相棒が好き過ぎて

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相棒19第5話『天上の棲家』女帝・冨士眞奈美の呪縛。

第5話『天上の棲家』

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あらすじと感想

本日は、シーズン19第5話についてです。

相棒season19第5話のタイトルは『天上の棲家』。放送日は2020年11月11日です。「天上の棲家」という言葉は様々な解釈ができるかと思いますが、お金持ちの家なのか、死後の世界なのか、何を意味しているのかタイトルからだけでは推測できません。

では始めに、第5話『天上の棲家』のあらすじを紹介します。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

国有地の払い下げを巡って収賄疑惑の渦中にいる衆議院議員の白河達也(湯江タケユキ)が、自宅の庭にゴミを投げ込まれるという嫌がらせを受ける。中園参事官(小野了)から直々に捜査を命じられた「特命係」の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)はさっそく白河の自宅を訪問。そこで右京は、達也の義母・貴代(冨士眞奈美)と24年ぶりの再会を果たす。
代々政治家を務める白河家──貴代の夫・秀雄は24年前、収賄疑惑をかけられ、その捜査の最中に死去。実はその事件を担当していたのが、右京だったのだ。
いわくつきの2人に亘が驚く中、貴代の娘で達也の妻である瑞江(池田香織)が公園で男に突き飛ばされ、怪我をしたという報せが。さらに息子の大樹のジャケットのポケットから達也の収賄疑惑を匿名でネタ提供した『告発者X』からの手紙を発見。そこには「本日午後7時までに会見を開き、国民の前で自らの罪を告白しろ」と記されていた。
大樹の拉致未遂事件を調べ始めた捜査一課の伊丹憲一(川原和久)らは、収賄の告発記事を書いたのが法務省から転職した黒崎健太(内田裕也)だと知る。伊丹からの捜査協力を拒否したものの、ある事件以降、右京をリスペクトする黒崎は右京に連絡をとり、情報交換を提案。その矢先、会見を渋っていた達也がマスコミの前に登場し…。
そして因縁とも言える出来事が再び白河家を襲うことに…!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

ある政治家の収賄疑惑を発端に、特命係は政治家一族と対することになるのですが、そこに右京さんの因縁の相手がいます。

それが、冨士眞奈美さん演じる貴代です。

右京さんと貴代の因縁というのは、なんと24年前、右京さんが捜査二課にいた頃のお話で、特命係が存在する前です。つまり、相棒の放送すらまだ始まっていない頃という、だいぶ遡っての因縁になります。

24年前は貴代の夫に収賄疑惑があり、右京さんが捜査を担当していたんです。しかし貴代の夫はそのさなかに自ら命を絶ってしまい、事件は未解決のまま幕を引きます。捜査した側の右京さんとしても遺恨が残りますし、夫に自殺された貴代としても、忘れられない出来事なわけです。

そして24年後に、今度は貴代の義理の息子で、議員である達也が収賄疑惑。その直後に達也の妻が襲われ息子(貴代の孫)が誘拐されそうになるという事件まで起こります。そしてさらには達也自身にも悲劇が。

一連の事件の真相を暴き出すには、告発者Xという謎の存在が、一体何者なのか?なぜ脅迫をしたのか?というのが大きなポイントとなっていました。

そして物語は、過去の軸と現在の軸、類似点もあるこの二つの軸が、少しずつリンクしながら終盤へと進んでいき、じょじょに「右京vs貴代」という図式へと移行していきます。

中盤から事件の真相が明らかになる過程は、比較的わかりやすいストーリーだったかとも思います。鍵を握る告発者Xの正体が意外と早い段階で明らかになりましたので、あとは必然的に真相に繋がって行った感じですね。

最終的には、完全にとは言わないまでも、24年前の真相も明らかになりまして、過去と現在の両方に決着がつく形となりました。

最後のシーン、貴代が娘とうなずき合っている場面が全てを物語っていた気がします。

事件の動機や背景には、天上の人ならではのものがあったかと思いますが、何はともあれ、特命係の活躍により、真相を究明できてよかったです。

今回は、S16を最後に一度も出てこなかった黒崎さんが、いきなり冒頭から再登場という、サプライズもありました。黒崎さんの存在を僕はもう忘れかけていましたし、しかも記者になっていたので、一瞬誰だかわかりませんでしたけど。笑

黒崎さん、変わらず右京さんをリスペクトしているようで、特命係には協力的でした。

いつものメンバーですと、青木年男の登場が少なめでしたので、その分笑いの部分も少なめだったかとは思います。

出雲麗音は、伊丹さん芹沢さんとともに、いい感じで捜一トリオになってきてますね。聞き込みや逮捕も三人で行動していましたし、遺体のある現場にも一緒に入ってました。芹沢さんのイジメもなくなりましたし、だんだん馴染んてきています。

毎度のことではありますが、今回もストーリーはもちろん、色んな部分でも楽しませて頂きました。

第5話『天上の棲家』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

それでは次に、第5話『天上の棲家』に出演された、主なゲストさんを紹介します。今回は3名です。

冨士眞奈美(ふじまなみ)

大臣も輩出している政治家一族で実権を握っている、白河貴代役で冨士眞奈美(ふじまなみ)さん。

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父親の白河十蔵が元大蔵大臣で、義理の息子の達也は現役の衆議院議員です。夫の秀雄も議員でしたが、24年前に収賄疑惑が持ち上がり、捜査のさなかに自殺しています。そのとき捜査二課で捜査を担当していたのが、右京さんです。

冨士眞奈美さんは相棒初出演。僕は久しぶりにそのお姿を拝見しました。2020年現在で82歳とのことですが、とてもお元気です。着物姿で貫録のある女帝として君臨する様が、よく似合っていました。

 

湯江タケユキ(ゆえたけゆき)

貴代の義理の息子で、収賄疑惑が取り沙汰されている衆議院議員、白河達也役で湯江タケユキ(ゆえたけゆき)さん。

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白河家には婿養子として入っています。国有地の払い下げをめぐり、収賄疑惑が取り沙汰されている議員です。告発者Xと名乗る人物から、会見で罪を告白しなければ家族を殺すとの脅迫も受けています。

湯江タケユキさんは、湯江健幸という名義で活動されていましたが、2017年に名前をカタカナのタケユキに変更しています。相棒には別役で三度目の出演で、過去にはS7-14『隣室の女』、S13-13『人生最良の日』に出演されています。

 

内田裕也(うちだゆうや)

元東京地検特捜部検事で、現在は日刊詩の記者をしている、黒崎健太役で内田裕也(うちだゆうや)さん。

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冠城くんの法務省時代の同僚です。過去に特命係に協力したため、日下部さんにより左遷させられています。その後2年ほど前に法務省を退職し、記者に転職しています。

内田裕也さんは、2017年までは中原裕也という名義で活動されていました。相棒には今回と同じ黒崎役で5度目の出演、それ以前に別役で二度(S4-3『黒衣の花嫁』、S8-14『堕ちた偶像』)出演されています。

 

以上、今回の主なゲストさんは上記3名になります。

他には、達也の秘書である木田剛役で伊藤正之(いとうまさゆき)さん。達也の妻である白河瑞江役で、池田香織(いけだかおり)さんが、上の3名に続くゲストさんで出演されています。伊藤正之さんは今回が別役で二度目(過去にはS7-10)の出演です。

 

女帝・冨士眞奈美の呪縛

今回、特命係が事件に関わるきっかけになった衆議院議員の白河達也は、代々家業が政治家で、大臣まで輩出しているという、華麗なる一族に婿養子として入った人物です。

こちらが白河家の外観です。なかなか凄い家でして、お城みたいです。

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この豪邸には達也の妻の瑞江、息子の大樹、そして瑞江の母が暮らしています。あと、お手伝いさんも。

達也は婿養子ということもあり、白河家にて実権を握っているのは、瑞江の母である、冨士眞奈美演じる貴代です。

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貴代の父は元大蔵大臣、夫も元議員でした。

貴代はいわば、白河家に女帝として君臨しているような存在です。その発言力は絶大で、誰も彼女の意向には逆らえません。現役の衆議院である達也も、肩身の狭い思いをしています。

そんな白河家に関わることとなった特命係ですが、貴代と右京さんは、なんと過去にも因縁があり、初対面ではありません。

貴代の夫は収賄疑惑が取り沙汰され、捜査の最中に自ら命を絶っているという過去があり、その捜査を担当していたのが、二課時代の右京さんだったんです。24年前の出来事です。

右京さんが二課にいた頃のお話はたま~に出てきますが、前シーズン18の前後篇SP『檻の中』でも、かつて関わった大学教授と再会していますので、それに続く時を経ての再会エピソードになります。

今回の右京さんは、収賄の捜査で過去にも白河家と関わり、24年後に再び収賄に関連した捜査で、白河家に出向くことになったわけです。

しかも24年前の事件は、捜査対象だった貴代の夫が自殺してしまい、未解決のまま。

右京さんにとっても大変後味の悪い事件ですし、貴代にとっても夫に自殺されている、忘れられない事件です。貴代は右京さんに向かって「あなたのお顔は今でも忘れません」と言っていましたし、夫については「あなたが殺したのよ」とも言っています。

そんな二人が24年振りに再会するんです。

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右京さんは24年前、事件の真相にはたどり着けませんでしたので、そのときに貴代に「いずれまたお伺いします」と言って去っていったとのことで、その通りになったわけですね。

そして今回、達也の収賄疑惑から始まった、一連の誘拐未遂や脅迫文、さらには謎の告発者Xの正体、それらをたどった先には、24年前の事件が見え隠れします。

そこには、天上の棲家に君臨する女帝・貴代の、家を守る強固な意志、そして歪んでいるともいえる使命感がありました。

右京さんはそれを「呪縛」と呼び、その呪縛は貴代から、娘の瑞江へと引き継がれていくのかもしれません。

 

その他の見どころ

では続いて、第5話『天上の棲家』の細かい見どころを、一つだけ挙げてみたいと思います。

黒崎の再登場

今回の事件の発端となった告発者Xを取材したのは、内田裕也さん演じる記者、黒崎健太です。

彼は今回が初登場ではなく、過去にも何度か登場しています。以前は記者ではなく、東京地検特捜部の検事として出ていました。

元々は冠城くんの法務省時代の同僚でして、S14第4話『ファンタスマゴリ』で初登場。その際に特命の協力で大物フィクサーを送検できたことで、以降は特命に協力してくれる人物として登場します。S14第10話『英雄~罪深き者たち』、S15第10話『帰還』と元日SPに2シーズン続けて出ています。

しかしです。S16第8話『ドグマ』にて、特命係に協力したことで、日下部さんの差し金により、高松に左遷させられちゃったんです。

そこからS17、S18と一切彼の話題が出てこなかったので、僕はその存在すら忘れかけていたのですが…。笑

なんと約3年振りに再登場です。

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黒崎さんは2年ほど前に法務省を退職し、現在は「日刊トップ」という日刊紙の記者に転職していました。

この再登場は、芦名星さん急死による、風間楓子という記者役の不在をカバーするため、という見方もあるようです。そう考えると、今回の「日刊トップ」は、当初は週刊フォトスの予定だったのではないか、とも思ってしまいます。

再登場した黒崎さんは、捜査一課の協力依頼は拒否したものの、今回も特命係には協力してくれました。笑

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思わぬ過去キャラの再登場で、特命係にとっては心強い味方が戻ってきた形です。

黒崎さんと特命係は花の里でも呑んでましたので、今後こてまりでのシーンにも期待したいです。

 

以上、今日は相棒season19第5話『天上の棲家』についてでした。

 

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