相棒が好き過ぎて

ドラマ相棒が好き過ぎるが故の戯言と悪ふざけ

相棒22第17話『インビジブル』天才少年vs杉下右京。

第17話『インビジブル』

あらすじと感想

相棒season22第17話のタイトルは『インビジブル』。放送日は2024年2月21日です。前後篇の前篇になります。「インビジブル」とは、「目に見えない」「姿を現さない」「透明である」などの意味する言葉ですが、このたびはどんな「インビジブル」のお話なのか。

それでは初めに、第17話『インビジブル』のあらすじから紹介していきたいと思います。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

五期連続で市長を務め、次期都知事の最有力候補と目される山田征志郎(升 毅)の自宅に爆弾が届けられた。差出人の欄には、右京(水谷豊)の名前と“INVISIBLE”(=透明人間)という意味ありげな英単語が。幸い市長宅で怪我人は出なかったものの爆弾によって火災が発生。警視庁はテロ事件として捜査を始める。いっぽう、自分が事件にかかわるように仕向けられていると感じた右京は、薫(寺脇康文)と共に独自の捜査を開始。征志郎から事情を聞くが、私怨で狙われる覚えはないとの証言しか得られなかった。そんな中、警備会社に勤める男性が、宅配業者に届けられた爆弾で重傷を負う、第二の事件が発生。配達人は本城(吉田日向)と名乗る若い男だったが、警察は正体さえ掴めずにいた。そうこうするうち、右京は街角で山田(中川 翼)と名乗る顔見知りの少年と遭遇。山田は、右京が「チェスのライバル」と評するIQ150の天才で、右京は再戦を楽しみにしていたが、山田は意味ありげな言葉だけを残して去っていった。
警察を翻弄する爆弾魔の目的は?
背景には右京と天才少年の因縁が…
終わらないテロが驚愕の事態を招く!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!!

まずですが、まさかの前後編ものでした。

初回SP、最終話SPを除けば、通常放送で前後篇となるのは、亀山くん復帰後では初ですね。

冒頭からクレジットが流れるという珍しいパターンでしたので、もしや前後編なのでは?と勘繰っていましたところ、その通りでした。冒頭でクレジットというのは、S9第1話『顔のない男』以来のようです。(コメント欄にて教えて頂きました。)

まだ前半部分のみということにはなりますが、情報量が多く、中身がぎっしり詰め込まれていた感があります。予告編の段階でも情報量多いな~と思ってたんですけどね。当たり前かもですけど、本編ではそれをさらに上回る量でした。

そして、今回は犯人が最初に明らかにされますので、犯人を突き止める物語ではありません。しかし謎だらけの事件でして、これからいったいどんな方向に進んでいくのか、後篇になってみませんと、まだまだわからないことだらけです。

この前篇はあくまでも序章に過ぎず、後篇からが本番のような感じでもあります。

とはいえ前篇部分だけでも大いに惹き込まれました。

宅配による都知事候補宅への爆弾テロが起こり、その差出人に右京さんの名前が書かれているという、掴みもバッチリ。

犯人や動機などの謎だけでなく、「なぜ右京さんの名前が?」という謎も加わるのが、この事件の大きなポイントです。

で、そこから色んな人間がクローズアップされていきます。

まずは、狙われた升毅さん演じる都知事候補の市長。右京さんとは面識がありませんでしたし、なぜ狙われたのかも不明。

そして第二のテロ事件が起き、その被害者となっった牧野という男性。

さらには市長の息子である警察署長や、その署の副署長なども。

一方、犯人側も、右京さんと面識のある天才少年の山田と、爆弾を配達した本城という、二人も少年。

全体的には、いくつかの軸が走っていく構成というよりは、バラバラになったパズルのピースがそれぞれ取り上げられたような形ですね。

犯人を追うのではなく、「接点」を追うような展開にもなっていました。最初は全くわからなかった接点が、終盤にてほんの少し見え始めたところで、前篇の終了です。

後篇にてバラバラだったピースが全て繋がり、一つの絵になっていくんだと思います。

そして天才少年の山田くんと、右京さんの闘いというのが、これから始まるわけです。

山田少年の目的や動機が不明ですので、それ自体を特命係が突き止めることが、着地点になるのかもしれません。

もう一人の爆弾を配達した少年、本城の方も気になります。二人の少年の背景こそが、この事件の根幹と思われますので。

一瞬だけ出てきた髭の男も、いったい何者なんでしょう。市長親子にも何かありそうですし、城北中央署で過去に何かがあったであろうことも窺えますし、もう気になることばかりです。

亀山くんのいつもの勘の良さから出てきた、「山田」という苗字にも絶対何かありますよね。

山田少年の右京さんへの執着の理由も謎です。もしかして山田くんって南井十の息子なのでは?とかも一瞬考えちゃいましたもの。さすがにはないでしょうけど。でも、まさかのチェスの恨みが、右京さんを巻き込んだ動機という線はあり得るかもしれません。

タイトルにもなっている「INVISIBLE(インビジブル)」がいったいどんな意味を持つのかも、結末を迎えたときにわかるのではないかと。

全体的に不穏な空気が流れてはいましたが、それでも和みタイムはけっこうありました。

特命係とトリオ・ザ・捜一は行く先々で出会い、いつものやりとりを見せてくれましたし、亀山くんと伊丹さんの「小学生みたいな」応酬も微笑ましかったです。

貴重な右京さんの子供時代の話も少し聞けました。

最近出番の少なかった内村さんと中園さんにも会えました。右京さんとのやりとりも笑ってしまいました。

また、山田くんと右京さんの接点がチェス繋がりだったこともあり、今回もチェスをいじる右京さんが見れます。しかし、今シーズンはチェスがよく出てきますね。これでもう3話目です。

天才少年というのが出てくるのも2話目ですね。

ゲストの升毅さんも、別役ですがS14以来の久しぶりの相棒です。中川翼さん、吉田日向さんのお二人も、どこか狂気を感じる役どころでした。皆さん後篇ではさらに登場シーンは多くなるのではないかと。

市長の息子である警察署長役の方も、くせ強かったですね。

まだまだ後篇にならないとわからないことだらけの事件ではありますが、爆弾テロを巡る序章の物語、楽しませて頂きました。

前篇だけで盛りだくさんでしたもの。

第17話『インビジブル』、面白かったです!

後篇を楽しみにしています。

 

ゲスト出演者

それでは次に、第17話『インビジブル』に出演された、主なゲストさんを紹介していきます。

中川翼(なかがわつばさ)

右京さんと面識のあるIQ150の天才少年、山田役で中川翼(なかがわつばさ)さん。

右京がひいきにしているチェス倶楽部に現れた少年で、右京さんが「チェスのライバル」と評するほどの腕前です。右京さんとはお互いに再戦を楽しみにしている様子も。しかし彼こそが、今回の爆弾テロ事件を首謀した犯人です。

中川翼さんは相棒初出演です。4歳の頃にモデルデビューをしていて、俳優デビューは2015年。以降、ドラマや映画で活躍され、大河ドラマにも出演しています。2021年には『光を追いかけて』という映画で初主演も。弟の中川望さんも子役で活躍されています。

 

吉田日向(よしだひゅうが)

爆弾テロの実行犯、本城卓役で吉田日向(よしだひゅうが)さん。

電気設備会社の社員で、現場ではヘタレ扱いをされ、同僚の職人たちからも見下されている若者です。第一の事件、第二の事件、ともに宅配業社に変装し爆弾を配達した男で、山田少年とは共犯です。警察はまだ彼の元には辿り着いていません。

吉田日向さんも相棒初出演。子役でも活躍されていた俳優さんで、米津玄師さんがプロデュースした、「パプリカ」を歌うユニット「Foorin(フーリン)」では、メインボーカルを務めています。2019年には史上最年少でレコード大賞を受賞しています。現在は17歳。

 

升毅(ますたけし)

次期都知事の最有力候補と目されている市長、山田征志郎役で升毅(ますたけし)さん。

現職の東都市長で、五期連続で市長を務めている人物。赤字体質だった市の財政を立て直すなどの功績を残していて、その知名度も全国区です。都知事候補として注目を集める中、自宅に爆弾が届くというテロ事件の被害に。幸い怪我人は出てなかったものの、自宅では火災が発生します。

升毅さんは別役で3度目の相棒出演です。1度目はS10第1話『贖罪』で弁護士の役、2度目はS14第18話『神隠しの山』と第19話『神隠しの山の始末』で、陶芸家の役で出ています。S14が前後篇ですので、話数でいいますと4話目ってことですね。その他、S10第16話『宣誓』でも回想シーンで出ています。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記3名になります。

他には、城北中央署の署長、山田正義役で金井浩人(かないひろと)さん。爆弾テロのニュースに見入っていた男、柿沼勇作役で横山涼(よこやまりょう)さん。城北中央署の副署長、那須野役で永倉大輔(ながくらだいすけ)さん。第二の爆弾事件の被害者、牧野文雄役で山形匠(やまがたたくみ)さんなどが、上記の三人に次ぐゲストさんで出演されています。

横山涼さんは別役で2度目(過去にはS20-12)、永倉大輔さんは別役で3度目(過去にはS8-9、S19-11)のご出演です。

 

狙われた都知事候補

次期都知事の最有力候補といわれているのが、升毅さん演じる山田征志郎です。

東都市(架空の市)の市長を五期連続で務め、赤字体質だった市の財政を立て直すという実績も上げています。その名は全国にも知れ渡っているほど。

優秀な市長です。

この度の事件は、そんな山田市長の自宅に爆弾が届けられたことに始まります。

犯人から市長宅に、「今届いた荷物は爆弾だ」と電話が入ったため、家にいた人間は全員無事退避しますが、爆弾は爆発して火災が起きてしまいます。市長はこのとき不在でした。

爆発前に電話を入れたことから、命を狙う目的での犯行ではなかった可能性も考えられますが、テロ事件であることに変わりはありません。

警視庁は、現職の市長を狙った爆弾テロ事件として捜査を開始。

特命係もしれっと捜査会議に顔を出しているのですが、右京さんは内村さんに呼び出されます。

こんなふうに内村&中園に呼び出されている右京さんを見るの、久しぶりな気がします。ちょっと嬉しい。

そして右京さん、内村さんから直々に、捜査への関与を禁止されることに。

なぜならば、爆弾の荷物の差出人が「杉下右京」だったからです。

住所の「霞が関2-1-1」も、警視庁の住所。

もちろん右京さんが自ら爆弾を送りつけるわけがありません。

とはいえ差出人の情報だけ見ますと、右京さんは容疑者ですからね。かつて「監察対象 杉下右京」ってのはありましたけど、今回は「容疑者 杉下右京」です。

そして送られた荷物はそれだけではなく、もう一つありました。そちらの差出人には、透明人間を意味する「INVISIBLE」。

「杉下右京」と「INVISIBLE」の二つってことですね。

右京さんは荷物に心当たりがないだけでなく、山田市長とも面識が一切ありません。ですのでなぜ右京さんの名前が書かれていたのか、全くの謎なんです。

しかし必ずそこには何かの理由があるはず。

自分が事件に関わるように仕向けられていると感じた右京さんは、亀山くんとともに独自の捜査を開始します。

まずは山田市長との接点を探るため、市長の元へ。

で、市長から話を聴きますが、狙われるような覚えは全くなく、右京さんとの接点も見当たらないとの回答。透明人間にも心当たりはないと。

市長には警察署長をしている息子がいます。城北中央署の署長で、金井浩人さん演じる山田正義です。彼もこの場に同席しています。

市長は謙虚でいかにも優秀な感じだったのですが、それに対し息子の方は、どちらと言いますとバカ息子感が全開でした。

特命係に対しても、「警視庁の鼻つまみ者」と好戦的に言い放ってます。

対照的な親子です。

なぜ市長が狙われたのかもわからず、右京さんとの接点もわからずで、なかなか犯人へと繋がる糸口は見つかりません。

そんな中、第二の爆弾事件が発生します。

 

第二の爆弾テロ事件

最初に爆弾が届けられたのは、全国に名の知られる都知事候補の市長宅。

しかし第二の事件は、警備会社に勤務する牧野文雄という一般の男性宅でした。アパートの一室です。

宅配業者により荷物が届けられ、それが爆発。

今回は事前の警告などもなかったため、男性は爆弾で重傷を負ってしまいます。一時は意識不明の重体に。

荷物の差出人はまたしても「INVISIBLE」。右京さんの名前はありませんでしたが、INVISIBLEはこれが二度目。

また、荷物を届けた宅配業者も、一件目の事件と同一と思われることから、連続爆弾テロ事件と考えられます。

しかし一件目の山田市長と、二件目の牧野文雄にも、接点が浮かんできません。

怪我人の有無という相違点もありますし、謎は深まるばかり。

爆弾を配達していたのは、電気設備会社の社員である本城卓という男。

本城は宅配業者に変装し、市長宅にも牧野宅にも爆弾を届けています。遠隔で爆発させたのも本城。

彼は間違いなくテロの実行犯ではありますが、被害者の牧野との接点は不明。同じく山田市長や右京さんとの接点も見当たりません。

この事件には本城の他にもう一人、首謀者である少年がいました。

 

IQ150の天才少年

特命係が爆弾テロ事件を追い捜査をしていましたところ、突然一人の少年が右京さんに声を掛けます。

「杉下さん、僕のこと覚えてますか?」と。

声を掛けられた右京さんは、嬉しそうに反応をしています。

彼は右京さんがひいきにしているチェス倶楽部で出会った「山田」という少年でした。しかも右京さんがライバル視するほどチェスの腕が立ち、IQが150という天才少年です。

最初に狙われた市長は山田征志郎、その息子の警察署長は山田正義、そしてこの山田少年と、山田さんが続きます。

IQが150以上というのは、数千人に一人とも、数万人に一人とも言われるほど、ほんの一握りしかいない天才だそうです。

右京さんと山田少年が以前会ったのは一年前。二人はそのときチェスで勝負し、右京さんが勝ったそうです。しかしかろうじて勝ったという感じで、右京さん「次は勝てないかも」とも言ってました。相当な強敵ってことですね。

しかし、IQ150の相手に勝ってしまう右京さんのIQって、どれくらいなんでしょうね。

ちなみにですが、右京さんはそのチェス倶楽部の大会で、17年連続で優勝しているそうです。

今シーズンでは、第14話『亀裂』で、右京さんは美術品コレクターとチェスの勝負をしています。次の第15話『マッターホルンの殺人』でも、天才少年棋士に将棋で負けた後、チェスの勝負をしています。どちらもチェスでは右京さんが勝っています。

こんなに立て続けに右京さんとチェスをした相手が出てくるシーズンは初めてですね。

また、『マッターホルンの殺人』では天才少年棋士、今回はIQ150の天才少年と、立て続けに天才少年が出てくるパターンにもなってます。

特命係と少年の絡みというのは、それだけでちょっと面白いですけど、この度の山田少年はなんだか不穏なものも感じさせる空気感がありました。

山田少年は右京さんが警察官であることも知っていて、「警視庁のシャーロック・ホームズ」とも。

そして「必ずリベンジさせてください、近いうちに」という言葉を残し去って行きます。

この「リベンジ」は普通に捉えるとチェスのことではあるのですが、もしかしたら別の意味があるのかもしれません。

なぜなら彼こそが、一連の爆弾テロ事件の首謀者だからです。

彼は右京さんを巻き込み、これから「何か」をしようとしています。

天才少年vs特命係の闘いが始まります。

 

その他の見どころ

では最後に、第17話『インビジブル』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。

右京の子供時代

珍しく右京さんの小学生時代の話が出てきました。

こてまりでもその話題に花が咲きます。

右京さん、子供の頃は問題児だったみたいです。「協調性に欠け集団行動がてきない」という問題児だったと。

また、小手鞠さんの「お友達はいなかったんですか?」という質問に対し、「いましたよ。本にチェス、音楽、落語、他にもたっくさん」と。

右京さん、友達いなかったんですね。「大人の方が話は合いました」とも言ってました。

チェスを始めたのも、小学校に入った頃みたいです。

右京さんの子供時代の話、もっと聞きたくなります。

一方亀山くんは、体育の成績はトップだったみたいです。二人とも今と変わらないですね。

 

寝てる益子

鑑識の部屋にて、特命係が寝ている益子さんを起こす場面が。

立て続けに起こった爆弾騒ぎで鑑識も忙しく、寝る暇もなかったようでして、益子さん机で寝てました。

しかしそこに迫る特命係。

無理やり起こしてます。

しかし益子さん、せっかくの睡眠を妨げられたにもかかわらず、この後ちゃんと特命係に捜査の協力をしてあげてました。

優しいです。

この場面では、他の鑑識の方にも挨拶をする特命係という、ちょっと貴重なものも見れました。

 

バーチャル右京

山田少年のイメージの中で、いるはずのない場所に右京さんが出てくるという、貴重な一場面がありました。

山田くん、目の前に右京さんを出現させて、チェスしてます。

これまでもVR空間に特命係が登場するというのはありましたけれど、こんなふうに誰かのイメージで右京さんがおもいっきり出てくるのって、初なのではないかと。

新鮮でした。

山田くんも、なんだか楽しそうでした。

バーチャル右京、今後もちょいちょい出てきてくれたら面白いですね。

 

以上、今日は相棒season22第17話『インビジブル』についてでした。

 

こちらの相棒記事もおすすめ