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相棒22第7話『青春の光と影』伝説のバンドの再結成。

第7話『青春の光と影』

あらすじと感想

相棒season22第7話のタイトルは『青春の光と影』。放送日は2023年11月29日です。タイトルからだけでは全く内容が推察できませんが、どんな青春の物語なのか。

では最初に、第7話『青春の光と影』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

再結成が決まった4人組ロックバンド『ディープクルー』のボーカル・矢崎(金子昇)が、路地裏で亡くなっているのが発見された。警察は、酔っぱらい同士のケンカによる傷害致死とみて、捜査を始める。と、矢崎の妻は元アイドルで、今も時々テレビに出ているタレントだが、別居して2年になり、離婚話が進んでいたと分かる。事件に興味を持った右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、所属事務所を訪問。バンドメンバーや事務所の社長、マネージャーたちから話を聞く。すると、全員に確かなアリバイが無い上、気になる話も聞こえてくる。矢崎は唯我独尊の人物で、22年前の解散も、今回の再結成も、一人で勝手に決めたらしい。最近も練習をめぐってメンバーと衝突。また、女性メンバーの一人は当時、矢崎と交際していたが、一方的に捨てられらしく、顔には最近できたと思われる痣が。さらに、メンバーが昔作った曲を矢崎が盗用したという話や、事務所の社長から多額の借金をしていたという噂も。すなわち、殺害の動機は、すべての関係者にあった。
被害者を取り巻く人物全員が容疑者に
動機は金か、遺恨か、それとも…!?
栄光のステージに光と闇が交錯する!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!!

相棒で人気のロックバンドが中心となるお話は、S6第6話『この胸の高鳴りを』以来ですので、かなり久しぶり。

今回は「ディープクルー」というバンドのボーカルが、繁華街の路地裏で亡くなっているのが発見され、そこから物語がスタート。金子昇さん演じる矢崎というボーカルです。

大きな軸としては一本のみ。「誰が矢崎を殺したのか?」です。その犯人を特命係が突き止めるという内容。

ただしこれが一筋縄ではいきません。当たり前ではありますけれど。

まず、矢崎というボーカルの人間性というものが、この事件をやっかいなものへと変えています。矢崎はいわゆるロックスターの見本のような男でして、身勝手なうえに傲慢で、あちこちでトラブルを起こしまくっていた様子。

その結果、疑わしい人間が大勢浮上してしまうわけです。

それぞれに動機があり、さらには全員アリバイがないという状態でしたので、もう全員が容疑者。犯人候補がいつも以上に多数いるパターン。

その中のいったい誰が犯人なのか、僕は最後までわかりませんでした。

怪しい人間が特命係により次々とピックアップされますので、その中から絞り込んでいくという流れにはなるのですが、終盤で矢崎の驚くべき秘密が明らかになり、もう一段階新たな展開が用意されています。矢崎の人間性というものもじょじょに覆されていきますし、これまでのトラブルの全ての見え方も、同じく覆されます。

「光と影」でもあり「表と裏」でもあり、一つの物事の多面性というようなものも、大事な要素になっていたのではないかと。

よく練られたとっても面白い造りの物語でした。今シーズンの中でも完成度の高いものだったのではないかと。

「再結成の理由」というのがキーワードになっているうであろうことは、なんとなく気付くんですけどね。事件の真相にも綺麗に繋がっていましたし。

そして特命係が明らかにした真相が、とっても切なくて悲しくて…。最後のケーキとメッセージのところなんて、もうたまらなくなりました。

やっぱりちゃんと伝えることって大事だな、とか思っちゃいましたよ。誤解がときに大きな悲劇をまねきますからね。伝えるだけじゃなくてちゃんと聞くことも大事ですね。

相棒ってたまに、後悔してもしきれない結末のパターンありますからね。S1第10話『最後の灯り』とか、S9第11話『死に過ぎた男』とか。

やりきれない結末なのに、面白いんですけどね。

矢崎というロックスターも、とっても魅力的に描かれていました。金子昇さん。よかったですね。

女の子に突き飛ばされての死に方は、不謹慎ながら少し笑ってしまいましたが…。

バンドメンバーと矢崎の関係性というものも、この事件を紐解く大きな鍵になっています。バンドのメンバーというのは、それだけで特別な関係ですし、そんな特別な信頼関係で結ばれた仲間の物語でもあったかと思います。

バンドの演奏シーンもあります。曲もいい感じの曲でした。ポスターとかの小道具もしっかり作ってましたし、ついついそっちにも目が行ってしまいます。

スタジオでのシーンも多かったですね。

矢崎が殺されていた飲み屋街みたいなところも、ロケ地が気になったので調べてみましたところ、横浜の日ノ出町でした。

トリオ・ザ・捜一も最近少し出番が少なめでしたが、今回はがっつりと何度も出てきてくれてます。亀山くんが伊丹さんに襟首をつかまれるという、いつも以上に仲良しな場面も見れちゃいました。

芹沢さんのアイドル好きエピソードからの、現実とのギャップも面白かったですね。

事務所の社長もなかなか強烈でインパクトがありました。

珍しくこてまり呑みは出てこなかったです。美和子さんの登場もなかったです。美和子さんと小手鞠さんが出てこない回は、S22では初です。

小手鞠&美和子の不在は少々寂しいですけれど、それを感じさせないほど、なかなかに印象深いお話でした。

ロックバンドの光と影の、楽しませて頂きました。

第7話『青春の光と影』、面白かったです!!

 

ゲスト出演者

それでは続いて、第7話『青春の光と影』に出演された、主なゲストさんを紹介します。

金子昇(かねこのぼる)

ロックバンド「ディープクルー」のボーカル、矢崎浩輔役で金子昇(かねこのぼる)さん。

バンドの中心的な存在で、我儘で身勝手ではありつつも、ロックスターとしての実力や魅力も備えていた人物です。その人間性ゆえ、周囲とは多くのトラブルも抱えていました。繁華街の路地裏で亡くなっているのが発見されます。

金子昇さんは相棒初出演です。相棒出演が夢だったそうです。このたびはロックスターの役でしたが、ばっちりハマっていました。歌うシーンもあります。回想シーンが主ですので、残念ながら右京さんや亀山くんとの絡みはありません(遺体としてはありますけど)。そのパターンのメインゲストさんも珍しいです。

 

以上、今回の主なゲストさんは、金子昇さん1名になります。

他には、バンドメンバーの佐光隆吾役で川野直輝(かわのなおき)さん。同じくバンドメンバーの安本早苗役で細野今日子(ほそのきょうこ)さん。同じくバンドメンバーの林田晃司役で江頭勇哉(えがしらゆうや)さん。バンドのマネージャー、沢村香音役で木村葉月(きむらはづき)さんなどが、金子昇さんに次ぐゲストさんで出演されています。

川野直輝さんは別役で3度目(過去にはS10-2、S14-18&19)、細野今日子さんは別役で2度目(過去にはS11-5)のご出演です。

 

伝説のロックバンド

今回の事件は、あるロックバンドのボーカルが殺害されたことに端を発します。

そのバンドは「DEEP CREW(ディープクルー)」という伝説のバンド。

4人組ロックバンドで、メンバーは全員高校の同級生。デビュー後すぐに人気バンドとなりますが、わずか2年で解散しています。それが22年前。

爆発的な人気だったにもかかわらず、一瞬で解散したこともあり、「日本のロック史に伝説を刻んだバンド」として語り継がれています。

右京さん、亀山くん、伊丹さんは知らなかったようですが、芹沢さんや出雲麗音は知ってました。

相棒では過去にもロックバンドが登場したお話があります。S6第6話『この胸の高鳴りを』では「Dee Providence」というバンドがお話の中心になっています。そのときも殺害されたのはボーカルでした。

他にも、S8第4話『錯覚の殺人』では「LUNA CRISIS」というバンドがちょこっとだけ取り上げられてます。

いずれもだいぶ前の回ですので、こんなふうにバンドががっつり出てくるのは、かなり久しぶりですね。

「ディープクルー」は既に解散していたバンドですが、このたび22年振りに再結成が決まります。ボーカルの矢崎が他のメンバーにも声を掛け、再結成が実現したとのこと。

新曲は『Helpless』。他にも『虹の色』というのが2曲目にリマスターで、3曲目には『Mement Moriー死を思えー』というのも入ってます。ちなみにスタジオで演奏されていたのは『虹の色』です。ワンフレーズのみしか出てきていませんが、いい曲でした。

シングルCDの発売やライブも決まり、既にチケットも完売。

伝説といわれたロックバンドの復活ですので、話題性もありますし、ファンの間でも盛り上がりを見せます。

しかしです。

再始動を目前にして、なんとボーカルの矢崎が、繁華街の路地裏で遺体となって発見されるんです。

飲み屋の多い路地裏でしたので、酔っ払い同士の喧嘩による傷害致死事件とも考えられますが…この事件に興味を持った特命係も独自の捜査を開始します。

すると亡くなった矢崎というボーカリストは、方々でトラブルを抱えている、身勝手なロックスターであったことがわかってきます。

 

ロックスターの光と影

「ディープクルー」は、ボーカルの矢崎が中心となっていたバンドです。

矢崎は歌い手としての実力はもちろん、ルックスもかっこよく、人を惹き付けるボーカリストでした。

元々は矢崎を除く3人で結成したバンドで、そこに矢崎が加入した形だったそうですが、「ディープクルー」の人気が爆発したのは、矢崎の存在が大きかったことは間違いありません。

そんな矢崎は、魅力のある歌い手だった反面、我儘で身勝手という側面もあったようです。

実際、バンドの解散も彼の独断により決められたことでしたし、この度の再結成も矢崎の意志でした。

しかし再結成後の練習では、演奏に妥協をしない矢崎と、ドラムの佐光が衝突もしています。

また、過去にはギターの林田が作った曲を、矢崎がソロデビュー後に盗用したというトラブルもあったとか。

唯一の女性メンバーであるベースの安本は、かつてのバンド活動時に矢崎と交際していましたが、一方的に捨てられたという話も。顔には最近できたと思われる痣もありました。

メンバーは全員高校の同級生ということですので、その関係性には特別なものがあるかとは思います。しかし矢崎を除く「ディープクルー」の他のメンバーは、彼のことを快く思っていなかった可能性もあるわけです。

メンバーだけではなく、ディープクルーについていたマネージャーも、矢崎にはパワハラと見做されてもおかしくない扱いを受けていたようで、同じく彼を快くは思っていない様子。

さらに矢崎は、所属事務所の社長からも、5千万円という多額の借金をしていたという噂も。

また、矢崎は既婚者でして、妻はタレントとして現在も時々テレビに出ている元アイドルです。しかし夫婦仲は冷めていたようで、別居して2年になり、離婚話も進んでいたと。

伝説のバンドのボーカルとしての華やかな顔を持つ矢崎が、一方では方々でトラブルを抱える我儘なロックスターという顔も持っていたことが窺えます。

そして、彼とトラブルを抱えていた全員が、彼の死亡時にアリバイがないんです。つまり動機もアリバイもないことになるので、全員が矢崎殺害の容疑者に。

そして犯人に辿り着くきっかけとなったのは、矢崎の抱えていた驚くべき秘密です。

特命係がその秘密を暴くと、これまで見えていた矢崎の人物像は覆され、同時に事件の切な過ぎる真相も明らかになります。

矢崎は最後に、彼にとって一番大切な「ディープクルー(親友)」という青春に、全てを注ぎ込もうとしていました。

 

その他の見どころ

では最後に、第7話『青春の光と影』のさらに細かい見どころを、今回は一つだけ。

襟首をつかまれる亀山

遺体発見現場でのワンシーン。

トリオ・ザ・捜一と特命係の定番のやりとりで、伊丹さんが亀山くんの襟首をつかむという、今までにないパターンが出ました。

亀山くん、まさに亀みたいになってます。隣の出雲麗音もいい顔してます。

おそらくこのじゃれ合い方は、今まで一度もなかったのではないかと。

相変わらず仲良しの二人が見れて嬉しいです。熟した友情ですね。

今回は伊丹さん、特命の部屋を「奥座敷」なんて呼び方もしてました。

 

以上、今日は相棒season22第7話『青春の光と影』についてでした。

 

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