第8話『微笑みの研究』
あらすじと感想
本日はシーズン17第8話についてです。
相棒season17第8話のタイトルは『微笑みの研究』。放送日は2018年12月5日です。タイトルそのままですと、何かしらの「微笑みに関する研究」がテーマとなるストーリーかと思いますが、そこからだけですと内容が予測できませんね。
では最初に、そんな第8話『微笑みの研究』のあらすじから、ざっくりですが紹介していきたいと思います。
認知科学の権威である大学教授が心臓麻痺で死亡し、呪い殺されたのではないかという噂がSNSで広まります。教授が研究していた認知科学は、人間の心のメカニズムを研究する学問です。その第一人者が呪い殺されたという噂に興味を持った右京さんは、冠城くんとともに教授の死について調べ始めます。教授を呪い殺したのではないかと噂されているのは、半年前に転籍してきたばかりの助教、川村里美という人物です。川村は、教授が死亡する前日に、教授を睨みながら「死ね」とつぶやく姿や、人を呪い殺せると公言している霊能者と会っているところを学生に目撃されていて、それらが原因で噂が広まったのではないかと考えられます。特命係が関係者に聴取をしていた際には、「事件性はない」という言葉を聞き、一人微笑む川村の姿を右京さんは見逃しません。そして彼女が教授の死に関わっている可能性を考え捜査を進めますが、彼女には完璧なアリバイが存在していることが判明し、教授を殺害することは不可能です。果たして教授は本当に呪い殺されたのか?その犯人は助教の川村なのか?右京さんと冠城くんが真相を暴き出します。
だいたいですが、こんな感じの内容になります。
今回も面白かったです!!
まずは「呪い殺す」というオカルト的な導入で物語は始まります。オカルト好きな右京さんが、青木年男に上手く誘導されて、捜査に乗り出しちゃった形です。笑
相棒では以前も呪いがテーマになった回がありまして、冠城くんの口からもそれについて少し触れられていました。S15第1話『守護神』で、小野ゆり子さん演じる女性が、人を呪い殺したと出頭してきた回ですね。
今回も、心臓麻痺で死亡した大学教授が、実は呪い殺されたのでは?と噂されていて、特命係はその真相に迫っていくという内容です。
右京さんは呪いとか幽霊とか大好きですので、若干テンションが上がってる右京さんの姿を見ることもできました。笑
今回も『守護神』のときのように「呪い殺し」の謎一本で進むのかな~と思いきや、意外と早い段階でそこから離れていきます。
そして気付けば完全にオカルトを離れ、科学的な視点になってました。笑
認知科学という、人の心のメカニズム研究に携わる人たちが事件の関係者でしたので、自然とそっちよりの内容に移行していきます。
コールドリーディング、バーナム効果、エンパスなどの用語も登場します。
その延長線上で、洗脳だったり、人を操ったり、そういった問題に繋がる要素もあったかと思います。
あくまでも一本の軸は、大学教授の死の真相ではありますが、それにがっつりと、認知科学が絡んだ物語になっていました。
右京さん冠城くんが暴き出した真相の先には、いつもの如くどんでん返しも待っていますので、最後まで目が離せません。
怪しいかな?と思う人物は出てくるのですが、毎回毎回、僕の浅はかな予測は見事に裏切られます。笑
助教の川村里美が浮かべた微笑の意味も、今回の大きな軸の一つではあったのですが、その真相はなんだか切なくて…。結末も少し悲しい気持ちになってしまうものでした。
まさか呪い殺しから、こんな展開になっていくとは。
呪いを解き明かしていく特命係と、謎の微笑を浮かべる女。
第8話『微笑みの研究』、面白かったです!!
ゲスト出演者
それでは続きまして、第8話『微笑みの研究』に登場した、主なゲストさんを紹介していきたいと思います。今回は3名になります。
佐津川愛美(さつかわあいみ)
まず、教授を呪い殺したのではないかと噂されている大学の助教、川村里美役で佐津川愛美(さつかわあいみ)さん。
半年前に別の大学から転籍して来た助教です。准教授の高野の助手をしています。佐津川愛美さん、美人ですがどこか不安定な雰囲気もある助教の役が、とっても似合っていました。祈祷している姿や、問題の微笑のシーンなどは、ちょっとした狂気も感じさせる、魅力的な助教でした。どことなく前田敦子さんに似てるな~と思ってしまったのは僕だけでしょうか。
冨樫真(とがしまこと)
続いて、亡くなった教授と以前は共同で認知科学の研究をしていた准教授、高野鞠子役で冨樫真(とがしまこと)さん。
助教の川村を助手にしている准教授で、現在は認知科学とは別の「共感」に関する研究をしています。冨樫真さん、どこかで見た覚えがあるな~と思っていたら、相棒でした…笑。以前は別の役で、S4第17話『告発の行方』に出演されています。今回が二度目の相棒出演になります。
オクイシュージ
続いて、高野と同じく大学の准教授で、認知科学の観点からオカルトを研究している、猪瀬啓吾役でオクイシュージさん。
人を呪い殺せると公言していた霊能者とも面識がある准教授です。オクイシュージさんは、旧芸名は本名の奥居俊二で、2001年に改名されています。失礼ながら僕は存じ上げていない俳優さんだったのですが、舞台を中心に活躍されている俳優さんで、ラジオDJとしても知られている方のようです。
以上、今回の主なゲストさんは上記の3名になります。
他にもちょい目立つゲストさんが多い回ではあったのですが、数名だけ挙げさせて頂きます。霊能者の政道神大役で岡田正(おかだただし)さん。亡くなった大学教授の宇佐美真一郎役で並樹史朗(なみきしろう)さん。高野の生徒役で小野塚勇人(おのづかはやと)さん、などです。
岡田正さんは今回が3度目の出演で、過去にはS2第14話『氷女』とS9第13話『通報者』に別の役で出演されています。
並樹史朗さんも今回が別の役で6度目の出演で、過去にはS2第2話『特命係復活』、S4第14話『アゲハ蝶』、S7第8話『レベル4~前篇』、S7第9話『レベル4~後篇』、S13第9話『サイドストーリー』に出演されています。相棒の常連さんですね。もしかしたらまだ他にもあるかもしれません。
呪いと認知科学
今回「呪い殺されたのでは?」との噂がたった、亡くなった大学教授は、認知科学という学問での第一人者でした。
認知科学というのは、「人間の心のメカニズムを総合的に研究する」学問みたいです。ストーリーを通して、この認知科学というのが重要な要素となっていました。
僕は認知科学という言葉はこれまで耳にした覚えがありませんでしたので、この学問は相棒の中の架空のものかな?なんて思ってしまい、なんとなく調べてみたところ、実在する学問でした…。お恥ずかしい。
Wikipediaを引用させて頂きます。
認知科学(にんちかがく、英語:cognitive science)は、情報処理の観点から知的システムと知能の性質を理解しようとする研究分野。認知科学は以下に挙げる諸学問の学際領域である。
・心理学 - 認知心理学 - 進化心理学 - 文化心理学
・人工知能 - ニューラルネット - コネクショニズム - 計算機科学
・言語学 - 心理言語学 - 生成文法 - 認知言語学
・人類学 - 認知人類学 - 認知考古学
・神経科学 - 認知神経科学 - 脳科学
・哲学 - 心の哲学 - 認識論
こうして説明を読んでも、頭のよろしくない僕には、なかなか理解不能です。笑
ものすごくざっくりと解釈すると、「人間の心のメカニズムを、様々な学問を活用して解明する」感じでしょうか。
認知科学でも様々な分野があるようでして、亡くなった宇佐美教授は天才児の研究を、高野准教授は共感についての研究を、猪瀬准教授はオカルトの研究をしています。
例えば猪瀬准教授は、霊能者の研究なんかもしてるんです。
それに絡んで「コールドリーディング」や「バーナム効果」なんて言葉も登場します。
今日は引用が多めですけれど、コールドリーディングの解説はこちら。
コールド・リーディング(Cold reading)とは話術の一つ。外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術である。「コールド」とは「事前の準備なしで」、「リーディング」とは「相手の心を読みとる」という意味である。
(引用元:https://ja.wikipedia.org/)
バーナム効果の解説はこちらです。
バーナム効果(バーナムこうか、英: Barnum effect)とは、誰にでも該当するような曖昧で一般的な性格をあらわす記述を、自分だけに当てはまる性格だと捉えてしまう心理学の現象。
(引用元:https://ja.wikipedia.org/)
今回出てきた霊能者に関しては、上記のコールドリーディングやバーナム効果を上手く使うことによって、「人の心を読む能力に長けている」んだと分析しています。
冠城くんは、そんな霊能者に危うく騙されるところでした。笑
冠城くんが霊能者に詰め寄られているときの、右京さんの顔も面白かったです。笑
いわゆる日常生活でも、僕たちは相手の心を「察する」ようなことは、自然としているかとは思います。しかしながら、表情や瞳孔や声から読み取ったり、そこまではなかなかできません。天性のものもあるでしょうし、訓練で身につくものもあるとは思いますけれど。
メンタリストとか、詐欺師とかは、そういうことに長けたプロなのかもしれないですね。
ある意味では刑事さんとかも、そっちの部類に入るのではないかと思います。
コールドリーディングやバーナム効果も興味深いですけれど、それらも含めた認知科学って、なんだか面白そうな分野ですね。笑
今回の事件の真相も、そんな認知科学の延長線上にありました。
科学というものの倫理や道徳に関しても、右京さんがその正義を問う内容だったかとも思います。
佐津川愛美とエンパスの研究
教授を呪い殺したのではないかと噂されている、佐津川愛美さん演じる助教の川村里美。
特命係が研究室を訪れ聴取をしている際に、彼女は不自然なタイミングで微笑みを浮かべるんです。
で、右京さんはそれを見逃さずに確認していて、当然ながら引っ掛かるものを感じてしまいます。そこ、微笑むとこじゃないだろう、なぜそこで微笑んだんだ?と。
そしてその裏には切なくなってしまうような真相が隠されているんです。
前項にて、コールドリーディングやバーナム効果について触れましたが、もう一つ大きなキーワードが登場しました。
それが「エンパス」です。
准教授の高野は現在、共感についての研究をしているとのことですので、おそらくエンパスも含まれているのではないかと考えられます。
エンパスとは、僕はなんとなくはわかった気でいるものの、ちゃんと理解はしてないので、またまた解説を引用させて頂きます。
エンパスとは、非常に高い共感能力を持つ人のこと。 他人の気持ちに共感できないサイコパスとは真逆の性質です。 一を聞いて十を知れる、空気を読める、人の嘘を見抜けるなど、共感力の高さを発揮する一方で、人の気持ちを汲み取りすぎて気づかれすることも多いのが特徴です。
(引用元:https://globo-site.com/)
ざっくりではありますが、相手の気持ちや考えなどが、人並み外れてわかってしまう、といった感じでしょうか。
僕は間違いなくエンパスではないので、相手の気持ちが必要以上にわかってしまうというのがどんな感覚なのか、想像することしかできませんが…。
きっとそれはとても辛くて苦しいことだと思います。
人の気持ちがわからない(サイコパス)というのも問題ですが、逆にわかり過ぎる(エンパス)というのも、生きて行くうえでは決してプラスではないのかもしれません。
その他の見どころ
それでは次に、第8話『微笑みの研究』のその他細かい見どころを挙げてみたいと思います。今回は2つだけ。
大木さんが登場
志水正義さんが演じている組対5課の大木さん。
志水さんが2018年9月に亡くなられたことにより、S17の第2話『ボディ~二重の罠』が大木さん登場の最期の回ではないかと思っていました。
しかし今回、なんと大木さんの姿が!!
いつものように特命係の部屋を覗いています。
第2話以来、数話振りに大木さんの姿を見ることができました。
これは撮影の順番の問題なのか、その辺りは関係者ではない僕にはわかりませんが…。
とにかく、もう見ることはできないと思っていた大木さんを、またこうして見ることができて、嬉しくないわけがありません。
角田課長役、山西惇さんのTwitterによりますと、どうやらこれが志水さんご出演の最期の回みたいです。淋しいです。
大木さんには、このままずっといて欲しかったです。
冠城くんのブタ鼻
あえて取り上げることもないネタかもしれませんが…。
冠城くんがブタ鼻になっていたので、載せてみます。笑
青木のパーテーションに顔を押し付けて、こういうことになっています。笑
以上、今日は相棒season17第8話『微笑みの研究』についてでした。