第15話『事故物件』
あらすじと感想
本日は、シーズン16第15話についてです。
相棒season16第15話のタイトルは『事故物件』。放送日は2018年2月7日で、15分拡大スペシャルでの放送です。前話が放送300回記念でしたので、今回が301回目ということになります。「事故物件」とは、前居住者が死亡した経歴のある建物や部屋などを指す言葉ですが、相棒ではどんな事故物件が出てくるのでしょうか。
では最初に、第15話「事故物件」のあらすじから紹介していきたいと思います。
パチンコ店の景品交換所で400万円が奪われるという強盗事件が発生し、逃走中の犯人が隠した現金を、一人のホームレスが偶然手に入れてしまいます。彼はネコババしたお金を隠すため、ある老人が孤独死したという事故物件を借りることに。しかしその部屋にて、お金を隠そうと開けた天井裏から「この手記が発見される時、私はすでに殺されている」と書かれた手記を見つけてしまいます。手記の主はこの部屋で病死した、大手家具メーカーの会長です。手記にはさらに「犯人を見つけた者には謝礼を支払う」とも書かれていて、彼は密かに犯人探しを始めることに。一方その頃、消えた400万円の行方を追っていた右京さん冠城くんの特命係は、「最近羽振りがいいイホームレスがいる」との情報から、事故物件を借りている男に辿り着きます。彼の挙動不審な様子に興味を持った特命係が捜査を進めたところ、孤独死した会長の一族が遺産相続で揉めていたことがわかります。果たして孤独死した老人は病死だったのか?それとも他殺だったのか?特命係とホームレス、それぞれが亡くなった老人の死の真相を追います。
簡単にではありますが、だいたいこんな感じの内容です。
今回も面白かったですね~!!
全体的に笑いの多い回でして、何度も笑わせて頂きました。
相棒で笑いといえば捜査一課コンビが絡むネタが多いかと思いますが、今回は珍しく捜一コンビは一度も出てこなかったんですけどね。ホームレスと右京さんの絡みを中心に、笑いどころが多かったです。
また、久しぶりに登場人物が多いパターンの事件でした。複数の関係者が出てきて、全員が疑わしいって展開です。シーズン2「殺人晩餐会」とか、シーズン5「女王の宮殿」とか、それらに近い形です。
今回の場合は、既に孤独死している資産家の老人が、実は病死ではなく殺人だったのでは?と思わせる手記が出てくることに始まります。そこには老人が生前に親族から命を狙われていた可能性があることが書かれていて、実際にその通り命を奪われたのでは?と。
そのような流れですので、遺産に関わり親族が全員怪しく見えてしまうわけです。
遺産相続に関わる殺人事件というだけですと、そんなに珍しいわけではなく、よくある展開かな~と思ってしまうのですが、そんな本筋にもう一本面白い軸が絡んでくるんですよ。
それが、事故物件を借りたホームレスです。
なんとなく「ホームレスvs右京さん」という図式はあるのですが、特に明確な対立関係というわけではなく、どちらかというとホームレスも捜査の一端を担うような関係でもあります。
先ほど、遺産相続の方を本筋と書きましたが、このホームレスと右京さんの絡みの方が本筋かもしれません。笑
どことなくシーズン8の「怪しい隣人」などに通じるものがある回でした。あの時は怪しい三人組が犯罪を隠しつつ右京さんと対決しましたが、今回のホームレスも、400万円のネコババという犯罪を隠しつつ右京さんと対峙しますので、自然と笑いが生まれてくるんですよね。笑
この右京さんとホームレスの絡み、そして事故物件だけに、幽霊に関する右京さんの興奮と冠城くんのビビりなど、楽しめる要素が満載でした。
もちろん、資産家老人の死の真相と、遺産相続に関する色々も気になりますし、それを右京さんが白日の下に晒す場面も面白かったです。
ホームレスの方は、最後はなんだかいい話で、気持ちが和みました。彼のキャラがかなり濃かったので、それだけでも印象に残る回になりました。笑
第15話『事故物件』、面白かったです!
ゲスト出演者
続いて、第15話『事故物件』に登場した主なゲストさんを紹介したいと思います。今回登場人物は多いのですが、主なゲストさんは一名かと思いますので、一名のみ紹介させて頂きます。
勝矢(かつや)
400万円をネコババし、事故物件を借りたホームレス、東大寺雅夫役で勝矢(かつや)さん。
部屋を借りているので、厳密にはその時点でホームレスではないんですけどね…笑。体格がよく優しそうで、いかにもいい人そうなホームレス役です。勝矢さんは、以前は勝矢秀人(かつやひでと)さんというお名前で活動されていたようです。映画「テルマエ・ロマエ」にも出演されていて、僕はそれで見たことある俳優さんでした。声優さんや、ミュージカルもされているみたいですね。相棒にはこれが別の役ですが二度目の出演で、前回はシーズン10第12話「つきすぎている女」で、月本幸子を守るために見張っていた男の役で出ています。僕もなんとなく彼の容姿で覚えていました。
今回の主なゲストさんは、上記の勝矢さん一名になります。
他には、亡くなった資産家とその一族が全部で7名登場していますので、お名前だけ以下に紹介させて頂きます。
亡くなった大手家具メーカーの会長、矢部泰造役で勝部演之(かつべのぶゆき)さん。
長女の矢部初子役で、峯村リエ(みねむらリエ)さん。
侍女の矢部継子役で、長田奈麻(おさだなお)さん。
初子の夫、矢部要役で櫻井章喜(さくらいあきよし)さん。
継子の夫、矢部寛役で石井テルユキ(いしいてるゆき)さん。
初子の息子、矢部大輔役で小澤亮太(おざわりょうた)さん。
継子の娘、矢部唯香役で吉川愛(よしかわあい)さん。
以上7名が遺産相続に関わる矢部家の人間として登場します。
このうち、亡くなった会長役の勝部演之さんは、別の役ですが今回が二度目の相棒登場で、なんと前回は記念すべき最初の相棒、プレシーズン第1話「刑事が警官を殺した!?」で、捜査一課の係長役で出演されています。こちら、後述させて頂こうと思います。
また、継子の夫役の石井テルユキさんは今回が4度目の出演で、シーズン9第1話「顔のない男」、シーズン10第8話「フォーカス」、シーズン14「はつ恋」にそれぞれ別の役で出演しています。
継子の娘役、吉川愛さんは以前は吉田里琴(よしだ りこ)というお名前で活躍されていて、一度芸能界を引退後、2017年に復帰して現在の芸名に改名されています。
上記7人とは別に、ちょい役ですが、不動産屋さんの役で、お笑い芸人プリンプリンの田中章(たなかあきら)さん、OLの役で、再現ドラマの女王と言われている片岡明日香(かたおかあすか)さんなどが出演されています。片岡明日香さんは別の役で二度目の相棒出演です。
ホームレスvs右京さん
ネコババした400万円を隠そうとして、亡くなった資産家の手記を発見したホームレス、東大寺雅夫。
上記のゲスト紹介でも書かせて頂きましたが、今回はこのホームレスと右京さんの絡みが一番の見どころでした。
相棒でホームレスと言えば、松尾貴史さんのホームレス一郎くんを僕はまず思い浮かべてしまうのですが、今回は新たに濃いキャラのホームレスが誕生です。笑
彼は体格も大きく見た目のインパクトもありますが、人間的にもとっても魅力があるホームレスなんです。優しいですし、正直でいい人なんです。
偶然見つけた天井裏の手記には「この手記が発見される時、私はすでに殺されている」、「犯人を見つけた者には謝礼を支払う」と書かれていて、彼は自ら犯人を捜そうとします。
で、その過程で、400万円の行方を追う右京さん冠城くんと出会っちゃうんです。笑
その後は、何故か流れで彼は右京さんと一緒に孤独死した老人の親族の家も訪れています。
また、右京さんと二人で事故物件にて膝を突き合わせ、焼き芋を食べるシーンなんてのもありました。
さらにはなんと、右京さん冠城くんとともに花の里にまで行っちゃってます。
月本さんとも絡んでて、その会話の内容に浮かれている様子もありました。笑
今回、彼自身が400万円のネコババという犯罪を犯していますし、それをきっかけに資産家の親族を調べているわけでして、肝心のネコババの部分や手記に関しては特命係に気付かれるわけにはいかないんです。それを隠しつつ、資産家の親族を調べるので、右京さんの追及が色々と苦しくなってくるんです。笑
そんな右京さんと彼のやりとりが、とっても楽しめます。笑
もちろん最終的には右京さんに軍配が上がるわけですけど、特命係も彼に対して優しい対応をします。そして、けっこういい話で終わるんです。
彼は借金が原因でホームレスになったと言っていたのですが、そんな彼が印象的な台詞を口にしていました。
「お金があるから人生を棒に振ることもあるんですね」と。
勝矢さん演じる東大寺雅夫。とっても魅力的なキャラでしたので、是非また再登場して欲しいです。
勝部演之さんの再登場
シーズン16は、ゲストさんの再登場がかなり多い気がします。
300回記念スペシャルでは、津川雅彦さん、高橋恵子さん、木村佳乃さんがそれぞれ懐かしい役で再登場しましたが、そういった形とは別に「同じ役者さんが違う役で」という再登場も多いかと。
今回のゲストさん、手記を残して亡くなった会長役で出演された勝部演之さんも、そんなゲストさんの一人です。
部屋で孤独死した役ではありましたが、回想という形で本編での登場シーンもそこそこあります。
ゲスト紹介でも少し触れさせて頂いたとおり、彼は記念すべき最初の相棒(プレシーズン第1話「刑事が警官を殺した!?」)のゲストさんなんです。捜査一課の係長役での出演です。こちらはそのときの画像です。
プレシーズン第1話の放送は2000年6月3日でしたので、約17年と半年振りの出演になります。
しかも、ネタバレですみませんが、以前の出演時は犯人役なんです。笑
つまり、相棒で最初の犯人ってことになります。
厳密には、甲本雅裕さんが演じていたバーテンダーも犯人と言えば犯人なのですが、黒幕が勝部演之さんなんですよ。
すみません、このブログでは明らかなネタバレは極力避けるようにしてるのですが、これは例外でお願いします。苦
相棒で最初の犯人役だった勝部演之さんが、17年半ぶりに同じドラマに出演されたことになります。今度は被害者役で。別の役での出演とは言え、17年半のインターバルでの再出演はなかなかすごいです。
僕はプレシーズンをリアルタイムで見ていたわけではなくDVDで見ましたので、17年半振りという実感は正直ありません。とは言え勝部演之さんのお顔もばっちり覚えていますし、それが最初の相棒だったことも認識しています。勝部演之さんの顔を見た瞬間、「あ、プレシーズン第1話の犯人だ」と思い出しましたからね。
もちろん17年も経っていますので、プレシーズンの頃に比べて、お年を召したな~とは思いました。Wikipediaを見ましたところ現在79歳でしたので、プレシーズンでは60代前半ってことですもんね。
きっとリアルタイムで17年前にプレシーズンを見ていた人には、今回の勝部演之さんの登場は、僕なんかよりももっと感慨深い気持ちがあるかもしれません。
相棒で最初の犯人役が、17年半振りに別の被害者役で再出演。
これは書かずにはいられませんでした。
その他の見どころ
続いては、第15話『事故物件』のその他細かい見どころを、あれこれと挙げてみたいと思います。
事故物件に興奮する右京さん
右京さんは幽霊が大好きです。
大好きと言いますか、幽霊に会いたくてたまらないんです。笑
これまでにもそんなエピソードが何度か登場していますが、今回は事故物件にテンション上がる右京さんの姿を見れました。笑
自ら事故物件に足を踏み入れ、その空気を満喫していました。幽霊に出会える可能性がある場所に来れたことを「天のお導きかもしれません」とまで言ってましたし。どこまで本気なのかわかりませんが…笑。
幽霊に異常な興味を示し、興奮する右京さんの姿を、久しぶりに見ることができて嬉しいです。
右京さん、いつか本物に出会えたらいいですね。
幽霊にビビる冠城くん
幽霊に興奮する右京さんに対して、冠城くんはめちゃめちゃビビってました。笑
事故物件にも足を踏み入れようとしませんでしたし、花の里では月本さんにもからかわれて「怖がりさん」って言われてました。笑
結果的には右京さんにもからかわれていたようです。笑
冠城くんが幽霊がダメなエピソードは、シーズン14の「神隠しの山」と「神隠しの山の始末」で出てきましたが(僕はこれを思い出せず、コメント欄にて教えて頂きました)、やっぱり冠城くん、幽霊がダメなんですね。
幽霊大好きな右京さんとは対照的です。
特命と益子さんの接近
特命係と鑑識の益子さん、回を追うごとに接近している気がします。より良好で親密な関係に移っているのではないかと。
今回益子さんは、「なかなか手に入らないレアな猫の写真集」を手土産として冠城くんにプレゼントされていまして、だいぶ上機嫌でした。笑
右京さんも米沢さんを落語のチケットなどで買収してましたが、益子さんは猫が大好きですので、これが一番効果的な賄賂のようです。笑
米沢さんがいなくなり、鑑識の協力を思うように得られなくて困っていた特命係ですが、益子さんがいればもう大丈夫ですね。
特命係が桜餅
事件が全て解決した特命係の部屋。
右京さん、冠城くん、角田課長が三人で桜餅を食べてました。
角田課長だけ先に食べていて、右京さんと冠城くんは桜餅で乾杯するような感じでした。
これは右京か冠城くんか角田課長か、誰が買って来たんでしょうね。笑
特命の部屋で和菓子って珍しいな~と思い、載せてみました。
以上、今日は相棒season16第15話『事故物件』についてでした。