を演じた松井愛莉さんと山谷花純さん、どちらも素敵なメインゲストさんでした。
そしてこのお二人のゲストさん、なんとどちらも生年月日が1996年12月26日でして、同じ年の同じ日に生まれているんですよ。撮影中にそのことが発覚したとのことですが…これは意図された人選なのではないかと思ってしまいました。相棒の憎い演出ではないかと。逆に、むしろこの二人ありきでの脚本だったのでは?なんて勘繰ってしまったりも。それくらいよくできた偶然なんです。
さらには出生時刻の差も1分で、血液型もO型で一緒、出身も二人とも東北とのことです。不思議な共通点が満載です。
と、そんなことにも感嘆しつつ、終わってみれば、とってもいいお話でした。
お母さんも素敵で、再会の場面はちょっとグッときちゃいました。これは親子の物語でもあったんだな~と。
「花は咲く場所を選ばない」というタイトルも、またよりいいものとして後から沁みてきます。「花が素敵なら、咲く場所など些細な問題なのでしょうね」という、右京さんの台詞にも言い換えられています。
ラストのこてまりは、珍しく美和子さん不在で、右京さんと亀山くんだけでした。小手鞠さんのお店を始めた頃の話もちょこっと出てきましたし、右京さんに対して含みのある言葉が出てきたりと、終始和やかでした。女心がわからない右京さんも楽しめます。洞察力にあれだけ長けている右京さんが、女心だけはわからないという。
右京さんと小手鞠さんの菜の花畑デートが見られたのも嬉しいです。
あと、光にやられ眩しがる右京さんには、クスっと笑ってしまいました。
トリオ・ザ・捜一は前回に続きそこまで出番は多くありませんでしたが、出雲麗音は特命の部屋での珍しい場面も。
また、菜の花の絵を始め、色んな絵画が楽しめる回でもあります。
絵画に詳しい右京さんも相変わらずで。
絵に限ったことではありませんが、芸術作品の評価だったり、付加価値というものについて、取り上げられていた回でもありました。
「誰が描いた絵なのか」ではなく、「絵そのものの美しさ」が大切であるという、そんな当たり前のことに、改めて気付かされたりもしました。
二人の美大生には、ぜひこれからも素敵な絵を描き続けて欲しいです。
菜の花と美大生の物語、楽しませて頂きました。
第16話『花は咲く場所を選ばない』、面白かったです!
ゲスト出演者
それでは次に、第16話『花は咲く場所を選ばない』に出演された主なゲストさんを紹介します。
松井愛莉(まついあいり)
美大生の虻川希美役で、松井愛莉(まついあいり)さん。
一年前に亡くなった日本画の巨匠、虻川徹の娘です。小手鞠さんは徹夫妻と芸者時代に親交があったため、娘の希美とも顔見知りでした。現役の美大生ですが、既に画家としても高い評価を受けていて、画壇では将来を嘱望されています。しかし画商が殺害された事件で容疑者として浮上し、行方もわからなくなっています。
松井愛莉さんは相棒初出演。さくら学院というアイドルグループの元メンバーで、ファッションモデルとしても活躍されている女優さんです。ゼクシィの6代目CMガールでもあります。この度の相棒では、有名画家を父に持ち、将来を嘱望された美大生役。
山谷花純(やまやかすみ)
美大生の倉田ひかり役で、山谷花純(やまやかすみ)さん。
殺害された画商が最近推していた画家で、希美と同い年の美大生です。彼女の絵も高い評価を受けていて、希美と同じく将来を嘱望されています。虻川徹の娘である希美とは「住む世界が違う」ため、接点はなかったと語っています。
山谷花純さんも相棒初出演。12歳で子役デビューしている女優さんです。近年では『鎌倉殿の13人』、『らんまん』、『海のはじまり』などの話題作に出演し、特撮の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』ではモモニンジャー役として注目を集めました。
以上、今回の主なゲストさんは、上記2名になります。
他には、虻川希美の母、虻川洋子役で荻野友里(おぎのゆり)さん。喫茶店のマスターの妻、加賀さゆり役で小林さやか(こばやしさやか)さん。喫茶店のマスター、加賀正信役で田中壮太郎(たなかそうたろう)さん。ギャラリーの社員、西野守役で滝本圭(たきもとけい)さんなどが出演されています。
荻野友里さんは別役で3度目(過去にはS10-12、S14-14)、田中壮太郎さんは別役で3度目(過去にはS10-12、S14-11)、滝本圭さんは別役で2度目(過去にはS18-14)のご出演です。
菜の花と美大生
右京さんと小手鞠さんが、菜の花畑でデートをしています。
デートの様子については後述させて頂きますが、どうやら小手鞠さんから誘ったようです。以前も小手鞠さんは、右京さんを誘ってフラワーアーティストの個展に行ってましたが、今度は菜の花畑。
で、その菜の花畑にて、小手鞠さんは偶然顔見知りの女性を見つけるんです。
画家で美大生の虻川希美です。
彼女は菜の花畑で絵を描いていました。絵も素敵です。
希美の父親は、日本画の巨匠といわれた虻川徹という画家です。小手鞠さんは徹夫妻と芸者時代に交流があり、娘の希美とも顔見知りだったようです。それで菜の花畑で彼女を見掛け、声を掛けました。
虻川徹は、一年前に心臓の病気で急死しています。まさに今、右京さんと小手鞠さんが訪れ、娘の希美が絵を描いている菜の花畑にて、絵を描いているときに心臓発作で倒れ、亡くなっています。
つまり希美は、父が死んだ場所で絵を描いていたわけです。
ちなみに絵画にも詳しい右京さんは、当然のように虻川徹の名前も知っていました。「独特な色彩感覚が魅力の、日本画の巨匠です」と、希美に対し少し興奮気味に語ってました。
希美はそんな巨匠を父に持つ美大生ではありますが、彼女自身も既に画家として高い評価を受けているようで、彼女の絵を買い求める人もいます。
右京さんも彼女の絵に惹き付けられていました。
絵画の世界に限ったことではありませんが、偉大な親を持つ子が、親と同じ道に進むというのは、並々ならぬ大変さがあるかとは思います。必ず比較されますし、本人にしかわからない苦悩があるでしょうし、そのプレッシャーもハンパないのではないかと。
しかし希美は、ちゃんと自らの才能も開花させ、自分の絵を描いています。
そんな才能に溢れ、画壇でも将来を嘱望されている希美ですが…
彼女と関りのあった画商が、何者かに刺殺されるという事件が発生し、その容疑者として浮上してしまうんです。
そして事件後、彼女は行方もくらませていました。
もう一人の美大生
なぜ希美が殺人事件の容疑者となったのか。
それは、事件現場となったギャラリーに、希美のイヤリングが落ちていて、彼女の血痕も見つかったからに他なりません。
また、最近は画商と希美は関係が悪かったとの情報も。
さらには、一年前の徹の死に、殺害された画商が関わっていたのではないかとの噂もあります。実際、徹の死によりその遺産の半分を、画商が手に入れています。で、そのことで希美が画商と何らかのトラブルになり、殺害に至った可能性も否定はできません。
この事件の報を受けた右京さんは、希美が容疑者となっていることを知り、亀山くんとともに捜査に乗り出します。
そして、画商が事件の直前に会っていたと思われる、もう一人の画家の存在を確認します。
それが、最近画商が推していたという、希美と同い年の、倉田ひかりという美大生。
彼女もまた高い評価を受けている画家です。
希美とは同い年ですし、次世代の画家を育てる目的で立ち上げられた「菜の花プロジェクト」に、二人とも出展していましたし、希美とは何かしら繋がりがあるかと思われましたが…ひかりはそれを否定します。巨匠の娘とは「住む世界が違う」ため、接点はなかったと。
希美が何かしら事件に関わっていることは間違いないと思われますが、右京さんはこのひかりも、無関係ではないと考えます。
現場からは絵画が一枚消えていて、それがひかりの描いた絵であることもわかります。
画商が殺害される直前まで会っていたと思われるひかり。一方、現場からイヤリングと血痕が見つかった希美。
境遇も違う二人の美大生は、殺人事件を接点にして、繋がっていることになります。
そして右京さんと亀山くんは捜査を進め、さらなる二人の接点に気が付きます。その先には、二人が共有する大きな「秘密」がありました。
この事件は、そんな二人の美大生の「秘密」を知ってしまった人たちが引き起こした事件です。
彼らは絵画を、「描いた人」でしか見ていませんでした。
その他の見どころ
それでは最後に、第16話『花は咲く場所を選ばない』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。
右京と小手鞠のデート
この度の物語の始まりは、右京さんと小手鞠さんのデートからでした。
前述もさせて頂きましたが、小手鞠さんが右京さんを誘い、菜の花畑へ。
素敵なデートです。
小手鞠さんのコート姿もお美しい。
ちなみに菜の花畑のロケ地は、千葉の鴨川にある菜な畑ロードというところみたいです。
菜の花に囲まれ、仲睦まじい二人の姿は、微笑ましいです。
どうやらこのデートには小手鞠さんの別の意図があったみたいですけれど。
二人きりのお出掛けというのは、S20第14話『ディアボロス』で、フラワーアーティストの個展に出掛けて以来ではないかと。けっこう久しぶりです。亀山夫妻と4人では出掛けたりしてるんですけどね。
1シーズンに2度くらいは、二人のデートシーン、見たいです。
菜の花と特命係
菜の花畑の右京さんと小手鞠さんというのもいい絵でしたけど、右京さんは亀山くんとも菜の花畑を訪れています。
これはプライベートではなく、捜査ですけれど。
お花畑の中の特命係というのも、なかなかいいものですね。
この絵を見ていたら、相棒のカレンダーが欲しくなってきました。
特命と出雲
出雲麗音が一人で特命係の部屋に、というのは前にもありましたけど、今回はガッツリ一人で訪れ、捜査に協力してくれています。
こちらは角田課長も入っての、右京さん亀山くんとの4ショット。
もしかしたらこの絵は初めてかもしれません。ちょっと自信はないですけど。
出雲がここにいることは、伊丹さんと芹沢さんは知っているのかどうか。
特命係とホットケーキ
右京さんと亀山くんが、捜査で訪れた喫茶店。
二人はホットケーキを注文。
どうやらこの喫茶店の名物のようです。
特命係の喫茶店シーンはこれまでももちろんけっこうありましたけど、ホットケーキを頼むってのは初だと思います。
これを見ていたら、僕もホットケーキ食べたくなりました。
この喫茶店では、プライベートの小手鞠さんと、仕事中の特命係が一緒にいるという、珍しいものも見れます。
この少し前は、捜一トリオも一緒にいました。
こちらの喫茶店は、葛飾区の水元にある「珈琲達磨堂」という喫茶店です。
色々なドラマでロケ地として使われているみたいです。
美和子のSNS
どうやら美和子さんはインスタ的なものをやっているようでして、こてまりの料理を定期的にアップしているみたいです。
この日は鮎の塩焼きでしょうか。
これを撮影してアップしてました。
美和子さんのインスタ、ぜひとも見てみたいものですが、もっと見たいのは右京さんのインスタですね。
以上、今日は相棒season23第16話『花は咲く場所を選ばない』についてでした。