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相棒24第9話『カフカの手紙』老人とバブルの亡霊。

第9話『カフカの手紙』

あらすじと感想

相棒season24第9話のタイトルは『カフカの手紙』。放送日は2025年12月17日です。2025年最後の相棒で、S24前半のラスト回。

それでは最初に、第9話『カフカの手紙』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

住宅街の一角で、一人の老人(小須田康人)が死亡しているのが発見された。付近には3000万円の現金が入った紙袋が落ちていたが、捜査一課は遺体の状況から事件性はないと判断。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、身元の確認を押し付けられ、少ない手掛かりから捜査を始めることに。すると、公園の親子連れから情報がもたらされる。老人は、公園で手紙の読み聞かせをし、子供たちから「カフカさん」と呼ばれ親しまれていたらしい。カフカといえば、大切な人形を無くして悲しむ少女のために“人形からの手紙”を創作し、少女の心を癒したというエピソードがあるフランスの文豪。老人は、その逸話になぞらえて、人形を無くした少女のために読み聞かせをしていたという。右京と薫は、老人が使っていた封筒を扱う近所の喫茶店を訪れ、店主の女性(宮本真希)から話を聞くが…!?
3000万円を抱えて倒れた老人
その意外過ぎる正体とは…!?
背後には衝撃の事実が隠されていた!!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

S24前半の締めとなる一本は、犯人を暴き出すとかではなく、亡くなった老人の正体を突き止め、その人生を辿るという、一風変わった物語。

最初に、殺人事件の可能性は低いと、そう右京さんが言ってくれましたので、その部分でのどんでん返しというのは考えずに済みました。ですので純粋に、老人の正体を突き止めるというミッションが発動します。

遺体とともに見つかった3000万円という大金も、当然ながら老人の正体と密接に繋がっています。

最後に正体が明らかになるのかと勝手に思っていたのですが、予想外にけっこう早い段階でそちらは突き止められました。で、そこから彼の人生を辿るような物語に切り替わり、最終的には「なぜ紙袋に入れた大金を持って出掛けたのか」が、最後まで残る謎になっていました。

老人は、カフカの逸話と同じように、子供に手紙の読み聞かせをしていて、「カフカさん」と呼ばれ親しまれていましたので、その理由なんかも大きな鍵になるのかな~なんて思いながら見ていたのですが、そちらはカフカさんの人柄を象徴するような役割のものでもあり、最後の親子の関係へと繋がるエピソードでもありました。

右京さんの解説で、本家のカフカについても知ることができましたし、それが「カフカさん」と重なることで、より厚みのあるお話にもなっています。右京さんは、当たり前のようにカフカにも詳しかったですし、ドイツ語にも通じているようでした。

カフカさんの正体を突き止める過程で、明らかに「何か」ありそうな喫茶店の店主が登場しましたので、そこで謎が一つ加わったような感じにもなっています。彼女は何を知っているのか、何者なのかって謎ですね。気にならずにはいられない登場の仕方でしたので。

カフカさんの正体がわかり、その人生が見え始めてからは、店主の正体もけっこうすぐに察することができたんですけどね。

全体的にもとってもわかりやすい物語ではありました。

とにかく切なかったです。

バブルというものにも少しですがスポットが当てられていて、そんなバブルに翻弄され、天国から地獄に突き落とされた男の人生が描かれています。お金に踊らされてしまった点は自業自得なのかもしれませんけれど、彼は決して悪人というわけではなかったので、だからこそ余計に切ない物語になっていたのではないかと。

しかしです。切ない気持ちのまま終わってしまうのかと思いきや、最後にほんのり温かな気持ちになれるものが差し込まれていました。右京さん、粋でした。右京さんの創作というものが出てきたのは、S4第8話『監禁』の『亡霊たちの咆哮』、S12第13話『右京さんの友達』の『孤独の研究』に続いて3度目ですかね。

手紙を書いたのが右京さん、読み上げるのが亀山くんというのも、またよかったです。

あと、右京さん、あれ幽霊見えてましたよね、たぶん。

右京さんも亀山くんも、そしてカフカさんも、みんな優しかったです。右京さんは一度、子供に対して優しい嘘をつきましたけど、昔の右京さんだったら、そんなことはしなかったかもしれないですね。シーズンを追うごとに、右京さんも優しくなっている気がします。

子供たちへの読み聞かせという点では、前話の『梟は夜に飛ぶ』と共通するものもありました。

第6話『ティーロワイヤル』でも親子の形というのが一つのテーマになっていましたけれど、今回もそういった側面が強かったです。

カフカさん役の小須田康人さん、カフェ店主役の宮本真希さん、お二人とも素晴らしかったです。小須田康人さんは有名な舞台俳優さん、宮本真希さんは元宝塚の女優さんです。小須田康人さんの優しいカフカさんの表情も素敵でしたし、最後の店主と特命係のシーン、宮本真希さん凄かったです。懐かしいBGMも沁みました。

カフカさんの正体を探り、人生を辿る特命係の捜査も面白かったです。また、紙幣番号やお札の種類から、色んなことが推測できるものだな~と感心もしてしまいました。

前回は出番の少なかったトリオ・ザ・捜一もガッツリ登場していますし、捜査にも協力してくれてます。特命のパシリみたいにもなってましたけど。特命の部屋の前で三人で盗み聞きという、珍しいものも見れました。亀山&角田の「暇か」なんてのも。角田課長は事の成り行きにワクワクしてました。

美和子さんの帝都新聞時代の大先輩ってのも出てきました。

益子さんも身元の捜査にばっちりに協力してくれてます。土師っちは今回登場は無しでした。内村さんと中園さんも不在です。

前回なかったこてまり呑みもありました。バブル時代の小手鞠さんに少しだけ触れられるなんてことも。当時は駆け出しの芸者だった頃だそうです。

2025年最後の相棒は、切なくもありながら、温かさも残る、いいお話でした。

老人の人生を辿る物語、楽しませて頂きました。

第9話『カフカの手紙』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

それでは続いて、第9話『カフカの手紙』に出演された主なゲストさんを紹介していきます。

小須田康人(こすだやすと)

住宅街の一角で亡くなっていた老人、「カフカさん」役で小須田康人(こすだやすと)さん。

死因は急性心筋梗塞で、事件性はないと判断されましたが、遺体のかたわらには3千万円という大金が入った紙袋があったため、謎が深まります。特命係による身元の捜査で、子供たちに手紙の読み聞かせをして親しまれていた、「カフカさん」と呼ばれる人物であることがわかります。

小須田康人さんは別役で4度目の相棒出演です。一度目はS2最終話『私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女』で刑務官の役、二度目はS8第11話『願い』で大学教授の役、三度目はS12第17話『ヒーロー』で社長役で出演されています。鴻上尚史さん主宰の劇団「第三舞台」で、「小劇場の電脳俳優」と呼ばれている看板俳優さんです。

 

宮本真希(みやもとまき)

公園の一角にあるカフェの店主、中北美幸役で宮本真希(みやもとまき)さん。

お店では封筒や便箋なども販売しています。カフカさんが子供たちに読み聞かせる手紙に使用していた封筒と便箋も、そのお店のものでした。事情聴取に訪れた特命係に対し、カフカさんが二週間ほど前に来店したと証言もしています。

宮本真希さんは別役で二度目の相棒出演です。一度目はS7最終話『特命』で、サヴァン症候群の男性の姉役で出演されています。神戸くん初登場回のときの、メインだったゲストさんですね。約17年振りの相棒出演となります。宮本真希さんは宝塚歌劇団出身の女優さんです。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記2名になります。

他には、警備会社の元社長、西本省吾役で大滝寛(おおたきひろし)さん。元帝都新聞の記者、村沢榮治役で工藤俊作(くどうしゅんさく)さん。ぬいぐるみを失くした子どもの母親、伊藤夏希役で寺川里奈(てらかわりな)さん。伊藤夏希のママ友、山岸良枝役で詩歩(しほ)さんなどが出演されています。

工藤俊作さんは別役で5度目(過去にはS1-9、S6-11&12、S12-10、S21-5)の出演です。

 

行き倒れと大金

住宅街の一角で、一人の老人が遺体となって発見されました。

外傷などないことから、事件性はないと判断されます。特命係も臨場に同行し、右京さんも殺人の可能性はないのではないかと。ですので捜一はそそくさと撤収して行きました。

で、そんな見立ての通り、検視の結果、死因は急性心筋梗塞でした。さらには末期がんだったこともわかります。

お年寄りが外出し、歩いている途中で心筋梗塞で倒れ、そのまま絶命。そういった事例は珍しくはないでしょうし、おかしなことでもありません。いわゆる行き倒れですね。

しかしです。この遺体には、気にならずにはいられない、おかしな点が一つだけありました。

かたわらに、3000万円という大金の入った紙袋が落ちていたんです。

正確には3052万円。

遺体とお金を発見した若者が、よくネコババせずに通報したな、と感心せずにはいられませんが。

状況から見て、紙袋は老人の持ち物であると考えるのが自然ですが、なぜこんな大金を持って歩いていたのか、なぜ紙袋なのかなど、謎が残ります。

右京さんもそんな状況から、老人の遺体に興味を持ったようです。

老人が身元を証明するものを一切所持していなかったため、どこの誰なのかも不明なまま。

僕も、ちょっと散歩に出るときなんかでも、必ず身分証の入った財布は持って行くことにしようと、そんなことも改めて思ってしまいました。

3千万円という大金が犯罪絡みのものである可能性を考え、強盗事件や未解決事件などもあたり、紙幣番号と照合したものの、そちらも合致するものは無し。

行方不明者届けも出ておらず、身元に繋がる手掛かりと呼べるものもありません。

特命係は老人の身元を突き止めるべく、似顔絵を持って聴き込みを始めます。

そして、公園にて有力な情報を手に入れます。

遺体の老人は、「カフカさん」と呼ばれ親しまれていた人物でした。

 

カフカさんとカフェの店主

「カフカさん」というのはもちろん本名ではありません。

カフカといえば、チェコ出身の小説家で、『変身』が有名です。朝起きると自分が巨大な虫になっていた、というやつですね。僕も若い頃に読みました。細部まではもう全く覚えていませんが。亀山くんも読んだことあるみたいです。右京さん曰く「人生の不条理を描いた文学史に残る傑作」だと。僕ももう一度読んでみたくなりました。

そして僕は右京さんの解説で初めて知ったのですが、カフカには「人形からの手紙」という素敵な逸話があるとのこと。カフカは、大切な人形を失くして悲しんでいる少女のために、「人形からの手紙」を創作し、読み聞かせてあげていたそうです。

特命係が身元を調べている「カフカさん」も、本家のカフカと同じく、ぬいぐるみをなくして悲しんでいた少女のために、手紙を創作して読み聞かせていました。「カフカさん」というのは自分でそう呼んでくれと言ったようですので、ご本人も本家のカフカを意識していたんだと思います。

子供たちは、そんなカフカさんの手紙を楽しみに、彼の元に集まるようになりました。

なんとも素敵なお話じゃないですか。

実際にぬいぐるみが書いたかのような手紙の内容も、子供たちの心をつかんでいます。

子どもたちもカフカさんを、本当のお爺ちゃんのようにを慕っていたそうです。

しかし、誰もカフカさんの本名を知りませんでした。どこに住んでいて何をしている人なのかも不明。皆、手紙を読んでくれる「カフカさん」としてしか知らなかったわけですね。

特命係は、カフカさんが少女に手渡した手紙を見せてもらい、その便箋や封筒の線から当たってみることに。で、販売しているお店を見つけます。

そこは公園の一角にある喫茶店でした。「エアツェールンク」という喫茶店で、右京さんいよるとドイツ語で「物語」を意味するそうです。

ちなみにロケ地の公園は、埼玉の久喜菖蒲公園みたいです。大きな公園です。

喫茶店の店主はこちらの女性。

ゲストの項でも書かせて頂きましたが、演じているのは宮本真希さんで、神戸くん初登場のS7最終話『特命』にて、弟を見殺しにした姉の役でも出ています。前回はなかなかヘヴィな役でしたが、約17年振りとなる今回はカフェの店主役。

彼女はカフカさんについて「二週間ほど前に来店した」と証言。しかし明らかに何かを隠しているのでは?と思わせるような素振りも。

彼女はおそらく、カフカさんが何者なのかを知っています。

 

カフカの人生

特命係が身元の捜査を続ける中、益子さんからの連絡により、カフカさんが何者なのかが判明します。

てっきり特命係により判明するものだと思っていたので、益子さんからの報告でちょっとびっくりしましたけれど。

とにかく正体がわかったことで、身元に関しては大きな前進があったものの、彼には35年間の空白があるんです。その間、どこで何をしていたのかわかっていません。

また、3千万円の出どころや、なぜ紙袋に入れて持ち出したのかも依然として不明なまま。現在の住まいなどもわかっていません。

特命係は、断片的な情報を繋ぎ合わせ、空白の35年間と、現在の彼の生活に迫っていきます。

すると、カフカさんが歩んできたであろう人生が、少しずつ見えてくるんです。

そこには、バブルに翻弄された一人の男と、家族の物語がありました。

彼はなぜ3千万円という大金を所持していたのか。

大金を持ってどこに行こうとしていたのか。

全ての答えは、35年間の空白を経た「今」にありました。

物語を読み聞かせてくれたカフカさんを、子供たちはきっと忘れません。

 

その他の見どころ

では最後に、第9話『カフカの手紙』のさらに細かい見どころを、一つだけ挙げて締めたいと思います。

捜一の盗み聞き

特命係の部屋を覗いていたり、こっそり話を聞いていたりというのは、かつて大木さんと小松さんという、角田課長の部下の定番の姿でした。

この度は、トリオ・ザ・捜一が、そんな大木&小松的な感じで、部屋の入口で盗み聴きをしてます。

大木&小松スタイルとはじゃっかん違いますし、盗み聞きというより堂々としてますけどね。

三人が揃ってこんなふうに盗み聴きというのは、初かもしれません。いいものが見れました。

この後には、亀山くんと角田課長の「暇か!」のご唱和というおまけも付いてます。


以上、今日は相棒season24第9話『カフカの手紙』についてでした。

 

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