相棒が好き過ぎて

ドラマ相棒が好き過ぎるが故の戯言と悪ふざけ

相棒21第19話『再会』山中に監禁された右京と薫の脱出劇

第19話『再会』

あらすじと感想

相棒season21第19話のタイトルは『再会』。放送日は2023年3月1日です。前話に続き漢字二文字のシンプルなタイトルですし、「再会」といえばS21初回SPでの右京さんと亀山くんの再会をまず思い浮かべてしまいますが、今回はどんな「再会」の物語なのか。

では最初に、第19話『再会』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、角田(山西惇)から頼まれ、奥多摩の山中に足を運ぶ。大きな物音がしたという通報の確認を押しつけられたのだ。ところが、山間の集落で聞き込みをしていたところ、二人は何者かの襲撃を受けて拉致されてしまう。監禁場所を抜け出すことには成功するが、襲撃犯の目的も人数も不明で、スマホなどの通信手段も奪われていた。背後から追跡者が迫る中、右京と薫は敵を惑わすため二手に別れる。しかし、そこは地図もコンパスもない山の中。二人は遭難寸前の状態で歩き回ることに。そんな中、右京は偶然見つけた山小屋で、怪しげな男と遭遇。男は1か月ほど前、白装束に身を包んだ謎の集団を目撃したというが…!?いっぽう薫は、集落に住む山部守(田中奏生)という青年が、行方不明になっているという情報を耳にする。
孤立無援の山中で追い詰められる特命係
白装束の集団と謎の爆音の関係は!?
偶然の“再会”が驚きの結末をもたらす!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

いつもとはだいぶ趣向が異なった、なかなか強烈な回だったのではないかと思います。

相棒はこれだけの話数がありながらも、まだまだ新しいパターンが出てきますね。だから続いてるんでしょうけど。

ベースは特命係が山奥で事件に巻き込まれる系のお話です。

つい最近も第16話『女神』が山奥の山荘でしたけど、それ系とはまた違いまして、S14『神隠しの山』とか、S11『森の中』などに近いタイプの山奥系ですね。

また、特命係が監禁されるというのも定期的にありますが、今回は右京さんと亀山くんの二人ともが監禁されるという、かなり特殊な状況にも陥ります。どちらかが監禁されどちらかが助けるというのが定番ではありますからね。しかし今回は二人仲良く、いきなり冒頭から監禁シーンでのスタート。

そして監禁からの逃亡劇。

二人を襲撃して監禁した犯人の人数や目的も不明。通信手段も奪われ、現在位置もわからず。そんな状況で追跡者から逃れないといけないので、もう大変ではありますが、山の中での特命係を思う存分楽しめます。これだけ屋外シーンが中心になっている回も、そうはないのではないかと。

逃亡の過程で右京さんと亀山くんが二手に分かれますので、そこからはそれぞれの線が走り始めます。

右京さんの線では、次から次へと現れる怪しい男たちと、白い布を付けた怪しい集団。亀山くんの線では、行方不明になった引きこもり青年。

右京さんの怪しい男たちの方は、全く思ってもいない方向にいきました。凄いのぶっ込んできましたね。

しかし事件の真相の方は、なかなか先が読めなかったです。「かぶらぎ」の名前が出たあたりで、ようやく少し推察ができはしましたけれど、しかし深いところまではわからずで。

終盤、右京さんと亀山くんの再会から、二つに分かれていた線が人一つになり、クライマックスへと繋がります。

そして、亀山くんの熱い言葉の数々。

特に、使い古された言い回しについての、「使い古されているのは、それが本当のことだからだ」という一言が印象に残りました。確かにその通りなのかもしれません。深いです。

また、そこから事件解決後の右京さんと亀山くんのやりとりに、僕は泣きそうになりました。いや、ちょっと泣きました。その場面こそが、今回の本当のクライマックスであり、一番の見せ場でしたね。

と思いきや、まさかの夢オチ?というおまけまで付いてましたし。やっぱり現実?という含みまでありました。遊び心も満載です。

タイトルの『再会』も、右京さんと亀山くんの再合流を意味しているであろうことは推測できたのですが、それだけでなく他にも掛けられていまして、それもまた後々考えると楽しいです。

まさか相棒の歴史を辿る物語になっているとは。

特命係が揃って監禁されるという、貴重なものも見れましたし、二人で脱出劇を繰り広げるという、これまた新鮮なものも見れました。

脱出のスタートがOPに繋がるという、そんな面白い繋げ方までありました。

山の中での脱走劇が中心だっただけに、トリオ・ザ・捜一の出番はいつもよりは少なめでしたが、その少しの出番でも、しっかり笑いは提供してくれました。

山だけで全部終わるかと思いきや、最後にはこてまりシーンもちゃんと用意されていて、ほっこり感も味わえました。前話、前々話に渡り風邪声だった美和子さんも、元通りになってましたね。

何よりも、右京さんと亀山くんが無事に帰還できてよかった。

特命係の山奥からの脱出劇と再会の物語、楽しませて頂きました。

第19話『再会』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

それでは続いて、第19話『再会』に出演された、主なゲストさんを紹介します。

田中奏生(たなかかなう)

行方がわからなくなった村の青年、山部守役で田中奏生(たなかかなう)さん。

両親の離婚をきっかけに祖父母に引き取られ、山間の村に住むようになった青年です。高校生の頃に不良グループに拉致され、山に連れ去れらた事件があり、それ以来家に引きこもるように。特命係が監禁された後に、行方がわからなくなっています。

田中奏生さんは、子役として2010年から活動されている俳優さんです。ドラマ『BG~身辺警護人~』では、木村拓哉さん演じる主人公の息子を演じ、注目されました。子役時代から現在まで、数多くのドラマや映画に出演されています。相棒には今回が初出演。

 

以上、今回の主なゲストさんは、田中奏生さん1名になります。

他には、右京さんが山小屋で出会った男A役で、古河耕史(ふるかわこうじ)さん。バス停で出会った男B役で、鳥居功太郎(とりいこうたろう)さん。お堂で出会った男C役で、石田佳央(いしだよしひさ)さん。襲撃犯の男D役で柴田鷹雄(しばたたかお)さん、男E役で遠藤隆太(えんどうりゅうた)さん、男F役で海老原恒和(えびはらつねかず)さん、女A役で三浦萌(みうらもえ)さんなどが、上記に次ぐゲストさんで出演されています。

海老原恒和さんは別役で2度目(過去にはS20-16)の出演です。

 

監禁からの脱出劇

今回の事件の舞台は、奥多摩の山中です。特命係は定期的に奥多摩行きます。

山中で爆発音のようなものが聞こえたという通報が入り、角田課長からその確認を頼まれ、特命係が奥多摩まで向かうことになりました。

山間の集落にて聴き込みをしていましたところ、一軒の家に入った途端、まずは亀山くんが襲われ、続いて右京さんも襲われます。二人とも角材のようなもので背後から殴られました。

完全に不意打ちを食らってます。二人とも格闘シーンではかなりの強さを発揮していますが、やっぱり背後からいきなりでは勝てません。

そのまま二人は拉致され、監禁されちゃいます。

二人ともこれまで何度か監禁されたことがありますが、こんなふうに縛られてというのは、亀山くんはS4『監禁』、右京さんはS18『ブラックアウト』以来でしょうかね。右京さんは状況的には、S14『神隠しの山』の監禁に近いですけど。

さらに、特命係が揃って監禁というのは、初ではないかと。S7『悪意の行方』で、右京さんと陣川くんが一緒に船に監禁されたってのはありましたけれど。

あと、二人揃ってやられるというのも、S1『最後の灯り』くらいしか思い浮かばないのですが…。それ以外にもあったらごめんなさい。

山奥でいきなり襲われて監禁。そのシチュエーションだけでもかなり怖いですよね。襲った相手もわかりませんし、襲われた理由もわかりませんし。

とにかく命は無事でしたので、右京さんと亀山くんは脱出を試みます。

意外とあっさり縄を外し、屋外へ。

そこは完全な山の中です。どうやら二人は襲われた場所から監禁場所まで運ばれたようでして、現在地がどこなのかもわかりません。

大の男を二人も山の中まで運ぶのは相当大変でしょうから、間違いなく犯人は複数犯ですね。

二人はスマホも奪われていますので、助けを呼ぶこともできず。

近くにまだ犯人がいる可能性がありますし、その目的や人数も不明ですので、まずは監禁場所から離れることに。

しかしすぐに、二人の脱出に気が付いたと思われる声が聞こえます。

そこで二人は、二手に分かれるという選択をします。「縁があればまた」なんて言いながら、二人は別々の方向へ。

どちらかが捕まったとしても、どちらかが逃げ切れれば、助けを呼ぶことができますからね。

ここから右京さん、亀山くん、それぞれの逃亡劇が始まります。

 

白い布の集団と行方不明の青年

それぞれ別々の方向へと走り出した右京さんと亀山くん。

地図もコンパスもありませんし、もちろん土地勘もありませんので、山の中を歩き回るというのは、遭難というリスクも伴います。

そんな中、右京さんは次々と怪しい人物に遭遇します。

まずは山小屋、次はバス停、次はお堂で、それぞれ一人ずつの計三人です。

この男たちが、右京さんと亀山くんを襲撃し、監禁した犯人の一人である可能性もありましたので、右京さんも警戒しつつ接触をします。

そして右京さんは、彼らによりいくつかの情報を得ることに。まるでRPGで手掛かりを得ていくような感じではありました。

その情報の中には、「白い布の怪しい集団」の存在が。彼らは体の一部に白い布を巻き付け、数人で山の中を歩いていたそうです。

その集団が右京さんと亀山くんを監禁した可能性も高まります。

通報のあった爆発音というのも、もしかしたら彼らによる爆発実験みたいなものだったかもしれません。その場合、彼らは爆発物を保持しているってこにもなりますね。

実際に右京さんは、お堂の境内にて、爆発の痕跡も見つけます。

白い布の集団が何か良からぬことを企んでいたとしたら、警察に探られたくないがために、右京さんと亀山くんを襲い、監禁した理由にはなります。

テロを企てているかもしれませんし、一刻も早く見つけなければいけません。

一方その頃亀山くんは、野生の本能とでもいうべきサバイバル術を発揮しまして、迫る追跡者の手を逃れ、自力で下山します。凄いです。

集落まで辿り着き、伊丹さんに連絡し、応援を要請します。その際伊丹さんから「特命係の亀山」って言わされてました。亀山くん自身に言わせるという、新しい攻め方です。

亀山くんは右京さんのことを心配しつつ、集落で情報を集めていましたところ、一人の青年の行方がわからなくなっていることを知ります。

いなくなったのは、田中奏生さん演じる山部守という青年。特命係も村の聴き込みの際に言葉を交わしている人物です。

ちなみにこの「山部守」という名前、僕は気付かなかったのですが、右京さんが既に再会を果たしている亀山の山、神戸の部(漢字は違いますけど)、米沢守の守、の組み合わせなのでは?というコメントを頂きました。確かに今回、名前というのが一つの大きな要素にもなっていた物語ですので、その線はじゅうぶんにあり得るかと。「部」に関しては、たまきさんが宮部たまきだったので、そっちの線もあるかもしれません。

山部守は、校生のときに不良グループに拉致され、山に連れ去れたという事件があり、それ以来家に閉じこもるようになってしまったという青年です。

ひどいことをする奴らがいるものですね。怖い思いをしたことと思います。

そんな彼がまた行方不明。電話にも出ず、祖父母が村中聞いて回ったものの、いっこうに見つかりません。また不良グループに連れ去れた可能性も。

この話を聞いた亀山くんは、放っておけるわけがありません。助けを待つ間に山部を探しに出ることに。

そして亀山くんが山部を見つけ出したとき、事態はいっきに動き出すんです。

山部が姿を消した理由。

まさにそれこそが、事件の真相へと直結するものでした。

 

運命の再会

右京さんが知り得た、白い布の集団や爆発の痕跡。

亀山くんが見つけた、行方をくらました山部守という青年。

この二つが、右京さんと亀山くんの再会により、一つに繋がります。

二手に分かれた二人が、またこうして一緒になり、捜査をするというのは、それだけで嬉しいものですね。

まるで右京さんがサルウィンから戻った亀山くんと再会し、また二人で特命係として動き出したときのよう。

右京さんは、一度は亀山くんと離れ、その後に、神戸くん、カイトくん、冠城くんという三人の相棒を経て、このS21にて再び亀山くんと歩き出します。

一方の亀山くんは、サルウィンにて子供たちに正義を教え、その後また日本に戻り、右京さんとともに歩き出します。

そんな一連の流れを、この『再会』という物語は、改めて見せてくれました。

右京さんは、亀山くんと別れた後、それぞれの相棒に助けられます。亀山くんは迷える青年たちと遭遇します。

そして「縁があればまた」と言って別れた二人が、また再会するわけですよ。

事件が解決した後、湖の畔で二人は言葉を交わします。

右京「君が日本を離れている間、どんなふうに生きていたか、少しだけ分かったような気がしました」

薫「俺が正義を学んだのは…右京さんからです」

右京「君がそんなことを言ってくれるとは」

薫「右京さんはよかったですか?俺とまた一緒に…」

右京「そうですねえ…君との再会は運命だと思っています」

まさか最後にこんな素敵なやりとりが待っているだなんて。

僕は泣きました。

 

その他の見どころ

では最後に、第19話『再会』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。

バスに揺られる特命係

右京さんと亀山くんが、二人でバスに乗るという、貴重な場面が出てきました。

しかも二人並んで座るわけではなく、別々の席で、間には山部守です。

特命係のバスシーンというのは、これが初ではありません。右京さんは月本幸子の隣に乗ったり、カイトくん悦子さんと香港でオープンバス乗ったりもしてますし。

右京さんと亀山くんでのバスというのも、S3第18話『大統領の陰謀』であります。浅倉禄郎の幽霊を見たときで、美和子さんも一緒でした。

山奥の路線バスというのは、S15第1話『守護神』で、右京さんと冠城くんが乗ってる場面がありまして、今回もそれに近いですね。

できれば並んで座って欲しかったですけど、いいものが見れました。

 

右京の参拝姿

もう一つ、貴重なシーンがありました。

お堂に手を合わせる右京さんです。

相棒では神社や寺院などがけっこう出てきますけれど、右京さんがこんなふうに参拝する姿というのは、僕は記憶にないんですよね。

もしかしたら初かもしれません。


以上、本日は相棒season21第19話『再会』についてでした。

 

こちらの相棒記事もおすすめ