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相棒22第16話『子ほめ』落語家と元アイドル妻の再登場。

第16話『子ほめ』

あらすじと感想

相棒season22第16話のタイトルは『子ほめ』。放送日は2024年2月14日です。「子ほめ」というのは、そのまま「子供を褒めること」なのかな?と思いきや、どうやら古典落語の演目の一つに同名のものがあるようです。相棒の「子ほめ」はどんな物語になるのか。

ではまず、第16話『子ほめ』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

右京(水谷豊)は、薫(寺脇康文)と連れ立って、橘亭青楽(小宮孝泰)の落語会を訪れる。青楽は、薫が特命係に配属された当初、元アイドルの妻・美奈子(大西結花)を脅迫していた男を殺害した罪で服役していた人物。出所後、落語界に戻り、世話になった右京たちを復帰公演に招いたのだった。ところが、その舞台の直前、青楽がどういうわけか姿を消し、そのまま行方不明になってしまう。そんな中、都内のバーでマスターが刺殺される事件が発生。現場には、青楽の物と思われる手ぬぐいが落ちていた。調べると、被害者は元受刑者で、刑務所で青楽から落語を教わっていたという事実が判明する。青楽が何かしらの事件に巻き込まれていると察した右京と薫は、独自の捜査を開始。青楽から特に熱心に稽古をつけてもらっていたという受刑者・根津(菅田俊)から事情を聞く。しかし、根津は何かを隠しているようで、多くを語ろうとしなかった。
青楽の愛弟子がひた隠す衝撃の事実
右京と落語の不思議な縁が
過去から現在に続く事件を照らす!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

まさかS1第3話という、そんなに古い回の登場人物が再登場するとは。しかも二人も。

おそらく古過ぎて、ちゃんと認識している視聴者も少ないんじゃないかと心配になるレベルです。S1は僕もリアルタイムでは観ていませんからね。

とはいえやっぱり、そんな「約22年振りの再登場」というのが、今回の一つの大きな見どころであったかとは思います。22年も経ってから同じ役で二度目の登場って、長寿ドラマの相棒ならではですからね。

そんな再登場を楽しみつつ、事件の方ももちろん楽しませて頂きました。

右京さん、亀山くん、美和子さん、小手鞠さんという4人揃っての微笑ましいお出掛けから始まり、そこからいきなり22年振りとなる小宮孝泰さんの橘亭青楽と、大西結花さんの妻の美奈子が登場し、特命係と絡みます。そして直後に青楽が消えてしまうという、波乱の幕開け。

で、その後に殺人事件現場から青楽の手拭いが発見されたため、青楽は事件への関与が疑われ、被疑者になっちゃいます。

なぜ手拭いが落ちていたのか?青楽はどこへ?などの謎がこの時点で提示されますので、ここから特命係の謎解き開始。

殺人事件や青楽の行方という一本の現在軸に対し、中盤あたりから過去軸というのが同時に走り始め、じょじょに交錯して最後に一本に繋がる、という流れでした。

キーマンとなるのは、菅田俊さん演じる根津という一人の受刑者。

根津は刑務所で、ボランティアとして訪れた青楽から熱心に落語を教わっていて、今回の事件についても何かを知っていると思われるんです。まさに鍵を握る重要人物。殺害された被害者も元受刑者で、同じく青楽から落語を教わっていましたので。

「青楽が犯人ではない」ことは、冒頭のシーンなどの感じから推察はできます。さらには今回、真犯人が誰なのかというのも、珍しくわかりやすかったのではないかと。明らかに怪しさ満点でしたからね。鈍い僕でさえ、早い段階からこいつじゃないか、と思ってしまいましたからね。

とはいえ、青楽が消えた理由だったり、根津が隠している秘密というのは、そこまで簡単にはわかりませんでした。過去の事件の真相が見えたあたりからは、いっきにわかってきましたけれど。

しかし犯人はなかなかひどい奴でしたね。

そのひどさとは対照的に、青楽の想い、根津の想い、美奈子の想いと、それぞれの誰かを想う気持ちが、切なくもあり温かくもある物語だったのではないかと。

最後に落語で笑う右京さんと亀山くんの姿が印象的でした。「おかえりなさい」にはちょっとグッときちゃいましたもの。

「犯した罪に飲み込まれてしまう者もいれば、再び立ち上がれる者もいる。亀山くん、今日はいい夜ですね」という右京さんの台詞もよかったですね。

優しい気持ちにもなれる、素敵な終わり方でした。

罪を犯した人間と、犯した罪との向き合い方や、その後の人生について描かれた物語でした。

何かと落語が取り上げられる回でもありましたので、当たり前のように落語に詳しい右京さんというのも楽しめます。

落語家が中心となるお話は、S19第13話『死神はまだか』以来ですね。

顔が近すぎる右京さんとか、いきなり大声を出す右京さんも見れました。

何よりもやっぱり、22年もの時を経て、小宮孝泰さんと大西結花を同じ役で再び見られるというのは、大変感慨深いものがありました。右京さんと亀山くんの二人とまた同じ画面に映っているとうのも、不思議な感じもしてしまいます。

思ってもいない再登場で嬉しいです。

懐かしい再登場と、落語家の師弟の物語、存分に楽しませて頂きました。

第16話『子ほめ』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

では続きまして、第16話『子ほめ』に出演された、主なゲストさんを紹介していきます。

小宮孝泰(こみやたかやす)

落語家の橘亭青楽役で、小宮孝泰(こみやたかやす)さん。

青楽は「しょうらく」と読みます。本名は倉本雄一。かつて、元アイドルだった妻を脅迫していた男を殺害し、右京さんと亀山くんの捜査により逮捕されていますが、現在は刑期を終え落語家として復帰しています。近年は受刑者に落語を教える民間ボランティアもしています。

小宮孝泰さんは、相棒には同じ役でこれが2度目、違う役で他にも2度出ていますので、全部で4度目の出演になります。最初の出演がS1第3話『秘密の元アイドル妻』で、今回はそのときと同じ役です。他の2話は、S15第10話『帰還』で警察署長役、S20第12話『お宝探し』で元警察官の警備員役で出ています。

 

菅田俊(すがたしゅん)

青楽から落語を教えてもらっていた受刑者、根津幸作役で菅田俊(すがたしゅん)さん。

23年前に強盗殺人で逮捕され、無期懲役の刑に服しています。遊び半分で落語を教わっている受刑者が多い中、根津は誰よりも真面目に取り組み、熱心に教わっていたとのこと。今回の事件について、何かを隠している可能性も。

菅田俊さんは別役で2度目の相棒出演です。前回はS9第11話『死に過ぎた男』で、失踪した男の元上司である市役所職員役で出ています。悪い役でした。今回は殺人を犯した受刑者役で、以前とはまた印象が違い、コワモテで貫禄のある役でした。

 

大西結花(おおにしゆか)

橘亭青楽の妻、倉本美奈子役で大西結花(おおにしゆか)さん。

青楽との結婚前にはアイドルをしていましたが、麻薬所持疑惑で芸能界を引退したという過去があります。その不祥事をネタに脅迫してきた男を、夫である青楽が殺害してしまったのが前回の事件です。青楽の出所後は、落語家に復帰した夫を献身的に支えています。

大西結花さんは同じ役で2度目の相棒出演です。小宮孝泰さんの最初の出演と同じく、S1第3話『秘密の元アイドル妻』で、青楽の妻役で出演しています。現在は55歳とのことですので、22年前の最初の出演時は、33歳くらいだったってことですね。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記3名になります。

他には、クラブのオーナー、瀬尾福一役で瀧川鯉斗(たきがわこいと)さん。殺害されたバーのマスター、目黒徹役で大賀太郎(おおがたろう)さんなどが、上記の三人に次ぐゲストさんで出演されています。

大賀太郎さんは別役で4度目(過去にはS14-1、S16-20、劇場版Ⅳ)のご出演で、加えてdビデオで配信された『相棒 -劇場版III- 序章』の第1話にも出演されています。

瀧川鯉斗さんは、元暴走族総長という異色の落語家の方です。

 

落語家と元アイドル妻の再登場

右京さんと亀山くんが、ある落語家からの招待を受け、落語を聴きにお出掛けします。美和子さんと小手鞠さんもご一緒で、4人揃ってのお出掛けです。

その落語家というのが、小宮孝泰さん演じる橘亭青楽。

橘亭青楽は、S1第3話『秘密の元アイドル妻』にて、右京さんと亀山くんの特命係により逮捕された人物です。

このたびS1以来の再登場。『秘密の元アイドル妻』が2002年の10月23日の放送でしたので、約22年振りの再登場ということになり、これまでの再登場の中では最も長い期間を経てのものになります。

小宮孝泰さん自体は、別のキャラでもS15とS20に再出演されていますが、橘亭青楽としてはです。

これまでの長いインターバルを経ての事例ですと、本田博太郎さんの朱雀武比古が約17年、高橋恵子さんの蓮妙が13年、深沢敦さんのヒロコママが12年とかですね。朱雀の記録を橘亭青楽が塗り替えました。

22年振りとはいえ、小宮孝泰さんそんなに変わらない気もしますけれど。

ちなみに小宮さん、落研にいたことがあるそうです。

青楽は特命係により逮捕されたと書きましたが、当時の事件をざっくりと書きますと…

青楽の妻は元アイドルで、麻薬所持の疑惑で芸能界を引退しています。で、妻がそれをネタに売人から脅迫されていたので、売人を殺しちゃった、という事件。

ちなみにあのヒロコママが初登場したのも、その回です。右京さんと米沢さんの落語好きという話が初めて出たのもその回。

僕も『秘密の元アイドル妻』についてはこちらのブログで書いてはいるのですが…言い訳がましいですけど、まだこのブログを書き始めた頃の記事でして、もうあまりにも拙い内容で。このたび久しぶりに見返してみたら、本当に拙くて恥ずかしいです。

どれだけ恥ずかしい感じなのか、見てもらえれば一発でわかるかと。恥を晒します。

青楽は念願の真打になったタイミングで事件を起こしてしまったのですが、右京さんと亀山くんは、彼を逮捕する前に高座に上がらせたんです。特命係の優しさです。

青楽は刑を務め出所し、再び落語界に戻り、このたびは単独公演を開くことに。おそらく逮捕の際の経緯などもあり、特命係には恩義も感じているようでして、二人を招待したようです。

会場には大西結花さん演じる、奥さんの美奈子の姿も。

青楽と同じく美奈子の方も、S1第3話『秘密の元アイドル妻』に登場していますので、約22年振りの再登場です。タイトルの「秘密の元アイドル妻」その人です。

亀山くんは彼女がアイドル時代、ファンだったみたいです。

美奈子さんも青楽と同じく最長のインターバル記録での再登場。これだけの時を経て、夫婦ともども再登場というのは凄いです。

大西結花さんは別役で他の回への出演はありませんので、相棒の舞台自体が22年振り。

美奈子はアイドル時代にこそ麻薬の一件がありましたが、その後は手を出していません。現在は出所した青楽を献身的に支えている様子。

一度は過ちを犯しはしたものの、こうして夫婦ともどもまた出直し、特命係と再会する様子というのは、見ていて微笑ましくもあります。もちろん罪は消えないですけれど。

相棒でかつて犯人として逮捕され、出所後に特命係と再会するパターンって、けっこうあるんですよね。月本幸子(鈴木杏樹)をはじめとして、先述した朱雀武比古(本田博太郎)だったり、瀬戸内米蔵(津川雅彦)だったり、三好倫太郎(蟹江敬三)だったり。このたびは橘亭青楽もそこに名を連ねることに。

楽屋にて青楽と再会した右京さんと亀山くんは、客席にて復帰公演の開始を待ちますが…

青楽は舞台には現れず、なんとそのまま姿を消してしまうという事態に。

復帰公演を前にしての、謎の失踪です。

さらにです。

そのすぐ後に都内のバーでマスターが何者かに刺殺されるという事件が発生。その現場からは、青楽の物と思われる手ぬぐいが見つかるんです。

以前の事件は伊丹さんも捜査に関わっていましたので、青楽は伊丹さんの記憶にも残る人物です。

現場の状況だけ見れば、青楽による犯行と思われても仕方ありません。しかも当の青楽は行方不明のままですからね。

22年前、特命係が青楽を追い詰めた際にも「手ぬぐい」が決め手になりました。またしても今回、彼の手ぬぐいが事件と青楽を結び付けるものに。

いずれにしても、青楽が何かしらこの事件に関係していることは間違いなさそうです。

青楽は失踪の直前、特命係と楽屋で再会した際に、「折り入ってご相談したいことがある」と言っていました。結局その相談を聞く前に彼が失踪してしまったので、内容はわからず。そちらもまた事件に関連しているのではないかと考えられます。

特命係は青楽の行方とともに、彼が姿を消した理由を求め、捜査を開始です。

 

服役中の愛弟子

出所した青楽は、民間ボランティアの篤志面接委員として、受刑者に落語を教えていました。

この度殺害されたバーのマスターである目黒は、半グレの元幹部でして、服役していた過去があります。そして服役中に青楽から落語を教わっていたことがわかるんです。

接点が判明です。

そしてその接点にもう一人、右京アンテナに引っ掛かった気になる人物が。

23年前に強盗殺人事件を起こし、無期懲役の刑に服している、根津幸作という男です。

青楽から落語を教わる受刑者たちの中でも、根津はひときわ熱心に取り組んでいたようです。

一方の青楽は、服役してからは二度と弟子はとらないと誓っていたそうですが、根津に対しては特別な想いがあった様子。

受刑者と元受刑者という関係ではありますが、二人は落語の師弟の関係を築いていました。

そして根津が青楽から教わっていた演目が、「子ほめ」です。

右京さんも「子ほめ」について解説してくれていましたが、「お世辞でタダ酒にありつこうとするものの、上手くいかない」という感じのものみたいです。ものすごくざっくりで申し訳ないですけれど。

被害者である目黒、そして殺人の容疑も掛けられ、行方不明となっている青楽。そのどちらともに接点があったのが根津です。

右京さんと亀山くんは、根津から話を聴こうとしますが、多くを語ってはくれません。ただ一言「やるわけねえ」と。

根津は「何か」を隠しています。

根津が隠しているものは、今回の殺人事件や、青楽の失踪に繋がる「何か」であることは間違いありません。

それは、根津が23年前に起こした事件に関係していました。

青楽は、愛弟子である根津のために奔走し、今回の事件に巻き込まれていたんです。

しかし師匠である青楽を救ったのもまた、愛弟子の根津の証言でした。

 

その他の見どころ

では最後に、第16話『子ほめ』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。

4人でワイン

特命係が青楽に招待された復帰公演の場所は、寄席ではなくクラブです。クラブのオーナーが青楽のファンだったそうで、場所を提供したみたいです。

ですので落語の開始を待つ右京さん、亀山くん、美和子さん、小手鞠さんの4人は、こんな感じに。

4人で赤ワイン飲んでます。

小手鞠さんは着物で来てしまったことを少し恥ずかしそうにしてました。

この4人が揃ってクラブにいるという、大変貴重なものが見れました。

 

近過ぎる右京

右京さんと根津とのワンシーン。

おそらく見ている人の多くが、「右京さん近い!」と思ったのではないかと。

近過ぎることが気になってしまって、じゃっかん話が入ってこないくらいでしたもの。

とにかく近かった。

 

ハバロア先生

クラブではなく、寄席での青楽の復帰公演は、浅草の東陽亭という演芸場でした。

東陽亭という名前になっていますが、あの浅草の東洋館です。ビートたけしさんもゆかりの。S21第6話『笑う死体』でも東陽亭として出てきています。

で、そちらの出演者の案内で、インパクトのあるお名前がたくさんあったのですが…

特に青楽のお隣、「ハバロア先生」はなかなか強烈でした。

僕は最初パっと見で「ババロア」だと思い込んでしまい、そう書いてしまったのですが、コメント欄にて「ハバロア」だとの優しいご指摘を頂き、気付きました。

ハバロアって何でしょうね。ハバロア先生がいったいどんな芸風なのか、気になるところ。

他にも、主夫仙人、ピクルスなどのお名前もありました。

右京さんと亀山くんは、全部観たんでしょうかね。そちらもまた気になるところです。


以上、今日は相棒season22第16話『子ほめ』についてでした。

 

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