第2話『アレスの進撃~最終決戦』
あらすじと感想
本日は、シーズン18第2話についてです。
相棒season18第2話のタイトルは『アレスの進撃~最終決戦』。放送日は2019年10月16日です。第1話『アレスの進撃』が前篇で、この第2話が後篇となります。第1話と同様に30分の拡大SPでの放送です。初回の前後篇が二話連続で30分拡大というのは、初めてのパターンかと思います。
第1話(前篇)については、こちらの記事で紹介しています。
それではまず、第2話『アレスの進撃~最終決戦』の簡単なあらすじから紹介していこうと思います。ざっくりですが。
最果ての島、天礼島にて合流した右京さんと冠城くんは、連続殺人の容疑がかかる元レンジャーの岩田を逃がし、道警が彼の行方を追っている間に、連続殺人の現場となった「信頼と友好の館」を調べます。するとミナの仲間の部屋から、2年前の週刊フォトスの同じものが2冊も見つかります。そこには片山雛子が、「防衛技術振興協会」という武器輸出を推進する協会の顧問に就任したという記事が載っていて、事件と何かしら関連がある可能性も浮上します。その後右京さんと冠城くんは、館のメンバーが使っていた漁師小屋にて、海上の船からモールス信号が発信されているのを目撃します。信号の解読を進めた結果、それがロシア語であることがわかり、社美彌子に翻訳を依頼します。そんな中、特命係を追って、捜査一課の伊丹さんと芹沢さんが、さらには青木年男も天礼島に上陸します。不自然なアザラシの死骸、信頼と友好の館の秘密、連続殺人の犯人、それぞれの点がじょじょに線で結ばれていく中、生存して警察に保護されている館のメンバーの前に、再び岩田が現れ…。事件の裏には、国家を揺るがしかねない陰謀が。岩田は連続殺人の犯人なのか?最果ての離島にて、特命係が真相を暴き出します。
かなりおおざっぱではありますが、だいたいこんな感じの内容になります。
北海道の離島を舞台とした物語の完結編、面白かったです!!
前篇の流れから、後篇が一体どうなっていくのか、気になって仕方なかったんですよね。こんな結末が待っているとは。
前篇では、右京さんの失踪というのが一番大きなポイントでした。あの右京さんが一週間も無断欠勤をして、誰も連絡がとれないという事態になってましたからね。そして、手掛かりを得た冠城くんが、無事に右京さんを発見できるのか?というのが一番の軸になっていたかと思います。
それに対し後篇は、前篇にて謎として浮上したいくつかの点が、どのように結びつき、その先には何が待っているのか、という解決編です。
大きなポイントは以下の3つ。
- 不自然なアザラシの死骸
- 信頼と友好の館
- 連続殺人
そしてここに、船越英一郎さんの元レンジャー岩田純というのががっつりと絡んでくるわけです。
特に岩田に関しては、連続殺人の犯人であるという疑いもあるので、果たして犯人なのかそうではないのか、というのが大きな見どころになってきます。特命係にとっても、対峙する相手として、重要人物です。
さらには岩田の娘で、信頼と友好の館で暮らすミナも、真相解明の鍵を握る重要人物になってます。
岩田の父と娘、どちらもが重要人物ってことですね。
元々岩田はミナに会うために島にやって来ています。その先にある真相に、娘を想う父の姿にグッとくる場面もあり、僕は泣きそうになってしまいました。とっても切なかったです。
そんな真相へと向かう過程は、第1話に続き盛りだくさんの内容でした。
第1話ではちょこっとしか出てこなかった片山雛子が、今回おもいっきり事件の中心へと巻き込まれていきます。物語の外側にいたのが、いきなり内側に放り込まれたような感じですね。久しぶりの特命係との絡みも見れました。
片山雛子を取材する形で、風間楓子も北海道に現れまして、彼女も第1話より登場シーンは多いです。それに対し社美彌子は、今回もちょこっとしか出てこなかったので、それが少々淋しいかったですね。
あとは、柄本明さんの鑓鞍兵衛も久しぶりに登場します。S17の初回SP『ボディ』以来です。
豪華な登場人物を楽しみつつ、目まぐるしく動いて行くスケールの大きな物語に、目が離せませんでした。相棒っぽさ全開の展開でした。
前篇に続き、普段の相棒ではなかなか見れないような、北海道の離島ならではの景色というのも楽しめます。
伊丹さん、芹沢さん、青木年男が北海道の地で特命係と合流というのも、嬉しかったですね。笑
前篇は、右京さんのトリップだったりパジャマだったり、笑いどころはけっこう多めだったかと思うのですが、後篇も何かと笑わせてくれる場面は多かったです。右京さんと冠城くんの内輪もめ茶番だったり、捜一コンビとの絡みや、青木年男だったり。やっぱり捜一や青木が出てくると、それだけで笑いの要素は増しますね。笑
結末は重たくて切なかったですけれど、全体を通して見ごたえがあるストーリーだったと思います。
第1話からの続編で、最果ての島にて巻き起こる事件の完結編、第2話『アレスの進撃~最終決戦』。
面白かったです!!
ゲスト出演者
続いて、第2話『アレスの進撃~最終決戦』に出演された、主なゲストさんを紹介します。今回は第1話から続く後篇となりますので、ゲストさんも第1話と同じです。
船越英一郎(ふなこしえいいちろう)
陸上自衛隊の元レンジャー隊員で、現在は陸上幕僚監部作戦部長という役職についている、岩田純役で船越英一郎(ふなこしえいいちろう)さん。
岩田純は、強靭な肉体と精神力を持つ、とっても戦闘能力の高い男です。娘のミナに会うために島にやって来ました。連続殺人の容疑を掛けられています。
岩田は近づき難いような独特の雰囲気を持っている男で、船越英一郎さんの、普段2時間ドラマなどで見る定番の役とは、また違った姿を見ることができます。
北香那(きたかな)
続いては、「信頼と友好の館」で暮らす岩田純の娘、岩田ミナ役で北香那(きたかな)さん。
第1話では特命係に協力的な面もありつつ、何かを隠している雰囲気もありました。今回は、よりその存在の重要度が増しています。女優さんとしての魅力も増している感じがしました。格闘シーンも注目です。北香那さん、とってもよかったです。
団時朗(だんじろう)
続いては、「信頼と友好の館」の館長で、島に移り住んだロシア人の子孫、甘村井留加役で団時朗(だんじろう)さん。
甘村井は前篇にて何者かに殺害されてしまいましたので、後篇では回想シーンでの登場のみになります。連続殺人事件が起きた「信頼と友好の館」の創設者でもあります。
以上、今回の主なゲストさんは上記3名です。団時朗さんは後篇ではそこまで登場シーンはありませんが、前篇からの流れで紹介させて頂きました。
木村佳乃さんの片山雛子や、芦名星さんの風間楓子は、準レギュラーに近い形かと思いますので、ここでは取り上げておりません。
他には、「信頼と友好の館」で暮らしている岩田ミナ以外のメンバーとして、橘禾怜役で加弥乃(かやの)さん、成田藤一郎役で足立理(あだちおさむ)さん、音羽暁役で森優作(もりゆうさく)さん、三河大悟役で阿邊龍之介(あべりゅうのすけ)さん、松嶋至役で海老沢七海(えびさわななみ)さん、播磨長吉役で本山功康(もとやまのりやす)さんの、殺害されてしまった人物も含め、以上6名です。
館のメンバー以外では、島の駐在である大西玲二役で内村遥(うちむらはるか)さん。防衛技術振興協会の副会長、桂川宗佐役で村上新悟(むらかみしんご)さん。カフェのマスター颯斗役で内野智(うちのとも)さん。北海道警の鯉川繁喜役で外川貴博(とがわたかひろ)さん。北海道警の鑑識である木埜實平役で土平ドンペイ(つちひらドンペイ)さんなどが、ちょいゲストで出演されています。鑑識役の土平ドンペイさんは、第1話よりも登場シーンが多いです。
アレスとの最終決戦
前篇にて、「信頼と友好の館」の館長である甘村井が何者かに殺害され、さらにはそこで暮らす若者たちまでも、次々と殺害されるという事態が起こります。完全な連続殺人事件です。
館長以外で館で暮らしていたメンバーは全部で7人。この中には岩田純の娘である岩田ミナも含まれています。
前篇にて殺害されたのは、甘村井とその他のメンバーが3名。つまり、残っているのは岩田ミナを入れて4名の若者達です。
犯人の目的が館のメンバーの皆殺しだとすると、残るメンバーにも危険が迫ります。
しかし、右京さんがトリップさせられ監禁状態に置かれたことなどから、「信頼と友好の館」自体にも何かしらの秘密があることは間違いありません。
右京さんが天礼島へと渡るきっかけになった、「不自然なアザラシの死骸」についても謎が残ります。右京さんがアザラシを観察していたことが、館での監禁に繋がったと思われますので、館とアザラシの繋がりは濃厚です。
さらには海上からのロシア語によるモールス信号が発信されていたことからも、館のメンバーが何かを隠していることは推測できます。
「信頼と友好の館」、「アザラシの死骸」、「連続殺人事件」、これらが全て繋がったとき、隠された陰謀が明らかになります。
最果ての島での、特命係と連続殺人犯との最終決戦。
右京さんと冠城くんが、アレスの進撃を食い止めます。
船越英一郎の涙
船越英一郎さん演じる岩田純は、元特殊部隊のレンジャーで、めっちゃ強いです。素手で人を殺す格闘術に長けていて、娘には「壊れた殺戮兵器」と言われています。館のメンバーはじめ、島の駐在や道警も、その存在を怖れています。
前篇でも冠城くんが一瞬で押さえ込まれてましたが、後篇でもその強さを発揮しています。冠城くん、また岩田にやられました。
岩田は元々娘のミナに会うために島にやって来たのですが、ミナの仲間が次々と何者かに素手で殺されるという事態が発生し、当然ながら犯人はこの岩田純では?という流れになるわけです。
武器を使わずに素手で何人も殺していくって、そう簡単にはできないですからね。特殊な訓練を積んでいないと無理ですので、そういう意味では岩田以外に考えられないわけです。
そして岩田は、逃げるミナを追っています。突然姿を現すので、怖いです。
状況だけ見ますと、岩田に対しては、過保護な父親、サイコパス、壊れた殺戮兵器、そんな危ないイメージしか持つことができませんが、彼は心から娘を案じて、最果ての島までやって来ているんです。
そこには、切な過ぎる真相が隠されているんです。
彼の、元レンジャーで殺しのプロという顔。そして娘を想う父親という顔。
岩田が最後に流した涙は、残酷な真実への後悔と抵抗だったのかもしれません。
この物語は、岩田純と岩田ミナ、父と娘の物語でもありました。
片山雛子との再会
洞爺湖にて、特命係と片山雛子が再会します。S16の『いわんや悪人をや』以来の再会ですので、けっこう久しぶりですね。
片山雛子は洞爺湖で開かれる国際会議のため、北海道に滞在していまして、そこに特命の二人が訪ねて行く形での再会です。
久しぶりの片山雛子が、北海道にて特命係と絡んでいるっていうのは、それだけでなんだかテンション上がってしまいます。笑
彼女はS14にて議員を辞職していて、現在は尼僧の「妙春」として出家している身ですが、政界復帰を目論んでいます。
そして今回の事件に巻き込まれるに至った理由として、彼女が武器輸出を促進する「防衛技術振興協会」の顧問になったことが関係していると思われます。
特命係の追う事件の先に、たまたま片山雛子がいたわけです。
特命と片山雛子は、間違いなく運命の赤い糸で結ばれていますね。笑
彼女は今回、突然事件の渦中に投げ込まれ、その身を危険に晒されるわけですが、全く動じることなく毅然とした態度をとっていまして、その姿はかっこよかったです。
是非また近いうちの再登場を期待したいです。
ちなみにですが、彼女のSNSの名前やプロフ写真は、尼僧のものでした。笑
その他の見どころ
それでは続いて、第2話『アレスの進撃~最終決戦』のさらに細かい見どころを、あれこれと挙げてみます。
捜一コンビも北海道へ
今回は、捜査一課の伊丹さんと芹沢さんも北海道に遠征しています。内村さんに、特命係を「ぶち殺してこい」と言われたみたいですね。笑
特命係だけではなく、この二人も遠征の地で見れるというのは嬉しいですね。
もちろん右京さん冠城くんとも合流してがっつり絡んでいます。
いつものメンバーをいつも以外の場所で見れるって、なんだか旅行先で友達に会うような、そんな感覚になりますね。笑
最果ての離島にて、特命と捜一のいつもの絡みが見れるというのは、幸せです。笑
青木年男も北海道へ
捜一コンビに加え、青木年男も最果ての島に上陸です。
てっきり伊丹さん芹沢さんだけかと思ったら、青木年男まで来ちゃいました。笑
青木は衣笠副総監に、様子を探るために行ってこいと命じられたみたいです。笑
ここまで揃ったら、どうせなら角田課長にも来て欲しかったんですけどね。「暇か?」でまさかの離島に登場して欲しかったですね。笑
鑓鞍兵衛は味方?
柄本明さん演じる鑓鞍兵衛(やりくらひょうえ)。
衆議院議員で、国家公安委員長でもあり、権力を持った人物です。
初登場はS17の初回前後篇SP『ボディ』で、今回はそれ以来の登場ですので、ちょうど1シーズン振りになります。
今回は、陸上幕僚監部のお偉いさんである、岩田純についての調査に、甲斐さん経由で手を貸してくれたようです。
前回の登場時にも、じゃっかんですが特命係寄りの動きをしていましたが、今回もまた協力してくれました。右京さんと冠城くんが警察をもしクビになったら、面倒を見るとも言ってましたね。
一癖も二癖もあるような人物でして、なかなか読めない部分もあります。
甲斐さんと衣笠さんは、特命係も巻き込んでの権力闘争を繰り広げていますが、果たしてここに鑓鞍兵衛が絡んでくるのかどうか。
彼は特命係にとって、どんな存在になっていくのでしょうか。
北海道でも鑑識を買収
右京さんは、かつて鑑識の米沢さんを、落語のチケットなどでよく買収してました。
で、最近ですと同じく鑑識の益子さんを、冠城くんが猫で買収してます。
そして今回、なんと道警の鑑識さんまでも、買収に成功してるんです。買収されたのは、土平ドンペイさん演じる木埜さんという鑑識さんです。
なんと冠城くんは、「警視庁グッズ」で買収に成功したみたいです。笑
指紋を採取したり、何かと特命に協力してくれてました。
また、角田課長の代わりに、「暇か?」の一言も発してくれました。笑
そしてそのとき、東京にてくしゃみをした角田課長が「風邪か?」という新しいパターンも。笑わせて頂きました。
右京はロシア語が苦手
右京さんといえば、英語がペラペラです。さらにはフランス語やスペイン語も、おそらくそれなりにいけます。
しかしどうやら、ロシア語はダメみたいです。
右京さんのイメージだと、どんな言語もある程度いけそうだと思ってしまうんですけどね。笑
今回、ロシア語の翻訳は社美彌子に頼んでました。
時間をかければ翻訳できる、とは本人も言ってましたので、全くわからないわけじゃないと思いますし、それだけでも凄いことですけどね。
右京さんが一体どれくらいの言語に通じているのか、ぜひ知りたいところではあります。
以上、今日は相棒season18第2話『アレスの進撃~最終決戦』についてでした。