相棒が好き過ぎて

ドラマ相棒が好き過ぎるが故の戯言と悪ふざけ

相棒21第17話『定点写真』寺田心と写真家の苦悩。

第17話『定点写真』

あらすじと感想

相棒season21第17話のタイトルは『定点写真』。放送日は2023年2月15日です。タイトルに「写真」というワードが付くものは初になります。定点写真とは「同じ場所から同じアングルで定期的に撮る写真」を指しますが、どのような定点写真のお話なのか。

では最初に、第17話『定点写真』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

イベント会社経営者の撲殺遺体が、死後3日たって発見された。被害者は、出資金だけ奪うあくどい商売をしていたようで、恨みによる犯行と思われた。現場を訪れた右京(水谷豊)は、一人の少年がその建物にカメラを向けていることに気付く。調べると、数年前から毎日欠かさず同じ建物の写真がSNSにアップされていた。興味を引かれた右京は、薫(寺脇康文)と撮影ポイントへ。カメラを手にした奥山幹太(寺田心)という高校生から話を聞く。幹太は何か隠している様子だが、上手くはぐらかされてしまう。その直後、今度は幹太の幼馴染みだという杏子(幸澤沙良)に話し掛けられる。彼女もまた何か知っている素振りを見せるが…!? そんな中、捜査一課が出資金の件でもめていた男を連行。犯行は否認したものの、被害者には詐欺仲間がいた可能性が浮上する。いっぽう右京と薫は、写真を通じて幹太と交流がある大塚あゆみ(大野いと)という人気カメラマンからも事情を聞く。と、右京は彼女について、あることが気になって…!?
幹太は何を撮ってしまったのか!?
人気女性カメラマンにも裏の顔が…
定点写真が事件の真実を写し出す!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

まずですけど、寺田心くん大きくなりましたね~。他のテレビ番組で現在のお姿は何度かお見掛けしてはいるのですが、ついつい「大きくなったな~」という感想を抱かずにはいられなくて。

この度は、そんな寺田心くんが大きな鍵を握る事件です。正確には、寺田心くん演じる奥山幹太という高校生が撮影した「写真」が、鍵を握る事件ですね。

右京さんが、事件の起きた建物を撮影している高校生の存在に気付きます。で、序盤からその少年カメラマンがクローズアップされ、彼が何かしら「映してはいけないもの」を撮影してしまったことも示唆されます。

少年が撮影した写真さえ見せてもらえれば、おそらく事件も解決へと直行するんじゃないかと思うのですが、彼はなぜか見せてくれないんですよね。明らかに不自然です。

つまり「写真に何が映っているのか」という謎とともに、「なぜ少年は写真を見せてくれないのか」という謎が加わるわけです。

写真を見せない理由については、少年が誰かを庇っている可能性が浮上し、さらにそれが誰なのかというのも、けっこう容易に推察できるような流れではありました。

写真の内容についても、意外と早い段階で明らかになり、ちょっとびっくりしたくらいです。最後まで明かされない感じだと勝手に思ってたので。

しかし、そこから先がそう単純ではなかったですね。

怪しいキャラが数人ピックアップされますので、その中の誰かしらが犯人であろうことは察することができても、真相というものはなかなか見えてこなかったです。

少年が撮影した疑惑の写真はもちろんですが、その他の写真にも重要なヒントが隠されています。まさに写真そのものと、それを撮影するフォトグラファーのお話でもありました。

今シーズンは、第13話『椿二輪』にて、絵画の価値というものが取り上げられていましたけれど、今回もそれに通じるような、「写真の価値」といったものにも、焦点の当てられた回だったのではないかと思います。同時に、芸術家たちの苦悩の物語でもあったのではないかと。

それに加え、少年の葛藤という要素もありました。

いずれにしても、間違ったことをしてしまったり、間違った方法をとってしまうと、結局は余計に苦しむことになるんですよね。相棒ってそれを改めて感じさせるようなストーリーが多いですけど、今回のお話も、そういった側面を持つものでもありました。

物語の中心となる寺田心さん、幸澤沙良さん、大野いとさんの3人のゲストさんも、それぞれ重要度が高かったこともあり、個々の印象も強かったです。幸澤沙良さん可愛かったですね。

寺田心さんと幸澤沙良さんの幼馴染み設定の二人の高校生は、ほっこりするような場面もありまして、見ていて優しい気持ちにもなれました。

定番のトリオ・ザ・捜一とのいつものコントにも、しっかりと和ませても頂きました。右京さん一人しかいない特命の部屋に、トリオが訪ねていくという珍しい場面もありました。

あと、益子さんも出てましたね。

前話では杉下夫妻(偽装ですけど)になった右京さんと小手鞠さんですが、今回はいつも通りこてまりにて、またカウンターを挟んでの関係に戻ってしまいましたね。これが通常の状態ではあるのですが、なんとな~く寂しい気持ちにもなったのは、僕だけでしょうかね。

日常があるからこそ、前話のような非日常が盛り上がるのはわかってはいるのですが。

とはいえ、亀山夫妻も加わっての安定のこてまりシーンは大好きですし、いつまででも見ていられるんですけどね。

亀山夫妻も無事、仲良しに戻ってました。鈴木砂羽さんが風邪で声がおかしくなっていたとのことですが、そんな状態の美和子さんという、これまた貴重なものも、むしろプラスに楽しんで見てしまいました。

寺田心くんの少年を中心にした、定点写真を巡る物語、楽しませて頂きました。

第17話『定点写真』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

では続きまして、第17話『定点写真』に出演された、主なゲストさんを紹介します。

寺田心(てらだこころ)

事件のあった建物の定点写真を撮っていた高校生、奥山幹太役で寺田心(てらだこころ)さん。

カメラが趣味の高校一年生です。小学生のときにカメラを買ってもらって以来、毎日欠かさず同じ建物の定点写真を撮りSNSにアップしていましたが、殺人事件のあった日から、その更新が止まっています。事件について何か知っていそうな素振りも見せますが、それが何なのかは口を閉ざしています。

寺田心さんは相棒初出演。3歳から芸能活動をしている有名な子役さんではありますが、もう14歳(2023年2月現在)です。ほんとに子供が大きくなるのって早いですね。と、おっさん丸出しの感想を抱かずにはいられません。この度は、カメラの好きなおとなしい高校生の役で、制服姿での出演です。

 

幸澤沙良(こうざわさら)

奥山幹太の幼馴染み、深澤杏子役で幸澤沙良(こうざわさら)さん。

子供の頃から引っ込み思案な幹太のことを気に掛けている、幼馴染みの女子高生です。定点写真をSNSで発信することを幹太に勧めたのも彼女です。幹太が何かを隠していることに気付いていますが、それを特命係には話していません。

幸澤沙良さんは、デビューしたての女優さんです。2022年のTBSのオーディション番組にてグランプリに輝き、同年10月にドラマデビューをされています。まだデビューして1年未満という、とってもフレッシュな女優さんの相棒出演。

 

大野いと(おおのいと)

奥山幹太と親交のある人気フォトグラファー、大塚あゆみ役で大野いと(おおのいと)さん。

芸術的な作風が人気のカメラマンです。幹太がSNSにアップにしていた定点写真に目を留め、感想を送ったことから、彼とも交流するようになりました。その後も幹太に何かと目をかけています。殺害された被害者とトラブルになっていたという情報も。

大野いとさんは『Seventeen』の専属モデルさんだった女優さんです。2011年に女優デビューされています。綾瀬はるかさんのファンで、映画『おっぱいバレー』のロケを見に行ったところ、スカウトされたそうです。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記3名になります。

他には、大塚あゆみの師匠、澤田洸平役で奥田達士(おくだたつひと)さん。大塚あゆみのマネージャー、柴山忠役で和知龍範(わちたつのり)さんなどが、上記に次ぐゲストさんで出演されています。

奥田達士さんは別役で6度目(過去にはS1-9、S2-14、S6-16、S13-15&16、S18-8&9)の出演です。

 

寺田心の定点写真

冒頭でも書きましたが、タイトルにもなっている「定点写真」というのは、「同じ場所から同じアングルで定期的に撮る写真」です。

建物の建造や解体、子供が成長していく過程など、目にしたこともある人は多いと思います。僕も毎年実家に帰省した際、可愛い甥っ子と姪っ子を、同じ場所で撮影してます。いつまで付き合ってくれるかわかりませんけど。

この度はそんな定点写真が、解決の鍵になる事件。

まず物語は、イベント会社を経営している男性が、自身の事務所内で撲殺死体となって発見されたことから始まります。

どうやらこの男、イベントを開催すると言って出資金だけ集め、バックレるという、詐欺まがいの商売をしていたようでして、怨恨の線から捜査が開始されます。

右京さんと亀山くんの特命係も現場を訪れるのですが、そこで右京さんが、事件現場にカメラを向ける気になる少年を発見。

彼こそが、今回の事件のキーマンとなる高校生、寺田心くん演じる奥山幹太です。

「寺田心くん」ではなく、もう「さん」の方がいいのでは?と思い、ゲストの項では「寺田心さん」と書いてはみたものの、なんだか違和感が拭えませんでしたので、やっぱりここからは「寺田心くん」でいこうかと。すみません、どっちでもいいとは思うのですが…。

加藤清史郎くんが2度目のゲスト出演したS16第19話『少年A』のときも、僕は全く同じこと書いてますし。

子役として活躍していた子が、大きくなって相棒に出演し、特命係と絡んでいる絵を見るのは、またいつもとは違った新鮮さがありますね。S15『声なき者』の田中偉登さんなんかもそうですね。

今回はついに寺田心くんの登場です。

で、話を戻しますと、心くんの奥山幹太が、遺体発見現場となった建物の定点写真を撮っていたことがわかるんです。彼がSNSにアップしているのを右京さんが見つけました。

どうやら幹太は、数年間にもわたり、毎日欠かさず同じ建物を撮影していたようです。

しかしです。

毎日欠かさず何年も更新されていたSNSが、被害者が殺害されたと思われる日から、ストップしているんです。

これは怪しさ満点。

おそらく彼には写真をアップできない何かしらの「理由」があるのではないかと。

つまり、彼の撮影した写真に、アップできない「何か」が写ってしまったのではないかってことですね。

そして特命係は幹太を直撃。

幹太は内気な性格で、とってもおとなしい高校生。

右京さんがストレートに疑問をぶつけてみますが、彼はそれをはぐらかします。明らかに何かを隠している様子。

事件の起きた日の定点写真には、いつもとは違う「何か」が写っているのは間違いなさそうです。それは殺人事件の犯人である可能性が高い。

だとしたら幹太はなぜそれを見せようとしないのか。

その理由は「写真に写っている誰かを庇っているから」と考えるのが自然ではあります。

そんな中、特命係だけではなく、他にも幹太を気に掛ける人物が一人。

幹太の幼馴染みで、同じ高校に通う深澤杏子という少女です。

演じているのは幸澤沙良さん。初々しさもあり可愛いです。

深澤杏子は、小さい頃から引っ込み思案な幹太のことを気に掛けている、優しい幼馴染みです。自己主張をしない彼に、定点写真のSNS発信を勧めたのも彼女とのこと。

彼女は幹太が特命係に聴取されている現場を見掛けたたため、気になって自ら特命係に接触します。

杏子もまた、幹太が何かを隠していることに感付いてはいます。

杏子もまた、幹太が何かを隠しているであろうことを、特命係には話しません。

彼らはそれぞれ葛藤を抱えながらも、秘密にすることで、大切なものを守ろうとしているんです。

しかし特命係の前では、それは通用しません。

全ての真実を明らかにするからこそ、守れるものがあるんです。

 

フォトグラファーの苦悩

被害者は詐欺まがいの行為を方々で行っていて、トラブルも絶えなかった様子。捜査一課は、被害者が生前に出資金の件で揉めていた男を連行します。

そんな中、特命係は一人の女性カメラマンに気になる点を見出します。

彼女は大塚あゆみという、芸術的な作風で人気を博しているフォトグラファー。

こちらが彼女の作品です。

確かに独創的な写真を撮影されていて、ファンも多いようです。

フォトグラファーといえば、右京さんの姪っ子、原沙知絵さん演じる杉下花が、アメリカでフォトグラファーをしています。花さんの存在を久しぶりに思い出してしまいました。花さん元気ですかね。そろそろ再登場して欲しいのですが。

大塚あゆみは、SNSにアップされていた幹太の定点写真に惹かれるものがあったようで、彼女の方からコンタクトをとり、幹太と交流していました。

どうやらあゆみは、フォトグラファーとしての現在の自分に思い悩み、苦しんでいたようなんです。そんなときに幹太の真っ直ぐな写真に目を留め、心を動かされた様子。

逆に幹太にとっても、あゆみは憧れの存在だったと思われます。

そんな大塚あゆみですが、彼女は被害者とも面識があり、イベントの件でトラブルになっていたとの証言も。

つまり彼女は、殺害された被害者とも接点があり、定点写真で何かを隠している奥山幹太とも接点がある、ということになります。

そうなると、幹太が撮った定点写真には大塚あゆみが写っていた可能性が出てくるんです。幹太があゆみを庇っているとしたら、写真の更新をストップした理由も説明がつきますからね。幹太が守ろうとした大切なものは、大塚あゆみなのではないかと。

さらに大塚あゆみには、大きな秘密があることも、右京さんが暴き出します。

事件の根幹には、芸術家の苦悩があったんです。

そして幹太があゆみを守ろうとしたように、杏子が幹太を守ろうとしたように、あゆみもまた、大切なものを守ろうとしていました。

しかし真実を隠し、あるいは捻じ曲げ、守れるものなどそうあるものではありません。

最後に本当の意味で全員を守ったのは、幹太の撮った定点写真でした。

 

その他の見どころ

では最後に、第17話『定点写真』のさらに細かい見どころを、一つだけ挙げてみたいと思います。

右京と捜一

亀山くんのいない特命係の部屋で一人、大塚あゆみの写真集をじっくり見ている右京さん。

そこにトリオ・ザ・捜一がやって来ます。

右京さんしかいないときに三人が来るというのも、かなり珍しいのではないかと。過去にあったかどうかは、ちょっと思い出せないですけれど。

また、右京さんが、いつも亀山くんが座っているところに座ってるのも、新鮮な絵です。

 

以上、本日は相棒season21第17話『定点写真』についてでした。

 

こちらの相棒記事もおすすめ