相棒が好き過ぎて

ドラマ相棒が好き過ぎるが故の戯言と悪ふざけ

相棒23第5話『幽霊ホテル』蝶と少女と人魂と。

第5話『幽霊ホテル』

あらすじと感想

相棒season23第5話のタイトルは『幽霊ホテル』。放送日は2024年11月20日です。

まず最初に、第5話『幽霊ホテル』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

右京(水谷豊)が休暇で訪れていた山間のホテルで、客室スタッフが刺殺される事件が発生。遺体の手にはなぜか、東南アジアにしか生息していない珍しい蝶が握られていた。そんな中、宿泊客が“人魂”を見たという噂を耳にした右京は、興味津々で調査を開始。聞けば、このホテルは心霊スポットとして知られていて、わざわざ幽霊目当てで訪れる物好きもいるという。捜査に合流した薫(寺脇康文)は、館内で問題の蝶をスケッチしている少女と出会い、一緒に蝶を探すことに。しかし、療養中だという少女が体調を崩してしまい母親が保護。その場に父親も現れるが、夫婦は別居中らしく、関係はギクシャクしていた。さらに、殺害現場は父親がチェックアウトしたばかりの部屋だと判明。いっぽう、支配人の織田(遠山俊也)は、捜査に協力的なものの、最近悩んでいる様子だったという証言があり…!?
捜査のかたわら人魂探しに没頭する右京
殺人と幽霊騒動に意外な繋がりが…!?
連鎖する奇妙な事件に特命係が挑む!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

右京さんが休暇で山間のホテルを一人で訪れているという、もうその始まりからワクワクしてしまいました。

第2話では右京さんは一人で山奥のペンションを訪れたばかりですので、間髪入れずに今度はホテルに。お出掛けしまくってます。

で、そんな宿泊先のホテルにて、右京さんの滞在中という絶妙のタイミングで、客室スタッフが刺殺される事件が発生するわけです。

遺体の手には大変珍しい蝶が握られているという、鍵となる存在が提示されます。第3話では「幻のキノコ」が登場しましたが、この第4話で今度は「幻の蝶」です。僕は前話の記事でも、S4第14話『アゲハ蝶』について言及してしまったのですが、幻の蝶という点では、今回の方がおもいっきり『アゲハ蝶』を思い出すやつですね。

第2話のペンション、第3話の珍種と、何かしら共通するものもある回です。

さらにはここに、右京さんの大好きな幽霊ネタまで追加されますので、もう盛りだくさん。じゃっかん渋滞している感じすら抱いてしまうほど、詰め込まれてます。

ホテルが舞台ではありますが、第3話のペンションのようなクローズドサークル感はありません。亀山くんもすぐ合流してますし、捜一トリオや益子さんも来てます。遠方の事件で捜一や益子さんがいると、それだけで少し嬉しいですね。

けっこう大きなホテルなので宿泊客自体も多いです。とはいえ重要人物としてピックアップされるのは、当たり前ではありますが、数人ですね。中でも、病気で療養中の少女、その父親と母親、あとは遠山俊也さん演じるホテルの支配人というのが、ひときわクローズアップはされています。

この度の特命係の目的は、言うまでもなく殺人事件の犯人を突き止めること。それが太い軸として一本走っています。で、序盤は「幻の蝶」を探す軸と、「人魂」を探す軸が同時に走っていく形ですね。

で、蝶と人魂はけっこう早い段階で合流して一本になりまして、それが事件の軸にぐるぐる巻きに絡んでいく感じです。いつの間にかテーマが切り替わっていくような、そんな流れでもありました。

僕は何がどう繋がっていき、いったい誰が犯人なのか、全然わからなかったです。

唯一わかったのは、序盤での蝶と人魂の関係くらいですかね。きっと誰もがピンときたんじゃないかという、わかりやすいやつでしたけど。

それ以外はいつも以上に読めなかったです。

ホテルの支配人に関しては、「何か」秘密があることが中盤から示唆されていますので、一番怪しい人物という描かれ方にはなっています。しかし、その「何か」が全然わからなかったので、最後に明かされたときには、ちょっとやられました。そうきたかと。

まずは事件の真相、続いて支配人の秘密と、二段階でのびっくりがあり、さらに最後には三段目まで用意されていましたので、終わった後の充足感も大きいです。

幽霊系ならではのラストでした。確かに不自然な登場ではありましたからね。

そして終わってみれば、いい話でもありました。

「幽霊回」でありつつ「虫回」でもありましたが、それに加えて家族というものにもスポットが当てられていました。子どもの気持ちを想うと少し切なくなったりも。

子役の宮崎莉里沙さんも可愛らしかったです。子どもと相対する亀山くんや右京さんというのも楽しめました。右京さんは小さい子どもが苦手だったかと思うんですけど、もう克服したのかもしれないです。普通に話してました。むしろ子どもにも容赦なく疑問をぶつけていて、それを亀山くんがフォローしてあげてました。

両親に対する子供の気持ちという点では、S2第13話『神隠し』に通じるものもありました。

メインゲストの遠山俊也さんは、相棒には5度目の出演。もうお馴染みの俳優さんですね。

山間のホテルという日常から離れたロケーションというのも、よりこの物語を引き立てる大きな要素になっています。ちなみにロケ地は箱根の芦ノ湖畔にある「山のホテル」でして、相棒で箱根の景色が楽しめるのもまた嬉しい。

ずっと箱根のホテルで終わるのかと思いきや、ちょいちょい都心に戻ってきますので、特命係の部屋も、こてまりも出てきます。薬物銃器対策課の部屋で話をする特命&角田という、たま~にしかない場面も見れました。

定番の幽霊にテンション上がる右京さんというのも、随所で楽しむことができる回でもあります。右京さん、嬉しそうでしたもの。

一方、蝶が大きな鍵を握る話でしたので、「虫博士」の亀山くんが大活躍でもありました。虫博士の亀山くんは、S22第3話『スズメバチ』以来の約1シーズン振りですね。

同じく半グレ集団「スコルピオ」の名前も久しぶりに出てきましたし、角田課長の息子のという、かなり久しぶりな話題も出てきました。

事件発生から解決まで、見どころが詰まった回でした。

最終的には、「気付いていない右京さんと亀山くん」というのが、一番の見どころだった気もします。気付いてないパターン、これで二度目ですね。

虫と少女と幽霊の物語、楽しませて頂きました。

第5話『幽霊ホテル』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

それでは次に、第5話『幽霊ホテル』に出演された主なゲストさんを紹介します。

遠山俊也(とおやまとしや)

殺人事件のあったホテルの支配人、織田照仁役で遠山俊也(とおやまとしや)さん。

「幽霊ホテル」とも噂される、湖畔に建つ『ホテル秋川』の支配人です。常連客からの信頼も厚い人物で、事件の捜査にも協力的ではありますが、最近は何か悩んでいる様子だったという証言もあります。実際に「何か」を隠しているような素振りも。

遠山俊也さんは別役で5度目の相棒出演になります。1度目はS4第15話『殺人セレブ』で殺害された女性の夫役、2度目はS9第15話『もがり笛』で教誨師の役、3度目はS12第14話『顔』で倉庫会社の社員役、4度目はS18第6話『右京の目』で不動産会社の支店長役で出演されています。

 

以上、今回の主なゲストさんは、遠山俊也さん1名になります。

他には、病気療養中の少女の父、中井和彦役で前川泰之(まえかわやすゆき)さん。中井和彦の妻、中井真紀役で須藤温子(すどうあつこ)さん。中井和彦と真紀の娘で、病気療養中の中井雫役で、宮崎莉里沙(みやざきりりさ)さん。大学の教授、花岡久行役で佐久間哲(さくまてつ)さん。殺害された客室スタッフ、宮原正志役で平野宏周(ひらのこうしゅう)さんなどが出演されています。

 

幻の蝶を探す少女

右京さんが休暇で訪れていたホテルにて、殺人事件が発生します。

そのホテルはこちら。『ホテル秋川』という、湖畔に建つ素敵なホテルです。

前述もさせて頂きましたが、ホテルのロケ地は箱根の芦ノ湖畔にある「山のホテル」です。僕は泊まったことはないのですが、近くは何度か通った覚えがあります。

右京さんは一人で宿泊しています。なぜ一人でこんなところに来たのか、その理由は次項にて触れますが、右京さんの宿泊中という凄いタイミングで事件は起きるもの。事件を呼ぶ男ですからね。

殺害されたのはホテルの客室清掃係です。何者かに刺殺された状態で、客室にて発見されました。

亀山くんも捜査一課も益子さんも、全員集合。

遺体の手には、大変珍しい蝶が握られています。バラバラになってしまっていますが。

ここで「虫博士」の亀山くんが大活躍。

蝶は東南アジアの一部にしか生息していない「スマトラシジミ」という蝶で、夜行性でメスの方が体が大きく、好物はジャスミンとカンナビスの花、と解説もしてくれています。標本はマニアの間で大人気とのこと。

日本では生息していない蝶を、遺体が握りしめているということになります。いわゆるダイイングメッセージですね。

第4話『2つの顔』では遺体から幻のキノコが生えていましたが、今度は蝶です。どちらも同じような青です。

特命係もこの事件の捜査を開始します。

右京さんと亀山くん、それぞれ別行動で動き出しましたところ、亀山くんがスマトラシジミをスケッチしている一人の少女と出会います。

亀山くんが単独で子どもと、という場面って、これまであまりなかったのではないかと思います。パっと浮かぶのは、S5第12話『狼の行方』くらいですかね。

少女の名前は中井雫。演じているのは宮崎莉里沙さんです。

このホテルにはリハビリセンターと提携した宿泊プランというのがあり、彼女は病気の療養でホテルに長期滞在しているようです。

雫ちゃんはスマトラシジミを見掛け、スケッチしていたものの、いなくなってしまったので探していたようです。雫ちゃんは昆虫にも詳しく、虫博士の亀山くんとも相性が良さそう。

で、亀山くんとともに蝶を探し始めますが、体調が悪化してしまい、母親が保護して捜索は中断。

雫ちゃんの両親もホテルには滞在しているのですが、どうやら夫婦仲はよろしくないようで、別居中とのこと。ホテルでも父親だけ別の部屋をとって、雫ちゃんに会いに来ていました。

夫婦のやりとりもなんだかギクシャクしています。

子どもにとって両親の不仲というのは、一番辛いことですよね。ですので両親の前で明るく振る舞う雫ちゃんの姿は、それだけでいじらしくて…。

そしてこの親子も事件とは無関係ではないかもしれないんです。遺体が発見された部屋は、この父親がチェックアウトした後の部屋だったからです。

自然と疑惑の目はその父親に向けられるのですが、彼は犯行を否定。

しかしなぜ彼の部屋で遺体が見つかったのかは謎のまま。

その謎を解き明かしてくれるものこそ、遺体の手に握られていた、幻の蝶に他なりません。

なぜ遺体の手に蝶が握られていたのか。

その理由と蝶の足取りがわかったとき、事件の犯人もわかります。

 

幽霊ホテルの支配人

そもそも事件の起きたホテルに、どうして右京さんが一人で宿泊していたのか。

「たまには静かな環境で読書でも楽しもうと思って」と亀山くんには最初話していましたが、右京さんがこのホテルを選んだ本当の理由というのは、「幽霊」だったんです。

右京さんは幽霊など超常現象が大好きで、幽霊に会いたくてたまらない人です。これまでも右京さんの幽霊好きのエピソードはいくつもあり、幽霊と聞いただけでテンションが上がってる右京さんの姿は、相棒ではお馴染みにもなっています。

ロンドンでも、ナポレオン3世の幽霊が出るというホテルに泊まったことがある、なんて新ネタも出てきました。

この度の舞台となったホテルも、「幽霊ホテル」と噂されていて、心霊スポットとしても知られているとか。で、それを目当てにやって来るお客さんもいるようで、右京さんもその一人ってことですね。

右京さんの他にも、霊を撮影しようとやって来て、カメラを持っている宿泊客もいました。

しかし休暇中に幽霊が見たくて一人でホテルにというのは、右京さん本当に幽霊が見たくてたまらないんですね。

右京さんのプライベートの過ごし方が垣間見える回でもあります。

そんな右京さんに朗報がもたらせれます。ホテルで青く光る「人魂」を見たという宿泊客がいたことがわかります。

人魂はひと気のないフロアを青く光りながら移動していたそうです。

目撃談を聴いた右京さん、もう目を輝かせていました。いい顔になってます。好奇心が溢れ出ちゃってます。

この『ホテル秋川』は、かつて常連客だった画家や小説家など昭和の文化人が、亡くなった後も常宿にしていて、その幽霊が出るといわれ、いつしか「幽霊ホテル」として噂になったそうです。

そんな幽霊ホテルの支配人がこちら、遠山俊也さん演じる織田さんです。

遠山俊也さん、相棒ではお馴染みの俳優さんですね。いつの間にか髪が真っ白になられて、ダンディーなおじさんになってます。

織田は古くから『ホテル秋川』で支配人を務め、丁寧な接客で常連客からの信頼も厚い人物。病気療養中だった親子もホテルの常連で、織田にも以前からお世話になっていたようです。

事件の捜査にも協力的ではありましたが、明らかに何かを隠している様子も。

また、最近はホテルのことで何か気になることがあるのか、悩んでいる様子だったという証言もあります。殺害されたの客室スタッフと、こっそり何かやりとりをいていたという証言も。

そして「幽霊ホテル」の支配人、殺害された客室スタッフ、そのどちらとも繋がっていたのが、蝶を描いていた少女なんです。

「幽霊ホテル」は少女にとって、とっても優しく温かいホテルでした。

 

以上、今日は相棒season23第5話『幽霊ホテル』についてでした。

 

こちらの相棒記事もおすすめ