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相棒22第18話『インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム』

第18話『インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム』

あらすじと感想

相棒season22第18話のタイトルは『インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム』。放送日は2024年2月28日です。第17話『インビジブル』との前後篇ものでして、この第18話が後篇になります。通常放送での前後編というのは、亀山くんの復帰後では初になります。前篇で発生した爆弾テロ事件が、後篇にてどのような展開になっていくのか。

それではまず最初に、第18話『インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

右京(水谷豊)とチェスで互角に勝負できるIQ150の天才少年・山田(中川 翼)が、連続爆破事件の犯人“INVISIBLE(=透明人間)”を名乗って所轄署に出頭してきた。抵抗する素振りを見せず、そのまま逮捕された山田だったが、右京以外とは一切話すつもりはないと主張し、取り調べ官に指名。しかし、右京の追及に対しても挑発的な態度で応じるだけで、本当の目的を明かそうとしなかった。いっぽう、薫(寺脇康文)は、第二の爆弾テロの被害者が、所轄署の元刑事だと判明したことを受け、何か隠している様子の副署長を追及するが、かわされてしまう。同じ頃、第一の爆弾テロの標的となった市長の山田征志郎(升 毅)は、一連の事態を受け、危機感を募らせていた。そんな中、山田と共謀していると思われる本城(吉田日向)が、再び不穏な動きを見せる。
“透明人間”に込められた悲壮な思いとは?
一連の事件の背景には許しがたい罪が…
右京と天才少年の頭脳戦が最終局面を迎える!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

予想外の前後編ものでしたので、なんだかいつも以上に後篇が待ち遠しかったような気もしております。

どんな展開になっていくのか、気になって仕方ありませんでしたもの。

前篇の時点でけっこうワクワクする内容でしたので、これが後篇に続いていくかと思うと、もうたまりません。

冒頭で犯人が明らかになっていますので、物語の着地点が犯人を暴き出すという類のものではありません。もちろん、さらなる黒幕というのがいる可能性はありましたけれど。

爆弾テロを起こした犯人は二人です。中川翼さん演じる天才少年の山田くんと、吉田日向さんの本城くん。山田少年が首謀者で、本城少年が実行犯、といった感じです。

その首謀者である山田少年が、前篇のラストにてまさかの自首。

で、山田くんは右京さんを異様に意識しているといいますか、執着してるんです。そして取り調べをする相手として右京さんを指名し、ここから本格的な2人の闘いが始まるわけです。いわば前篇は序章に過ぎませんでした。

事件はまだ終わりません。

犯人は明らかになっていますので、特命係が暴かなければいけないのは、少年たちの「目的」です。それを究明するためには、当然ながら「動機」の解明も必須です。

前篇にて、それらに繋がりそうな登場人物たちが、何人かピックアップされました。

都知事候補の山田市長、その息子の警察署長、同じ警察署の副署長、二番目の爆弾事件の被害者、などですかね。あと、一瞬だけ出てきた髭の男も。

それらの人物たちに、「何か」があることは間違いないと思われるのですが、それが何なのかはわかりません。全員が同じ何かで繋がっているのか、それとも違うのかも。

さらには、山田少年が右京さんを「巻き込んでいる理由」というのも、もう一つの大きな謎なんです。

「山田」という苗字にも何かあることは前篇にて亀山くんの直感という形で示唆されてはいるものの、そちらも読めませんでした。

前篇で出てきた拳銃も、後篇にてどんな使われ方をするのか、予想もできませんでしたし。

構図としては完全に「右京さんvs山田少年」です。山田くんはIQ150の天才少年ですので、一筋縄ではいきません。

とはいえ、この後篇の流れだけ見ますと、取り立てて複雑な部分というのはなかったかと思いますので、とってもわかりやすかったのではないかと。

僕は市長に何かあるんじゃないかと思ってましたので、そういう逆な裏切られ方はありましたけど。

城北中央署にて何があったのかがわかった時点で、事件の構図自体もだいたい把握できる感じになっていました。

そしてそれらの真相がわかるにつれ、悪い奴らが暴き出され、爆弾犯である少年たちに同情を禁じ得なくなってきます。タイトルの「インビジブル」の意味も、それを知ると悲しい気持ちにならずにはいられません。

ケアリーバーというものを取り上げた内容でもありました。

そして右京さんと山田少年の対決の最後、その終わらせ方には、心を動かされました。犯人を右京さんが抱きしめた瞬間、僕は泣きそうになりました。

右京さんが犯人を抱きしめるというのはもしや初めてでは?と思ってしまったのですが、南井十のときも抱擁してました。コメント欄にて教えて頂きました。

抱擁にも心揺さぶられましたが、同じく右京さんの言葉も刺さりました。特に「綺麗事でも信念を伝えることは大人の責任です」という一節はグッときました。

そしてその後、署長に対峙した亀山くんもかっこよかった。「首を洗って待ってろ」、痺れました。

もしかしたらこの物語は、右京さんと亀山くんの優しさや温かさ、そして怒りを描いた物語だったのかもしれません。そう思えるくらい、最後の熱いシーンに集約されていたのではないかと。

悲しい事件でしたが、特命係の人間性に救われた気がします。

どうしようもないひどい警察官がいる一方で、特命係のような熱い警察官もいるんです。

「正義」が行われなかったことに絶望した少年にも、「希望」がありますと、そう言える右京さん、好きです。

山田くんが右京さんを選んだ理由というのが、はっきりと語られたわけではないですが、きっと彼は右京さんに賭けたんだと思います。右京さんに助けを求めたのが、この一連の事件だったのではないかと。

ゲストの山田少年を演じた中川翼さんも素晴らしかったです。署長役の金井浩人さんも、クズ具合が最高でした。

笑いどころは珍しくかなり少ない回ではありました。伊丹さんから「ドン亀」は出ましたけど。あと、捜査一課が特命係の後方支援をしているのは、地味に笑ってしまいました。

回想でのチェス倶楽部だったり、エアチェスだったり、貴重な場面もいくつか見られました。

最後に一人でチェスをする右京さんを見守っていた亀山くんも、温かかったです。

こてまり呑みも無しで、小手鞠さんの出番がない回というのも、最近では珍しいですね。美和子さんもちょこっとだけでした。

最後の雪が心に沁みました。

天才少年と右京さんの闘い、楽しませて頂きました。

第18話『インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

それでは次に、第18話『インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム』に出演された、主なゲストさんを紹介していきます。今回は第17話から続く後篇となりますので、ゲストさんも第17話と同じです。

中川翼(なかがわつばさ)

爆弾テロ事件の犯人として自首をした少年、山田希望役で中川翼(なかがわつばさ)さん。

IQが150という天才少年です。右京さんとは元々チェス倶楽部で面識があり、対局では互角の闘いを繰り広げています。そのときは右京さんが勝っていますが、次はどうなるかわからないというほどの実力者。このたびの連続爆弾テロ事件の首謀者であり、爆弾も自ら製作しています。

中川翼さんが、この前後篇を通しての一番のゲストさんになります。後篇は取調室で右京さんと対峙する場面がほとんどではありますが、自首のシーンでの狂気じみた表情や、右京さんを翻弄する天才っぽさ、少年らしい脆さなど、その役どころを見事に表現していらっしゃいました。

 

吉田日向(よしだひゅうが)

爆弾テロの実行犯、本城卓役で吉田日向(よしだひゅうが)さん。

山田少年と共謀し、爆弾テロ事件を起こした少年です。爆弾の配達から起爆までを担っています。電気設備会社の社員でもあり、山田少年が自首した際には、同じ警察署内に仕事に紛れて潜入しています。山田少年が取り調べに応じている中、不穏な動きを見せています。

吉田日向さん、会社では同僚たちに見下されヘリ下りながら、その裏では山田少年の共謀し爆弾テロを起こすという、表の顔と裏の顔の切り替えが印象的でした。怒りに突き動かされて事件を起こしているような、そんな内面を感じさせる場面も。

 

升毅(ますたけし)

自宅が爆弾テロの被害にあった市長、山田征志郎役で升毅(ますたけし)さん。

次期都知事の最有力候補と目されている東都市長です。爆弾事件後に特命係の聴取に応じるものの、自身は清廉潔白であり誰かに恨まれるようなこともないと答えています。彼の息子が警察署長をしていて、山田少年が自首した先が、まさにその警察署でした。

升毅さんは別役で、S14第18話『神隠しの山』と第19話『神隠しの山の始末』の前後篇にも出演されていますので、二度にわたり前後篇ものに出演という、貴重な出演パターンの人になりました。S10第1話『贖罪』にも別役で出演されていますので、これが5話目の出演です。今回は前篇より出番少なめでした。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記3名になります。

他には、児童養護施設の加藤静子役で、島かおり(しまかおり)さん。城北中央署の署長、山田正義役で金井浩人(かないひろと)さん。城北中央署に以前勤務していた警察官、金森翔吾役で井上拓哉(いのうえたくや)さん。同じく城北中央署に以前勤務していた柿沼勇作役で、横山涼(よこやまりょう)さん。城北中央署の副署長、那須野役で永倉大輔(ながくらだいすけ)さん、第二の爆弾事件の被害者、牧野文雄役で山形匠(やまがたたくみ)さんなどが、上記の三人に次ぐゲストさんで出演されています。

島かおりさんは別役で3度目(過去には劇場版Ⅲ、S16-10)、横山涼さんは別役で2度目(過去にはS20-12)、永倉大輔さんは別役で4話目(過去にはS8-9、S19-11)のご出演です。

 

自首した天才少年

前篇の『インビジブル』にて発生した2件の爆弾テロ事件。

その犯人は、右京さんとも面識のある、山田というIQ150の天才少年でした。

前篇のラストにて、山田少年は警察署に出頭します。しかもただの自首ではなく、体に爆弾を巻き付けての自首でした。

ゆえに、署内にいた警察官たちに取り押さえられることに。

この署には爆弾事件の捜査で、ちょうど右京さんや捜査一課も来ていました。ですので山田くんの取り押さえ騒動を目の当たりにしているわけです。

そして右京さんと顔を合わせた山田少年は…なぜかとても嬉しそうに目を輝かせます。取り押さえられている状況にもかかわらず。

一方の右京さんは、驚きを隠せない表情を見せていました。

山田くんはチェスを通じて右京さんと知り合っていて、その腕前も右京さんが「ライバル」と評するほど。前回は右京さんが勝っていますが、次はどうなるかわからないという、強い相手です。

1件目の爆弾事件では、荷物の宛名に右京さんの名前が書かれていました。右京さんを事件に巻き込む意図だと考えられます。

そして自首した山田少年こそが、右京さんを巻き込んだ張本人。

チェス倶楽部での勝負の後、山田くんは「もう一度杉下さんに挑戦したいです」と言っています。右京さんもそれを楽しみにしていました。二人はそのとき握手も交わしています。

そしてその「もう一度の挑戦」が、今度はチェスではなく、爆弾事件でした。

山田くんは自首して確保された後も、右京さん以外とは一切話すつもりはないと主張し、取り調べ官には右京さんを指名。

ここから山田少年の右京さんへの再挑戦、そして二人の直接対決が始まります。

 

右京と天才少年の頭脳戦

山田少年が、二つの爆弾テロ事件を起こした目的も動機も不明なまま。

取り調べでも、それらについては一切語りません。むしろ右京さんに対し挑発的とも取れる態度で応じています。

そんな状態ですので、当然ながら自首をした理由も不明。

彼が何かしらの意図を持って、自首をしたことは明らかです。右京さんを指名したことも。

対する右京さんも、山田少年が何かを企んでいることは察知しています。

そんな中、城北中央署のすぐ近くにある、署の独身寮にて爆弾事件が起こります。

幸い怪我人などは出ませんでしたが、これまでの二件に続き、三件目の爆弾テロということに。しかも警察の職員寮。

これを仕組んだのも山田少年です。

そして一連の爆弾事件は、山田くんとは別に実行犯であるもう一人の少年がいます。

それが本城卓という電気設備会社の社員。

爆弾を製作したのは山田くんですが、一件目と二件目の事件でも、宅配業社に変装して爆弾を配達し、遠隔操作で起爆したのは彼です。

彼は普段、職場では「へたれ」と呼ばれて同僚たちにバカにされていますが、一方では山田少年と共に爆弾テロを淡々と遂行するという、全く別の顔を持っています。

山田少年が城北中央署に自首した日、本城少年は仕事で同じく城北中央署を訪れ、途中で抜け出しトイレに拳銃を隠しています。拳銃は山田くんが製作したもの。

職員寮で起こった3件目の爆発事件も、この本城少年がセットしたものでした。

山田少年は現在取調室にいますが、本城はまだ野放しです。警察もその行方や正体に辿り着いていません。

そして右京さんは山田くんと対峙した末に、彼らがさらなる爆弾事件を起こそうとしていることを知ります。

すなわち、4つめの爆弾です。

山田少年は、右京さんがその爆弾を見つけ出し、爆発を阻止できるかと、挑発をします。

タイムリミットは4時間。

4時間後には爆発するようにセットがされているんです。

爆弾が爆発すれば山田くんの勝ち。爆発を阻止できれば右京さんの勝ちです。

天才少年が自首をした理由。

それは、右京さんとゲームを始めるためでした。

 

インビジブルの復讐

タイムリミットが迫る中、右京さんと亀山くんは、新たなる爆弾事件を防ぐため、奔走します。

少年たちが今回の事件を起こした「動機」や、何をしようとしているのかという「目的」がわかれば、自ずと爆弾のありかも見えてくるはず。

散りばめられたパズルのピースを繋げていきます。

まず、第一の爆弾テロで狙われたのは、次期都知事の最有力候補といわれる、やり手の市長。升毅さんの山田征志郎。

第二の爆弾テロで標的とされ重傷を負ったのは、警備会社に勤務する牧野文雄という男。

この牧野は、かつて城北中央署に勤務する警察官だったことがわかります。城北中央署は、山田少年が自首をした先の警察署。

そして城北中央署の署長である山田正義は、第一の事件で狙われた山田市長の息子なんです。

市長も、自身を狙った爆弾犯が息子の警察署に自首をしたという事態を、何かしら不穏なものとして感じたようで、危機感を募らせています。

城北中央署の副署長である那須野は、第二の事件の被害者である牧野が警察を退職した後、再就職先を斡旋しています。おそらく牧野が退職した理由や経緯なども詳しく知る人物。

全てが城北中央署へと繋がっているんです。

その先に何があるのかを見破れるのは、おそらく特命係をおいて他にはいません。

だからこそ、山田少年はこのゲームの相手に、右京さんを選んだんです。そして右京さんを信じたんだと思います。

この事件は、「世間から見放された人々(インビジブル)」が起こした、捨て身のゲームだったんです。

 

その他の見どころ

では最後に、第18話『インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム』のさらに細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。

犯人と出雲

今回は犯人の山田少年が、取り調べに右京さんを指名しましたので、右京さん思う存分取り調べてます。

で、捜査一課がその後方支援に回ったため、珍しい組み合わせでの取り調べシーンが見れました。

まずは右京さんと出雲麗音と、犯人。

続いて、右京さん、亀山くん、麗音ちゃんと犯人。

で、途中右京さんも亀山くんも退席している間は、犯人と麗音ちゃんの二人きり。

どれも普段なかなか見られないパターンの取り調べシーンなので、新鮮でした。

 

チェス倶楽部での右京

右京さんと山田少年が知り合ったチェス倶楽部が出てきました。

こちらです。

これは大会で右京さんが優勝した後、山田くんと対局している場面です。

周囲には大勢の見物人。

僕はチェスの大会ってこれまで見たことがないんですけど、こんな感じでやってたりするんですね。

右京さん、このチェス倶楽部の大会で17年連続で優勝しているとのことで、トロフィーもありました。

今シーズンは第14話『亀裂』で、右京さん行きつけのチェス喫茶が出てきましたし、今回はチェス倶楽部。こうして右京さんのプライベートが見られるのは嬉しいです。

右京さん、またいつか山田少年と対局できたらいいですね。

 

以上、今日は相棒season22第18話『インビジブル~爆弾テロ!最後のゲーム』についてでした。

 

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