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相棒19第18話『選ばれし者』科警研の魔銃vs特命係。

第18話『選ばれし者』

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あらすじと感想

本日は、シーズン19第18話についてです。

相棒season19第18話のタイトルは『選ばれし者』。放送日は2021年3月3日です。選ばれし者といいますと、何かしら特別な人間などを連想してしまいますが、何に選ばれた者たちの物語なのか。

それでは最初に、第18話『選ばれし者』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

小説『魔銃録』の作者・笠松剛史(真田幹也)が拳銃で撃たれ殺害された。『魔銃録』は、魔銃と呼ばれる拳銃を手にした者たちが自らを“選ばれし者”とし、世界を救うという使命にかられてそれぞれに戦いを挑む物語──3カ月ほど前には、小説の内容を真似て代議士が襲撃される事件も起きていた。
作者殺害の犯行に使われた銃が、『魔銃録』にも登場するかなり旧式の珍しいデュークで、代議士殺害のものと線条痕も一致し、捜査一課や組織犯罪対策五課はにわかに慌ただしくなっていた…。実は、代議士殺害の銃はすでに押収されており、同一の凶器が犯行に使われるはずはなかったのだ。
科学警察研究所(=科警研)で線条痕を再鑑定していると聞いた「特命係」の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)はさっそく機械研究室主任研究官・黒岩雄一(上杉祥三)のもとを訪問。再鑑定の結果、やはり笠松殺害の銃は、科警研で保管されていたはずのデュークと一致していたと報告を受ける。
銃も持ち出されておらず、線条痕の細工もできないことから、考えられる可能性は「同一の線条痕を持つ銃が別に存在する」か「鑑定のミス」の2つ…。しかし同じ科警研の研究員で犯罪行動科学部犯罪予防研究室の久保塚雅美(前田亜季)は、「黒岩先生に限ってそんなことがあるはずはない」と断言する───。
その矢先、新たにデュークを所持している人物が浮上し、さらに事件は衝撃的な展開を見せる!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!

相棒で小説家が事件の中心となったり、小説自体が取り上げられたことは、これまでも何度かありましたが、今回は『魔銃録』という人気小説が絡んでくる事件です。

一番のポイントは『魔銃録』に登場する「魔銃」でした。

科警研に厳重に保管されている銃と同じ線条痕が、新たな別の事件で使われた銃のものと一致してしまいます。

銃の線条痕というのは指紋のようなもので、銃それぞれに違うみたいなんです。なので同一の線条痕を持つ銃は二つと存在するはずがないのに、鑑定の結果、存在するというう事態が起きてしまっている、ということですね。

それが小説の内容とリンクして、魔銃の謎としてクローズアップされていきます。

このたびの特命係の使命は、そんな魔銃の謎を解くことです。その真相を解明することで、小説との関連や事件の全貌も、全て明らかになるんです。

当然ながら魔銃が増殖するなんてことはなく、そこには必ず秘密があります。

科警研の二人にスポットが当てられている時点で、この二人が何かしら事件と関わりがあるのでは?とは序盤から皆さん普通に考えたかと思います。そしてそれがどのような関わり方なのか、なんとなく中盤から見え始めはするのですが、どんな着地の仕方をするのかまでは、僕はなかなか読めませんでした。

もちろん最後は右京さんと冠城くんが、すっきり解決してくれましたけれど。

今回はその解決に、冠城くんの嗅覚というのが大いに役立っていました。いつものごとく、選ばれし特別な青木年男もしっかり貢献していましたし。

魔銃の謎を解く物語だっただけに、「銃」そのものについても、掘り下げられた内容の物語だったと思います。それに伴い、以前はちょいちょい出てきた「右京さんの銃嫌い」という部分も、久しぶりに取り上げられていました。僕はもうそのこと、忘れかけていましたからね。

最後には右京さんのお説教タイムもありましたけれど、右京さんほんとに最近、プルプルしなくなっていまして、個人的にはそれが少々寂しいです。どうせなら激しくプルプルして欲しい。

激しいといえば、実際に銃により命を落としかけた、出雲麗音の熱い言葉は印象的でした。ちょっとかっこよかったですし。

ゲストは、かなり久しぶりの再出演となる前田亜季さん、癖強めな上杉祥三さん、どちらも素敵でしたし、白衣もお似合いでした。

他にも、右京さんの都市伝説好きを垣間見ることができたり、こてまりのふろふき大根と天ぷらが美味しそうだったり、細かいあれこれも含め、最初から最後まで楽しませて頂きました。

第18話『選ばれし者』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

続きましては、第18話『選ばれし者』に出演された、主なゲストさんを紹介します。今回は2名です。

前田亜季(まえだあき)

科警研の研究員、久保塚雅美役で前田亜季(まえだあき)さん。

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科警研の中の犯罪予防研究室という、犯罪の背景要因の研究などを行っている部署の研究員です。アメリカ留学中にホールドアップされたという過去も。機械研究室の黒岩とは別の部署ですが、助言をもらうなど懇意にしています。

前田亜季さんは別役で2度目の相棒出演です。前回はS6第6話『この胸の高鳴りを』で、心臓移植を受けた女子大生の役で出演されています。約13年振りってことですね。お姉さんは前田愛さんで、S2の2話連続SPに出演されていますので、姉妹で相棒に出ています。

 

上杉祥三(うえすぎしょうぞう)

科警研の研究官、黒岩雄一役で上杉祥三(うえすぎしょうぞう)さん。

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科警研の中の、機械研究室という部署の主任です。専門は銃器の鑑定で、中でも線条痕跡の鑑定では日本一の権威といわれています。他の研究員からの信頼も厚い人物です。

上杉祥三さんは別役で3度目の相棒出演です。過去にはS6第18話『白い声』で所轄の刑事役、S14第15話『警察嫌い』で暴力団組長の役で出演されています。奥さんの長野里美さんもS16に出演されていて、夫婦で相棒に出ています。

 

以上、 今回の主なゲストさんは上記2名になります。

他には、代議士襲撃事件の犯人、原口雄役で小林峻(こばやししゅん)さん。新たに魔銃を手にした、豊田充役で川合智己(かわいとしき)さん。殺害された『魔銃録』の作者、笠松剛史役で真田幹也(さなだみきや)さんなどが、ちょいゲストさんで出演されています。

小林峻さんは別役で3度目(過去にはS11-17、S15-6)、真田幹也さんは別役で2度目(過去にはS14-1)の出演です。

 

魔銃の謎と科警研

何者かに銃殺された小説家の笠松剛史は、『魔銃録』という人気小説の著者でした。『魔銃録』は魔銃と呼ばれる銃を手にした「選ばれし者」たちが、世界を救うために戦うという物語です。

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数ヶ月前にはこの小説を模倣したと思われる事件があり、代議士が銃撃され負傷しました。犯人はその場で逮捕され、使われた拳銃は押収され、鑑定も終了しています。

しかし問題はここからです。

新たに起きた小説家銃殺事件の線条痕が、なんと代議士襲撃のときのものと一致してしまうんです。線条痕というのは人の指紋のようなもので、銃ごとに違っています。つまり、同一の線条痕を持つ銃というのは、まず存在しないんです。

ちなみに同じ指紋を持つ人がいる確率は、1兆分の1ともいわれてるみたいですね。限りなくゼロに近いってことです。

それを踏まえて考えますと、科警研で保管されている銃と同じ線条痕の銃が、別の犯罪で新たに使われたというのは、おかしな事態になるわけです。

まさに魔銃です。

ちなみにこちらが、保管されている魔銃です。

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この銃はデュークという旧式の銃とのことで、かなり珍しいもののようです。西部開拓民が愛した銃みたいです。

線条痕が一致した可能性として、考えられる要因は3つ。

①押収済みの銃が使われた持ち出され使われた。
②全く同じ線条痕を持つ別の銃が存在する。
③線条痕の鑑定ミス。

しかし、①管理が厳重な科警研から持ち出された可能性は低いです。②同じ線条痕を持つ銃は二つ存在するのはありえない。そうなると③の可能性もあり、特命係は線条痕跡の鑑定では第一人者といわれる、科警研の黒岩を訪れます。

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ちなみに科警研(科学警察研究所)というのは、警察庁刑事局の附属機関です。対してマリコさんのいる科捜研(科学捜査研究所)は、各都道府県の警察刑事部に設置されている附属機関です。

事件が起きると、まず現場からの押収物を分析するのが鑑識です。で、さらに正確な分析だったり、鑑識では扱えないものだったりを調べるのが、科捜研。科捜研よりもさらに専門的な分析などが必要な際に、科警研へ。という流れになってるみたいですね。

今回も科捜研で線条痕を鑑定した結果、他の銃と一致したため、再鑑定で科警研に上がってきたような流れではないかと思われます。

そして第一人者である黒岩の鑑定も、やはり同様のものでした。

つまり③鑑定ミスという可能性も否定されるんです。

この魔銃の謎を解き明かせるのは、特命係をおいて他にはいません。

 

銃の平等と不平等

魔銃の謎を巡り、このたびの特命係は、科警研に何度か足を運ぶこととなります。

そして線条痕鑑定の第一人者である黒岩、さらには科警研の研究員で、犯罪の要因などを研究している久保塚から、話しを聴くことに。

その過程で銃に対する議論も交わされます。

黒岩や久保塚は、銃に対してどちらかというと、肯定的な意見を持っています。

「銃は手にする全ての物の力を均衡に保つ」

「銃器の所持を厳しく規制している日本では、銃を持たない者が持つ者に対し、圧倒的不利になってしまう」

「これは不平等だと言わざるを得ない」

「力のない者が、暴力によって踏みにじられるような事があってはいけないんです」

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確かに銃という武器は、非力な者でも人を殺める力を得るという意味では、彼の言葉も間違ってはいないと思います。

また、黒岩は銃器の脅威について、皆がもっと考えるべきだという意見も持っていました。力のない者が暴力によって踏みにじられないようにと。

それに対し、右京さんは銃が嫌いです。最初にその発言が出たのは、S2第4話『消える銃弾』かと思います。「銃を使えば血が流れるし、相手に致命傷を与えます」と言っていますし、銃を「野蛮で旧式な武器」だとも。

今回も、「持てば得てして短絡的な行動に走りがちですし、結果ろくな事になりません」と言ってました。

銃というのは、人を傷つける目的で造られた道具ですからね。

右京さんは、誰であろうとその相手を傷付けたり殺したりしてしまう銃と言う武器に、とても懐疑的なんです。

故に黒岩の「銃は手にする全ての物の力を均衡に保つ」という意見に対し「人を平等にするのは、法だと思います。」と反論もしています。

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これに対し黒岩は「立派な信念だとは思いますが…法が守ってくれない時もあるでしょう」と。

僕はどちらも正しくて、どちらも間違っていないと思います。

核保有と平和の問題と同じですね。核を手放して平和を得るのか、核を持って平和を得るのか。

日本は銃規制が厳しい国ではありますが、流通している銃は10万丁ともいわれているそうです。

右京さんと黒岩は、アプローチの仕方は正反対でも、銃の脅威から弱者を守るという点に置いては、意見は一致していたのではないかと思います。

しかしどんな理由があれ、銃による犯罪を正当化することは、右京さんは許しません。

「選ばれし者」たちの罪も、「選んだ者」たちの罪も。

 

その他の見どころ

それでは次に、第18話『選ばれし者』のその他細かい見どころを、ちょこっとだけ挙げて締めたいと思います。

コーヒーを注ぐ右京

右京さんが角田課長のパンダカップに、コーヒーをいれてあげるという、珍しいワンシーンがありました。

右京さんがパンダカップを手にしていること自体、超貴重ですけれど。

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どうやら角田課長は徹夜でお仕事をしていたようで、特命の部屋で居眠り(もしくは仮眠)をしていまして、そんな課長を労って、右京さん珈琲をいれてあげたみたいです。

右京さんの席で居眠りする課長は見たことがありますが、こっちの席でというのは、初かもしれません。

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また、別シーンですが、人が出払って誰もいない組対5課を眺める特命係、というこれまた珍しい絵も見れました。

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ここを一人で颯爽と歩いてくる青木の姿も、なんだかちょっと嬉しそうで、微笑ましいものがありました。

 

以上、今日は相棒season19第18話『選ばれし者』についてでした。

 

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