相棒が好き過ぎて

ドラマ相棒が好き過ぎるが故の戯言と悪ふざけ

相棒21第18話『悪役』優しいコワモテ俳優と亡霊。

第18話『悪役』

あらすじと感想

相棒season21第18話のタイトルは『悪役』。放送日は2023年2月22日です。これまたシンプルなタイトルではありますが、タイトルからだけでは全く内容が推測できません。どんな「悪役」が出てくるのか気になるところ。

それではまず初めに、第18話『悪役』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

裏カジノ運営疑惑のあるイベント会社社長が刺殺される事件が発生。内輪揉めか対立組織の仕業と思われたが、初動の聞き込みでは、「亡霊に呪い殺された」という不可解な証言も。“亡霊”に興味を持った右京(水谷豊)が、薫(寺脇康文)と共に動き出すと、被害者は死の直前、「呪いのビデオを見た」と言っていたことが分かる。さらに現場を調べると、小桜千明(一ノ瀬ワタル)という俳優の自主制作映画のパッケージが、不自然に床に落ちていた。その時、右京は物陰から現場を覗き見る不審な男に気付く。その男こそ小桜だった。周辺を洗うことにした右京と薫は、小桜に目を掛けている所属事務所の先輩・藤枝(山口祥行)からも話を聞くが、めぼしい情報は得られない。ただ、その後の聞き込みで、小桜が高校時代、演劇部に所属していたことが分かり、当時仲の良かった4人組の同級生が、事件に何らかのかかわりを持っている可能性が浮上する。さらに、その中の一人、松尾朋香(田中道子)という女性は、小桜から逃げるように行動しているらしく…!?
事件の背後で見え隠れする亡霊の正体は!?
関与が疑われる悪役俳優にはある隠し事が…
特命係が呪いのビデオに隠された真実を追う!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

悪役俳優とその仲間、さらには呪いのビデオが中心となるお話。

右京さんの大好きな幽霊系も少しだけ入ってます。今シーズンは第9話『丑三つのキョウコ』も幽霊系(どちらかというと都市伝説寄りではありましたけれど)でしたので、2度目のそっち系ですね。

イベント会社を経営する男が何者かに殺害され、「亡霊に呪い殺された」という証言が出てきます。それを聞いた右京さんの好奇心スイッチがONになる瞬間がたまりません。

被害者は死の直前に、亡霊が映っている「呪いのビデオ」を見ていたそうでして、それが原因で亡くなったのではないかと。

『リング』ですね。貞子です。

そんな「呪いのビデオ」が主軸となって進行して行くのかと思いきや、そちらはそこまで太い軸にはならず。

主軸はもう一本、明らかに何かを隠している悪役俳優の方でした。小桜千明という悪役専門の俳優で、物陰から事件現場を覗き見ているという、典型的な怪しい行動をしていた男です。

で、その小桜の延長上に、彼の高校時代の同級生の存在も。そのうちの一人、松尾朋香という女性は、小桜から逃げるような、気になる行動をしています。

小桜千明という男を中心にして、呪いのビデオの謎や、同級生の行動というのが、絡み合っていく感じですね。

それぞれの絡み合い方としては、けっこう複雑な方だったのではないかと思います。ゆえに、真相というのもなかなか見えてこなかった反面、繋がったときのびっくりも大きかったです。

呪いのビデオと小桜の接点とか、まるでわからなかったですからね。

小桜は明らかに怪しいのですが、見た目が怖いだけで、悪い奴には見えませんので、犯人じゃないだろうな~という察しはつくんですけどね。察しがついたのは、むしろそれのみで、あとはなかなか難しかった。

小桜千明役の一ノ瀬ワタルさん、今回一番の中心となるゲストさんだったんですけど、体が大きいだけではなく、存在感も大きかったです。とっても魅力的な俳優さんでした。

今回、定番のコント的な笑いどころは少なめな回ではありましたが、その分、小桜千明のコミカルさで補っていたのではないかとも。

小桜の先輩役で出ていた山口祥行さんも、ほんとにちょい役なのか、それとも事件の重要なカギを握る人物になってくるのか、そちらも終盤まで読めず迷いましたね。

後々考えますと、小桜の部屋でのやりとりの中に、おもいっきり伏線がありました。

タイトルのとおり悪役俳優が中心になる物語ではありましたが、最後に右京さんが口にした「外見というものは真の姿を表しはしない。人は常に見せかけに騙されるものだ」という『ヴェニスの商人』の一節へと、そこに繋がるような『悪役』でもありました。

小桜の最後の渾身の演技に、彼の人間性が顕著に表れていましたね。

悲しい結末ではありましたが、今回もまた救いの部分が残されていましたので、後味は決して悪くはなかったです。今シーズンはそのパターンがいつもより多い気がします。

ラストに右京さんと亀山くんが小桜に言葉を掛けるシーンも、特命係の優しさや温かさが溢れてました。

小桜千明に何かと持って行かれた回ではありますが、細かい楽しみどころもちゃんと随所に散りばめられていました。はじっちは青木ポジションが完全に定着してきましたし、美和子さんはこてまりでどら焼き食べてたり。

前話では鈴木砂羽さんが風邪で声をおかしくてしまったようで、美和子さんの声が掠れていまして、今回はどうだ?と少し心配していたのですが、どうやらまだ完治はしていないようで、じゃっかん掠れてました。それはそれで、ハスキーボイスが素敵だったりもするんですけどね。鈴木砂羽さんには申し訳ないのですが、美和子さんの声という、新たな楽しみが一つ増えた気分です。

優しい悪役俳優の物語、楽しませて頂きました。

第18話『悪役』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

それでは続いて、第18話『悪役』に出演された、主なゲストさんを紹介します。

一ノ瀬ワタル(いちのせワタル)

物陰から事件現場を覗いていた男、小桜千明役で一ノ瀬ワタル(いちのせワタル)さん。

悪役専門の俳優です。ヤクザの下っ端や、時代劇の斬られ役などのオファーが多いとのこと。事件現場には、彼が自主制作した主演映画のパッケージが不自然に落ちていました。さらには物陰から事件現場を覗いていたのを右京さんに見つかり、何かしら事件への関与が疑われています。

一ノ瀬ワタルさんは、元プロ格闘家(キックボクサー)の俳優さんです。相棒には今回が別役で3度目の出演です。過去にはS11第3話『ゴールデンボーイ』(詳細不明)と、『相棒シリーズ X DAY』(組員役)に出演されています。実際も悪役でのご出演作品が多いようです。

 

山口祥行(やまぐちよしゆき)

小桜の所属事務所の先輩、藤枝克也役で山口祥行(やまぐちよしゆき)さん。

小桜に目を掛けている俳優の先輩で、小桜には役者としてのアドバイスをすることも。名バイプレイヤーとしても知られている俳優さんで、亀山くんも彼をよく知っているようでした。一年前には主演映画も制作され、その鬼気迫る演技が高い評価を受けています。

山口祥行さんもコワモテで、ヤクザ映画などの出演も多い俳優さんです。中野英雄さん、的場浩司さん、本宮泰風とで、「ネオVシネ四天王」とも呼ばれているそうです。相棒には今回が2度目の出演で、1度目はS9第6話『暴発』に潜入捜査官役で出ています。

 

田中道子(たなかみちこ)

小桜から逃げるような行動をしている女、松尾朋香役で田中道子(たなかみちこ)さん。

小桜の高校時代からの友人ですが、なぜか今回の事件発生後から、小桜を避けるような行動をしています。元はプロのダンサーをしていましたが、喧嘩に巻き込まれて足を負傷し、踊れなくなっています。復帰するには手術やリハビリが必要との診断も受けている様子。

田中道子さんはモデル出身の女優さんです。2013年にはミス・ワールドの日本代表に選出されています。女優への転身は2016年で、相棒には今回が初出演。どことなく土屋アンナさんに似た雰囲気もある美人さんです。2022年放送のドラマ『霊媒探偵・城塚翡翠』では、及川光博さん演じる刑事の部下役で出演されています。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記3名になります。

他には、小桜千明と松尾松尾朋香の同級生、池田淳役で長谷川慎也(はせがわしんや)さんなどが、上記に次ぐゲストさんで出演されています。

長谷川慎也さんは別役で2度目(過去にはS17-8)の出演です。

 

亡霊の映る呪いのビデオ

この度の事件は、あるイベント会社の社長が、何者かに刺殺されたことから始まります。

その社長、裏カジノを経営していた疑惑がありまして、内輪揉めか対立組織の仕業ではないかと、そっちの線で捜査が開始されますが、おかしな証言も飛び出します。それは「亡霊に呪い殺された」のではないかという、なかなか非現実的な証言。

しかしそんな非現実的な証言に、おもいっきり反応を示したのがこの人です。

角田課長経由でその話を聞き、「亡霊」というワードに即座に興味を示す右京さんです。

右京さん、幽霊や超常現象には目がないですからね。

で、さっそく亀山くんと事件現場に赴きまして、捜査を開始します。

詳しく話を聞いたところ、被害者が死の直前に「呪いのビデオを見た」と言っていたことがわかるんです。その後死んでしまったので、そのビデオが原因なのでは?と。

呪いのビデオといえば、『リング』の貞子をまず思い浮かべてしまうのですが、この度のビデオはこちら。

防犯カメラ映像と思われるものでして、非常階段に黒髪の人物が映っています。

どうやら映っているのは女性ではなく、髪の長い男性のようです。確かに映像は不鮮明ですし、幽霊っぽいと言えばぽいですが…幽霊ではなく、実在する普通の人間と見る方が自然ではあります。

このビデオは、都市伝説的な巷に出回っている「呪いのビデオ」というわけではないようですね。

ではなぜ被害者は、そんな映像を見て「呪いのビデオ」などと言ったのか。

それは、被害者が映っている人物の正体を知っていて、さらにはその人物が被害者にとって「忌まわしい存在」だったからに他なりません。

 

優しい悪役俳優

事件現場を訪れた特命係は、もう一つ不自然なものを発見します。

それは小桜千明という俳優が自主制作した、映画のパッケージ。

映画のタイトルは『桜色の恋人』。どうやら恋愛映画のようです。

ちなみにこの映画を亀山くんがこの後一人で観ていたのですが、「劇的につまらない」って言ってましたね。

殺害現場には他にも映画がたくさんあったのですが、どれも任侠系のものばかりなんです。なのでその中で『桜色の恋人』というのだけ、明らかに浮いてます。落ちていた場所も不自然でしたし。

そんな中、右京さんが窓の外を見たところ、電柱の陰から事件現場を覗く怪しい男の姿が。

これだけ怪しさ満点な人も珍しい。

前話でも寺田心くんが事件現場にカメラを向けていて右京さんに発見されましたけど、今回はガタイのいいコワモテ男。

そしてなんとこの男こそが、『桜色の恋人』の主演俳優、小桜千明だったんです。

とっても素敵なお名前ですが、見た目はいかついです。どうやら彼は悪役専門の俳優をしているようです。

しかしそんな怖い見た目に反し、特命係が彼の部屋を訪ねたところ、彼は気さくに快く応じます。

どうやら彼は外見がいかついだけで、とっても優しい男のようです。優しいうえに、むしろ気弱なくらいです。で、めっちゃいい人そうなんですよね。彼の言動からもそれが伝わってきます。

事務所の先輩も、小桜のことを「顔の割には気持ちが優しすぎる」って言ってました。

その先輩がこちら。山口祥行さん演じる藤枝克也。同じくコワモテです。

「ネオVシネ四天王」だけありまして、貫禄のある怖さですね。

冒頭のアクションシーンもかっこよかったです。

藤枝は小桜を常に気に掛け、可愛がっている様子。

ちなみにゲストの項でも触れましたが、小桜を演じている一ノ瀬ワタルさんは、実際にも悪役が多いみたいです。一ノ瀬ワタルさんでググりますと、もっといかつい画像がたくさん出てきます。


(画像引用元:ttps://upload.wikimedia.org/wikipedia/)

現場に落ちていたパッケージ、さらには現場を覗くという怪しい行動、それらから小桜は間違いなく事件に何かしら関係している、もしくは何かを知っていると思われますが、特命係には話しません。

小桜が犯人で、パッケージは被害者のダイイングメッセージとも考えられますし、犯人は事件現場に戻るともよく言いますので、気になって見に来た可能性もありますからね。

果たして小桜が殺人事件の犯人なのか。

逆に犯人ではないのなら、なぜ現場に現れたのか。

その真相を解く鍵は、小桜の高校時代にありました。

 

4人の同級生

特命係が小桜について調べていきますと、彼は高校時代に演劇部に所属していて、仲のいい同級生が3人いることがわかります。小桜も含め4人が仲良しだったみたいですね。

左から、北原陽介、小桜千明、池田淳、松尾朋香。

このうち池田淳は小桜と行動を共にしています。北原陽介は行方不明届けが出されているとのことで、現在居場所がわからず。紅一点の松尾朋香は、小桜を避けるように行動してます。

北原を除く三人は、つい最近までは一緒に行動していたようなのですが、朋香は殺人事件の発生後から、小桜を見掛けると隠れながら逃げています。明らかに小桜との接触を避けていると思われます。

朋香は元プロダンサーで、北原と交際していました。しかし二人でいるときに喧嘩に巻き込まれ、足を負傷し、踊れなくなってしまいます。

また踊れるようになるには、手術やリハビリが必要とのことで、それにはかなりお金も掛かるとのこと。

行方がわからくなっている北原は、朋香の怪我に責任を感じてもいました。

怪しい小桜、その小桜と行動を共にする池田、小桜を避けている足の不自由な朋香、そして行方不明の北原。

今回殺害された被害者は、この4人全員と接点がありました。

そして、小桜、池田、朋香の三人もまた、亡霊の正体を知っていたんです。

 

その他の見どころ

では最後に、第18話『悪役』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。

特命係が薬物銃器対策課の部屋で

特命係の部屋に行くためには、常に通らなければいけないのが薬物銃器対策課のお部屋です。

ゆえに歩いて通り過ぎる場面は頻繁に出てきますが、そちらのお部屋で特命係が協議をするというのは、そう多くはありません。

そんな珍しい場面が登場です。

右京さんと亀山くん、角田課長から捜査資料を見せてもらってます。

特命が薬物銃器対策課の部屋でというのは、これまでも何度かありました。初ではありません。しかし、かなり珍しい場面ではあります。

自信はないですけど、前回そんな場面が出てきたのは、S16最終話ではないかと。

 

はじっちは緑茶派

土師太が特命に頼まれごとをして、その報告に特命の部屋を訪れます。完全に青木と同じことやってます。

このとき亀山くんがコーヒーを勧めたところ、はじっちは「僕は緑茶派です」と断ってました。

そういえばこれまで、特命の部屋で緑茶を飲む人っていなかったですよね。

亀山くんが今度は緑茶を用意しておくと言ってましたので、はじっちの特命部屋での緑茶が見れる日も、近いかもしれません。

 

以上、本日は相棒season21第18話『悪役』についてでした。

 

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