第19話『トレードオフ』
あらすじと感想
相棒season22第19話のタイトルは『トレードオフ』。放送日は2024年3月6日です。第20話との二話連続の最終話SPで、この第19話が前篇になります。10分の拡大版での放送。S19からこのS22まで、4シーズン連続で最終話は前後編SPのパターンになっています。「トレードオフ」とは「何かを達成するためには何かを犠牲にしなければならない関係」を意味する言葉になりますが、この最終話はどのような「トレードオフ」の物語なのか。
では初めに、第19話『トレードオフ』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。
法務大臣の下川(黒谷友香)が指揮権を発動し、与党幹事長の収賄容疑に関する強制捜査が見送られることになった。裏で糸を引いていたのは内閣官房長官の武智(金田明夫)だったが、官邸の横暴をほとんどのマスコミが黙殺。捜査を指揮していた特捜部長の尾上(甲本雅裕)も、圧力に屈さざるをえなかった。唯一噛みついたのが、「特捜部長の気骨に期待する」とテレビで発言したベテラン政治学者の乙部(佐戸井けん太)だった。そんな中、乙部が未成年の男性に襲われる事件が発生。興味を持った右京(水谷豊)が、薫(寺脇康文)と共に動き出すと、被害者である乙部から、意外な証言が飛び出す。
少年はなぜ政治学者を襲ったのか?
背後に見え隠れする巨大権力の闇
そして起こる、さらなる凶悪犯罪
事件を追う右京が驚きの変貌を遂げる!?
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/)
今回も面白かったです!!
まずですが、通常放送の前後篇(第17話『インビジブル』と第18話『インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム』)の後に、最終話SPが前後篇というパターンは、このS22が初になります。前後篇が2連続で、というのも初です。三部作の後に前後編というのは、S3でありましたけれど。
やっぱり前後編というのはボリュームがありますので、その分見応えがあるものですね。
この最終話SPにて特命係が戦うのは、内閣官房長官をはじめとする国家権力。
相棒では「政界の闇」「権力の闇」が次から次へと出てきますね。巨悪を倒したかと思えば、また新しい巨悪が生まれてきます。
まだ前篇のみではありますが、現段階では構図としてはそこまで難しくはありませんでした。
この回だけのための相関図まで用意されていまいたので、そちらも転載させて頂きます。
(画像引用元:https://twitter.com/aibouNow)
政権批判に関連して2人の人間が何者かに襲われ、そのうち一人は死亡。これを首謀したのが、政権を担っている内閣の中枢だったのでは?という、とってもわかりやすいものになってます。
もちろんそんなわかりやすいまま、話が進んでいくのかどうかはまだ不明ではありますけれど。
政権がマスコミに圧力を掛け、自分たちに不都合な報道をさせなかっただけではなく、批判する人間は抹殺してるのでは?という流れですね。
それが事実だとすると、まさに許しがたい権力の横暴です。言論弾圧、言論統制です。
現実ではマスコミは政権批判しまくりですし、だいぶ偏向もしてるとは思うんですけどね。安倍さんのときなんて顕著でしたし。
また、政治家の裏金問題というのが取り沙汰されている時期ですので、そういった面でタイムリーでもありました。政治と金の問題は、もう根本的に政治家の在り方を変えない限り、なかなか解決しないんじゃないかとも思います。
私腹を肥やすことではなく、日本の国益を第一に考える方々にこそ、政治家になって欲しいものではありますが。
すみません、ちょっとズレましたが、本題に戻ります。
まずクローズアップされるのは、政権批判をした政治学者を襲った少年です。彼が犯行を犯した「理由」というものに焦点が当てられ、特命係も動き出します。
少年は誰から依頼を受け、犯行に及んだのでは?というシンプルな仮説が提示されますけれど、はたしてそんなに単純なものなのかどうか。いずれにしても、その少年が鍵を握る重要人物にはなってくるはずです。
で、その先には内閣官房長官という政権の大物が浮上してきまして、まさに相棒の定番でもある「特命係vs権力の闇」へと突入していこうかというところ。
この前篇にて、権力の闇の正体がある程度提示される形となっていたので、後篇では直接対決へと移っていくのではないかと。
さらにはここに、衣笠副総監だったり、社美彌子だったりが絡んできていますので、事態はより複雑になっていきそうです。
そして一連の事件の首謀者が官房長官だとしたら、特命係はその証拠をどのように見つけるのか、というのがポイントになるはずです。同時に第二の事件の犯人というのも、鍵になってくるのかもしれません。
右京さんの角田課長への依頼というのも、同じく鍵になりそうですね。
どんな結末を迎えるのかは、当然ながらこの前篇だけでは見えてきません。着地点が官房長官の逮捕になるのか、それとも別のものへと変貌していくのか。それはこの事件の真相次第ですね。
内調と大きな衝突が起こる可能性もあります。官邸なのか?内調なのか?というのも、目玉になるのではないかと思いますし。
この前篇は、事件の幕開けから、ぼんやりとその先が見え始めたところまで、を描いた物語ではありますが、ラストに「右京さんの動画」という、とんでもない爆弾が投下されたことにより、いっきにエンジンが掛かった感じがします。
ほんとに、前後篇っていいところで前篇が終わるんですよね。
これは右京さんの作戦なのか?それともフェイクなのか?と、もうモヤモヤしたままですもの。
この後の展開は、全て「右京さんの動画」に引っ張られて動いていくのではないかと思われます。
後篇が待ち遠しい。
わかりやすい構図だっただけに、最後に大きなどんでん返しが待っていそうな気もしますし、まだまだこの後何が起こるかわからないです。
ゲスト陣も豪華です。法務大臣は相棒初出演の黒谷友香さん。東京地検特捜部の甲本雅裕さん、内閣官房長官の金田明夫さん、政治学者の佐戸井けん太さんは、相棒では複数回の出演ですので、お馴染み感もあります。
佐戸井けん太さん以外は出番が少なかったので、後篇にて皆さんがっつり登場するのではないかと。それぞれが特命係とどんなふうに絡んでいくのかも楽しみです。
SP版ならではの顔ぶれも揃って出てます。甲斐峯秋、衣笠副総監、社美彌子だけではなく、大河内さんもちらっと出てます。大河内さんは今シーズン第5話以来の2回目ですね。甲斐&社&衣笠は、初回SPと元日SP以来です。久しぶりに甲斐vs衣笠の絵も見れました。
あと、社美彌子の秘書である、林泰文さんの石川大輔も出てます。
政界絡みの事件だけに、片山雛子とか鑓鞍兵衛も名前くらい出るのでは?とほんの少し期待はしちゃったのですが、それはなかったですね。
また、特命係と社美彌子は、今シーズンの初回SP『無敵の人』で軋轢が生じています。前篇では特にそれに関わるやりとりはありませんでしたが、今回の事件には内調も深く関わっていると考えられますので、もしかしたら後篇にて大きくぶつかるかもしれません。
豪華な面々が見れるだけでも、SP版ならではのワクワク感がありますね。
もちろん豪華な面々だけではなく、いつものメンバーも盛り上げてくれています。トリオ・ザ・捜一、角田課長、はじっち、益子さん、みんなけっこう出番多かったです。出てくるたびに特命係との細かい笑いを提供してくれていました。
「特命係の亀山の嫁の亀子」とか「捜査一課の3バカ」とか、定番の応酬もありましたし。
右京さんも今回は絶好調でしたね。出雲麗音に逆ギレしてたり、益子さんに怒られたり。
内村&中園と特命係のやりとりも面白かったです。内村さん、イケイケでした。赤ちゃん凄かったですね。げんこつも。
前話ではちょこっとの登場だった美和子さんも、今回は事件に直結する形で出てます。亀山夫妻は何かと事件に巻き込まれます。また、今シーズン何度目かの、特命と捜査一課と一緒にいる場面もありました。
前話では珍しく無しだったこてまり呑みも、今回はありました。やっぱり一話に一度はこてまりでほっこりしたいですものね。いつもとは少し違ったアングルでも楽しめました。
ロケ地では、相棒でお馴染み、日比谷サローも出てきました。亀山家も久しぶりに出てきましたね。前々話に続きまたしても冒頭でクレジットが流れるパターンでしたね。亀山くんの法学部ネタが出てきたりと、細かいネタも色々でした。
所轄の刑事と特命係のやりとりも笑いました。特命係に「掃きだめ」という、新しい呼び名も出てきましたし。あと、内村さんには「赤子以下」とも言われてましたね。それだけ聞くと、もうさんざんですね。
ピストルクロスボウや官房機密費なんてのも、少しですが問題提起されていたのではないかと。あとはもしかしたら、貧困というものにもスポットが当てられるのかもしれません。
ネトウヨというワードも出てきましたね。「政権批判=反日」といいますか、「政権与党支持=ネトウヨ」みたいな図式になっていたのは、少々ズレた認識で偏っているのではないかとは思ってしまいましたけれど。
政府による言論統制というのも現実とはかけ離れていますが、もしかしたら後篇にて右京さんの動画が、マスコミとネットでの情報の違いというものに、何かしら焦点を当てるものになるのかもしれません。
何かと時事ネタが盛り込まれた回でもありました。
なんだかんだ、やっぱり右京さんの動画が一番気になりますね。早く知りたい。
あと一話でS22が終わってしまうと思うと、まだ後篇を見たくないような、そんな複雑な気持ちもありはするのですが…。
S22の締めとなる最終話SP、後篇にてどんな物語が待っているのか、楽しみにしております。
第19話『トレードオフ』、面白かったです!!
ゲスト出演者
それでは次に、第19話『トレードオフ』に出演された、主なゲストさんを紹介していきます。
黒谷友香(くろたにともか)
法務大臣の下川阿貴役で、黒谷友香(くろたにともか)さん。
与党幹事長に収賄容疑が掛けられますが、法務大臣である彼女が指揮権を発動し、強制捜査が見送られることとなりました。指揮権発動は内閣官房長官の武智の指示によるものです。指揮権発動後には大臣を辞職しています。全て何かしらの見返りを得ての行動と考えられます。
黒谷友香さんは相棒初出演。有能で強かな女性政治家の役、とっても似合っていました。鮮やかなスーツ姿が素敵でした。前篇では登場シーンもわずかでして、特命係との対面もありませんでした。後篇での特命係とのやりとり、楽しみです。
甲本雅裕(こうもとまさひろ)
東京地検特捜部の部長、尾上欣悟役で甲本雅裕(こうもとまさひろ)さん。
就任したばかりの部長ですが、気骨のある検察官として評価されている人物です。政治家の汚職に対しても躊躇することなく切り込む覚悟を持っていて、この度の収賄容疑でも捜査を指揮しています。しかし法務大臣の指揮権発動により捜査が暗礁に乗り上げてしまい、責任を問われることに。
甲本雅裕さんは、別役で3度目の相棒出演です。1度目はプレシーズン1『刑事が警官を殺した!?』でバーのマスター役、2度目はS4第11話(元日SP)『汚れある悪戯~史上最大の誘拐事件』で財閥の息子役での出演です。過去2回は悪い役でしたけど、今回は正義の人での出演です。
佐戸井けん太(さといけんた)
政治学者の乙部泰治郎役で、佐戸井けん太(さといけんた)さん。
大学の研究室に籍を置く政治学者で、コメンテーターとしてテレビにも出演していましたが、権力に忖度しない発言がたびたび物議を醸し、最近は出演も減っていました。収賄容疑でも政権批判を繰り広げていて、それが原因で、このたびは襲撃され負傷するという事態に。
佐戸井けん太さんは、別役で3度目の相棒出演です。1度目はS3初回三部作『双頭の悪魔』で首相秘書官役、2度目はS16第5話『手巾(ハンケチ)』で警察学校の教官役で出演されています。双頭の悪魔が三話ありましたので、話数でいいますとこれが5話目の出演です。今回はちょっとトボけた感じの学者さん。
金田明夫(かねだあきお)
内閣官房長官、武智淑郎役で金田明夫(かねだあきお)さん。
庶民派を装ってはいますが、内閣を牛耳り、マスコミにも圧力を掛けている狡猾な政治家です。この度の指揮権発動の黒幕でもあります。敵と見なした相手は、どんな手段を使ってでも徹底的に叩き潰す、羊の皮をかぶった恐ろしい権力者。
金田明夫さんは、別役で2度目の相棒出演です。前回はS5第15話『裏切者』で所轄署の課長役で出演されています。亀山くんの元上司の役ですね。前回も悪い役でしたけど、今回はもっと悪い役です。前篇での登場シーンはわずかですが、後篇にて特命係と対峙することになるのではないかと。
以上、今回の主なゲストさんは、上記4名になります。
他には、下川阿貴の夫、下川勇一役で森岡豊(もりおかゆたか)さん。社美彌子の秘書、石川大輔役で林泰文(はやしやすふみ)さん。所轄の少年課刑事、井坂久司役で岩男海史(いわおかいし)さん。乙部を襲った少年、多賀潮役で島田裕仁(しまだゆうと)さん。東都テレビの制作部長、金子忠志役で仁科貴(にしなたかし)さんなどが、上記の4名に次ぐゲストさんで出演されています。
回想シーンでは、元官房長官の鶴田翁助役で、相島一之(あいじまかずゆき)さんも出演されています。
森岡豊さんは別役で3度目(過去にはS13-14、S15-10)、林泰文さんは6度目(同じ役で、劇場版Ⅳ、S16-10、20-11、S21-11、別役で5-16)のご出演です。
指揮権の発動
このたびの事件の発端は、与党幹事長に掛けられた収賄容疑です。
東京地検特捜部が動き出し、その捜査を指揮しているのが、甲本雅裕さん演じる特捜部の部長、尾上欣悟です。尾上は就任したばかりではありますが、不正には一切の妥協を許さないと明言している、信念のある人物です。
しかしそんな特捜部の捜査は、「指揮権の発動」という大きな圧力により、阻まれることになります。
指揮権とは、「検察庁の長でもある法務大臣が、検察官に対して指揮監督権を行使すること」です。東京地検とは東京地方検察庁の略でして、当然ながら特捜部も含まれています。
つまり、法務大臣の権限により、尾上は収賄の捜査ができなくなってしまうんです。
伝家の宝刀みたいなもんですね。
その指揮権を発動した法務大臣が、黒谷友香さん演じる下川阿貴。
収賄容疑を捜査しようとしていた特捜部を、指揮権の発動という手段によって、法務大臣がストップを掛けたことになります。
この事実だけ見ても、収賄容疑はクロです。
しかしこの指揮権発動以前から、マスコミ各社は収賄容疑について沈黙していました。
おそらく官邸から圧力が掛かったことにより、報道を自粛したものと思われます。
そんな中、テレビのコメンテーターとしても活躍している政治学者が、政権批判の声を上げます。その政治学者が、佐戸井けん太さん演じる乙部泰治郎。
乙部は権力に忖度することなく発言するコメンテーターで、それゆえに出演機会も以前よりは減っていたそうです。
乙部は東京地検特捜部の尾上にも期待する発言をしていました。
しかしこの度の指揮権発動により地検の捜査は暗礁に乗り上げ、指揮していた尾上は責任を問われるという事態にまでなってしまうことに。ひどい話です。
圧力を掛けてマスコミの言論を封じ、特捜部の捜査も止めるという、官邸の横暴以外の何者でもありません。
そんな中、さらなる事件が起こります。
今度は政権批判を繰り返していた乙部が、男に刃物で襲われてしまうんです。
犯人の少年と第二の事件
乙部を襲ったのは、多賀潮という10代の少年でした。
乙部が帰宅したところをカッターナイフで襲っています。乙部は負傷しますが、幸い命に別状はありません。
犯人もすぐに逮捕されます。
一連の事件に興味を持った右京さんは、亀山くんとともに、この事件に首を突っ込んで行きます。
そして乙部に話を聴いたところ、多賀が襲撃の際に謝罪の言葉を口にしていたとの証言を得ます。つまり多賀は自らの意に反し、乙部を襲撃した可能性があるってことです。
さらに多賀の部屋からは2千万円という大金も見つかったため、彼が何者かに金銭で依頼を受け、乙部を襲ったのでは?という疑いが濃厚に。
特命係は多賀本人にも聴取をしますが、喋らないどころか、激昂して亀山くんに掴みかかったりもしています。
このときの微動だにしない右京さんが、ちょっと面白かったですけど。
多賀が何かを隠していることは間違いありません。
犯行が何者かの依頼のよるものだとしたら、特命係はその首謀者を見つけ出さなければいけません。
そして真相究明のため動き出した矢先です。今度は乙部をテレビ番組に出演させたプロデューサーが殺害されるという、第二の事件が起きてしまいます。
このプロデューサーの遺体を発見したのは美和子さん。
美和子さんも一連の事件の取材を進めていて、その過程でプロデューサーに話を聴くため彼の元を訪れたところ、死亡しているのを見つけてしまいました。
一件目の多賀によるカッターナイフでの稚拙な犯行と違い、二件目は胸に二本の矢が刺さっているという、素人とは思えない犯行。ピストルクロスボウによるものと思われます。
犯行手口や手際も違いますし、二つの事件が同じ首謀者によるものなのかもわかりません。
右京さんと亀山くんは、その真相を突き止めるため、裏で糸を引く人物へと迫っていきます。
黒幕は官房長官?
相棒で内閣官房長官といえば、S3で登場した本田博太郎さんの朱雀武比古と、S18~20にかけて登場した、相島一之さんの鶴田翁助の二人が、まず挙げられるかと思います。
どちらも特命係が対峙した、権力の象徴のような相手でした。
鶴田翁助はこのたびこてまりでも話題に上がり、回想シーンでもちらっと出てきています。
「特命係vs国家権力の闇」というのは、相棒では定番となっているものの一つですが、その中でも朱雀と鶴田というのは、とりわけて強大な敵だったのではないかと。
そしてこのたび、新たな内閣官房長官が登場。鶴田が失脚し、その後に就任した官房長官です。
それが、金田明夫さん演じる武智淑郎。
庶民派の政治家として親しまれ、国民にも人気のある人物です。
しかしそれは表の顔。
武智は内閣を牛耳り、味方になり得る人間には浅ましく手を回し、敵と見なした相手は、あらゆる手を使って徹底的に叩き潰すという、裏の顔を持っているんです。マスコミにも常に睨みを利かせています。
武智は警視庁にも手を伸ばしていて、衣笠副総監とも二人で会ってました。
次から次へと悪い官房長官が出てきますね。相棒を見ていますと、官房長官って全員悪い奴なんじゃないかと思ってしまうくらいですもの。
そして、今回の一連の事件の先にいると思われるのも、やはり武智淑郎です。
下川大臣は武智からの指示で指揮権を発動しています。その後すぐに大臣を辞任していますので、武智との間に何かしらの裏取引が行われたのは間違いありません。辞任後は優雅に夫と晩餐をする様子までありました。
また、マスコミに直接圧力を掛けていたのは内調であることがわかるのですが、その後ろには武智がいることもじゅうぶん考えられます。
そうなると、乙部とプロデューサーが襲われた事件にも、武智が深く関わっている可能性も。
暴力や圧力による言論弾圧、言論統制など、民主主義国家で許されるものではありません。
特命係の使命は、一連の事件の黒幕を突き止め、真相を明るみにすること。
そんな中、まだ真相に辿り着けていないにもかかわらず、とんでもないものが世に出回ることに。
それが「右京さんの動画」です。
「警視庁の名探偵」として登場した右京さんが、事件の真相について語る動画です。
一連の事件の黒幕は、名探偵の勘で、武智官房長官であると。
この動画は瞬く間に拡散されることに。
武智も見ていますし、衣笠さんや甲斐さんも見ていますし、大河内さんも見てます。
現役の警察官が、捜査中の事件について動画配信で真相を語るなど、前代未聞の出来事です。警察内も騒がしくなり、右京さんは一躍時の人に。
まるで暴露系のユーチューバーです。
動画内では「僕は、警視庁の名探偵と呼ばれている杉下右京です」「名探偵のひらめきは、皆さんのような凡人の思いつきとは別物なのです」など、右京さんとは思えない言葉も散見しています。
この動画は、右京さんが何らかの意図を持って、自ら撮影したものなのか。
それとも、何者かが右京さんを陥れるために作られたフェイク動画なのか。
いずれにしても、この動画がきっかけで、何かが大きく動き出すことは間違いありません。
その他の見どころ
では最後に、第19話『トレードオフ』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。
亀山家の寝室
久しぶりに亀山家が出てきました。
朝のようでして、まだ亀山くんは寝ていて、そこに美和子さんが起こしに来るというワンシーン。
亀山家はこれまで何度も出てきていますけど、この寝室が出てきたのは初ではないかと。
亀山くんの寝巻き姿も見れました。美和子さんも寝巻きっぽいですね。
しかし亀山家、けっこう広いですよね。家賃とか気になっちゃいます。
捜査会議での捜一&益子
捜査会議の場に益子さんが同席しているというのは、以前もありました。滅多にないですけど。
今回は会議にて、益子さんがトリオ・ザ・捜一とともに前に出ている場面が。
これは初なのではないかと。
こうして見ると、なんだか4人は立たされているようにも見えちゃうんですけど、捜査報告です。益子さんは喋ってはいませんが、伊丹さんと芹沢さんが報告してました。
こんなふうに4人が横に並ぶ絵は、新鮮です。
内村のベロベロバー
特命係を呼び出した内村刑事部長が、今までにない一面を見せてくれました。
捜査権がないのに捜査をしている特命係に対し、「赤子でもわかる理屈だ!」「それがわからんお前は、赤子以下だ!」と叱責します。そこまではいつもの内村さん。
しかしこの後いきなり「おー、よしよし、べろべろばー」と赤ちゃんをあやす言葉を。
これには亀山くん、つい吹き出してました。
さらには「赤子以下はゲンコで十分!」と拳を突き出す追い打ちまでありまして、もうエンジン全開でした。
内村さん、階段から落ちてキャラ戻りしたはずなのですが、もしかしたら微妙にズレて戻ってるのかもしれませんね。
突堤で特命係
海辺の特命係というのは初めてではありませんが、今回は右京さんと亀山くんが突堤を歩いています。
船も何艘か停まっていますので、ちょっとした漁港的なところなのかもしれません。
海辺での右京さんと亀山くんといえば、僕はS1第10話『最後の灯り』を思い浮かべてしまいます。亀山くんが右京さんをおんぶして歩くやつです。あれも海沿いでしたので。
相棒では海のシーンてそこまで多くない気がしますので、いつもとは違う場所での特命係、嬉しいです。
こてまりでのアングル
お馴染みのこてまり呑みを、右京さんの背後からというアングルで今回は楽しめます。
こんな感じ。
視点が変わるだけで、いつもとだいぶ雰囲気も違って見えてきます。
こてまりでは右京さん目線だと、だいたいこんな感じで見れてるってことですよね。
亀山薫とエクストレイルのCM
本編とは関係のない見どころにはなりますが、TVer見逃し配信のインフォマーシャルにて、日産エクストレイルと亀山くんがコラボしています。見出しに「CM」と書いてしまいましたが、正確には「インフォマーシャル」ですね。
日産と相棒がコラボした、スペシャルインフォマーシャル。寺脇康文さんではなく、亀山薫として登場してるってことですね。
(画像引用元:https://post.tv-asahi.co.jp)
相棒の公式Xでも90秒verが公開されています。
S18では、同じく冠城くんがスカイラインのCMに冠城亘として登場していました。
あのときもかなり新鮮だったのですが、今度は亀山くんvergが見られるだなんて。
フライトジャケットではない、お洒落な亀山くんまで見れちゃいます。
(画像引用元:https://post.tv-asahi.co.jp)
亀山くんが休暇を取り、山間の隠れ家宿で美和子さんと落ち合うため、エクストレイルで向かっているというストーリーまであり、楽しめる作りになっています。
制作も相棒のドラマスタッフによるとのこと。
XでもTVer見逃し配信でも見られますので、まだご覧になっていない方は是非。
特命係が関わる事件
右京さんと亀山くんの会話の中で、「特命係が首を突っ込む事件」というのがどのようなものか、改めて列挙されていましたので、こちらでもそれを書き出しておこうかと。
- 謎多き不可解な事件
- 背後に陰謀の見え隠れする事件
- オカルトっぽい事件
- 角田課長のお手伝いの事件
- 線引きなく右京さんが興味を持った事件
なるほど。否応なく巻き込まれていく事件は除き、敢えて首を突っ込んでいくものとしては、大変わかりやすいです。
ちなみ今回の事件は、最後の「右京さんが興味を持った事件」です。
以上、今日は相棒season22第19話『トレードオフ』についてでした。