第4話『2つの顔』
あらすじと感想
相棒season23第4話のタイトルは『2つの顔』。放送日は2024年11月6日です。
まず最初に、第4話『2つの顔』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。
廃墟ビルで二人の遺体が発見された。一人はビルの管理を委託されている高齢男性。死因は心不全と思われた。もう一人は、複数の前科がある加納(山口馬木也)という中年男性で、死因は絞殺。警察は仲間割れか口封じの線で捜査を始める。ただ、現場の状況が奇妙で、加納の背中や周囲の床には、なぜか発光するキノコが生えていた。その光景に興味津々の右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)とともに動き始めるが、問題のキノコはネットにも図鑑にも載っていない珍しいものだった。2人は手掛かりを求め、キノコ研究の第一人者や環境保護専門の科学者を訪ね歩くことに。話を聞くと、そのキノコは莫大な利益を生む可能性を秘めた、世界が注目する幻の品種であることが分かる。さらに捜査を進めると、加納が環境保護団体を立ち上げていたことが判明。電話番の相場(中尾暢樹)が言うには、加納にはオモテとウラの顔があったらしく…!?
変死した男性に見え隠れする“2つの顔”
背景には世界を変える新種キノコの存在が
右京の好奇心が恐るべき陰謀をあぶり出す!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/)
今回も面白かったです!
なかなかインパクトの強い回でした。
難しいキノコの名前がいたるところで連呼されますので、もうそれが耳から離れなくて。そういう意味でも記憶に残る回になったのではないかと。
まず、冒頭から「背中からキノコが生えた遺体」というとんでもないものが出てきましたので、その掴みからして強烈でした。
遺体のキノコは見ているこちらもびっくりでしたけど、それを目の当たりにした右京さんの興奮も凄かったです。好奇心が溢れ出しちゃってました。
特命係の捜査もキノコを中心に進んで行きます。事件解決の鍵を握るのもまたキノコ。
相棒でキノコといえば、S11第9話『森の中』でのカイトくんのキノコ狩りや、S11最終話『酒壺の蛇』での毒キノコくらいしか、今僕は思い浮かびませんが…今回は完全な「キノコ回」ですね。
幻のキノコという点では、S4第14話『アゲハ蝶』に通じるものもありました。『アゲハ蝶』では「ミヤモトアゲハ」という幻の蝶が出てきました。
今回は、謎のキノコというのが、大きな一本の軸として最初から最後まで貫いています。で、そこにキノコの生えた遺体の加納という男をはじめとして、色んな人間が絡んでいく形ですね。
あくまでも中心はキノコではありますが、加納という男の「2つの顔」の物語でもありました。
真相自体は、そこまで複雑なものではありませんでしたが、とはいえ単純というわけでもなく、中盤くらいまではなかなか展開が読めなかったです。
背中にキノコというぶっ飛んだ始まりから、けっこう大きな話にまで発展していきましたからね。
終盤まで全然わからなかったのは、キノコじゃない方の遺体ですね。ずっと気にはなる存在で、絶対何か重要な繋がりがあるというのは推察できるのですが、それが何なのか見当もつかなかったので。
色々ぶっ飛んではいるのですが、ちょっといい終わり方だったりもします。
タイトルの「2つの顔」も、加納のオモテとウラの2つの顔、というわかりやすいものだけではなく、もう一つ別な意味も持っていました。どんなものにも、「オモテとウラ」の2つの顔があるのかもしれないですね。善用と悪用の問題にも繋がっていました。
面白ネタも色々あったのですが、やっぱりキノコの名前というのが、一貫して今回の笑いの柱にもなっています。被せまくってきます。
また、右京さんが死にかけるという、もう一つ衝撃的な出来事まで起きちゃいました。もしかしたら右京さんが、これまでの相棒の中で最も死に近づいた回なのではないかと。そういう危機感は全くなかったですけれどね。むしろ大きな笑いどころになっていたので。
右京さんと益子さんのやりとりも笑わせて頂きました。
特命と捜一トリオとの鉄板プチコントも楽しめましたし、内村さんと中園さんも相変わらずで。捜一と特命がみんな揃って内村さんに呼び出されてます。
益子さんはここまでS23では全話登場してくれてます。
「エルドビア共和国」の名前も久しぶりに出てきました。
格闘シーンも相手がプロだったので、いつもとは少し違う感じでも楽しめました。
キノコにも詳しい右京さんも見れましたし、キノコそのものについて勉強になる部分もありました。
右京さんに関しては、「2つの顔」どころか、「色んな顔」を楽しめる回でもありました。
こてまり呑みや、仲良しな美和子さんと亀山くんには今回も癒されました。美和子さんの料理ネタも久しぶりですね。
幻のキノコから始まった物語、楽しませて頂きました。
第4話『2つの顔』、面白かったです!
ゲスト出演者
それでは次に、第4話『2つの顔』に出演された主なゲストさんを紹介します。
山口馬木也(やまぐちまきや)
廃墟ビルにて遺体で発見された男、加納達夫役で山口馬木也(やまぐちまきや)さん。
恐喝や器物破損など、複数の前科がある男です。その後の捜査で、環境保護団体を立ち上げていたこともわかります。廃墟ビルにて何者かに絞殺されて発見されますが、遺体の背中には、青く光る謎のキノコが生えていました。
山口馬木也さんは相棒には別役で2度目の出演です。一度目はS8第11話『願い』で亡くなった画家の息子役で出演されています。最近話題になっている『侍タイムスリッパー』という映画では主演を務めています。まさに旬な俳優さんです。
以上、今回の主なゲストさんは、山口馬木也さん1名になります。
他には、加納の環境保護団体の電話番、相場ユウ役で中尾暢樹(なかおまさき)さん。自然環境保護技術の教授、漆原誠一役で斉藤陽一郎(さいとうよういちろう)さん。キノコ研究の第一人者、信岡利三役で久保酎吉(くぼちゅうきち)さんなどが出演されています。
斉藤陽一郎さんは別役で2度目(過去にはS15-5)の出演です。
ペスタロチオプシス・トニトルス
廃墟ビルにて二人の遺体が発見され、この度の事件が幕を開けます。
遺体の身元はすぐに判明し、一人はビルの管理を委託されている男性で、死因は心不全。もう一人は複数の前科がある加納達夫という男で、何者かに絞殺されていました。
心不全で亡くなっていた男性は、管理を委託されているビルの様子を見に訪れたようです。で、高齢なうえに心臓に持病があったとのことなので、階段の上り下りと、加納の遺体を見つけたショックで、心不全を起こしたと考えられ、不審な点も見当たりません。
問題は絞殺されていた加納という男の方です。なんと遺体の背中には、光る青いキノコが生えているではないですか。
神秘的で綺麗なキノコです。
長い相棒の歴史の中でも、遺体にキノコが生えているだなんて珍事は初ですね。さらにはこのキノコ自体も普通ではないもののようで、右京さんは「こんなキノコ初めて見ました」と、もう興味津々です。
で、特命係は手掛かりを求め、キノコの線から捜査を開始します。右京さんの関心も、キノコまっしぐらのようで、まずは片っ端から光る青いキノコについて調べてます。
しかしキノコは図鑑にもネットにも載っていないものでして、品種は不明。科捜研のデータベースにも載っていないみたいです。
ですので、キノコ研究の第一人者の元へ。
こちらが「キノコ仙人」とも呼ばれる、キノコ研究の第一人者の信岡教授です。
信岡教授にキノコの写真を見せたところ、新種かどうか検証すらできていない幻のキノコであることがわかるんです。
その名も「ペスタロチオプシス・トニトルス」。
なかなか長くて難しい名前ですが、教授にしろ右京さんにしろ、一切噛むこともなく、スラスラ話してます。
亀山くんには「ピスタチオ…」、伊丹さんには「ペドロ&カプリシャス」に聞こえたみたいです。内村さんには「早口言葉みたいなキノコ」って言われてましたね。ちなみにペドロ&カプリシャスというのは、70年代から活動している日本のバンドです。僕は知らなかったのですが、嫁が知ってました。
「ペスタロチオプシス・トニトルス」と噛むことなく何度も発していた右京さんですが、亀山くんの「ピスタチオ」に引っ張られそうになるらしく、こんなお茶目な場面も。
特命係は、信岡教授から紹介された自然環境保護技術の科学者、漆原教授の元も訪ねます。そして「ペスタロチオプシス・トニトルス」が、幻といわれるほど希少なだけではなく、プラスチックを分解するという驚くべき性質を持っていることを知ります。
つまり、マイクロプラスチックという環境問題を解決するかもしれないという、もの凄い可能性を秘めているわけです。
同時にそれは、莫大な利益を生み出す可能性があるということでもあります。
そしてそういうものには、色んな人間が群がってくるもの。
ゆえに今回の事件は、そんなキノコを巡るトラブルが原因になっているのではないかと。
死んだ加納という男も、「ペスタロチオプシス・トニトルス」と深い繋がりがありました。
2つの顔を持つ男
背中にキノコが生えて亡くなっていた加納達夫は、前科者でした。過去に恐喝や器物破損などで逮捕されていて、最近もマネーロンダリングに関与し、その捜査の手を逃れるため姿を消していたと。
こちらが加納達夫です。チンピラっぽさもありますが、なかなかのイケオジ。
僕は、山口馬木也さんが主演している『侍タイムスリッパー』、映画館で予告で見て気になっていたんですよね。主役のお侍さん、どこかで見たことある俳優さんだと思っていたら、かつて相棒にも出ていた方でした。今回はそこまで登場シーンが多いわけではないのですが、とっても重要な役どころ。
加納という男は、環境保護団体を立ち上げていたことが捜査でわかります。どうやら環境活動家としての顔も持っていたようです。
環境活動家というと、近年では絵画にペンキをかけたりとか、ちょっとあれな方々をイメージしてしまいますが、どうやら加納には環境を守りたいという醇乎たる思いもあったようです。
そんな環境活動家の加納が目をつけたものこそ、「ペスタロチオプシス・トニトルス」でした。
未来の地球を救うために、「ペスタロチオプシス・トニトルス」を活かしたいという、環境活動家としての顔。
一方で加納は、「ペスタロチオプシス・トニトルス」を利益を得る手段としても考えていて、取引に使おうとしていました。
まさに「2つの顔」を持っていたわけです。大変わかりやすいオモテとウラの顔ですね。
しかしそんな「2つの顔」を持っていたのは、加納だけではありませんでした。
幻のキノコ「ペスタロチオプシス・トニトルス」にも、2つの顔があったんです。
その他の見どころ
では最後に、第4話『2つの顔』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。
死にかけた右京
今回は、右京さんが死にかけるという、大変な事態に陥ります。
切迫感とかそういうのは全くなかったのですが、とにかく死にかけてまして、冥界の入口まで行っちゃってます。
完全に三途の川を渡りかけてますね。
で、現実世界ではこんな状態に。
亀山くんが右京さんにすがりつき、「右京さ~ん」と叫んでいますので、この場面だけ見ますと、もう危ないんじゃないかというレベルです。
右京さん、こうなる前に、すごい声を出して倒れてましたからね。すごい顔にもなっていまして、もう大いに笑わせて頂きましたが。
もちろん右京さんがそんなに簡単に逝ってしまうわけがありません。この後いきなり起き上がり、亀山くんを怒鳴りつけます。こちらもびっくりでしたけど、亀山くんもびっくりです。
この後は、これまた珍しいYシャツにノータイでサスペンダーという姿も披露してくれています。
右京さんは、プレシーズン3の『大学病院助教授、墜落殺人事件!』では盲腸で入院してますし、S1第11話右京撃たれる~特命係15年目の真実』では撃たれて入院してます。あと、S18第6話『右京の目』でも目をやられて治療を受けてます。入院シーンはありませんが、劇場版Ⅳでも撃たれてますね。
今回はこれまでにないパターンの右京さんの病院シーンが見れました。
右京さん、無事でよかった。
亀山くんが呼び戻してくれなかったら、そのまま向こう側に行ってたかもしれないです。
右京と益子
特命係が鑑識に何かと頼みごとをするのは、相棒では定番の一つではありますが、今回は右京さんが益子さんに対し、いつも以上に粘り倒してました。
こんな感じで。
益子さんも困りながらも、応じちゃうんですよね。特命係のことは何気に信頼してますし、きっと嫌いじゃないですからね。
しかしこれに応じたために、右京さんがこの後大変なことになってしまいましたけれど。右京さんの自己責任です。益子さんは悪くありません。
以上、今日は相棒season23第4話『2つの顔』についてでした。