相棒が好き過ぎて

ドラマ相棒が好き過ぎるが故の戯言と悪ふざけ

相棒24元日SP『フィナーレ』絶海の孤島での連続殺人事件

第10話『フィナーレ』

あらすじと感想

相棒season24第10話(元日SP)のタイトルは『フィナーレ』。放送日は2026年1月1日で、2時間15分の元日スペシャルになります。

ではまずはじめに、第10話『フィナーレ』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

クリスマス・イブ、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、美和子(鈴木砂羽)、小手鞠(森口瑤子)と共に聖島という孤島にあるホテルを目指していた。何者からか脅迫状が届いた美作章介(段田安則)というミステリー作家が、“警視庁イチの名刑事”である右京に捜査を依頼するため、自身のイベントが開かれるホテルに招待したのだ。美和子と小手鞠は旅行気分でついてきたらしい。ちなみに聖島は、『悪霊を祓うため、五人の人間を人柱にした』という言い伝えが残るいわくつきの場所。美作は、その伝承をベースに、後にシリーズ化される推理小説の一作目を執筆。五人の男女が一人、また一人と殺害されていくストーリーだという。
ホテルに到着した一行は、美作のマネージャーである相模舞(月城かなと)や、美作の下で作家見習いをしている増本文哉(森優作)らに迎えられる。かたわらにはなぜか、峯秋(石坂浩二)の姿もあった。美作を担当している出版社の香坂美登里(黒沢あすか)と何やら因縁がありそうだが…!? そんな中、イベント参加者の一人が、ホテルの従業員・日高桜子(濱田マリ)ともめている声が聞こえてくる。その場は、安東将彦(谷田歩)という出版社の社員が間に入って収まったが、どこか不穏な空気が漂い始めていた。
イベントが終わり、美作と顔を合わせた一行は、これまでの経緯を聞く。脅迫状には、『血塗られた夜をプレゼント』との文字があり、様式は美作の小説の挿絵とそっくりだった。悪趣味なユーモアにも思えたが、美作は最近、過激なファンから誹謗中傷を受けることがあり、実際に襲われて警察騒ぎになったこともあるという。そこで万が一に備えて、特命係に脅迫状の捜査を依頼したのだった。そうこうするうち関係者の一人が、密室で殺害される事件が発生。しかしそれは、これから起きる惨劇の序章に過ぎなかった。
推理小説になぞらえて起こる連続殺人
惨劇の舞台は嵐に閉ざされた絶海の孤島ホテル
特命係は運命づけられた“血塗られた聖夜”に
渦巻く陰謀を止めることができるのか!?
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

隔離された孤島のホテルにて、次々と殺人事件が起こるという、コテコテのクローズドサークルミステリーでした。

こういうコテコテのやつを相棒で見られるというのは、もうたまりませんね。最初から最後までワクワクしっぱなしでした。

予告の段階で「絶海の孤島」というワードが出ていたり、甲斐峯秋もなぜかそこにいる、なんて意味深な一文もあったり、さらには公式のXやインスタのカウントダウンで、甲斐さんの回が「不肖の息子」についてだったりと、気になることだらけだったんです。で、僕は勝手に「カイトくん再登場のフラグなのでは?」なんて期待もしてしまい、違った意味でのドキドキもありました。

また、同じく予告の段階で、甲斐さんが毒を盛られた場面がありましたので、そちらも気になって仕方なかったです。甲斐さんが殺されてしまうのか、もしくは未遂で終わるのか。

もう何から書いていいのかわからないくらい、見どころが満載でした。

まず、特命係が絶海の孤島まで旅に出るという、そのシチュエーションだけで特別感がハンパないです。しかも小手鞠さんと美和子さんも一緒ですからね。その4人での船旅から始まりますので、最初から上がる上がる。

4人が滞在するホテルも、外観も内観も凄いので、そんなとところにもワクワクしちゃいました。

前々話『梟は夜に飛ぶ』でも、この4ショットで嬉しくなったのですが、今回はそれを遙かに上回るシチュエーションです。4人で遠出というのは、S21第16話『女神』以来ではないかと。

で、この度特命係が解決しなければならないのは、絶海の孤島での連続殺人事件です。右京さんが「まるでミステリー小説の中に紛れ込んでしまったかのようです」と言ってしまうほどに、コテコテのそれでした。

ちなみに孤島での特命係というのは、『相棒-劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』と、S18第1話『アレスの進撃』でありましたので、三度目ですね。

今回は、右京さんと亀山くんだけではなく、小手鞠さんと美和子さんも一緒ですので、そういうパターンでの孤島は初になります。さらにはトリオ・ザ・捜一と甲斐峯秋も、孤島へ。お馴染みのメンバーが、みんな揃って事件の舞台の中に入り込んでしまっているわけです。ミステリー小説の中の登場人物になってますからね。

そして、事件が推理小説になぞらえて起こっていく、というのも大きなポイントです。

小説の通りに事件が起こるのだったら、未然に防ぐことができるのでは?と、おそらく誰もが思いますよね。しかし、防げないんですよ。右京さんと亀山くんがいるのに、です。

つまり犯人は相当な強敵ってことです。

絶海の孤島での「特命係vs連続殺人犯」の闘いです。

トリックも謎なら、動機も謎、とにかく謎だらけ。

孤島のホテルというクローズドサークルですので、必然的に登場人物の一人一人が重要な存在になります。いわゆる「犯人はこの中にいる」系のやつですからね。

一番の中心人物は、特命係を島に呼んだ、段田安則さん演じるミステリー作家の美作章介です。事件も彼の書いた小説のとおりに起こりますし、脅迫も受けています。全ては彼を中心にして巻き起こってます。人気小説のモデルが右京さん、というびっくりも。

で、美作の見習い、出版社の社員、ホテルの従業員、IT実業家など、気になる登場人物がクローズアップされ、それぞれが怪しいという、定番の展開に。

それに対し、冒頭の場面は定番とは言えないものだったかもしれないですけど。だって、ほぼトリックを明かしてしまっているようなものでしたからね。だからと言って謎が解けるわけではなく、それすらも大きな謎の一つになっていました。

美作が自身の人気シリーズに、次回作で終止符を打とうと考えてるというのも、気になる点でした。

そして、事件の舞台になぜか甲斐さんがいるというのも、もう一つの大きなポイントです。美作や出版社と何やら因縁があるというのは序盤で示唆されているのですが、それがどう事件に関わってくるのか。で、前述もしましたが、そんな甲斐さんが毒を盛られるという、一大事に見舞われてしまうんです。

劇場版Ⅱでは小野田官房長が亡くなっていますので、またしても特命係の上司が、命を奪われることになるのか?と。

島に伝わる人柱の伝承というのも、直接今回の事件と関わっていくのかと気になってはいたのですが、そちらの方向には行かなかったですね。

逆に、島の外と繋がっていきました。捜一が島に来た理由が別件だった時点で、そちらとも繋がっているであろうことは薄っすらとは予測できたのですが、その繋がり方もけっこう複雑ではありました。

で、そんな島の外での捜査を担ってくれるのが、島に来ていない角田課長、土師っち、益子さんという面々でして、それもまた嬉しい。SP版では定番の社美彌子も、同じく遠隔で協力してくれています。美彌子の「メリークリスマス」は、なんだか嬉しい一言でした。

嬉しいといえば、カイトくんについても、再登場こそありませんでしたが、おもいっきり話が出てきました。回想シーンでの登場もありました。出所が近くなっているとのことなので、期待せずにはいられません。今シーズンの最終話SP辺りでくるのでは?と。

そんなカイトくんの話題だったり、遠隔での捜査だったり、甲斐さんへの毒だったり、そういった要素が加わることで、相棒ならではのクローズドサークルミステリーになっているのも、たまりません。

そして、まさか右京さん自身に大きく関わりがあるとは。思ってもいませんでした。

特命係もフル回転で捜査を進めるのですが、あの右京さんでも、相当な苦戦を強いられ、手詰まりになってしまう、なんて場面も。これだけ右京さんが真相を見破れないというのも、滅多にないのではないかと。しかしその分、一筋縄ではいかない展開で、面白さは倍増です。

真相を暴き出す強力なアシストをするのが亀山くんというのも、また相棒の素敵なところ。自分が役に立っていないのではないかと悩む亀山くん、という前振りまでありましたので、よりその役割の大きさも感じました。

かつて小野田官房長が、「特命係は杉下が動かしていると思ってました。しかし実は君の旦那様だったんだねぇ。亀山薫君」と美和子さんに言ったことがあるのですが、それに近い言葉が、今度は今の特命係の上司である、甲斐さんからも出ました。嬉しくなってしまう台詞です。

登場人物も多いですし、トリックもありますし、島の外部とも繋がりますし、過去にも遡りますし、全体的にはかなり複雑です。色んなものが絡み合っていましたからね。それゆえに、最後に全てが繋がっていくまでの過程は、大変見ごたえがありました。

二重三重のひっくり返しが待ってましたし。

そして特命係が苦戦の末に暴き出した真相と犯人。そこにはまた、切ないものがあり。

相棒では大きなテーマとなる「正義」を巡る事件でもありました。死の真相と保険金という点では、S7最終話『特命』とも共通しています。

誰かに想いを伝えることの難しさというものも、もう一つ考えさせられる点でもありました。最後に右京さんが犯人に対して頭を下げるというのは、相棒を語る上では忘れられない、新たな一場面になったのではないかとも思います。

ズバ抜けて記憶力のいい右京さんでしたが、気付かないこともあるんだな~と、そんな野暮なこともちょっと思ってしましましたけれど。

ラスト、逮捕の決定打になったものは、偶然の産物ではありましたけれど、S2第6話『殺してくれとアイツは言った』と共通するものでもありました。

タイトルの『フィナーレ』は、色んなものに掛かっていたと思います。小説、事件、人生、それぞれの「フィナーレ」の物語でした。

こんなフィナーレが待っているとは、予想もつかなかったですけれど。

とはいえ実は、一緒に見ていた嫁が、甲斐さんのトリックについては気付いてしまったんですよね。僕は気付かなかったのですが。なのでその時点で、犯人の予想というのはある程度ついてしまったんですけどね。

また、美作のマネージャーの父の死というのが、何か大きく関わっているのでは?など、わかりやすい示唆もけっこうありましたので、逆にそれらがどう「繋がっていくのか」という点でも楽しむことができました。

ゲストの皆さんも、それぞれ個性の強いキャラクターを上手く引き出してくださっています。中でもやっぱり、美作章介役の段田安則さん、独特の雰囲気がありますね。

これまでも相棒では、ミステリー作家というのは何度か登場しています。最近では、S23第3話『楽園』でのふせえりさんってのもありましたし、あとはS20第6話『マイルール』での菅原大吉さん、S6第3話『蟷螂たちの幸福』での荻野目慶子さんとかですかね。S2第6話『殺してくれとアイツは言った』の大杉漣さんも、犯罪小説家という肩書でしたけど、たぶん同じジャンルですよね。

皆さん個性的な方が多いですけれど、段田安則も強く印象に残りました。

『超能力少年』以来の濱田マリさんも、なかなかの怖さでした。

何気に今回の登場人物は、ヤバい奴ばかりでしたので、必然的にゲストさんは皆、そんなヤバい奴を演じることになりますので、演技も強烈になりますね。

終わってみれば、ヤバい人たちが孤島に集まってしまった物語にも見えちゃいましたし。

身勝手なファン心理というものにも、スポットが当てられていましたね。

今回、笑いどころは少なめの回だったのですが、衣笠&内村&中園のトリオが、その部分は担ってくれていました。なんだか衣笠さん、だんだんキャラ変わってきてる気もしますね。あと、以前コメントにて、内村さんが座っているシーンばかりで心配、というのを頂きまして、僕もそれ以降注意して見ていたのですが、確かにずっと座ったシーンのみだったんです。それが今回、立ったり歩いたりしていましたので、ちょっと安心。

そしてお偉いさんトリオだけではなく、今回は捜一トリオの方も、島の中でガッツリ特命係に協力してくれています。あの三人が一緒にいるだけで心強いものなんだな~と、そんなことも改めて感じちゃいました。三人のコスプレも楽しめましたし。

他にも、ホームズやポワロの話題が出てきたり、新聞のフォントにも詳しい右京さんだったり、右京さんが取り上げられた記事だったりと、ちょっとした面白どころも散りばめられていました。

あと、BGMも、懐かしいBGMが流れたり、初めて聞くアレンジのテーマ曲がBGMになってたりしましたね。初めての方は、大正琴みたいな音も入ってましたし、新鮮でした。

まだまだ書こうと思えば、いくらでも書けてしまうほど、盛りだくさんでした。もうこれだけでもだいぶ長くなってしまったので、この辺りでやめますけれど。

絶海の孤島で巻き起こる事件、楽しませて頂きました。

第10話『フィナーレ』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

では次に、第10話『フィナーレ』に出演された主なゲストさんを紹介していきます。元日SPだけに、今回は多いです。

段田安則(だんたやすのり)

ミステリー作家の美作章介役で、段田安則(だんたやすのり)さん。

美作は「みまさか」と読みます。右京さんも敬愛している小説家です。孤島である聖島のホテルで、毎年ファンを招いた読書会を開催していますが、手の込んだ脅迫状が届いたため、警視庁イチの名刑事である右京さんに捜査を依頼し、特命係を島に招待しました。聖島は、彼が手掛ける人気推理小説の一作目である『血塗られた聖夜』の舞台です。

段田安則さんは相棒初出演。2024年には紫綬褒章を受章している名俳優さんです。知的で物腰も柔らかい一方で、何か秘密を抱えていることも窺える作家さん役、惹かれるものがありました。段田さんは相棒は初ですが、『帰ってきたマイ・ブラザー』という舞台で、水谷豊さんと寺脇康文さんと共演されています。

 

濱田マリ(はまだマリ)

ホテルの従業員、日高桜子役で濱田マリ(はまだマリ)さん。

勤務態度も真面目な従業員です。読書会では、参加者の動画撮影を注意し、揉めている様子が目撃されています。その場は出版社社員の仲裁により収められています。事件発生後は、従業員として通常業務をこなしながら、捜査にも協力してくれています。

濱田マリさんは別役で二度目の相棒出演です。一度目は、S7第13話『超能力少年』で、少年の母親役でがっつり出演されています。前回もなかなか濃い役でしたが、今回も真面目な従業員に見えつつ、何やら気にならずにはいられない、そんな役どころ。

 

月城かなと(つきしろかなと)

美作のマネージャー、相模舞役で月城かなと(つきしろかなと)さん。

ホテルで右京さんたち一行を案内してくれた女性です。体を酷使して作家活動を続けている美作の体調を気遣い、休むように進言している様子も。また、過去に自身の父親の死について、トラウマを抱えていることも垣間見えます。

月城かなとさんも相棒初出演。元宝塚歌劇団で月組トップスターだった女優さんです。ファンの間では「れいこ」さんという愛称で親しまれているようです。2024年に退団したばかり。相棒は宝塚出身の女優さんの出演、多いですね。

 

黒沢あすか(くろさわあすか)

出版社の編集長、香坂美登里役で黒沢あすか(くろさわあすか)さん。

美作の担当をしている出版社の編集長です。甲斐峯秋と何やら因縁があるようで、この度甲斐さんが島に来た理由も、彼女が関係していると思われます。

黒沢あすかさんも相棒初出演です。黒沢あすかさんといえば、僕は真っ先に映画『冷たい熱帯魚』の、でんでんさんの妻役を思い出してしまいます。でんでんさんもヤバかったですけど、黒沢あすかさんも相当狂ってましたからね。この度の相棒では、眼鏡の似合う編集長役。

 

谷田歩(たにだあゆみ)

出版社の社員、安東将彦役で谷田歩(たにだあゆみ)さん。

香坂美登里の部下です。読書会では、イベントの参加者とホテル従業員の日高桜子が揉めているのを、仲裁した人物でもあります。体格が大柄で威圧感もありますが、実は精神的に繊細なところも。

谷田歩さんは別役で二度目の相棒出演です。一度目はS10第5話『消えた女』で、IT企業の社長役で出ています。この度は、強面ながらも神経質な出版社社員役。

 

森優作(もりゆうさく)

作家見習いの、増本文哉役で森優作(もりゆうさく)さん。

美作の下で作家見習いをしています。ホテルに着いた右京さん一行を、マネージャーの相模舞と共に出迎えています。相模舞とはまるで恋人のような距離感で接している姿が見られ、見習いとマネージャー以上の関係である可能性も。

森優作さんも別役で二度目の相棒出演です。一度目は、S18第1話と第2話『アレスの進撃』で、施設で共同生活を送っていた若者の一人を演じています。話数でいいますと三度目の出演ですね。今回は眼鏡の文学青年役。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記6名になります。

他には、相模舞の死んだ父親、三田村康之役で梨本謙次郎(なしもとけんじろう)さん。読書会に参加していたIT実業家、八木沢魁生役で須藤公一(すどうこういち)さんなどが出演されています。

梨本謙次郎さんは別役で3度目(過去にはS5-11とS5-20で、その2話は同じ役)の出演です。

 

絶海の孤島へ

「絶海の孤島」といえば、相棒ファンでしたら、まず間違いなく『相棒 -劇場版III- 巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ』が思い浮かぶかと思います。右京さんとカイトくんが、鳳凰島という孤島に潜入する物語です。

また、S18初回SP『アレスの進撃』でも、天礼島という孤島が舞台になっています。冠城くんのときですね。

そして今回、新たな孤島が事件の舞台となりました。聖島(ひじりじま)です。

島なので当たり前ですけど、海に囲まれていて、交通手段は船かヘリのみ。凄いホテルも建っていますが、このロケ地については後述をさせて頂きます。

この聖島に、この度は特命係が上陸します。しかも右京さんと亀山くんだけではなく、小手鞠さんと美和子さんも一緒に。

こちらが聖島へと船で向かう御一行。

まるで二組の夫婦での旅行みたいです。小手鞠さんと美和子さんは、シャンパンまで飲んじゃってますし。

服装もお洒落なご婦人方に対し右京さんと亀山くんはいつも通りですね。特命係仕様です。

感想の項でも書きましたが、この4人が揃って遠出をするというのは、S21第16話『女神』でのカウンセリングのとき以来かと思います。船旅というのは初めてです。

さらには日帰りでなく、島のホテルに宿泊予定のようでして、もうがっつりな旅ですね。

普通にこの4人での旅番組のドラマだったとしても、僕はじゅうぶん楽しめる自信があるのですが、もちろんそんなわけがありません。

これは捜査のためのお出掛けです。

特命係を島に招いたのは、美作章介という人気ミステリー作家。彼は人気の推理小説シリーズを10年にも渡って書き続けている作家ですが、その記念すべき第1作である『血塗られた聖夜』の舞台が、聖島なんです。で、その聖島に毎年ファンを招いて「読書会」なるイベントを開いていまして、特命係もそれに合わせて招待を受けた形です。

どうやら右京さんは、美作の小説のファンのようでして、『血塗られた聖夜』にも心酔し、ミステリー小説の名作だと公言もしています。ゆえに、船上では右京さんもテンション高かったです。

こちらが、右京さんも大好きな『血塗られた聖夜』。

後にわかるのですが、このシリーズは「久夛良木刑事」が主人公でして、そのモデルは実は右京さんだったんです。そう言われますと、イラストも右京さんにどことなく似てます。

で、一作目の舞台となった聖島は、悪霊を祓うために5人の住民を人柱にしたという言い伝えが残っていて、美作はそんな伝承をベースに、『血塗られた聖夜』を書き上げています。そんな由縁もあり、この島にて彼のイベントが開催されているわけですね。まさにファンにとっては聖地でのイベントです。

美作は、10年続けてきた人気シリーズに、次回作で終止符を打とうと考えているようで、このイベントもあと何回開催されるかわかりません。ファンにとっては貴重な機会。

しかしそんなファンも楽しみにしているイベントに、不穏なものが舞い込みます。

一通の脅迫状が、美作の元に届いたんです。

「血塗られた夜をpresent」と書かれていて、様式も美作の小説の挿絵とそっくりで、手が込んでもいます。そしてこれは、『血塗られた聖夜』の中で登場する脅迫状と同じなんです。

最近彼は、過激なファンから誹謗中傷を受けていたり、実際に襲われて警察沙汰になったこともあるとのこと。

ゆえに万が一の事態を考え、美作は以前から「警視庁イチの名刑事」としてその存在を認知していた右京さんに、捜査を依頼しました。右京さんを知るきっかけになったのは、「ダークナイト事件」とのこと。そこから右京さんについて調べ、小説のモデルにまでしてしまったみたいです。

ですので右京さんと美作は、相思相愛みたいなもんですね。

脅迫状がただのイタズラであれば、この特命係一行の旅は、楽しいもので終わったのかもしれませんが…

脅迫状の通り、血塗られた夜が幕を開けてしまいます。

 

殺人の始まり

無事、聖島に上陸した特命係は、ホテルにチェックイン。

ホテルは外観も凄かったですけど、中も凄いです。泊まってみたくなる素敵なホテル。

この日のホテルは、読書会の参加者と関係者で貸切になっているとのこと。

右京さんたちは、美作のマネージャーである相模舞と、美作の下で作家見習いをしている増本文哉に迎えられ、お部屋へ。

で、その後4人もファンたちに紛れて、読書会に参加します。

二人ずつペアになって座っていますが、こうして見ますと、ますます右京さんと小手鞠さん、夫婦にしか見えないですね。

で、ここで思ってもいない人物が読書会に参加しているのを、美和子さんが見つけます。

甲斐さんです。

絶海の孤島で知り合いに会ったら、びっくりしますよね。右京さんたちも驚いてましたけど、甲斐さんも知らなかったようで、同じく驚いてました。

僕は夫婦で宮島に旅行に行ったときに、嫁が同じ職場の人と出くわすという偶然を目の当たりにしたことはありますが。

どうやら甲斐さんも、招待を受けて島にやって来たようです。

さらにはです。ホテルにはこの人たちの姿も。

三人ともバッグ持ってます。普段は見れないやつです。出雲だけスーツケースですね。

捜一も特命係と一緒に招待されたのかと思いきや、なんと別件でこの島に滞在していたとのこと。

この後特命係と対面した際には、「こんなところで遭遇するなんて、天文学的確率じゃありません?」と芹沢さん言ってましたが、それが起こるのが相棒です。きっと皆さん、深い縁があるんだと思います。

特命係、トリオ・ザ・捜一、さらには甲斐さんまで加えると、全部で6人もの警察関係者がこのホテルにいることになります。

偶然とはいえ、これだけ警察がいたら、犯罪などなかなか犯せるものではありません。

読書会の後、特命係は美作と対面し、これまでの経緯について話を聞きます。

人気のミステリー作家と、警視庁イチの名刑事のご対面ですね。

ホテル内には、美作の記念サロンもありまして、書斎や原稿も展示されています。これには右京さんも大喜び。

小説の刑事のモデルが右京さんであることも、このとき美作から明かされました。

美作は物腰も柔らかく、紳士でして、その人柄にも好感が持てます。右京さんともミステリー談義で盛り上がり、和やかなひとときでした。

しかしこの後、亀山くんがあることに気付きます。

それは、『血塗られた聖夜』と同じ、人形を使った殺害予告。

このとき既に事件は起きていたんです。

関係者の一人が、密室となっている客室にて、遺体となって発見されました。

 

狙われた甲斐峯秋

事件が起きたのは、ホテルの201号室です、女性が殺害された状態で見つかりました。

この201号室で殺人が起きる、というのは、美作の『血塗られた聖夜』の内容と同じなんです。ゆえに、人形の殺害予告を目にした右京さんは、亀山くんと共に201号室へと駆け付けました。

部屋には鍵もチェーンも掛かっていましたので、マスターキーと工具で中へ。そして遺体を発見します。

『血塗られた聖夜』は、絶海の孤島ホテルにて、五人の男女が一人、また一人と殺害されていくストーリー。

そして小説と同じ201号室にて、密室という同じ状況下で、事件は起きました。

一つ大きく違うのは、密室のトリック。小説の中で使われたトリックでは、この密室殺人は説明がつきません。ゆえに、違うトリックが使われていると思われます。

殺人事件が起きたことで、特命係はもちろん、一課も加わり、捜査が始まります。

ただちに捜査の応援も要請したいところではありますが…なんと、聖島と本土を結ぶ唯一の交通手段である連絡船に爆発物が仕掛けられ、エンジンが爆破され、運航が不能に。

さらには嵐が近づき天気も荒れていき、ヘリや他の船も近づけない状態に。

つまり、誰も島から出ることもできなければ、入ることもできないんです。聖島は、完全に閉ざされた島になってしまったことになります。

そんな中、次の悲劇が。

またしても小説を再現した、第二の事件が起こります。なんと狙われたのは、甲斐さんでした。食事に毒を盛られたと思われ、倒れます。

右京さんも「甲斐さん!甲斐さん!」と。どうしても「かんぼうちょぉぉぉぉぉぉ!!!」を思い出してしまう一場面。

小説でも二人目の犠牲者は毒殺でしたので、食事にはじゅうぶん警戒し、確認もしたのですが、それでもやられました。

調理もチェックしましたし、配膳はこんな格好になった捜一トリオが行ったのに。

特命係のコスプレはちょいちょい登場しますけど、捜査一課というのはレアですね。しかも三人揃ってですからね。S12元日SP『ボマー』では、伊丹さんがサンタ、芹沢さんがトナカイになってたことがあるので、クリスマスに捜一のコスプレは2度目ってことにもなります。

甲斐さんが倒れたとき、美和子さんや小手鞠さんも普通に食事をしていましたけれど、なんともありませんでした。

全員に同じ食事が提供され、配膳したのも捜一ですので、いったい犯人はどうやって甲斐さんだけに毒を持ったのか。狙われた理由も不明です。

犯人が小説のとおりに全て再現しようとしているのなら、全部で5人の人間を異なる方法で殺害しようとしているはず。

これ以上犠牲者を増やすわけにはいきません。小説をなぞっているのだとしたら、防ぐこともまたできるはずです。

しかし最大限に警戒していた中、三人目の犠牲者が出てしまいます。

 

特命係vs連続殺人犯

「閉ざされた島、脅迫状に殺害予告、そして密室殺人。まるでミステリー小説の中に紛れ込んでしまったかのようですね」

右京さんの言葉です。まさにその通りで、特命係や捜査一課も、全員が小説の登場人物になったかのよう。

警察関係者が何人もいる中で、小説になぞらえて犯行を犯すというのは、並大抵のことではありません。犯人は相当頭の切れる人物であることは間違いありません。

犯行も巧妙で、右京さんの頭脳を持ってしても、真相を暴き出すことは容易ではありません。

しかも脅迫状まで送りつけているわけですからね。いわば警察への挑戦状でもあります。

これは連続殺人犯と、特命係の闘いです。

事件は閉ざされた島の閉ざされた空間の中で起こっています。つまり、犯人はすぐ近くにいることは間違いありません。

美作の関係者、ホテルの関係者、そしてイベントの参加者。

これだけミステリー小説のような事件になっていますので、必然的に「犯人はこの中にいます」にもなりますよね。

そして、美作もまた、何かを隠していると思われる節が見られます。

もう全員が怪しいです。

殺人だけではなく、美作が小説のために書き溜めていた「トリックノート」が、何者かに盗まれるという事件まで発生します。

美作は、次回作を第一話と同じく聖島を舞台にしたもので書いていて、トリックノートにはまだ世に出されていないものが書かれてたと思われます。犯人がそれに倣って事件を起こした可能性がありますが、美作は新しいトリックについては話そうとはしません。

犯人が『血塗られた聖夜』を再現しているのなら、その「フィナーレ」も小説と同じものになるはずですが、新作になぞらえているのだとしたら、「フィナーレ」はまだ書かれていないんです。

犯人はなぜこんな事件を起こしているのか。その動機がわかれば犯人像も見えてくるはず。

しかし名刑事である右京さんも、捜査に行き詰っています。

それだけ犯人が強敵ということですね。

しかしそんな状況を打破したのは、亀山くんの一言でした。

犯人が本当に狙っていた相手を、亀山くんが教えてくれました。

 

その他の見どころ

では最後に、第10話『フィナーレ』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げて締めたいと思います。

カイトの出所情報

美作は、10年にわたり書き続けてきたシリーズを、次回作で終わりにするつもりで、最初にその題材として選んだのは、「ダークナイト事件」でした。

つまり、ダークナイトをモデルにして、シリーズの最後を締めくくろうとしたわけです。

で、カイトくん本人とも面会をしていたとのこと。

カイトくん本人も、回想シーンではありますが、登場してくれました。

回想シーンでの登場は初ではありませんが、やっぱり出てきてくれるのは嬉しいですね。

ダークナイトを題材とすることに対して、蒸し返されたくない甲斐さんは、もちろん反発していたようです。しかしカイトくん自身は、出版を望んでいたとも。

そして、甲斐享の現在についての話も出てきました。「間もなく刑期を終え、出所する」と。

これはもう、カイトくん再登場のフラグだと思います。

その日はもうすぐ来るはずです。心待ちにしています。

 

右京の被害者たち

絶海の孤島での事件ではありましたが、遠く離れた警視庁にいる面々も、右京さんの無茶振りにより、捜査に協力させられています。クリスマスイブなのに。

土師っちも、お隣の薬物銃器対策課の面々が覗く中、イブを特命の部屋で過ごすことに。

角田課長は、息子夫婦が来ているとのことで、一家団欒のためのクリスマスケーキを調達中に、右京さんからの電話。

この後ケーキを持ったまま、捜査に向かってました。

あと、息子夫婦ってことは、角田課長の息子さん、ご結婚されていたのですね。

そして最後は益子さん。鑑識の部屋で猫の画像を見て和んでいたところを、右京さんからの電話。

右京さんのアイコン写真は、今シーズンの第4話『みんな彼女を好きになる』で、亀山くんが撮った写真ですね。僕は思い出せなかったのですが、コメント欄にて教えて頂きました。

皆さんクリスマスイブに無茶振りをされ、文句を言いつつも、ちゃんと協力してくれるんですよね。

警察官は大変です。ご苦労様です。

そして特命係の活躍を支えているのは彼らですね。

 

ホテルのロケ地

聖島にて、事件の舞台となったホテル。

外観からして凄かったのですが、これまた中もお洒落でして、ぜひ泊まってみたくなるホテルでした。

実際にあるホテルなのか調べてみましたところ、和歌山県の白浜町にある「ホテル川久」というホテルでした。

(画像引用元:https://www.hotel-kawakyu.jp/

実際のホテルは、絶海の孤島にあるわけではなく、その辺りは映像が加工されていますが、ホテル自体はばっちり実在しています。

私事ですが、僕は昨年、熊野三山巡りで和歌山に行きまして、白浜町にも一泊したんです。しかしこちらのホテルとは反対側の海岸である白良浜の方だったため、こんなホテルがあることも知りませんでした。

また白浜に行く機会があれば、ぜひ泊まってみたいです。相棒のロケ地巡りも兼ねて。

「ホテル川久」さんの公式サイトを載せておきますので、気になった方はぜひどうぞ。それなりのお値段はしますけれど。

 

警視庁でケーキ

中園さんが内村さんに、羊羹を出すという場面はこれまでにもありましたが、この度はクリスマスということもあり、ケーキを献上してます。

小さなチョコレートケーキにクリスマスツリーが刺さってます。

一瞬、羊羹にツリーかと思いましたが、ケーキでした。

また、別の場面では、衣笠副総監に立派なイチゴのショートケーキを出してます。

しかも和歌山県警とのリモート会議中に。

クリスマスならではの、面白いものが見れました。

今回は、衣笠、内村、中園の三人が、じゃっかん3バカトリオ的な感じになっていたのではないかと。

 

ホテルでの部屋割り

この度の特命係の遠征は、先述しましたとおり、美和子さんと小手鞠さんも同行しています。

ホテルに宿泊するという旅ですので、当然ながら亀山夫妻は同じ部屋。

ここで気になるのが、右京さんと小手鞠さんです。二人は同じ部屋なのか?と。

それについては一切明かされるような場面は無しです。S21第16話『女神』のときも、そこには触れられていませんでした。

いったいどのような部屋割りだったのか、気にならずにはいられない。

 

停電時の捜一

捜査一課トリオが、突然の停電に遭うと、こうなります。

三人ともかなりビビってます。

で、芹沢さんと出雲は、伊丹さんにしがみついちゃってます。

 

ヘリの伊丹

ヘリに乗る伊丹さんという貴重なワンシーンもありました。

伊丹さんが飛行機に乗るというのは以前ありましたけど、ヘリは初です。

トリオ・ザ・捜一全員ではなく、芹沢&出雲は置いて、伊丹さんのみの搭乗でした。

これまた貴重なものが見れました。


以上、今日は相棒season24第10話(元日SP)『フィナーレ』についてでした。

 

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