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相棒22第13話『恋文』美和子へのラブレターとモト冬樹。

第13話『恋文』

あらすじと感想

相棒season22第13話のタイトルは『恋文』。放送日は2024年1月24日です。「恋文」というシンプルなタイトルではありますが、その響きだけで何やら少し古風な恋バナを連想してしまいます。どんな恋文の物語なのか。

それでは初めに、第13話『恋文』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

匿名で5通もの“ラブレター”を受け取った美和子(鈴木砂羽)は、色めき立って、右京(水谷豊)に差出人の割り出しを依頼する。その様子を横目で見ていた薫(寺脇康文)は、不機嫌モード。そんな中、伊丹(川原和久)と偶然、路地裏で出くわした薫は、喉を切られて死んでいる男性を発見。その手には、“亀山美和子様”と書かれた封筒が握られていた。被害者は、美和子が行きつけにしているカフェの店員で、封筒の中身は持ち去られていた。捜査に乗り出した右京は、被害者が戸倉充(モト冬樹)という画家の絵画展のチケットを所持していたことに着目。戸倉は12年前に失踪した妻の捜索を求め、地元警察署の前で座り込みを続けているいわく付きの人物だった。所轄の刑事によると、戸倉の妻は失踪直前、「男に襲われていた」との目撃証言があり、戸倉のパトロンが容疑者として浮上したものの、問題の男は暴力団同士の抗争に巻き込まれて死亡したという。いきさつを知った右京と薫は、戸倉のもとを訪れ、直接事情を訊ねるが…!?
過去の失踪事件と現在の殺人に繋がりが
ラブレターの差出人の驚くべき正体とは?
不穏な空気を放つ老画家の思いに特命係が迫る!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

前話である第12話『惡の種』が、南井十と逆五芒星事件が再びという不穏なものだっただけに、今回の美和子さん宛てのラブレターという始まりが、よりほのぼのしたものに感じました。

匿名のラブレターでしたので、差出人が気になるところ。で、美和子さんは右京さんにその割り出しを依頼するわけです。

ここでラブレターの差出人という軸が一本走り出します。

そんな矢先、殺人事件が発生しまして、その被害者がラブレターの差出人である可能性が浮上。被害者は美和子さん行きつけのカフェ店員でした。ここから殺人事件という軸がもう一本追加されることに。

そして殺人事件の延長線上に、12年前に失踪した妻の捜索を警察に求め続けている、モト冬樹さん演じる戸倉という画家の存在。ここから12年前の失踪という過去の軸も加わることに。

大きな軸でいいますと、現在と過去ですね。現在起こった殺人事件と、過去に起こった失踪事件、主軸はその2本にはなります。

美和子さんへのラブレターの軸は、主軸の裏側で常に走り続けているような感じですね。

提示された謎はけっこう多めです。

ラブレターの差出人は誰なのか?
誰がカフェ店員を殺害したのか?
なぜ犯人は手紙を持ち去ったのか?
持ち去られた手紙の内容は?
12年前の失踪事件の真相は?

と、どの謎も全くわかりませんが、興味を惹くものばかり。

それぞれの謎が繋がっていくであろうことも予想できますし、戸倉がその重要人物であることや、殺害現場から手紙が持ち去られていましたので、その中身というのが大きな鍵になることはわかるんですけどね。

それぞれの謎の繋がり方は、意外と複雑だったかとは思います。

殺人事件の犯人に関しては、複雑ではなかったんですけどね。僕は裏の裏を読み過ぎて、もう一段階どんでん返しがあるんじゃないかと待ち構えていましたが、そこまでひねくれてはいませんでした。

しかしながら、違うところでのどんでん返しは待ってます。

最後に『恋文』に記された一文の別の意味が明らかになり、切なくなりました。相棒らしさ全開の切ない結末でした。もちろん犯人に同情の余地などありませんし、殺害された被害者は可哀そう過ぎますけれど。

そしてそこからもう一段階、素敵なオチもありまして、切ない結末からのほっこりが待っています。微笑ましい光景に癒されました。

で、さらにさらにもう一段階びっくりのラストが用意されていたことにも驚きです。まさかあの人の名前が出てくるとは。嬉しい驚きでした。

妻から夫への恋文、夫から妻への恋文。

まさに色んな『恋文』のお話でした。「恋文と夫婦」の物語でもありましたね。

ゲストのモト冬樹さんもよかったです。妻を想い続ける寂しい寡夫な感じが、見ていて辛くなるほどでしたもの。じゃっかん狂気すら感じるほどでした。前半での寡夫の日常の場面が、この物語の結末をより切ないものに仕上げていた気がします。

細かい楽しみどころとしては、美和子さんきっかけの事件でもありましたし、今回は美和子さんの出番もかなり多いです。警視庁に出入りもしていますし、捜一の部屋でトリオ・ザ・捜一と特命係と一緒にいるという、かなり貴重なものも見れちゃいました。

益子さんとはじっちの登場はありませんでしたが、その分捜一と美和子さんががっつり出てくれてた感があります。

ラブレターを読み上げる出雲麗音も光ってましたし、伊丹さんと亀山くんが偶然出会うなんて貴重なものもありました。

ラブレターに嫉妬して不機嫌になる亀山くんってのも、いじらしかったですね。

様々な恋文と、過去と現在が絡み合う物語、楽しませて頂きました。

第13話『恋文』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

では続きまして、第13話『恋文』に出演された、主なゲストさんを紹介していきます。

モト冬樹(モトふゆき)

失踪した妻の捜索を求める画家、戸倉充役でモト冬樹(モトふゆき)さん。

殺害されたカフェの店員が、戸倉の絵画展のチラシを所持していたため、右京さんと亀山くんは彼のもとを訪れることに。12年前に妻が失踪して以来、地元の警察署前で捜査を求めて座り込みを続けている、いわくつきの人物でもあります。

モト冬樹さんは相棒初出演です。このたびは失踪した妻を捜し続ける老画家役。寂しい寡夫な感じが滲み出ていました。普段の雰囲気からとは全然違う、だいぶ堅い役柄でした。お兄さんのエド山口さんも相棒に出ていますので、兄弟で相棒出演です。

 

以上、今回の主なゲストさんは、モト冬樹さん1名になります。

他には、失踪したの戸倉充の妻、戸倉祥子役で岡内美喜子(おかうちみきこ)さん。殺害されたカフェ店員、佐藤晴樹役で松澤和輝(まつざわかずき)さん。佐藤晴樹の同級生、長田瑞穂役で永瀬未留(ながせみる)さんなどが、モト冬樹さんに次ぐゲストさんで出演されています。

岡内美喜子さんは別役で2度目(過去にはS20-6)のご出演です。

 

美和子宛てのラブレター

この物語にまず最初に起きた事件は、美和子さん宛てに匿名のラブレターが届くという、珍事です。

亀山美和子宛てに投函されたものでして、その数は全部で5通。住所もわかってるってことですね。

中身はかなり熱烈なものになっていて、美和子さんへの愛が綴られています。例えば、「あなたは太陽。見つめていると僕の心は日焼けする。」など、すごいセンスです。

匿名でこんなものが届いたらじゃっかん怖くもなるかと思うのですが、美和子さんはまんざらでもない様子。こてまりにて、嬉しそうに話してました。

それに対し亀山くんは不機嫌です。自分の奥様に誰だかわからん相手からラブレターが届くわけですからね、そりゃ不愉快になっても仕方ありません。

差出人が匿名ですので、当然ながら美和子さんも誰が出したラブレターなのかは気になるところ。

で、その差出人探しを右京さんに依頼することに。美和子さん、右京さんを完全に探偵代わりに使ってます。

頼まれた右京さんも渋々っぽくはありますが、承知してました。

そんな矢先、伊丹さんと路地裏で偶然出くわした亀山くんは、そこで喉を切られ死んでいる男性を見つけます。そしてなんとその手には、「亀山美和子様」と書かれた封筒が握られているではないですか。

封筒の中身は空でした。犯人が持ち去ったと考えるのが妥当。

中身がないとはいえ、美和子さん宛ての封筒を持っていたからには、この被害者の男性がラブレターの差出人では?となるわけです。

そして美和子さんに確認したところ、彼は美和子さんがよく行くカフェの店員さんでした。美和子さんもイケメン店員として認識していたみたいです。

彼が差出人だったとすると、カフェにお客さんとして来店していた美和子さんに好意を持っていたことになりますが、なぜ犯人はそんな手紙を持ち去ったのかも謎です。

手紙と殺人事件が関連している可能性があるため、美和子さんは捜査協力で警視庁を訪れています。

こちら、捜査一課の部屋にて、特命とトリオ・ザ・捜一と美和子さんという、なかなか見られないワンシーン。

元日SP『サイレント・タトゥ』でも、美和子さんは特命と捜一とともに悦子さんを助けてますし、こうして見ると捜査員の一員みたいにもなってますね。

右京さんと亀山くんもいつものごとく、殺人事件の捜査を独自に開始します。

そして被害者が所持していた物の中で、封筒以外にももう一つ右京さんが着目したのは、戸倉充という画家の絵画展のチラシです。

右京さんは、戸倉充という名前に心当たりがありました。

 

画家のモト冬樹

モト冬樹さんが演じる戸倉充という画家は、いわく付きの画家です。右京さんもそれゆえに名前を知っていました。

戸倉の妻は12前に失踪していて、現在も行方知れずのまま。戸倉は失踪直後から妻の捜索を求め、地元の警察署の前で座り込みを続けているんです。12年前から現在までずっと。

失踪した妻の祥子は、いなくなる直前に男に襲われていたという目撃証言もあり、事件性も少なからず考えられます。

当初は捜査も行われ、戸倉のパトロンだった男が容疑者として浮上します。しかしその男は、暴力団同士の抗争に巻き込まれて死亡し、聴取をすることもできなくなりました。

捜査はそこで行き詰ってしまいます。失踪の真相も闇の中。

それから12年、何の手掛かりもないまま月日が過ぎていきました。

しかし戸倉は諦めていません。警察署の前で座り込みをし、奥さんが生きているという希望を捨てていません。

彼は心から妻を愛していました。

こちらは戸倉が描いた祥子さんの絵です。まだ未完成とのこと。

戸倉はこの絵を大切にして、毎日絵と向かい合って食事をしています。祥子さんの分まで食事を用意し、食器を洗い。そして警察署の前での座り込みに向かうというのが彼の日課。

なんとも寂しさが漂う寡夫の日常です。

戸倉は画家として売れているわけではありませんが、最近小さな展覧会も開催しています。殺された被害者の佐藤が持っていたチラシは、その絵画展のものでした。

戸倉と佐藤が知り合いであったこともわかります。

知り合いどころか、戸倉に絵画展を開くよう提案したのも佐藤でした。彼は祥子さんの失踪についても気に掛け、力になっていたようです。

佐藤は祥子さんの失踪について独自に調べ、何かを掴んだ可能性が浮上します。そのヒントとなったのが、消えた手紙です。

今回の殺人事件の犯人に辿り着くためには、12年前の失踪事件の真相にも辿り着く必要があります。

そして特命係の捜査が辿り着いた真実。

それは、お互いを愛するがゆえに起きてしまった悲劇でした。

 

その他の見どころ

では最後に、第13話『恋文』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。

喫茶店BANFF(バンフ)

失踪事件に関わっていると見られる男が、暴力団同士の抗争に巻き込まれた喫茶店。

こちらのお店。

ロケ地は、相棒では頻繁に使われている、練馬区の大泉学園にあるBANFF(バンフ)というお店です。

どれくらい頻繁に使われているかといいますと、もう10回以上です。ロケ地をまとめていらっしゃる方のブログを拝見したところ、なんと今回が15回目の登場っぽいですね。

いつか行ってみようと思います。

 

こてまりに3人

今回はこてまりシーンが三度登場。

そのうち二度は、どちらも珍しい3人の組み合わせというパターンです。

まずは亀山くん不在で、右京さん、美和子さん、小手鞠さんの三人。

今度は右京さんが不在で、亀山くん、美和子さん、小手鞠さんの三人。

この組み合わせでのこてまりはいずれも初です。もしかしたら今後も見られないパターンの、かなり貴重なものかもしれません。

 

亀山と伊丹

路地裏の飲み屋街みたいなところを、亀山くんが一人でウロウロしてました。どうやら美和子さんへのラブレターの一件で拗ねてしまい、たまには一人になりたい気分だったようです。

で、同じく一人でウロウロしていたと思われる伊丹さんと、偶然遭遇。

こんなところで偶然この二人が出会うとは。

やっぱりこの二人は惹かれ合ってますね。

 

宮部たまき様

ラストシーンで、右京さんは特命の部屋にて、誰かに宛てた手紙を書いています。

その誰かの名前が…

まさかのたまきさんです。

花の里の最初の女将で、右京さんの元妻。S10第1話で突然花の里を閉店し、相棒の舞台から去ってしまった、あのたまきさんです。

花の里を閉めた理由は、「お遍路に行く」「世界を旅したい」というものでした。

花の里の閉店後は一度も再登場することもなく、その名前が話題になることもなく。

それがこのたびフルネームでいきなり出てくるとは。もうびっくりしましたよ。

手紙を書くということは、右京さんはたまきさんの居場所を知っているということですよね。もしかしたら交流も続いているのかもしれません。

高樹沙耶さんは芸能界を引退されていますので、今後もたまきさんの再登場というのはおそらくないとは思いつつ…どこかで期待はしてしまいます。

こうして名前が出てきたことだけでも嬉しいですけれど。

右京さん、たまきさんにどんな手紙を書いたのでしょう。

 

以上、今日は相棒season22第13話『恋文』についてでした。

 

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