相棒が好き過ぎて

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相棒19第4話『藪の外』後輩芸者の高梨臨を想うこてまり

第4話『藪の外』

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あらすじと感想

本日は、シーズン19第4話についてです。

相棒season19第4話のタイトルは『藪の外』。放送日は2020年11月4日です。藪の「外」ではなく『藪の中」でしたら、芥川龍之介の小説を思い浮かべますが、その何かしらのオマージュなのかどうか、気になるところではあります。

それではまず、第4話『藪の外』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は小手鞠(森口瑤子)から芸者の叶笑(高梨臨)を紹介される。実は叶笑こと棚橋智美は15年前に暴行未遂に遭っており、そのときの犯人・久我山大樹(進藤健太郎)が出所して智美の周りをうろついているのだという。「久我山の目的を探り、智美を守って欲しい」というのが小手鞠の依頼だった。
しかし調査を始めようとした矢先、久我山が何者かに殺されていたことが判明。遺体のそばには血が付着した"かんざし"が落ちており、事件に智美が何かしらの関わりを持っているのではないかと考えた右京は、さっそく料亭を訪れ、事情を聞く。
しかし智美は「話すことはない」と一点張り。さらに、久我山が小出茉梨と智美の客である吉岡壮介(窪塚俊介)が社長を務める『エアアース』の社員だったことが判明。吉岡の秘書・小坂奈都子(深谷美歩)によると、久我山は"社員"と言っても一度も出社してきたところを見たことがない"幽霊社員"だったようで、右京と亘は、吉岡が久我山に何らかの弱みを握られていたのではないかと推測し…?
やがて現場に落ちていた"かんざし"から指紋が検出されたことで、智美は伊丹憲一(川原和久)らの取り調べを受けることに。一方、15年前の暴行未遂事件に目を付けた「特命係」の2人によって吉岡の過去が明らかになるが…?
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!!

このたびの物語は、こてまりさんきっかけで始まるという初のパターンです。叶笑というこてまりさんの後輩芸者さんがトラブルに見舞われているとのことで、特命係にその捜査依頼が回ってきたという流れです。

こてまりさんの登場シーンがそこまで多かったわけではありませんが、こてまりさんに始まりこてまりさんで終わりましたので、「こてまり回」と言ってもいいものではなかったかと。「プチこてまり回」くらいですかね。

すみません、「こてまり」を連呼してしまいましたが。

元々は被害者の側だったはずの叶笑さんが、殺人事件の犯人なのでは?という疑惑が浮上し、そこからさらに怪しい人物が次々と登場してきます。そして特命係が真犯人を暴き出していくというストーリーなのですが、僕は最後まで真犯人は読めませんでした。

なかなかに複雑な真相だったのではないかと。

今回の事件には、15年前の事件というのが深く関わっています。

過去の軸と現在の軸、これが絡み合って進んでいくというのは、相棒に限らずミステリーではよく見られるパターンではありますが、今回はさらにそこに、プラスアルファの物語が加わります。

で、そのもう一つの物語というのが、これまた切なくも温かいお話でして、悲しいエピソードの中にも、救いがあり、ハッピーエンドと言ってもいい終わり方だったのではないかと。

現在と過去が絡み合う、殺人事件の真相を追うという太い軸があり、それと並行して見えないところで走り続けていた、もう一本の軸がある、という構造でしょうか。

じゃっかん複雑ではありましたが、もう一つのエピソードが、物語に深みを与えてくれました。

S19はまだ第4話ではありますが、第3話まではそこまでいい終わり方(後味でという意味で)のものがなかったので、こういうエピソードがあると、少しほっこりしますね。

また、こてまりさんというキャラクターもいつも以上にクローズアップされていて、そちらも見どころの一つだったかと思います。彼女の優しさや聡明さなども垣間見ることができましたし、特命係とのやりとりもいい感じです。

新レギュラーとなった出雲麗音も、捜査一課にじょじょに馴染んできていましたし、青木年男との絡みも面白かったです。彼女は登場してまだ4話目ですので、新鮮さという部分でも楽しめますし、目が離せない存在です。

青木は今回も右京さんにおだてられたり、徹夜で頑張っちゃったり、完全に可愛い奴になってますね。笑

お座敷に招かれた特命係という、貴重なものも見れました。

芥川龍之介の『藪の中』は、全員の証言が食い違い真相がわからなくなるお話ですが、相棒の『藪の外』は、そんな藪の中にあったものを外に解き放った、という意味のタイトルでした。珍しく最後にタイトルの説明もありました。

第4話『藪の外』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

では続きまして、第4話『藪の外』に出演された、主なゲストさんを紹介します。今回は2名です。

高梨臨(たかなしりん)

叶笑(かのえみ)という芸者さんの棚橋智美役で、高梨臨(たかなしりん)さん。

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こてまりさんが自分の後継者として指名したほど可愛がっている芸者さんです。愛想はよくありませんが、人気のある芸者さんのようです。見習いだった15年前に、暴行未遂事件の被害に遭っています。

高梨臨さんは、着物姿の芸者さんと、オフの私服姿という2パターンで登場しています。美人な女優さんでして、着物姿もよくお似合いでした。高梨臨さんの旦那さんは、サッカー選手の槙野智章さんです。

 

窪塚俊介(くぼづかしゅんすけ)

叶笑さんのお客さんで、こてまりさんのお客さんでもあった吉岡壮介役で、窪塚俊介(くぼづかしゅんすけ)さん。

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「エアアース」という会社の社長で、かつて叶笑に暴行未遂を働いた男は、出所後にこの会社の社員になっていたことも判明します。叶笑とともに物語の中心人物となる一人です。

窪塚俊介さんは、窪塚洋介さんのお兄さんです。気象予報士の免許も持っていらっしゃるとか。相棒には今回が別役で二度目の出演で、過去にはS10最終話『罪と罰』に出ています。

 

以上、 今回の主なゲストさんは上記2名になります。

他には、15年前の暴行未遂の犯人で、何者かに殺害された久我山大樹役で、進藤健太郎(しんどうけんたろう)さん。15年前に窃盗事件で逮捕された田崎元哉役で、越村友一(こしむらともかず)さん。芸者の琴梅役で小林麻子(こばやしあさこ)さん、かつて久我山を逮捕した警察官役で、もろいくやさん。吉岡の秘書である小坂奈都子役で、深谷美歩(ふかやみほ)さんなどが、ちょいゲストさんで出演されています。

進藤健太郎さんは別役で4度目(過去にはS7-11、S10-4、S13-19)、越村友一さんは別役で三度目(過去にはS14-10、X DAY)、小林麻子さんは別役で二度目(過去にはS14-14)、もろいくやさんは別役で二度目(過去にはS13-10)の出演です。

 

こてまりの後継者

こてまりの女将である小出茉梨さんは、政財界の要人などからも贔屓にされていた、人気の芸者さんでした。

S18最終話にて芸者さんを引退し、小料理屋(家庭料理屋)の女将となっています。

こてまりの開店には、花の里がなくなり行き場をなくした右京さんのために、甲斐さんも尽力しています。いわば右京さんのために作られたようなお店でもあるわけです。

実際お店の客足はさっぱりのようですが、こてまりさんは「店は趣味でやってる」のだと。

そんなこてまりさんには、可愛がっていた後輩の芸者さんがいまして、それが高梨臨さん演じる叶笑(かのえみ)です。

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彼女はこてまりさんが後継者にも指名していて、人気もある芸者さんですが、こてまりさんとは雰囲気もだいぶ違いまして、かなりクールな感じです。芸名に「笑」という字が入ってはいますが、笑わない芸者さんです。

彼女は15年前に暴行未遂の被害に遭っていて、その犯人が出所し、彼女の周囲をうろついていたため、こてまりさんが特命係に相談といいますか、捜査依頼をしました。

その際、右京さんと冠城くんは料亭に招待され、お座敷にて叶笑さんの舞を鑑賞です。

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お座敷遊びをする右京さんと冠城くんという、かなり貴重なワンシーンです。いつもは白ワインの冠城くんも、料亭では日本酒でした。

この席で特命係はこてまりさんの依頼を受けたわけですが、その際に叶笑を「怨憎会苦(おんぞうえく)」から救って欲しいんだと。僕はアホですので、「怨憎会苦」などという難しい言葉は知らず、その意味もわからなかったのですが、仏教用語で「怨み憎む相手にも会わなければならない苦しみのこと」らしいです。こてまりさん、博識ですね。それを知っている右京さんもですけど。

そして特命係が捜査を始めた矢先、対象の男が何者かに殺害されていることがわかり、疑いの目は叶笑に向けられることに。

つまり、ものすごくシンプルな構図だとしたら、叶笑が15年前の復讐で、犯人の男を殺害したのでは?となるわけです。

しかし当然ながら、真相はそんなに単純なものではありません。

右京さんと冠城くんは、殺人事件の複雑な真相を明らかにするとともに、もう一つ、15年もの間ずっと藪の中だった真実をも、明るみにするんです。

その真実は、笑わない芸者さんだった叶笑さんの心もほぐします。

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「叶笑」という芸名は、笑いを叶えると書く素敵な芸名ですが、名付け親はこてまりさんのようです。

笑わない芸者さんである彼女に対し、「いつか彼女を笑顔にしてくれる人が現れるのを願って」付けたのではないかと、そう右京さんは推察しています。

こてまりさんは叶笑のことを「娘のようなもの」だと言っていました。それだけ彼女のことを大切に想い、気に掛けていたんだと思います。

この物語は、全てを察していたと思われるこてまりさんの、叶笑を想う優しさの物語でもありました。

 

その他の見どころ

では続いて、第4話『藪の外』の細かい見どころを、少しだけ挙げてみたいと思います。

新・捜査一課トリオ

新レギュラーの出雲麗音も今回が4話目です。

伊丹さん芹沢さんとともに、パソコンの押収に同行する場面があったり、取調を行う場面もあったり、トリオでの登場シーンがじょじょに定着し出しているのではないかと思われます。

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出雲は特命とも仲良しですので、捜査情報を特命に話して、芹沢さんに注意されるなんて場面もありました。これまでは芹沢さんがうっかり話して、伊丹さんに怒られるというパターンだったのが、役割が少し変化してきています。

今シーズンは、出雲が加わったことにより誕生した、新・捜一トリオが熱いです。

 

出雲と青木

出雲麗音が特命の部屋に顔を出しまして、そこにいた青木と絡んでいます。

これまでも二人の絡みはありまして、そのいずれも青木が出雲を「不死身ちゃん」と呼び、憎まれ口を叩くパターンでした。

しかし今回は、なんと出雲が青木の髪を撫で、茶化すようなシーンも。

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おそらく出雲が青木年男のキャラを把握し、付き合い方がわかってきたのではないかと思われます。こいつはいじられキャラだと。笑

微笑ましいワンシーンでした。

出雲はやっぱり第3話からの、この耳を出さない髪型の方がいい感じな気がします。

今後の出雲と青木の絡みも、さらに楽しみになりました。

 

閉店後のこてまり

このたび初めて、閉店後のこてまりシーンが登場しました。

右京さんと冠城くんが呑んでいて閉店を迎えたというよりは、二人が閉店後に訪れ、こてまりさんと話に行ったような感じでした。

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このシーンを見て、こてまりはカウンター席だけじゃなかったんだ、と思い出しました。

しかもテーブルの片づけをしていたっぽいので、そこの席で誰か飲んでいたのではないかと思われます。

いつかこの座敷席で、誰かが呑んでいるシーンが出てくるのを、心待ちにしております。

 

以上、今日は相棒season19第4話『藪の外』についてでした。

 

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