第11話『密着特命係24時』
あらすじと感想
本日はシーズン17第11話についてです。
相棒season17第11話のタイトルは『密着特命係24時』。放送日は2019年1月16日です。元日SPの後、通常版では2019年最初の相棒になります。タイトルから「警察24時」的なドキュメンタリー番組を思い浮かべてしまいますが、どのような内容なのか気になります。
それではまず、簡単にではありますが、第11話『密着特命係24時』のあらすじから紹介していきたいと思います。
内村刑事部長のつてで、捜査一課に警察密着番組の取材が入ります。番組のディレクターがカメラを持ち、捜査一課に同行する形です。そんな中、弁護士が転落死するという事件が発生し、伊丹さんと芹沢さんも、ディレクターと共に事件現場へ。状況から自殺の可能性が高いかと思われましたが、遺体の顔にはペンキが掛けられているという不可解な点も。現場での撮影は伊丹さん芹沢さんを対象に行われていましたが、そこに右京さん冠城くんの特命係が現れると、いつの間にかその中心が特命係に移ってしまいます。捜査一課の取材だったはずが、特命係がメインになってしまったため、出来上がった映像は内村刑事部長の判断でお蔵入りに。しかし、そんなお蔵入りになった映像を見ていた右京さんは、そこに辞職した立花という警察官が映り込んでいるのを発見します。立花は3年前に、女性刺殺事件の犯人を正当防衛で射殺した警察官で、一課の芹沢さんとは同期だった人物です。3年前の事件後、立花は射殺した犯人の遺族から告訴されていて、そのとき遺族側の弁護をしていたのが、今回転落死した弁護士です。立花が転落死に何かしら関わっている可能性も高くなり、右京さん冠城くんが捜査を進めていくと、弁護士の事務所から謎の暗号が見つかります。暗号は事件の真相を解く鍵なのか?立花は弁護士転落事件に関係しているのか?右京さん冠城くん、そして立花と同期だった芹沢さんが、真相を究明します。
ざっくりにはなりますが、だいたいこんな感じの内容になります。
今回も面白かったです!!
まず、警察の密着取材という、これまでにない入口からして、そそられます。僕は個人的に「警察24時」的な感じの番組大好きなんですよね。あれやってると、ついつい見ちゃうんですよ。
相棒が、そんな警察24時ふうにいきなり始まるという、いままでにないパターンでの導入に、ニヤけてしまいながらも、テンション上がってしまいます。
元々は捜一の密着取材だったのに、いつの間にか主役が特命係になっているという、その流れもとっても自然で面白いです。
で、そんな取材期間中に発生した事件について、取材映像をきっかけにして、特命係がそのまま捜査を進めていくわけです。
軸としては、現在起きた「弁護士の転落事件」と、3年前に起きた「警察官による犯人の射殺」という、過去と現在の二つの事件がどう繋がっているのか、というのが一番の中心です。それを解く鍵として、「暗号」という要素も加えられています。
過去が現在に繋がっているというパターンは、相棒に限らず刑事ドラマなどでは定番の一つではありますが、相棒ではそこに一ひねりも二ひねりも加えられていますので、そう単純な物語にはなりません。
過去と現在の二つの事件、その太い軸に、密着取材をしていたディレクターが絡み、芹沢さんが絡み、より物語を盛り上げてもくれています。
やべきょうすけさん演じるディレクターのキャラも個性的でしたし、お蔵入りにはなってしまいましたが、特命係を主役として出来上がったドキュメンタリー番組は、それだけでも楽しめました。密着取材を受ける捜一や特命係の様子も面白かったです。新鮮なものも見れましたし、楽しませて頂きました。笑
また、事件と関わりがあると疑われた元警察官が芹沢さんと同期だったこともあり、芹沢さんが何かとクローズアップされた回でもありました。同期だった警察官の無実を信じ一人捜査をしたり、感情をあらわにしたり、芹沢さんの優しさ、まっすぐさ、熱さも光っていたかと思います。
主軸の事件の真相の方は、どんな結末が待っているのか、いつものごとく予想もつきませんでした。暗号の謎を解き、真相に辿り着く右京さんはさすがです。
そしてゲスト出演者さんにも注目です。後述させて頂きますが、亀山くん卒業回のS7『レベル4』にて犯人役だった袴田吉彦さん、神戸くん初登場のS7最終話『特命』にて、サヴァン症候群の役を演じていたやべきょうすけさんが、今回は主なゲストさんとして出演されています。
様々な要素が盛り込まれ、楽しみどころが多い回だったかと思います。
特命係のドキュメンタリー番組も見れましたし、芹沢さんの普段あまり見られない姿も見れましたし、右京さんの墓場での激昂も見れましたし。笑
第11話『密着特命係24時』、面白かったです!!
ゲスト出演者
では続きまして、第11話『密着特命係24時』に登場した、主なゲスト出演者さんを紹介します。今回は二名です。
袴田吉彦(はかまだよしひこ)
まずは、三年前に犯人を正当防衛で射殺してしまった元警察官、立花和樹役で袴田吉彦(はかまだよしひこ)さん。
犯人射殺は正当防衛が認められますが、その後自ら警察官を辞職しています。捜査一課の芹沢さんとは同期という設定です。袴田吉彦さん、相棒には今回が別の役で二度目の出演で、過去にはS7『レベル4』に犯人役で出ています。『レベル4』が前後篇だったため、厳密には今回が三話目の出演ということになります。
やべきょうすけ
続いて、警察密着番組のディレクター、野田啓一役でやべきょうすけさん。
自ら撮影も行うディレクターで、密着した刑事にあだ名をつけたりもしています。コミカルな一面や熱い一面もあります。やべきょうすけさんも今回が別の役で二度目の相棒出演で、前回はS7最終話『特命』で、事件の鍵を握るサヴァン症候群の役で出ています。
以上、今回の主なゲストさんは上記の2名になります。
コメント欄にてもご指摘頂いたのですが、亀山くん卒業回に出ていた袴田吉彦さん、そして神戸くん初登場回に出ていたやべきょうすけさん、この二人が同じ回で再出演というのは、とても興味深いな~と思わずにはいられません。
今回他には、三年前に立花によって射殺された男の父親、佐々木茂雄役で井上純一(いのうえじゅんいち)さんが、上の二名に続くゲストさんです。井上純一さんも今回が別の役で二度目の出演で、過去にはS12第6話『右京の腕時計』に出ています。
また、声のみの出演ですが、警察密着番組のナレーションで、声優の武虎(たけとら)さんが出演しています。
袴田吉彦が元警察官役で再登場
袴田吉彦さんといえば、アパ不倫。
からの変態仮面。
というイメージが最近ではけっこう強いのではないかと思います。
アパ不倫でさんざん叩かれ、そこから開き直っての変態仮面は素晴らしかったと思います。僕もその勇姿はしっかりと見させて頂きました。
そんな袴田吉彦さんですが、相棒での役と言えば、亀山くん卒業回である『レベル4』にて、危険なウィルスを持ち出した小菅彬です。
亀山くんの卒業という、めちゃめちゃ印象に残る回での犯人役ですので、そのイメージはかなり強いです。
ですので袴田さんが、原田龍二さんと一緒に変態仮面をやった際には、「陣川くんと小菅の変態仮面だ!」と思ってしまった程です。まさに夢のコラボでした。
僕は今回の予告で袴田吉彦さんが映し出されたときも、「小菅彬が出所したのか?」と一瞬思ってしまいましたからね。
しかし実際は袴田吉彦さんが小菅で再登場したわけではなく、別の役での出演でした。
相棒で二度目となる袴田さんは、元警察官の役です。
ばっちり警察官の制服も着ています。
この袴田さん演じる立花という警察官が、3年前に女性刺殺事件の現場に居合わせ、犯人を射殺してしまったんです。で、犯人の遺族から告訴され、結果的に自ら警察官の職を辞しました。
そして3年後、当時立花を告訴した原告側の弁護士が転落死を遂げ、その現場に立花の姿があったんです。
これは、何の繋がりもないわけがありません。めちゃめちゃ怪しいですからね。
果たしてこの立花という男が犯人なのか?というのが、今回のストーリーの一番の軸になりますので、彼が一番の中心人物でもあります。
さらにはこの立花は、芹沢さんの同期なんですね。芹沢さんとは、同じ所轄で交番勤務をしていたそうです。
警察で芹沢さんの同期という人物が登場したのは、おそらくこれが初めてではないかと思います。
同期だった男が弁護士転落死の犯人かもしれない、という状況ではありますが、芹沢さんは正義感の強かった立花を信じるんです。あいつが犯人なわけないと。そして立花の無実を信じるがために、一人で捜査をするんです。伊丹さんに怒られながらも。
そして、芹沢さんが涙を浮かべて熱く怒鳴るという、普段なかなか見られないシーンもありました。
芹沢さんって熱くて優しい刑事なんだな~と、改めてそれを実感してしまいました。
今回の物語は、同期だった元警察官を信じる、芹沢さんの物語でもあったのかもしれません。
オールバック刑事とワイルド刑事
今回のタイトルは『密着特命係24時』。
そのタイトル通り、特命係の密着番組が制作されます。
かつて右京さんは新聞に取り上げられたことや、中学生に取材を受けたことはありましたが、特命係が対象となり、ドキュメンタリー番組が作られるのは初めてです。
本来の主役は特命係ではなく、捜査一課だったんですけどね。いつの間にか自然と特命係が主役になっちゃった形です。笑
密着して映像を撮影したのは、やべきょうすけさん演じるディレクター、野田啓一です。彼は自らカメラを持ち、現場を取材するスタイルです。
伊丹さん芹沢さんの警察車両にも同乗しています。
そして番組は、こんな感じで仕上がってます。
警察24時風な番組で、こんなふうに右京さんと冠城くんが出てくるのは、嬉しいですし新鮮ですね。伊丹さん、芹沢さんも出てます。
そして番組の中で最も注目すべきは、右京さんと冠城くんの「あだ名」ではないかと。
二人は番組内で、こんなふうに紹介されちゃってます。笑
右京さんがオールバック刑事(でか)、冠城くんがワイルド刑事(でか)です。笑
見た目そのまんまなだけですけど、面白いですね、これは。
このあだ名を付けたのは、撮影も行ったディレクターの、やべきょうすけさん演じる野田です。どうやら野田は、密着した刑事にあだ名を付ける習性があるようです。
で、右京さん冠城くんも、そんなあだ名を付けられちゃいました。二人ともどうやらこのあだ名は気に入ってはいないみたいでしたけれど。笑
野田は特命係の部屋も訪れていますし、右京さん冠城くんとの絡みもありました。
芹沢さんとはサシで飲みにも行ってます。転落事件の後は、芹沢さんに一番密着していたので、けっこう仲良しになったみたいですね。この居酒屋さんも、どちらかの行きつけなんでしょうか。
今回はこの野田ディレクターの撮った映像が、二度も役に立ちました。彼が密着取材をしていなければ、もしかしたら真相に辿り着けなかったかもしれないですね。
そして何より、放送されずに残念ではありましたが、特命係の密着番組という、面白いものを見ることができました。
その他の見どころ
では次に、第11話『密着特命係24時』の、その他細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。
芹沢さんが花の里
芹沢さんが、右京さん、冠城くんと一緒に花の里で飲んでます。芹沢さんはビール飲んでますね。
花の里でのこの3ショットは初めてです。
芹沢さん、伊丹さんの愚痴とか口走ってました。笑
芹沢さんは、裏相棒を除く本編では、S7第16話『髪を切られた女』で初めて花の里に来店しています。そのときは右京さんと二人だけでした。
その後、S15最終話『悪魔の証明』では伊丹さんと二人で来ています。今回はそのとき以来のご来店ということになるかと。
芹沢さん、スピンオフの裏相棒では、けっこうな頻度で花の里に登場するんですけどね。本編ではかなりレアです。
ちなみに、芹沢さんが花の里に登場する裏相棒は、全部で4話です。
裏相棒1では第七夜『続・花の里奇譚』、裏相棒3では、第一話『理想の刑事』、第四話『再会の時』、第五話『運命』です。裏相棒2には花の里は出てきません。
芹沢さんには、是非とも伊丹さんと一緒に、花の里を行きつけにして欲しいです。
スイーツ芹沢
芹沢さんネタをもう一つ。
弁護士転落事件の現場に居合わせた、袴田吉彦さんの立花。
状況からすると、立花が転落事件に何かしら関わっている可能性は濃厚です。犯人である可能性もかなりあります。
しかしながら、彼と同期だった芹沢さんは、正義感の強かった立花のことを、犯人なわけがないと信じるんです。
そんな芹沢さん、伊丹さんに「だからお前はスイーツなんだよ!」と怒られてました。
伊丹さんは怒鳴りつつも、なんだかんだ言って優しいんですけどね。
この「スイーツ」というのは、芹沢さんが「甘ちゃんだから」ということから付けられたあだ名です。
付けられたのは、スピンオフの裏相棒3第一話『理想の刑事』のときで、伊丹さんにより「スイーツ芹沢」と命名されました。甘ちゃんのお前にはぴったりのあだ名だ、と。
裏相棒で付けられたあだ名が、こうして本編でもちゃんと生きていたんですね。笑
伊丹さん、もしかしたら芹沢さんのこと、たまに「スイーツ」と呼んでいるのかもしれないですね。
オールバック刑事とワイルド刑事に加え、スイーツ刑事まで出てきましたので、あだ名づくしの回でした。
パンダ刑事
せっかくなので、もう一つあだ名の話題を。
角田課長のあだ名が「パンダ刑事」になりました。名付けたのは右京さんです。
角田課長自身は、「マル暴刑事」とか「ちょいわる刑事」なんかがよかったみたいですけど、どちらも却下され、パンダ刑事に。
角田課長にぴったりのあだ名だと思います。笑
青木年男の動向
特命係に左遷させられていた青木年男が、前話にていきなり、元いたサイバーセキュリティ対策本部へと戻って行きました。
青木の特命在籍中に、大きな「何か」が起こるのでは?と僕は勝手に思っていたのですが、そのようなことも一切なく、あっさりと移動になってしまいました。
在籍中は、右京さん冠城くんの捜査に大いに役に立っていましたけれど。青木年男は、仕事はできる奴ですからね。笑
そんな青木が特命を離れたことにより、今後の関係性に何かしら変化があるのかどうか、多少ですが気にはなります。
今回青木は、普通に特命の部屋を訪れています。「暇か?」って言いながら入って来てました。
青木の真意はまだわかりかねますが、いつの間にか右京さんと冠城くんのこと、けっこう好きになっているのでは?と感じなくもありません。笑
特命と青木の関係、今後も注意深く見守っていきたいです。
カメラ目線のてるお
警察密着番組の取材は、捜査会議にもカメラが入っています。
で、会議を仕切る中園参事官もカメラを向けられ、めちゃめちゃ意識して、カメラ目線に。笑
そんなカメラ目線のてるおで、今回の記事は締めたいと思います。
以上、今日は相棒season17第11話『密着特命係24時』についてでした。