第11話『その頬に触れるな』
あらすじと感想
相棒season22第11話のタイトルは『その頬に触れるな』。放送日は2024年1月10日で、通常放送としては2024年一発目の相棒となります。タイトルからだけでは全く内容が推測できませんが、「頬」というのが何かしらのキーワードとなる物語なのかどうか。
それではまず、第11話『その頬に触れるな』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。
化学メーカーの研究員が、猛毒の神経ガスで殺害される事件が発生。右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、下足痕の捜査に駆り出される。そのさなか、道端に人気キャラクター“ほっぺ丸”のぬいぐるみが、不自然に落ちているのを発見した2人は、事件性の有無を確認するため、持ち主を捜索することに。結果、小学生の男の子を持つ丹生初音(映美くらら)というシングルマザーに行き着くが、様子がおかしい。何者かに脅されていることを察知した右京と薫は、誘拐事件を疑い、手分けして捜査を開始。初音の勤務先である玩具メーカーを訪れた右京は、ほっぺ丸をめぐる意外な裏事情を知る。いっぽう薫は、何者かの指示を受けていると思われる初音を尾行。動向を注視するが、やがて、ほっぺ丸のぬいぐるみを使って、神経ガスがバラまかれる危険性が浮上し、体を張ってテロを阻止しようとするが…!? そのころ右京は、初音が務める玩具メーカーと深い因縁がある持永登紀子(山下容莉枝)という女性の、不穏な動きを捉えていた。
誘拐事件の背後で暗躍する狡猾な犯人
被害者の母を追う薫に猛毒ガスの脅威が!
人気キャラクターをめぐり悲劇が交錯する!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/)
今回も面白かったです!
前話である元日SP『サイレント・タトゥ』にて、右京さんと亀山くんは東国の地からすぐには帰国できない状態になっていました。ですのでもしやその続きがこの第11話で描かれるのでは?なんて少し思っていたのですが、どうやら無事に帰国したようでして、完全に帰国後の通常版という形での後半戦スタートでした。
そんな後半戦一発目は、猛毒ガスによる殺人事件から幕を開けます。
いくつかの軸が並行して走るというよりは、どんどん色んな軸が重なっていくような、そんな流れではありました。
最初の殺人事件という一本の軸に、続いては誘拐事件という軸、そこから神経ガスによるテロという軸が派生し、さらにもう一本、半年前の自殺という軸も加わってきます。
そして全ての軸の接点であり、かつ中心となっていたのが、「ほっぺ丸」というぬいぐるみ。
ほっぺ丸に何かしらの秘密といいますか、いわくがありそうなことは、けっこう早い段階で察することができるのですが、そこから先が意外と複雑ではありました。最初はデザインが盗作なのかな?と思ったんですけどね、全然違いました。
最後には恒例のどんでん返しもありますが、その手前にもちょいちょい覆しどころがありまして、小刻みに真相まで迫っていったような感じでもあります。
いつものごとく、僕は最終的な真相には辿り着けず、特命係頼みではありました。
終わってみれば、なんだか悲しい事件でもありましたし、どうにか防げなかったものかと、観ているこちらまで後悔の念に駆られてしまったり。
誤解によるさらなる悲劇を防げたという点では、そこまでバッドエンドではないんですけどね。
色んな悲劇が交わってしまった、複雑なお話でした。
ほっぺ丸という可愛らしいぬいぐるみが、殺人事件やテロという物騒な使われ方をしたかと思えば、大切な思い出のエピソードが込められていたりと、今回の物語を象徴するような、波乱の存在にもなっていたのではないかと。
ある意味、ほっぺ丸にとっても初音さんにとっても、災難なお話でしたからね。
そんな複雑な内容に対し、タイトルの『その頬に触れるな』は、ほっぺ丸の頬が危険なスイッチになっていたという、珍しくまさにそのままなタイトルでした。
誘拐事件やテロなど、右京さんと亀山くんも大忙しでしたけれど、捜一、益子さん、はじっちなどの面々が、みんな全面的に力を貸してくれてましたね。中園さんも協力的でした。
特命と一緒に動く伊丹さんってのも見れましたし、亀山&伊丹の連携プレーも楽しめました。
伊丹さんからは「ドジガメ」が出ました。
途中、亀山くんが猛毒ガスを浴びてしまうという、大変な事態も起きてしまいますが、そこは無事でよかったです。右京さんはかつて毒ガスで目をやられたことがありますので、その二の舞になるのではないかと心配しましたので。
ゲストには、映美くららさんと山下容莉枝さんという、どちらも過去に別役で相棒出演されている女優さん。お二人ともまた相棒の舞台で拝見できたことが嬉しいです。
ぬいぐるみと右京さんの絡みという、これまた貴重な絵も楽しめました。普段見れれない絡みですので、なかなかインパクトがありました。
悲しい物語ではありましたが、最後に笑えたのでほっこりです。
第11話『その頬に触れるな』、面白かったです!
ゲスト出演者
それでは次に、第11話『その頬に触れるな』に出演された、主なゲストさんを紹介していきます。
映美くらら(えみくらら)
小学生の息子を誘拐されたシングルマザー、丹生初音役で映美くらら(えみくらら)さん。
玩具メーカーのデザイン課に籍を置く、人気キャラクター「ほっぺ丸」を生み出したデザイナーです。神経ガスによる殺害事件の捜査をしていた特命係が、道端に落ちていた「ほっぺ丸」の持ち主を探していたところ、彼女に行き着きました。息子を誘拐され、何者かに脅されていると思われます。
映美くららさんは宝塚出身でトップ娘役だった女優さんです。相棒には今回が別役で3度目の出演。一度目はS6第10話(元日SP)『寝台特急カシオペア殺人事件!』で特命係が護送した柏原収史さん演じる重要証人の妻役、二度目はS9第12話『招かれざる客』で絵の教師役で出演されています。約13年振りの出演。
山下容莉枝(やましたよりえ)
神経ガスで殺害された男性の同僚、持永登紀子役で山下容莉枝(やましたよりえ)さん。
ほっぺ丸について何かしら調べているとも思われる女性です。児童施設を訪れ、ほっぺ丸について訊ねていたという情報も。誘拐事件や一連のテロ未遂事件についても何か知っている可能性があり、不穏な動きをしています。
山下容莉枝さんも相棒には今回が二度目の出演です。一度目はS4第4話『密やかな連続殺人』と第5話『悪魔の囁き』で、小日向文世さん演じる連続殺人犯の妻役で出演しています。そちらが前後編SPですので、話数でいいますと今回が3話目の出演です。約18年振りの出演です。
以上、今回の主なゲストさんは、上記2名になります。
他には、玩具メーカーの社長、小園蓮太郎役で山田太一(やまだたいち)さん。殺害された男性の同僚、辺見岳役で小野匠(おのしょう)さん。玩具メーカーのデザイナー、持永凛役で吉田凜音(よしだりんね)さん。玩具メーカーのデザイナー、八巻萌美役で沖なつ芽(おきなつめ)さんなどが、上記のお二人に次ぐゲストさんで出演されています。
ほっぺ丸と誘拐事件
化学メーカーの研究員が、猛毒の神経ガスで殺害されるという事件が起こります。
被害者は自宅にて、訪ねて来た相手に対しドアを開けたところ、ガスを噴射されたと思われます。
で、特命もその下足痕の捜査に駆り出されたところ、路上にぬいぐるみが落ちているのを発見。
このぬいぐるみは「ほっぺ丸」という人気キャラクターのものです。
その名のとおり、ほっぺが赤く膨らんでる、ほっぺ推しのキャラですね。ほっぺをプニプニすると気持ちいいみたいです。人間の子供をモチーフにしたもので、キャラクターグランプリで大賞を受賞したキャラとのこと。亀山くんも右京さんも知ってました。
実際に10年ほど前くらいに「ほっぺちゃん」というキャラが一時期流行ったことがありますので、それをモデルにしたものではないかと。
特命係が拾ったほっぺ丸は、ストラップが付いているものでして、サイズとしては大きくはありません。カバンか何かに付けていたものが落下してしまったと思われます。
念のため事件性も考え、ほっぺ丸の持ち主を捜すことに。
で、ほっぺ丸にはご丁寧に持ち主の名前まで書いてありましたので、すぐに辿り着きます。持ち主は小学生の男の子で、その母親がこの人、映美くららさん演じる丹生初音です。
この初音さん、なんと「ほっぺ丸」の生みの親としても知られるデザイナーさんでした。
しかしです。無事に落とし物を返せたものの、どうも彼女の様子がおかしい。
特命係は彼女の不審な言動から、息子が誘拐されているのでは?と推測します。
そして捜査を続けると、読み通り何者かが息子を誘拐し、初音を脅している可能性が濃厚に。
どうやら誘拐犯は、身代金を要求しているわけではなく、息子を人質にして初音に何かをさせようとしていることも窺えます。
息子の命を守るため、警察には通報せずに犯人の指示に従う初音。
亀山くんが初音の尾行を続けると、彼女が犯人の指示で向かった先にあったのは、またしても「ほっぺ丸」。
犯人はほっぺ丸を使い、息子の命と引き換えに、彼女に恐ろしいことを実行させようとしているんです。
特命係は、誘拐犯を見つけ出し、息子を無事に救出し、さらにはこれから起こるかもしれない悲劇を、なんとしてでも防がなければいけません。
ほっぺ丸と毒ガステロ
亀山くんが初音の尾行をしている頃、右京さんは別の線から捜査を進め、初音の勤務している玩具メーカーを訪れます。
ほっぺ丸を商品化しているのも、そちらの玩具メーカーです。
右京さんは聴き込みにより、ほっぺ丸の誕生にまつわる裏事情を知ることに。
そして神経ガスによる殺人事件に、ほっぺ丸が使われた可能性に行きつきます。ぬいぐるみの中にガスを仕込み、大きなほっぺを押すことで、ガスを噴射したのではないかと。
また、殺人事件と誘拐事件が関連しているのならば、誘拐犯が再びほっぺ丸を使い、初音に無差別テロを実行させようとしているのでは?と。
ほっぺ丸というキャラクターを使い、その生みの親であるデザイナーを脅迫している以上、この事件がほっぺ丸に何かしら起因していることは明らかです。
半年前には、初音の同僚であるデザイナーが会社で飛び降り自殺をしていたこともわかり、その一件と関りがある可能性も。
そんな中、一人の怪しい女性の存在がクローズアップされます。
殺害された化学メーカー研究員の同僚、持永登紀子です。
演じているのは、相棒ではウィンパティオーの妻役でお馴染みの山下容莉枝さんです。
この持永登紀子が猛毒ガスによる殺人事件を起こし、初音の息子を誘拐し、さらには毒ガステロを企てているのではないかと。
登紀子が犯人だとしたら、なぜ彼女は、わざわざほっぺ丸を犯罪に使おうとしているのか?
なぜ、初音を脅迫の対象に選んだのか?
その理由こそが、まさにこの事件の根幹でもあります。
しかし特命係が暴き出した真相は、犯人の知る真相とは、全く別のものでした。
ガスを浴びる亀山
ほっぺ丸を使った毒ガステロの可能性を右京さんから聞いた亀山くんは、それを踏まえて初音の尾行をします。
そんな中、恐れていたことが…
問題のほっぺ丸がエスカレーターで落下。それを偶然通りかかった女の子が手にしてしまうんです。
ここで女の子がほっぺを押したら終わりですが…
それを救ったのは亀山くんでした。
間一髪、自分のジャケットで少女の顔を覆います。亀山くんのファインプレー。
しかしです。
このとき亀山くんは、おもいっきりガスを浴びてしまうんです。
まともにくらってます。
化学メーカーの研究員はこれで亡くなっていますので、亀山くんが心配。まぁここで亀山くんがいなくなるなんてことはないですけれど、それでも目やら鼻やら口やらは心配です。
かつてS18第6話『右京の目』では、右京さんが催涙ガスを浴びてしまい、こんなことになっていますし。
今回は亀山くんがこんなふうになってしまうのではないかと、半分は心配しつつ、半分は期待しつつ…。
結果、こうなってます。
詳細は書きませんが、とにかく無事でした。
亀山くんに何かあれば、美和子さんも悲しみますからね。何もなくて一安心。
身を挺して女の子を守った亀山くんは、かっこよかったです。
誘拐されていた初音の息子も無事捜査一課に救出されましたし、警察は子供たちのヒーローですね。
あとは真相を暴き、一番悪い奴を捕まえるだけです。
その他の見どころ
では最後に、第11話『その頬に触れるな』のさらに細かい見どころを、少しだけ挙げてみたいと思います。
右京とほっぺ丸
今回は、ほっぺ丸というぬいぐるみが中心となる事件なだけに、ほっぺ丸が随所に登場。
特命係とぬいぐるみの絡みも楽しめます。
特に右京さんがほっぺ丸を抱えるという、微笑ましくもあり、シュールでもある、そんな場面はたまりませんでした。
こちらはこてまりでの右京さん。
右京さん、嬉しそうに「初プニプニ」してました。
一方こちらはシュールな抱え方。
どっちのパターンも新鮮でいいですね。
ぬいぐるみを持つ右京さんなんて、そう見られるものではないので、貴重です。
特命&伊丹
トリオ・ザ・捜一が、伊丹さん一人と芹沢&出雲に分かれて捜査をするというシーンがありまして、その結果、伊丹さんが特命係と行動を共にするという、嬉しいものが見られます。
こちらは伊丹さんが亀山くんと二人で怪しい男を捕まえる場面。
二人のコンビネーションもバッチリでした。
一方こちらは、右京さん、亀山くん、伊丹さんというトリオで、容疑者宅に踏み込む場面。
この現場には他の捜査一課の刑事たちもいたのですが、こんなふうに三人で一緒に踏み込む絵が見れるのは、それだけでなんだか嬉しくなるものです。
仲良しです。
大賑わい
特命係の部屋には、角田課長はもちろん、色んな人が訪ねて来ますけれど、今回も大賑わいでした。
右京さんと亀山くんに加え、角田課長、伊丹さん、芹沢さん、はじっちという、6人が顔を揃える場面も。
この後は出雲麗音も加わりますので、総勢7名でした。揃った絵がなかったので、画像は6名ですけど。
おそらくこのメンツが特命の部屋で一堂に会するのは初なのではないかと思われます。
はじっちはすっかり青木年男ポジションになってますね。
いつかこの部屋で、歴代の特命係が全員集合する絵なんてのも、ぜひ見てみたいですね。
以上、今日は相棒season22第11話『その頬に触れるな』についてでした。