第16話『人生ゲーム』
あらすじと感想
本日は、シーズン19第16話についてです。
相棒season19第16話のタイトルは『人生ゲーム』。放送日は2021年2月17日です。人生ゲームといえば、あの人気を博したボードゲームをまず思い浮かべてしまうのですが、それと何か関係した内容なのかどうか。
それでは最初に、第16話『人生ゲーム』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。
激安で知られるスーパーコミネの社長・小峰裕司(鎌倉太郎)の息子・翔太(加藤憲史郎)が誘拐され、身代金1億円が要求される。犯人から「警察に通報したら息子の命はない」と告げられた裕司は、警察に知らせることなく、現金を用意し…。
時を同じくして、杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は交番の前でウロウロしていた、顔にアザのある少年・影山将(山城琉飛)と出会う。何かあったのかと尋ねる右京たちに、将は「僕のことより、友だちを助けてほしい」と懇願! 安村剛(今野浩喜)と大槻健太(西興一朗)の2人が、翔太の誘拐を企てていたという将の言葉を信じ、右京と亘は捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)も動員して2人の身辺を探り始める。
亘が小峰の家を訪れ、それとなく翔太の誘拐が事実かを確認するものの、裕司はそれを頑なに否定。裕司には警察に連絡できない、何か大きな事情があるのではないかと考えた亘は、激安スーパーコミネの本社を訪問し、社員から事情を聞こうと…。
一方、右京は安村に接近。さらに近所の人にも話を聞き、彼が優秀な和菓子職人だったこと、そして「ケンちゃん」と呼ばれる友人の借金を肩代わりして、夜逃げ同然に姿を消していたことを知るが────事件は思ってもみない方向に動き出す!人生をかけた”ゲーム”の結末とは!?
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/)
今回も面白かったです!
子供が誘拐され身代金が要求されるという事件は、相棒ではかなり久しぶりのパターンです。
当然ながらそれがシンプルな誘拐事件であろうはずはないのですが、今回は犯人が最初からわかった状態で物語が進行していくという、これまた珍しい展開でした。ゆえに「犯人を突き止める」というのが目的ではなく、ストーリー自体がどんなふうに転がっていくのかが、大きな見どころだったのではないかと思います。着地点がどこなのかわからない、という面白さがありました。
誘拐犯は二人いまして、そのうちの一人、元和菓子職人の軸が一つ。息子が誘拐されたにも関わらず、警察に通報せずに身代金を用意する両親という軸が一つ。もう一人の犯人の軸が一つ。そして特命係に「友達を助けてください」と言った、顔にあざのある少年の軸が一つ。
今回は、捜一トリオ、角田課長、青木年男というお馴染みの愉快な仲間たちが、事件解決に向けて全面的に特命係のサポートをする形となっていまして、それぞれの活躍も見どころです。容疑者の一人には右京さんがつき、被害者の両親には冠城くんがつき、別の容疑者には捜一トリオがつき、あざのある少年には角田長がつきと、それぞれの軸をそれぞれが担当しているような感じですね。ついつい、ここに大木さんと小松さんもいればな~とか思ってしまったんですけどね。小松さん、どうやら大木さんの卒業に合わせて、自身も退かれたのではないかと、その説が濃厚かもしれません。
上に挙げた4つの軸には、それぞれ謎な部分が提示されているのですが、最大の謎は「顔にあざのあった少年と誘拐事件の繋がり」です。その真相が明らかになったとき、全ての軸が一つに繋がります。
犯人を突き止めるストーリーではないにも関わらず、終盤には恒例の大きなどんでん返しが待っていまして、「そうきたか!」と思わず僕は口に出してしまいました。
とっても上手く作られていて、やられましたね。
そして、メインゲストの今野浩喜さんが、これまたよかったです。彼が演じた安村は、うだつが上がらず冴えない男ではあるのですが、人が好く優しい男でもあるんです。そんな役柄の雰囲気がバッチリ合ってまして、今野さんいつの間にか素敵な俳優さんになっているんだな~と。僕などが偉そうに言えることではないですけれど。
その安村の人生というのが、切なかったりもするんですよね。
全体を振り返ってもやはり今野さんの印象が強かった回です。
そしてもう一人「友だちを助けてください!」の顏にあざのある少年も、健気で可愛くて…ですので余計に、あざの理由や彼の置かれている状況など、切なくなってしまうものがありました。その少年に対する、角田課長のかっこよさも光ってました。
また、もう一人の少年、成長して大きくなった加藤憲史郎くんっていうのも、ちょっとした見どころですけれど。
角田課長は優しくてかっこよかったですけど、捜一トリオと青木年男は、安定の笑いを供給してくれました。出雲麗音はいつの間にか、そんなお笑い担当トリオの一員になっている気がします。
冠城くんが右京さんを連れて美味しい魚を食べに行くという、そんな始まりも微笑ましかったです。
最初から最後まで、楽しませて頂きました。
切ないあれこれはありましたけれど、最後には少し温かい気持ちにもなれました。
僕は個人的にはバッドエンドも嫌いではないんですけど、やっぱりこういう終わり方の回は、グッときちゃうものですね。
今回は珍しく誰も死んでないですし。(今シーズンは、第12話『欺し合い』も同じく誰も死んでません。)
珍しくこてまりシーンが無しだったので、それが少し寂しいですけれど、それにしばらく気が付かないくらい、盛りだくさんの内容でした。
相棒19第16話『人生ゲーム』、面白かったです!
ゲスト出演者
それでは次に、第16話『人生ゲーム』に出演された、主なゲストさんを紹介します。今回は1名です。
今野浩喜(こんのひろき)
誘拐事件に加担している男、安村剛役で今野浩喜(こんのひろき)さん。
かつては優秀な和菓子職人でしたが、友人の借金の肩代わりをしたことがきっかけで道を外れてしまい、今ではその日暮らしの生活をしています。知人の男にそそのかされ、誘拐事件に加担しています。
今野浩喜さんは、元キングオブコメディの芸人さんです。キングオブコメディは、2010年にキングオブコントで優勝するなど活躍していましたが、2015年に相方の高橋健一さんが例の事件で逮捕されてしまい、解散しています。その後は俳優さんとしても多くのドラマや映画に出演され、このたび相棒にも初出演です。
以上、今回の主なゲストは、今野浩喜さん1名になります。
他には、顏にあざのある少年、影山将役で山城琉飛(やましろるいと)くん。誘拐された小学生、小峰翔太役で加藤憲史郎(かとうけんしろう)くん。誘拐の主犯格で安村の知人、大槻健太役で西興一朗(にしこういちろう)さん。小峰翔太の父で激安スーパーの創業者、小峰裕司役で鎌倉太郎(かまくらたろう)さん。小峰裕司の妻、小峰凛子役で大村彩子(おおむらあやこ)さんなどが、ちょいゲストさんで出演されています。
鎌倉太郎さんは別役で2度目(過去にはS13-1)、加藤憲史郎くんは別役で2度目(過去にはS11-18)、大村彩子さんは別役で2度目(過去にはS11-15)の出演です。
加藤憲史郎くんは、加藤清史郎くんの弟です。
今野浩喜の優しい誘拐犯
特命係は、交番の前をウロウロしていた顏にあざのある少年から、二人の男が誘拐を企ていたとの情報を得ます。
そして実際に誘拐事件が発生している確証を掴んだ特命係は、二人のうちの一人、安村という男を右京さんがマークすることに。
安村の動きを追いつつ、彼の情報を集めたところ、彼がかつては優秀な和菓子職人だったこと、友人の借金を肩代わりして、夜逃げ同然に姿を消したことなど、その過去を知ることとなります。
子供の頃からとろくさいと言われ、「トロ」というあだ名まで付けられていたことも。
そんな彼は現在、その日の暮らしもままらないような、決して恵まれたとはいえない環境下で生きています。
そんな中彼は知人にそそのかされ、誘拐という犯罪にまで手を染めてしまうことに。
積極的にとは言えないかもしれませんが、彼は不利な状況になっている人生ゲームでの、大逆転を試みるんです。
彼が道を外れてしまった背景には同情も禁じえませんが、だからと言って犯罪を犯していい理由にはなりません。
誘拐という犯罪に加担することも、彼自身の選択です。主犯格は友人で、彼はそそのかされただけだったとしても、決断するのは彼ですからね。
「もう一度一からやり直さればいいんですが」とつぶやいた彼に対して右京さんは、「今ならまだ間に合うんじゃありませんか?」と諭します。
安村は誘拐に加担はしていますが、とても優しい男でもあるんです。
だからこそ右京さんも、彼を犯罪者にしたくなかったのかもしれません。
人は道を踏み外してしまうことがあっても、やり直すことができます。決して大きな賭けをしたり、一発逆転を狙ったりしなくても、少しずつやり直せばいいんです。
人生ゲームは、自身でいくらでも書き換えることができるんです。
そして彼の優しさは、一人の少年の最悪だった人生を、救いのあるものへと書き換えました。
そこに愛はありました。
その他の見どころ
それでは最後に、第16話『人生ゲーム』のその他細かい見どころを、いくつか挙げてみたいと思います。
伊丹は牛乳が苦手
車で張り込みをする捜一トリオ。
出雲が買い出しで、あんパンと牛乳を買ってきたのですが、なんと伊丹さん、牛乳飲むとおなかを下してしまうそうです。
伊丹さん、牛乳飲めなかったんですね。
「こんな顔だけれどデリケートにできてんのよ」と芹沢さんに言われていました。
しかもあんパンではなく、フルーツサンドを所望したのですが、売り切れてたみたいですね。伊丹さんフルーツサンド好きなんですね。
かつてS1第8話『仮面の告白』では、伊丹さんが張り込みをする亀山くんに、あんパンとジャムパンを差し入れたシーンもありました。S4第7話『波紋』では、亀山くんが右京さんに、あんパンと牛乳を差し入れるシーンも。
今回は初めて、捜一トリオの「あんパン」が見れました。
さらにはこの車に冠城くんが乗り込んで、珍しい4ショットになる場面も。
冠城くん、伊丹さんからネクタイを借りてセールスマンに変装もしてました。
みんな仲良しですね。
加藤憲史郎の再出演
誘拐された小学生、小峰翔太を演じた加藤憲史郎くんは、加藤清史郎くんの実弟です。
2代目こども店長としても、ご存じの方は多いかと思います。
相棒にはこれが二度目の出演で、以前はS11第18話『BIRTHDAY』に、清史郎くんが演じた少年の、幼少期の回想シーンで出演されています。
『BIRTHDAY』が2013年3月の放送でしたので、このたびは約8年振り。
憲史郎くんは2007年生まれの現在13歳で、『BIRTHDAY』出演時は5歳でしたので、当然ながら大きくなってます。
やっぱり清史郎くんに似てますね。
『BIRTHDAY』は、清史郎くんと憲史郎くんの兄弟で相棒出演という珍しいパターンでしたが、今回の憲史郎くんの再出演で、さらに珍しいパターンが成立です。
清史郎くんは『BIRTHDAY』で誘拐され、今回の『人生ゲーム』で憲史郎くんが誘拐されるという、相棒にてそれぞれ別の回で、兄弟で誘拐される役を演じたことになります。
清史郎くんはS16第19話『少年A』で、高校生になって再出演されていますので、憲史郎くんにもまた是非、さらに大きくなって再出演して欲しいです。
右京が大福を立ち食い
右京さんが張り込みをしながら、大福を立ち食いするという場面が。
大福の味がいまひとつだったようで、残りは青木年男に渡してました。
さらには大福とともに、100g3000円という、高価な神戸牛のローストビーフも渡され、青木は張り込みを強制されます。
こちら、張り込み中にローストビーフを食べる青木です。
文句を言いながらも、律儀に持ち場を離れず、しっかりと張り込みをする青木。
文句を言いながらも、特命係の無茶な要求にいつも応える青木。
そしてどんなに理不尽な扱いを受けても、またやって来る青木。
回を重ねるごとに、青木年男が可愛く見えてきました。
以上、今日は相棒season19第16話『人生ゲーム』についてでした。