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相棒23第6話『薔薇と髭の夜明け』消えたヒロコママ。

第6話『薔薇と髭の夜明け』

あらすじと感想

相棒season23第6話のタイトルは『薔薇と髭の夜明け』。放送日は2024年11月27日です。

それではまず、第6話『薔薇と髭の夜明け』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

特命係と親交の深いゲイバーのママ・ヒロコ(深沢敦)が、殺人事件の現場付近で目撃され、そのまま姿を消した。殺害されたのは、NPOを利用したマネーロンダリング疑惑が掛かったコンサル会社の社長・幸田。ヒロコが携わっているボランティア食堂を隠れ蓑に、脱税や援助の着服をしていたことが発覚。ヒロコが抗議に向かったというが、そのまま行方不明になっているらしい。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、ヒロコのボランティア仲間である泉川(西銘駿)らと協力して捜索を開始する。いっぽう、捜査一課は司法書士の矢野(柾木玲弥)から事情を聞いていた。矢野は、幸田に脱税方法を入れ知恵していた疑いがあり、最後に連絡を取っていたのも矢野だった。そんな中、幸田が10年前、いまだ解決されていない強盗事件にかかわっていた可能性が浮上してくる。
忽然と姿を消したヒロコを追う右京と薫
時効直前の強盗事件と奇妙な符合が…!?
理不尽な現代社会に特命係が光を当てる!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

もうタイトルからヒロコママ回であることは一発でわかるやつです。ヒロコママは亀山くんが復帰したS21以来の登場。S22はヒロコ回が無しでちょっと寂しかったので、これは嬉しいですね。やっぱり1シーズンに1度はヒロコママに会いたいですもの。

ちなみタイトルに「薔薇と髭」が付くのは、今回が4度目。これまではS18第18話『薔薇と髭との間に』、S19第15話『薔薇と髭の不運』、S21第15話『薔薇と髭と菫たち』の3回です。どれもタイトルの意味がそこまでわからないという共通点もあります。

ヒロコ回がシーズンの前半にというのは、S1を除いては初めてですね。あとは全部後半に入っていましたので。

今回は、事件を呼ぶ女(男)ヒロコに、序盤でいきなり殺人の容疑が掛けられます。がっつり掛けられるわけではなく、なんな~くな感じですけれど。ヒロコママはS2第20話『ニ分の一の殺意』でも容疑者になっていますので、約21年の時を経ての、二度目の容疑者ですね。

なぜ容疑が掛かったかといいますと、殺人事件の現場で目撃され、その後姿を消してしまったから。

あのヒロコママが殺人など犯すわけがありませんけれど、だとしたらなぜ姿を消しているのか?と、まず最初の謎が提示されます。

で、そのままヒロコの行方を追いつつ、事件の真相を追う物語かと思いきや、ヒロコが姿を消した謎があっさりと解明され、ヒロコの身も早い段階で見つかります。

そこからは2人の男がクローズアップされていく、次の展開に。

一人はヒロコママのボランティア仲間の高校教師、もう一人は殺害された男と組んでいた司法書士です。

ここにもう一つ、「10年前の強盗事件」という過去の事件が加わり、2人の男と「10年前」が交錯していきます。

構成としてはけっこう複雑ではありました。全然先が読めなかったですもの。

そんな物語にヒロコママという濃い要素まで入ってますので、これまた盛りだくさんの内容でした。

本筋は殺人事件の犯人を突き止めることではありますが、2人の男の人生の物語の方が、主軸だったのではないかと。

過去の清算、人生のやり直し、そういったことがテーマになっていた気がします。「再起」の物語だったのではないかと。

犯人の方は、僕は全くわかからなかったです。え、じゃあいったい誰なんだ?と、疑わしい人物すら浮かんでこなかったですからね。意外なところから出てきてびっくりしました。

終わり方としては、後味は悪くないお話でもありました。

人生をやり直すには、ちゃんと清算しないといけないものがありますね。

右京さんのお説教が優しかったのも印象的です。

ヒロコ回だけに、ヒロコママに関する楽しみどころも豊富でした。ヒロコのファッションも相変わらず凄かったですし、こてまりで料理をするヒロコという新鮮なものも見れました。特命係との絡みもほっこりするものばかりでしたし、ヒロコママの優しさも光る回でした。

『薔薇と髭と…。』の店内シーンもかなり多かったですね。新宿二丁目やゴールデン街など、新宿の街の景色も楽しめます。

タイトルの「薔薇と髭の夜明け」は、「人生をやり直す」という意味での「夜明け」なのかもしれません。一度沈んでも陽はまた昇るということなのかな~と。

今回、ヒロコと捜一の絡みはなかったです。出雲麗音とヒロコのやりとりが以前面白かったので、楽しみにはしてたんですけどね。あと、益子さんも出ていましたので、ヒロコと絡んで欲しかった。

ついついヒロコママのことばかり書いてしまいましたが、捜査の方もテンポよく進んで行きました。今回も右京さんの観察力が冴え冴えでしたね。よくそんなところ見てるな~と。

NPOの問題や、法の悪用など、そういった社会問題にも少し触れられていました。近年でも胡散臭いNPOが話題になることがちょいちょいありますけど、そういうところには、ぜひしっかりメスを入れて欲しいものです。どれだけ無駄なお金が流れているかと思うと恐ろしいですからね。

悪いことはしたらいかんです。ちゃんと生きましょう。

久しぶりのヒロコ回、楽しませて頂きました。

第6話『薔薇と髭の夜明け』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

それでは次に、第6話『薔薇と髭の夜明け』に出演された主なゲストさんを紹介します。

深沢敦(ふかざわあつし)

ゲイバー『薔薇と髭と…。』のママ、ヒロコ役で深沢敦(ふかざわあつし)さん。

右京さん、亀山くんとは古くから親交があるゲイバーのママです。これまでも数々の事件を特命係に呼び込んできた名物キャラクター。最近ではボランティアで「助け合い食堂」に携わっていました。殺人事件の現場付近で目撃されたのを最後に、行方がわからなくなっています。

深沢敦さんは、劇場版も含めて今回が相棒には11回目の出演です。亀山くん復帰後は、S21第15話『薔薇と髭と菫たち』に出演して以来の2度目。亀山くんシリーズでは初期に7回と復帰後に2回の計9回、冠城くんシリーズで2回の出演になります。

 

西銘駿(にしめしゅん)

ヒロコのボランティア仲間、泉川慎平役で西銘駿(にしめしゅん)さん。

普段は定時制高校の教師をしています。以前は生活が苦しく、「助け合い食堂」を利用していた側でした。ヒロコには恩義も感じています。教師になってからは、ボランティアの運営側に携わるようになりました。

西銘駿さんは相棒初出演。仮面ライダーゴーストで主人公を演じた俳優さんです。2014年のジュノン・スーパーボーイ・コンテストではグランプリを受賞されています。この度は苦労して教師になった好青年の役。特命係との絡みも多いです。

 

柾木玲弥(まさきれいや)

殺害された男性と関りがあった司法書士、矢野拓海役で柾木玲弥(まさきれいや)さん。

殺害されたコンサルタント会社の社長が、殺される直前に連絡を取っていた人物でもあります。そのため捜査一課にも事情聴取を受けています。また、その社長にNPOを利用した脱税を指南していた疑いもあります。

柾木玲弥さんは別役で2度目の相棒出演。1度目はS19第11話(元日SP)『オマエニツミハ』で、強盗殺人犯の役で出演されています。2009年のジュノン・スーパーボーイ・コンテストでは、審査員特別賞を受賞されています。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記3名になります。

他には、喫茶店の店長である大森傑役で、両角周(もろずみしゅう)さんなどが出演されています。

 

ヒロコスペシャル

亀山くんがS21にて特命係に復帰し、その第15話『薔薇と髭と菫たち』では、約15年振りにヒロコママとも再会を果たしました。

ヒロコママといえば、初期相棒からの名物キャラクターでしたので、そんな彼女が15年もの時を経て亀山くんと再会するというのは、とっても感慨深いものがありました。

S22ではヒロコの登場はありませんでしたので、今回は1シーズン置いての、再びのヒロコ回です。

ヒロコはゲイバー『薔薇と髭と…。』のママではありますが、その傍らでボランティア活動を始めたようです。「助け合い食堂」というところで、食べることにも困っている人たちに、無償で食事を提供しているんです。

で、その料理を右京さんや亀山くんにも振る舞うため、なんとこてまりで料理を提供します。

ヒロコがカウンターの中、右京さん、小手鞠さん、亀山夫妻の4人がカウンターに座るという新鮮な絵に。

ヒロコの割烹着姿というのも初めてですね。

ヒロコはこてまりにはS19第15話『薔薇と髭の不運』で来店していまして、小手鞠さんとも軽妙なやりとりをしています。小手鞠さんのこと「いけ好かない女」なんて言ってましたからね。ヒロコと小手鞠さんが同じ場面にというのは、そのとき以来です。

これまでゲイバーでのヒロコは何度も見ていますけれど、こんなふうに小料理屋のカウンターの中でというのも、また面白い。

そしてヒロコママの手料理というのも初めてです。それがこちら。

名付けて「ヒロコスペシャル」

見るからに美味しそう。誰かさんのスペシャルとはだいぶ違います。

実際に食べた皆さんも、全員口をそろえて「美味しい」と。右京さんは「ヒロコママがこんなに料理が得意だとは」とも。

みんないい顔してました。

ヒロコママ、料理の腕はなかなかなんですね。ヒロコの新しい一面が見れて嬉しいです。

また、ヒロコママと皆さんのいいお付き合いが続いているというのも何よりです。

 

怪しい高校教師

「助け合い食堂」のボランティアにも励んでいたヒロコですが、そんな彼女が殺人事件の容疑者となり、姿を消してしまうという事態が起こります。

殺害されたのは幸田という男で、飲食業界専門のコンサルティング会社の社長です。「助け合い食堂」にも支援をしてくれていた人物。

自身のオフィスで何者かに刺殺されているのが発見されました。

幸田は純粋に困っている人のために「助け合い食堂」を支援しているのかと思いきや、そういったボランティア食堂やNPO団体への支援を隠れ蓑にして、脱税やマネーロンダリングを行っていたことがわかるんです。また、自治体からの援助も着服していたと。とんでもない奴です。

そんな幸田の悪事を知ったヒロコはご立腹。問い詰めるため彼の元に向かいますが…そのまま行方不明になってしまうんです。

で、幸田は何者かに殺害され遺体で発見されるという事態に。

ヒロコママは事件現場近くで目撃もされていますので、疑いの目を向けられてしまいます。状況だけ見ますとおもいっきり怪しいですからね。

ちなみにヒロコママが容疑者になるのは2度目です。S2第20話『1/2の殺意』では、男性を歩道橋から突き落とした容疑が掛けられて、取り調べも受けちゃってます。もちろんヒロコは犯人ではありませんでした。

今回の事件も、あのヒロコママが殺人など犯すはずがありません。

抗議をしに行って、話がこじれてカッとなって犯行に…という可能性もゼロではないかもしれませんけれど…やっぱり考えにくいです。亀山くんも「ヒロコママが人を殺すなんて信じられませんよ」と。

でもだとしたら、なぜ行方をくらませたのか?

それは、ある人物を守るためでした。

ある人物とは、「助け合い食堂」を手伝ってくれている、西銘駿さん演じる泉川という定時制高校の教師です。

僕は仮面ライダーゴーストを見ていないのですが、西銘駿さんはそれで話題になった俳優さんです。イケメンです。

泉川は別にゲイではないんですけど、『薔薇と髭と…。』の店内にいますと、そういう風にも見えてしまうので不思議です。

泉川は苦労して教師になった人物。かつては新聞配達で学費を貯めつつ受験勉強をしていて、「助け合い食堂」にもお世話になっていました。そして10年前、見事に大学に合格し、その後教師になりました。

今は食堂の運営側に回り、ヒロコのお手伝いもしています。

ヒロコは殺人事件の起きた夜、現場の近くでそんな泉川の痕跡を見つけてしまったんです。

泉川の高校の教職員バッジです。

これにより、幸田を殺害したのは泉川では?と考えたヒロコは、彼を説得して自首させるために姿を消していました。

泉川が、事件現場となったビルに、事件のあった夜、足を運んでいたことは間違いありません。

彼はなぜその場所に行ったのか。

泉川には、大きな秘密があったんです。

彼は10年もの間、その秘密を抱えて生きていました。

 

怪しい司法書士

事件現場に痕跡が残り、犯人である可能性が浮上した泉川の他にもう一人、怪しい人物が浮上します。

それが、柾木玲弥さん演じる司法書士の矢野拓海。

矢野は、殺された幸田にNPOを利用した脱税の方法を指南していた疑いがある司法書士で、幸田が殺害される直前にも連絡を取っていたことがわかります。また、現場近くの防犯カメラにもその姿が映っていることから、捜査一課も彼に事情聴取をしています。

これまでも司法書士という立場や知識を利用し、幸田と組んで様々な悪事に加担していたと考えられます。

NPOを隠れ蓑にしたマネーロンダリングというのは、実際にだいぶ前から問題視されたりもしています。また、公金の使われ方というのも、SNSでかなり取り上げられたりもしていますね。男女共同参画費とか、こども家庭庁とか、意味のわからんところに莫大なお金が流れてますからね。あと、WBPCとかフローレンスの問題とかも。

そういう悪事を働く側には、法などの知識に長けた人間が加担している場合も多々あると思います。

右京さんは「苦労してつかみ取った資格を、不正な目的などに利用してはいけません」と言ってましたけど、本当にその通りですよね。いいことに使って欲しい。

矢野はかつて荒んだ生活をしていました。こちら、その頃の矢野です。

当時はキャバクラでボーイをしていたとのことで、風貌からして全く今とは違います。

そんな矢野が、髪を切り、金髪を黒く染め、印象を変えたのが10年前であることが、当時の恋人の証言でわかります。

また、右京さんは、殺害された幸田と、過去の未解決事件の接点を見つけます。

その事件とは、時効が間近に迫っている、10年前に起きた強盗事件。

目出し帽で顔を隠した2人組の強盗が、資産家の家に押し入り、大金を強奪して逃走した事件です。

被害者がその事件と関係しているとなると、今回の殺人事件も、10年前の事件と繋がっている可能性が浮上するんです。

全てを解明する鍵は、10年前にあります。

そして殺された幸田、司法書士の矢野、高校教師の泉川。この三人は、複雑に絡み合った糸で繋がっていました。

 

その他の見どころ

では最後に、第6話『薔薇と髭の夜明け』のさらに細かい見どころを、一つだけ挙げてみたいと思います。

『薔薇と髭と...。』

ヒロコママのお店、『薔薇と髭と...。』の店内が、今回はかなり頻繁に登場しました。

前回の『薔薇と髭と菫たち』のときと同じお店ですね。『薔薇と髭と...。』は何度かお店が変わっていますので。

内装も素敵なお店です。

また、ヒロコ回では、他にもオカマちゃんたちが登場しますので、その強烈なキャラクターも楽しむことができます。

かつては、はるな愛さんもリサという従業員役で出演されていました。

今回の『薔薇と髭と...。』の従業員の方々はこちら。

白いコートは、『薔薇と髭と菫たち』にも出ていたミキさんですね。もう一人、赤いコートのクミさんは、おそらく初ではないかと。

ヒロコママとオカマちゃんたちが出ているだけで、不思議と楽しい気持ちになるものです。

スピンオフで「薔薇と髭と...。」の物語を見てみたいくらいです。

 

以上、今日は相棒season23第6話『薔薇と髭の夜明け』についてでした。

 

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