第16話『容疑者 内村完爾』
あらすじと感想
本日はシーズン17第16話についてです。
相棒season17第16話のタイトルは『容疑者 内村完爾』。放送日は2019年2月20日です。タイトルそのままですと、あの内村刑事部長が容疑者となってしまう何かしらの事件が起きたものと思われます。どんな内容なのかとっても気になります。
それでは最初に、第16話『容疑者 内村完爾』のあらすじから紹介したいと思います。ざっくりのあらすじです。
神奈川県内の河川敷にて、何者かに殺害された遺体が発見されます。遺体の身元は人権派としても知られている弁護士でした。そしてなぜかその現場にいたのは、警視庁の内村刑事部長で、容疑者として拘束される事態となってしまいます。内村さんは遺体の傍らにたたずむ姿を警察官に目撃され、現行犯で逮捕されてしまったとのこと。神奈川県警では、内村さんが弁護士を呼び出し殺害したのではなかと考えているのですが、内村さんは完全黙秘で何も話しません。そんな中、右京さんと冠城くんは中園参事官に呼び出され、この一件を極秘で捜査するよう命じられます。捜査を開始した特命係は、被害者の遺留品を手掛かりに、近くにある線香工場に辿り着きます。工場では、12年前に通り魔事件で女子高生を殺害した須藤という男が、殺害された弁護士の紹介で働いていて、事件の翌日から無断欠勤をして行方がわからなくなっていることも判明します。12年前の事件を調べ始めた特命係は、その事件で被害者となった少女の父親が、内村さんとは大学の同期で同じ山岳部だったことも突き止めます。そして、内村さんが事件の後も遺族を気に掛けていたことも。果たして弁護士を殺害したのは内村さんなのか？それとも行方がわからなくなっている須藤なのか？12年前の事件と今回の事件との繋がりは？内村さんはなぜ黙秘しているのか？特命係が真実を明らかにします。
おおまかではありますが、だいたいこんな感じの内容になります。
今回も面白かったです！！
内村さんと言えば、プレシーズンから登場しているお馴染みのキャラではありますが、今回のように物語の中心となるのは、相棒の長い歴史の中でも初めてのことです。
初の「内村回」ですね。
しかもあの内村さんが、殺人事件の容疑者になってしまうという、その設定からして新鮮でインパクトも強いです。S16の最終話『容疑者六人～アンユージュアル・サスペクツ』でも、風間楓子を突き落とした容疑者の一人にはなっていましたけれど、今回はそのときよりもはるかに深刻な容疑者です。
殺人事件ですし、警視庁の刑事部長が容疑者ということで、これはもう、警察にとっても大事件です。
内村さんは遺体の傍らにたたずんでいたとのことで、状況としてはかなり怪しい状況なわけです。しかも管轄の警察署は警視庁ではなく神奈川県警ですので、内村さん的にアウェーです。
殺人事件の容疑者として神奈川県警に取調べを受ける内村さん。もうこれだけで面白いです。笑
そして、内村さんが完全黙秘しているので、謎が深まるわけです。
事件の方は、前話と同じく「過去の事件」と「現在の事件」が繋がっていくパターンですね。現在起きた殺人事件と、12年前の通り魔事件、この二つの繋がりを追う形で、物語は進行していきます。
そしてそこに深～く関わってくるのが、「内村さんの黙秘」です。
特命の捜査の過程で黙秘の理由も明らかになるのですが、これがまた内村さんの意外な一面を見ることができる話でして、内村さんかっこいいじゃないか、と。
普段は特命係を怒鳴りつけてばかりいる、嫌な上司なんですけどね。今回は、そんな内村さんの、ちょっといいところが見れちゃったんです。
容疑者となった内村さんが軸となって進んでいくお話でしたが、それに伴い犯罪の「被害者遺族」にも焦点が当てられていました。
相棒では「正義の対立」だったり「それぞれの正義」というものが大きなテーマとして取り上げられることがよくありますが、今回は被害者遺族の心情、そして「被害者遺族の正義」というのも大きなポイントになっていたかと思います。
犯罪って本当に、負のものしか生み出さないですよね。それに関わる全ての人が不幸になってしまいます。遺族の気持ちを思うと、僕も胸が詰まってしまいました。
また、ネットやSNSを使っての、正義のあり方だったり、私刑などについても、そこまで深くではありませんが、問題として触れられていかとも思います。
被害者遺族という視点では、重たい部分も大きかった内容ですが、ストーリーは全体を通して楽しめました。
内村さんの拘束に始まり、12年前の事件、被害者と加害者、内村さん黙秘の理由、とにかく目が離せない展開でした。
いつものごとく大きなどんでん返しも待っていて、結局僕は今回も、結末がどうなるのか全くわかりませんでした。
また、捜一コンビ、角田課長、中園さんには笑わせて頂きましたし、右京さんの「なるはや」や神奈川県警との絡みなど、その他の楽しめる要素も充実していたかと思います。
やっぱり一番は、タイトル通り「容疑者となった内村さん」の回でしたけれど。
内村完爾という男の、意外な一面が見れまして大満足です。
第16話『容疑者 内村完爾』、面白かったです！！
ゲスト出演者
それでは次に、第16話『容疑者 内村完爾』に登場した、主なゲストさんを紹介したいと思います。今回は内村刑事部長が一番の中心ではありますが、レギュラーメンバーですので、その他のゲストさんを紹介します。
江藤潤（えとうじゅん）
まずは、高校生だった娘を、12年前に通り魔に殺害された父親、笹山隆文役で江藤潤（えとうじゅん）さん。
内村刑事部長とは大学時代に同期だった設定です。江藤潤さんは相棒には今回が別の役で三度目の出演で、過去にはS3第13話『警官殺し』、S6第3話『蟷螂たちの幸福』に出演されています。70年代には青春スターとして活躍されていた俳優さんとのことで、現在は居酒屋さんで働きながら、俳優さんをされているそうです。
あめくみちこ
続いて、笹山隆文の妻であり、通り魔事件で娘を失った母親、笹山由美役であめくみちこさん。
通り魔事件の後精神的に不安定になってしまっていた母親役です。あめくみちこさんは佐藤B作さんの奥さんです。80年代に「薬師丸ひろ子のそっくりさん」としてブレイクしたとのことで、確かに薬師丸ひろ子さんに似てるな～と僕も思ってしまいました。
今回の主なゲストさんは、以上2名になります。
他には、12年前の通り魔事件の犯人、須藤修史役で佐野泰臣（さのやすおみ）さん。殺害された弁護士の小柳柾矢役で、五宝孝一（ごほうたかと）さん。この二名が、上記二名に続くゲストさんでした。
佐野泰臣さんは、金八先生で、金八の息子役だった俳優さんですね。
五宝孝一さんは今回が別の役で二度目の出演で、過去にはS9第7話『9時から10時まで』、S16第17話『騙し討ち』に出ています。
内村刑事部長が殺人の容疑者に
警視庁刑事部のトップである内村完爾（うちむらかんじ）。
捜査一課や鑑識課を束ねる人物でもあり、かなり偉い人です。
特命係を呼び出しては怒鳴っている姿は定番です。中園参事官とのコンビは、相棒でお決まりの笑いどころにもなっています。
そんな内村刑事部長が、なんと今回は殺人事件の容疑者に。
神奈川県警に拘留されてしまったんです。
上の感想の項でも少し触れましたが、内村さんが事件の容疑者となるのは今回が初めてではありません。実は2回目になります。
前回は、S16の最終話『容疑者六人～アンユージュアル・サスペクツ』のときですね。エスカレーターで風間楓子を突き落とした容疑者の一人になってます。
しかしながら前回は、風間楓子も被害届を出していませんし、正式な事件として容疑者になったわけではありません。当然、拘留されたりも一切していません。
ところが今回は、前回とはわけが違います。殺人事件の容疑者として警察に引っ張られてしまったという、かなりヘヴィな状況なわけです。
故に、取調べもばっちり受けてます。
しかも制服姿ではなくスーツ姿です。スーツ姿自体は過去にも出てきていますが、かなり珍しいですよね。
取調室の中の内村さんというのは、裏相棒3第三話『国際犯罪組織』で出てきましたが、本編では初めてになります。
取調べ中、カツ丼も出てました。笑
さらには、右京さんと冠城くんが、取調室にて内村さんに尋問するという、なかなか見ることができない絵も見れました。
ついでと言ってはなんですけど、こちらは内村さんの貴重なコート姿です。
『容疑者六人～アンユージュアル・サスペクツ』でもコート姿は出てきましたが、屋外での内村さんというのは、激レアなのではないかと思います。懐中電灯まで持ってます。
今回は内村さんも中園さんも、制服ではない姿での登場シーンが満載でした。
すみません、なんだか見た目での貴重なシーンについてばかり書いてしまいましたが、それ以上に今回は、内村完爾という男の、今までにない意外な一面を見ることができたことが、何よりも大きな注目点だったかと思います。
事件について完全黙秘した内村さん。その先には内村さんの「優しさ」がありました。
被害者遺族を気に掛け、寄り添い、庇う内村さん。普段の内村さんからは微塵も感じることができない、男気を僕は感じてしまいました。笑
内村さんかっこいいな～と。
相棒で初となる内村回にて、内村さんの男気を見ることができて嬉しいです。
その他、内村さんが大学時代に山岳部だったことも初めて明らかになったのではないかと。内村さん、山好きなんですね。
また、内村さんが右京さんに、「杉下、頼む」という言葉を発したのも印象的でした。
最後の方では、内村さんのとても優しそうな表情を見ることもできて、内村さんこんな顔もするんだな～と。
今回、こうして内村さんの優しい一面を見ることができたのは嬉しいですけれど、そうなると余計に、前シーズンで浮上した暴力団との繋がりという、黒い交際の方が心配にもなってきます。
おそらくそのネタが今後どこかで火を吹くことになるのかな～と思うと…。
内村さんには、ずっとこのままでいて欲しいです。
その他の見どころ
それでは次に、第16話『容疑者 内村完爾』の、その他細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。
内村さんが花の里に
内村刑事部長、まさかの花の里に初来店です。これは予想外でびっくりしました。
内村さんは、裏相棒3最終話『運命』のときに花の里で登場してますけれど、本編では初めてになります。
S17では、第12話『怖い家』のときに中園参事官が初来店して、特命の二人と一緒に飲んでます。それだけでもびっくりなのに、なんと今度は内村さん。
内村さんが来ることはないだろうと思ってたので、これは嬉しいですね。
しかも、冠城くんが内村さんのことを「古だぬき」と呼んだ瞬間に扉が開き来店です。笑
残念ながら来店しただけで、呑んではいきませんでした。月本さんに勧められていましたが、丁重にお断りしていました。
次回は是非、一杯だけでも呑んで行って欲しいですね。
中園刑事部
今回は内村回ではありましたが、ある意味ではちょっとした中園祭りでもあったかと思います。
こちら、刑事部長の椅子に座る中園さんです。
参事官というのは、警視庁では副部長の役割でもあるそうですので、内村さんが逮捕されたら、中園さんに刑事部長の椅子が回ってくる可能性が高いです。
で、冠城くんに「中園刑事部長」って呼ばれてめっちゃ嬉しそうでした。笑
いつか中園さん、刑事部長になれる日がきたらいいですね。
パシリ中園
今回の一件で特命係に捜査を命じたのは中園さんです。
で、そんな中園さんが、右京さんに仕事を命じられて、使い走りのようになってました。笑
神奈川県警を一人で訪れ番号札を渡される場面など、笑わせて頂きました。
こちらは特命の部屋を訪れる照生です。
内村さんだけでなく、中園さんの貴重なシーンも色々と見ることができました。
ついでと言ってはなんですけど、こちらは回想シーンでの照生です。
少々不自然な髪型ではありますが、髪の毛が今よりは多いです。笑
警視庁vs神奈川県警
内村さんが拘留されたのは神奈川県内です。ですので当然そこは、神奈川県警の管轄になります。
相棒での神奈川県警といえば、S7第11話『越境捜査』でクローズアップされこともありますし、何度かは登場しています。
これまでは、特に縄張り争いみたいなのが前面に出ることもなく、どちらかといえば協力的な関係として出てきていました。
それが今回、警視庁vs神奈川県警という図式でぶつかる場面もちょいちょい出てきました。
一課とも対立してます。
伊丹さんは、神奈川県警に向けて「バーカ」とも言ってました。笑
警察ドラマなんかだと、よくこの縄張りというのが取り上げられたりしますけれど、相棒ではこういうシーンは珍しいのではないかと思います。
Nウォームの俳優さん
ニトリの寝具で「Nウォーム」「Nクール」というのがあります。全国区で流れているのかどうかはわかりませんが、「Nウォームは～あたたかい～♪」っていう、ついつい覚えてしまうCMです。
僕も嫁もこのCMがけっこう好きなのですが、今回の相棒に、このCMに出ている俳優さんが出ていました。笑
僕は気付かずに嫁がすぐに気付いたんですけどね。
神奈川県警の刑事さん役です。
清水伸（しみずしん）さんという俳優さんで、過去にも相棒に出てました。S9第14話『右京のスーツ』にちょい役で。
相棒でNウォームの人に会えるとは思ってなかったので、これまた嬉しいです。
以上、今日は相棒season17第16話『容疑者 内村完爾』についてでした。
