第17話『倫敦からの刺客』
あらすじと感想
本日はシーズン17第17話についてです。
相棒season17第17話のタイトルは『倫敦からの刺客』。放送日は2019年2月27日です。S16に『倫敦からの客人』というストーリーがありましたが、どうやら今回もそこから繋がっている物語のようです。僕は前回のとき、「倫敦」が「ロンドン」と読むことを初めて知りました。『倫敦からの客人』はかなり不穏な影を残したまま終わっていましたので、今回はどのような展開が待っているのか気になります。
ではまず、簡単にではありますが、第17話『倫敦からの刺客』のあらすじから紹介していきたいと思います。
都内で殺人事件が発生し、小さなナイフで胸を突くという殺害方法、小指の爪が剥がされるという遺体の状況が、前々日に起きた別の殺人事件と酷似していたため、捜査一課は同一犯による無差別連続殺人事件として捜査を開始します。一方右京さんと冠城くんの特命係は、事件の直前にそれぞれの被害者に間違い電話が掛かってきていたことや、過去に犯罪に関わっていたことがあるなどの共通点があり、無差別ではない可能性を疑い、独自の捜査を開始します。そして被害者に掛かった間違い電話は、何者かが他人の番号になりすました偽装発信によるものだとわかります。おそらく、インターネットの深層に存在する「ダークウェブ」を使って行われたのではないかと。そんな矢先、右京さんと冠城くんは花の里にて、ツアーガイドの立入という男と、彼がガイドするロンドンから来た観光客、ジャック・モランという男と知り合います。その直後、花の里の近くにて3件目の殺人事件が発生し、さらには右京さんの携帯に、ダークウェブからの不審な着信が入ります。犯人による次のターゲットが右京さんである可能性も高まり、右京さんはダークウェブを駆使する手法から一人の男を思い浮かべます。それは、右京さんのスコットランドヤード時代の相棒、南井十。右京さんは彼に対し、贖罪の意識がない犯罪者を巧妙に死に追いやっているのでは?という疑いを持っています。そんな相手が、今度は連続殺人に見せかけて、右京さんを狙っている可能性も浮上します。果たして事件の黒幕はロンドンにいる南井なのか?そのターゲットは右京さんなのか?特命係が真実を追いかけます。
ざっくりにはなりますが、だいたいこんな感じの内容です。
今回も面白かったです!
S16第7話『倫敦からの客人』は、右京さんが南井十に対して疑いを持ったまま終わっていますので、どこかで続編が登場することが予想されましたが、ここできましたね。
しかも今回、南井自身は来日せずにロンドンにいる状態ですので、まだ完全決着はついていません。
ということは…まず間違いなく、さらなる続編が予定されているのではないかと。SP版とかでやりそうな気がかなりしますね。
南井十というのは、右京さんのロンドンでの相棒でして、めちゃめちゃ頭の切れる人物です。故に敵に回った場合は、相当やっかいな相手になるわけです。
例えるなら、右京さんが犯罪者の側になったら相当やっかいだと思いますけれど、それに近いものもあるくらい強敵ってことです。
そんな男が今度はロンドンから、刺客を送り込んできたんです。そのターゲットはまさかの右京さんなのか?という展開に途中からなりまして、右京さんが心配で僕はちょっとドキドキしてしまいました。冠城くんもかなり右京さんを心配してました。
しかしもちろん、ストーリーはそんなにシンプルではありません。どんでん返しもありますし、さらには今後に繋がっていきそうな伏線も登場したり。
都内で発生した連続殺人事件、ダークウェブからの着信、タイミング良く右京さんの前に現れたジャック・モランというロンドンからの観光客、そして南井十の浮上。
相棒はいつも目が離せないのが常ではありますけれど、今回も少しでも目を離すと置いて行かれそうで、必死でした。隣りで嫁が何度か話し掛けてきたのですが、聞こえない振りをしました。
図式としては、「特命係vs連続殺人犯」という事件ですが、殺人犯の背後には南井十がいると考えられますので、大きく見ると「右京さんvs南井十」の再戦です。南井はロンドンにいますので、遠距離対決ですね。
そしてその闘いの結果、南井の過去という、新たな謎も掘り起こされます。
おそらく今回の物語は、南井という男の謎や、その本質に迫るための導入だったのではないかと。
前回の『倫敦からの客人』以上に、南井の存在がますます不気味なものになりましたので、今後右京さんとどんな闘いを繰り広げるのか、楽しみでたまりません。
最後に南井十は右京さんに「今度日本へ行く」と言っています。この今度がいつを指しているのかわかりませんが、近々その最終決戦が行われるのではないかと思います。
『倫敦からの客人』、『倫敦からの刺客』ときますと、次はいったい『倫敦からの○○○』になるのかも、今から気になっています。もちろん、全く違うタイトルな可能性もありますけれど。笑
タイトルも含め、続編に期待しています。
第17話『倫敦からの刺客』、面白かったです!!
ゲスト出演者
では続きまして、第17話『倫敦からの刺客』で登場した、主なゲストさんを紹介します。今回は三名になります。
伊武雅刀(いぶまさとう)
元スコッチランドヤードの警部で、ロンドンでは右京さんの相棒だった刑事、南井十役で伊武雅刀(いぶまさとう)さん。
南井十は「みない つなし」と読みます。めちゃめちゃ頭の切れる人物ですが、更正の見込みがない犯人を巧みに自殺に追いやっているのでは?と右京さんに疑われている、因縁のある人物です。伊武雅刀はS16第7話『倫敦からの客人』で南井十として出演している他に、スピンオフの劇場版『鑑識・米沢守の事件簿』にも別の役で出演していますので、合わせると今回が三度目の相棒出演となります。
池内万作(いけうちまんさく)
続いて、外国人の富裕層をターゲットにしているツアーガイド、立入章役で池内万作(いけうちまんさく)さん。
ロンドンからの観光客であるジャック・モランを、花の里に連れて行ったツアーガイドです。池内万作さんは今回が別の役で二度目の相棒出演で、過去にはS10第1話『贖罪』に出ています。城戸充という神戸くんとかなり深い因縁のある役でして、出所後にいきなり投身自殺をするという、インパクトのある役でした。前回もけっこう癖が凄かったですけど、今回はさらに凄かったです。ちなみにですが、池内万作さんは、伊丹十三さんと宮本信子さんの息子さんです。僕は初めて知りました。
ニコラス・ぺタス
続いて、ロンドンからの観光客、ジャック・モラン役でニコラス・ぺタスさん。
ツアーガイドの立入の案内で、東京観光をしていて、花の里では右京さんとも顔を合わせています。ニコラス・ぺタスさん、僕は失礼ながら存じ上げていなかったのですが、デンマークの格闘家で、K-1にも出てる方でした。日本王者にもなっている方とのこと。サッカーの中田英寿さんのボディガードをしたこともあるみたいです。そして、たまに俳優さんもされているみたいですね。
今回の主なゲストさんは、以上3名になります。
伊武雅刀の南井十が再登場
伊武雅刀さん演じる南井十が、二度目の登場です。
元スコットランドヤードの警部でして、右京さんがロンドン研修時代には、その指導をしていたようです。
現在もロンドン在住でして、イギリス国籍です。
右京さんは東大法学部を卒業後にキャリアとして警察庁に入庁し、3年間スコットランドヤードに研修に行ってますので、そのときに出会っているってことですね。
さらには右京さん、カイトくんのダークナイト事件で無期限停職になってしまった間、渡英してスコットランドヤードに捜査協力していたそうで、そのとき南井と再会し、一緒に捜査をしていたとのこと。
こちらはそのときのワンシーンです。2014年の回想シーンです。
南井は、右京さんとは繋がりの深い関係であること窺えます。右京さんのことを「右京」と呼び捨てで呼んでいますし。
そんな南井が昨年、在住しているロンドンより来日し、日本観光を楽しみつつ、右京さんに会いに来ています。S16第7話『倫敦からの客人』のエピソードです。
二人はかつてロンドンで一緒に捜査をしていた仲ですし、来日して花の里でも仲良くお酒を飲んでいます。
しかしです。
南井十は、実は危ない奴なんです。
『倫敦からの客人』のときに起きた一連の事件の黒幕が、南井十ではないかと右京さんは疑っています。疑っているというか、証拠こそありませんが確信しているような感じです。
その事件では、犯人が何者かに操られて行動していた可能性があり、最後には自殺しています。
さらには、右京さんが停職中にロンドンにて捜査協力した事件でも、同様に犯人が自殺しているんです。
右京さんは南井について、「彼はいつの間にか人の心を開かせるところがありましてね。犯罪者でさえも、彼を信用して自供を始めるとまで言われていました」と語っています。
要するに南井は、人の心に入り込んだり、説き伏せたり、操ったり、取り込んだり、そういうことに長けた天才なんです。
上の言葉は、暗に南井が日本でもロンドンでも、犯人を操り自殺させた張本人だと匂わせています。
人を操るという点では、第6話『ブラックパールの女』で登場した、西田尚美さん演じる遠峰小夜子と通じるものがありますね。
また、南井は『倫敦からの客人』の際に、こうも語っています。「光で照らせば影ができる。光を強めれば影は濃くなる。正義と悪とはそういう関係だ」と。
これを受けて右京さんは、「影、犯罪者の中には贖罪の心を持つことができない者がいます。そんな犯罪者は、自らの死でその罪を購わせることがふさわしい」と南井に投げかけるような形で返しています。
つまり南井は、その行動の根源に「更正の見込みがない犯罪者を自殺させる」という、歪んだ正義感があるのではないかと。
はっきりとそれが明確になっているわけではありませんが、おそらくそれが南井の「正義」なのではないかと考えられます。今後の展開次第では、犯人を自殺させるのは、「正義」という理由ではない可能性もありますが。
前回の『倫敦からの客人』は、そんな南井への疑念が浮上して解決しないまま終わり、南井はロンドンに帰って行きました。
そして今回、そんな男が再び特命係の前に現れることに。
と言っても、南井本人は来日していません。ロンドンにいますので、右京さんとの対面はなく、電話で話しているのみです。
来日していないとは言え、安心できないのが南井十という男です。誰かを操ることは、ロンドンにいてもできてしまうわけですからね。
いわば今回は、「東京の右京さんvsロンドンの南井十」という、遠距離での対決です。
今回は電話でしか話していませんが、おそらく次回は直接対決が待っているはずです。そこで最終的な決着がつく闘いになるのではないかと。
南井十はラスボス感も強いですし、SP版で決着をつけるのでは?と僕は勝手に思っております。
「僕はあなたを絶対に許さない」
これは、右京さんが電話にて南井に放った言葉です。
南井十の正義に対する、右京さんの正義。
その最終決戦を、楽しみに待ちたいと思います。
右京さんが暗殺の標的に?
これまでにも右京さんは、事件の捜査の過程で、数々の危険な場面にはさらされています。
監禁されたこともありますし、狙撃されて負傷したこと(偶発的ではありましたが)もあります。
しかしながら今回は、「暗殺のターゲット」として殺し屋に狙われているのでは?という、今までにないパターンでの危険な事態に巻き込まれることに。
都内にて発生した連続殺人事件では、いずれも被害者が死の直線に、ダークウェブを使われて発信された、不審な電話を受けています。
それが今度は、なんと右京さんにまで掛かってきちゃうんです。右京さん自身の番号からという怖い着信で、出たところ無言で切れてしまいました。
要するに、次のターゲットはお前だ!っていう可能性があるわけですよ。この状況は怖いです。
もし僕が同じ状況に置かれたら、間違いなく一歩も外出はしないと思います。しかしながら右京さんは、そんなことはお構いなしで捜査を続けます。
冠城くんは右京さんを心配して、特命の部屋を出ないように言っておいたみたいなんですけどね。
右京さんを本気で心配している冠城くんの姿は、いいな~と思ってしまいました。笑
鏡見悟(かがみさとる)は南井十?
今回、連続殺人事件を追う過程で、「もらい子殺人事件」という過去の事件が取り上げられました。
鏡見産院という病院を経営する夫婦が、何らかの事情により育児ができなくなった親たちから子供を引き取り、養育費や補助金を受け取っていたにもかかわらず、子供たちには食べ物も与えずに、100人以上の子供が亡くなったという事件です。
これは相棒の中の事件ですが、このような事件は実際に、過去の日本で何件も起こっていたみたいですね。
相棒の中では、今回の連続殺人の被害者の一人が、この鏡見産院にいた子供の生き残り、というお話でした。
で、気になるのがこちらの一枚の写真。
ここに写っている右側の子供は、殺人事件の被害者の一人、窪田宗。
窪田宗の元の名前は鏡見宗です。鏡見産院に引き取られて育ったので、鏡見姓だったってことですね。それが窪田さんの養子になり、窪田宗になったと考えられます。
そしてもう一人、左の子供は、鏡見悟。
この鏡見悟という子供が、南井十なのでは?と思わせるシーンが最後にあり、今回の物語は幕を閉じました。
しかし南井は両親が渡英して、そこで生まれ育ち、イギリス国籍になっているはずです。なのでその子供が南井だった場合には、本当の生い立ちには秘密があるのかもしれません。
今回の事件も、南井の言う「兄弟」とは、右京さんのことではなく、窪田宗のことだったのではないかと。
おそらく南井十と右京さんの最終決戦には、南井十の過去、鏡見産院、鏡見悟、その辺りがおもいっきり絡んでくるのではないかと思われます。
そして何よりです。
鏡見悟(かがみさとる)って、「か」で始まって「る」で終わるんですよね。
その他の見どころ
では続いて、第17話『倫敦からの刺客』の、その他細かい見どころを、あれこれと挙げてみたいと思います。
花の里での交流
右京さんや冠城くんが花の里を訪れている時間、他のお客さんがいることはまずありません。
また、二人の席以外にも誰かしらが座っているときは、二人の関係者であるパターンがほとんどです。
しかし今回は、右京さんとも冠城くんとも面識のない、初対面の相手が二人、カウンターに座っています。これはかなり貴重です。
ロンドンからの観光客であるジャック・モランと、そのツアーガイドの立入章です。二人は予約して花の里に来てました。
で、この二人は、特命係の二人とも花の里にて会話するんです。お客様同士の交流です!!笑
右京さんはジャック・モランと英語で話してました。いつも右京さんが英語で喋るたびに、そういえば右京さん英語ペラペラなんだな~と思い出します。笑
右京さん、ジャック・モランに英語で煮こごりを説明をしてました。
こちらが花の里の煮こごりです。美味しそうです。
角田課長とチェス
右京さんが、角田課長とチェスをしています。
この二人がチェスしてることろは、おそらくこれが初めてなのではないかと。
ありそうでなかった絵です。
角田課長は、右京さんと青木がチェスしてるところを、真ん中で見てたりとかはありましたけどね。
角田課長、以前からチェスできたのでしょうか、それとも最近覚えたのでしょうか。
どちらにしても、貴重なワンシーンが見れました。
割れるティーカップ
右京さん愛用のティーカップにヒビが入ってしまい、紅茶がこぼれてしまいました。
長い相棒の歴史の中でも、ティーカップが割れるというのは初めての出来事です。
どうやら右京さんお気に入りのカップだったようで、長年使っていたものとのこと。
お気に入りのカップが割れるって、悲しいですよね。
うちの嫁も、お気に入りのワイングラスを倒して割って、絶望的な顔をしたことがありました。
両耳に手
右京さんと冠城くんが、両耳に手を当てて歩いています。これはかなり面白い絵です。
僕はこのポーズで、真っ先に号泣会見の野々村竜太郎を思い出してしまったのですが…笑。
もちろん右京さんと冠城くんは、野々村竜太郎をやりながら歩いていたわけではなく、どこかで鳴っている携帯電話を見つけるために、耳に手を当てて歩いていただけなんですけどね。
前話では右京さんの嗅覚の鋭さが顕著になってましたけど、今回は聴覚の鋭さも同じく顕著になってました。右京さんの五感は凄いですね。
以上、今日は相棒season17第17話『倫敦からの刺客』についてでした。