相棒が好き過ぎて

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相棒22第6話『名探偵と眠り姫』マーロウ矢木の再々登場

第6話『名探偵と眠り姫』

あらすじと感想

相棒season22第6話のタイトルは『名探偵と眠り姫』。放送日は2023年11月22日です。

相棒で名探偵といえば、まずあの人が思い浮かぶかと思います。と言いますか、もうあの人しかいませんよね。またあの人に会えると思うと、それだけで嬉しくなります。「眠り姫」の方も気になりますけど。

それではまず初めに、第6話『名探偵と眠り姫』のあらすじから紹介していきます。テレビ朝日の公式サイトより引用させて頂きます。

『特命係の杉下右京(水谷豊)』を名指しで、匿名の情報提供がある。それは、「17年前に起きた当時5歳の少女の誘拐事件の犯人は殺された」という投書だった。問題の事件は、老舗デパート蔵本屋の令嬢・里紗(潤花)が睡眠薬で眠らされて連れ去られた経緯から、週刊誌が“眠り姫誘拐事件”と煽り、世間の耳目を集めた事件だった。結局、被害者の少女はすぐに救出され、犯人は投身自殺を遂げるという幕切れだったが、今回の情報提供は、その顛末に一石を投じるものだった。挑戦状とも取れる投稿を受け、捜査に乗り出した右京は、薫(寺脇康文)と共に蔵本屋の関係者のもとを訪れる。と、一族は丁度、里紗の婚約発表を大々的に行うために顔を揃えていた。しかし、会場のホテルでは、肝心の里紗が、何者かの手引きで会場を抜け出し、姿を消すという騒動が起きていた。防犯カメラの映像から、里紗の脱出を手助けしたのが、特命係と浅からぬ因縁がある私立探偵の矢木(高橋克実)だと気づいた右京と薫は、早速、彼の事務所を訪れるが…!?
かつての誘拐被害者が今度は自ら失踪
その背後で“名探偵・マーロウ矢木”が暗躍!?
眠り姫の真相が時を超えて明かされる!
(引用元:https://www.tv-asahi.co.jp/

今回も面白かったです!!

何よりもまず、またマーロウ矢木を見られたことが嬉しい。いつかまた相棒の舞台に戻ってきてくれたらな~と、淡い期待を抱いていたキャラの一人ですので、それが実現した悦びもひとしおです。

マーロウ矢木が最後に登場したのはS10ですので、約12年振り。亀山くんとはS5以来ですので、約17振りですね。

右京さん、亀山くん、マーロウ矢木という、この三人の掛け合いがまた見られるとは。しかも今回は三人でのシーンが多いです。

マーロウ矢木、全然変わってなかったです。

タイトルも過去2回はそれぞれ『名探偵登場』と『名探偵再登場』でしたので、今回は『名探偵再々登場』になるんじゃないかと勝手に思っていましたところ、見事に裏切られはしましたが、『名探偵と眠り姫』という魅力的なもの。映画のタイトルとかでありそうですね。

で、そのタイトルのとおり今回はマーロウ矢木とともに「眠り姫」が主役となるお話。

まずは、17年前に起きた誘拐事件というのが提示され、一つの軸になります。

そしてここに現在軸で、老舗デパート蔵本屋の令嬢が失踪するという騒動が起きます。

当然ながらこの二つの軸は無関係ではなく、密接に絡み合っていくわけですが、そのどちらの軸でも中心となっているのが「眠り姫」。で、その二つの軸の接点となっているのがマーロウ矢木です。まさにタイトルの二人ですね。

そしてマーロウ矢木と眠り姫により、特命係もその渦中におもいっきり巻き込まれるという展開。

現在軸では「なぜ令嬢は失踪したのか?」、過去軸では「誘拐事件の真相」というのが、それぞれ最大の謎です。もちろんそれぞれの謎はリンクしています。

さらにはもう一つ「なぜここにマーロウ矢木が絡んでいるのか」も、同時に大きな謎。

一つ一つ謎は解けていきますが、最後の最後まで残るのは、誘拐事件の真相です。

怪しい人物がけっこう大勢出てくる系でしたので、もう全員疑わしく見えちゃうんですよね。後半になってなんとな~く予想はつくものの、果たしてその人物で正解なのかどうかも確証がなく、そう思わせておいて別の人間なんじゃないかとか、色々考えてしまいました。

そっちの真相もですけど、挑戦状の差出人の方も、僕は最後まで全然わからなかったです。

特命とマーロウの軽妙なやりとりも相変わらずでして、マーロウ回ならではの楽しみどころがたくさんでした。S5のマーロウ初登場から17年も経っているとは思えなかったです。まるであのときのままのような。

今回もハードボイルド全開で、懐かしのギムレットも出てきました。ハードボイルド定食なんて新しいのも出てきましたし。

マーロウの優しさやかっこよさも健在でした。

「眠り姫」を演じた潤花さんも美しかったです。元宝塚のトップ娘役だった女優さんで、今回の深窓令嬢役もぴったりでした。ハードボイルドに美女はつきものですね。

今回も右京さん、犯人に怒ってましたね。大きい声出してました。「人を傷つけてまで守るべきものなど、この世にはありませんよ!」という名言も。

他にも、亀山くんの変装姿が見れたり、捜一とマーロウの再会だったり、お馴染みのゲスト俳優さんたちだったり、蔵本屋の社長さんが一瞬内田裕也さんに見えちゃったりとか、細かいあれこれにもいちいち反応しつつ、鑑賞しておりました。

亀山くんがマーロウを「矢木ちゃん」と読んだり、「たぬき親父」と呼んだり、一方のマーロウは亀山くんを「警察をクビになった猿山」と呼んだり、そんな応酬も微笑ましかったです。

3度目の登場となったマーロウ矢木と、深窓令嬢の物語、楽しませて頂きました。

過去2回のマーロウ回が名作だったので、それに比べると内容的には少々物足りなさは感じてしまいましたが、最後に右京さん、亀山くん、マーロウ矢木が三人で歩く場面を見ていましたら、終わって欲しくない気持ちにもなってしまいましたよ。マーロウ矢木と特命係の捜査を、もっともっと見ていたかった。

マーロウにはぜひ4度目の登場を期待したいと思います。

第6話『名探偵と眠り姫』、面白かったです!

 

ゲスト出演者

では次に、第6話『名探偵と眠り姫』に出演された、主なゲストさんを紹介します。

高橋克実(たかはしかつみ)

チャンドラー探偵社を営む私立探偵、矢木明役で高橋克実(たかはしかつみ)さん。

とぼけた振りをしつつ実はキレ者で優秀な私立探偵。古風なハードボイルド派を気取っています。特命係とは過去に二度、ともに事件を解決しています。愛読している推理小説の探偵にちなみ、自身を「マーロウ矢木」と称しています。

高橋克実さんは今回が3度目の相棒出演。いずれも同じマーロウ矢木役です。過去の二作はS5第10話『名探偵登場』とS10第11話『名探偵再登場』。今回が約12年振りの相棒出演でしたが、マーロウ矢木は以前と全く変わっていませんでした。そのままでした。

 

潤花(じゅんはな)

老舗百貨店「蔵本屋」の常務の娘、蔵本里紗役で潤花(じゅんはな)さん。

自身の婚約発表のパーティー会場から失踪した令嬢です。17年前、5歳のときに誘拐事件の被害に遭ったものの、すぐに救出され無事でした。睡眠薬で眠らされ誘拐されたことから、「眠り姫事件」として世間の注目も集めました。

潤花さんは相棒初出演です。元宝塚歌劇団宙組のトップ娘役だった女優さんで、2023年6月に宝塚を退団されています。退団後は7月より芸能活動を再開し、今回の相棒が退団後初の映像作品です。美しい深窓令嬢の役がばっちりハマっていて、ドレス姿も美しかったです。

 

以上、今回の主なゲストさんは、上記2名になります。

他には、里紗の父親、蔵本慎吾役で佐伯新(さえきあらた)さん。老舗和菓子屋「黒崎堂」の社長、黒崎弘役で諏訪太朗(すわたろう)さん。蔵本家の家政婦、瀬戸路子役で和泉ちぬ(いずみちぬ)さん。蔵本家の長男、蔵本啓介役で石田登星(いしだとうせい)さん。蔵本屋の社長、蔵本幸次郎役で花王おさむ(かおうおさむ)さん。里紗の婚約者で黒崎弘の息子、黒崎潤也役で三浦大和(みうらやまと)さんなどが、上記に次ぐゲストさんで出演されています。

佐伯新さんは別役で3度目(過去にはS9-11、S9-15)、諏訪太朗さんは別役で5度目(過去にはS7-16、S15-6、S18-11、S19-11)、和泉ちぬさんは別役で3度目(過去にはS6-1、S8-1)、石田登星さんは別役で2度目(過去にはS5-1)、花王おさむさんは別役で5度目(S8-9、S12-2、S15-17、S21-16)のご出演です。

 

失踪した潤花の眠り姫

警視庁の情報提供ホームに、右京さんを名指しで情報が寄せられます。

「警視庁特命係・杉下右京殿 眠り姫事件の犯人は殺された。至急真相を解明されたし」と。

まるで挑戦状のような情報提供です。差出人は不明。

眠り姫事件というのは、17年前に起きた誘拐事件です。老舗デパート「蔵本屋」の当時5歳だった令嬢・蔵本里紗が、バレエ教室の帰り道に何者かに連れ去られました。里紗が睡眠薬で眠らされたことから、週刊誌により「眠り姫誘拐事件」と名付けられ、世間の注目も集めます。

この事件で里紗は無事救出されたものの、犯人は投身自殺を遂げています。犯人は蔵本屋を解雇された元従業員でした。

もし右京さん宛ての情報が真実だとしたら、犯人は自殺ではなく他殺だったということになり、誘拐事件の真相もまた違ったものになってきます。

匿名の情報にどこまで信憑性があるかわかりませんが、こんな挑戦状をもらい、右京さんが動かないわけがありません。さっそく亀山くんとともに捜査を開始します。

そして蔵本屋の関係者を訪ねたところ、なんとそちらでもひと騒動が。

里紗は近々結婚を予定していて、婚約発表が大々的に行われる予定だったようですが、その会場であるホテルから彼女が姿を消してしまったと。

主役がいなくなってしまったわけですので、婚約者の男性も困惑を隠せない様子。

里紗は17年前に誘拐された過去もあるので、今回も同様の事件の可能性も疑われますが、父親のもとには本人から「無事なので心配しないで」という電話も入ります。

そしてその後の特命係の捜査にて居場所が判明。無事も確認されます。

こちらが蔵本屋の令嬢、潤花さん演じる蔵本里紗です。

蔵本屋の常務の娘で、17年前に誘拐されたその人。「眠り姫」です。

当時は5歳の女の子でしたが、17年も経っていますので、当たり前ですけどすっかり大人になっています。ドレス姿も美しく艶やかです。

彼女は大変美しい令嬢ですが、17年前の誘拐事件がトラウマになっていて、外出を怖れ引きこもりがちだったようです。バレエも辞めてしまったとのこと。まさに深窓令嬢ってやつですね。

そんな令嬢が婚約というのは、蔵本屋の将来を考えてのことという側面も否めませんが、どうやら里紗も了承の上でのことのようです。

ホテルからの失踪もまた、無理やりのものではありません。彼女自らの意志で会場から姿を消しているんです。

里紗は誘拐事件によるトラウマこそ抱えてはいますが、決して弱い女性ではありません。聡明で強い意志を持っています。

17年前、誘拐された彼女は、睡眠薬で眠らされていたため、何も知らないと考えられていました。

しかし彼女は、ある「匂い」により、眠っていた記憶を呼び起こされました。

それが失踪のきっかけです。

そして誘拐事件の真相も、蘇った彼女の記憶の中にありました。

 

マーロウ矢木の再々登場

長い相棒の歴史の中でも、たくさんの人に愛され、記憶に刻み込まれているゲストキャラというのは、そう多くはないはずです。

高橋克実さん演じる私立探偵・マーロウ矢木は、まさにそんなキャラの筆頭とも言っていいくらいの人物ではないかと。

アメリカの作家、レイモンド・チャンドラーの小説を愛読していて、その中に登場する「フィリップ・マーロウ」という探偵にちなみ、自身を「マーロウ矢木」と称しています。探偵社の名前はチャンドラー探偵社。

トレンチコートに中折れ帽がトレードマークで、ハードボイルド派を気取っています。

過去の登場回は、S5第10話『名探偵登場』、S10第11話『名探偵再登場』の2回。

それぞれ亀山シリーズ、神戸シリーズでの登場です。どちらもマーロウは特命係とともに事件を解決しています。

とぼけた振りをしつつ、実は相当優秀な探偵でして、その優秀さは右京さんも見抜いています。

そんなマーロウ矢木が、このS22第6話にて3度目の登場。

また相棒の舞台でマーロウ矢木に会えるとは。

S10以来12年振りの登場です。右京さんとはそれ以来の再会ですが、亀山くんとはS5以来ですので17年振りです。

マーロウの着用しているトレンチコートは、初登場の『名探偵登場』から使用している、17年前と同じものだそうです。帽子は見当らず、新しいものになったみたいですが。

マーロウと特命が久しぶりに再会することなったきっかけは、蔵本屋の令嬢である里紗の失踪騒動。

特命係が防犯カメラを調べたところ、令嬢を手引きして会場を抜け出す人物がいたことを突き止め、それがマーロウ矢木だったんです。

当然ながら「なぜマーロウが里紗を連れ出したのか?」という謎がまず生じますが、私立探偵というのは誰かの依頼があって動くもの。そう考えると、マーロウは「誰かの依頼」で里紗を連れ出したことになります。

しかし探偵の守秘義務で、マーロウは口を開きません。

そんな中、マーロウが何者かに襲われ病院に運ばれます。マーロウはここで捜査一課とも再会してます。出雲麗音とは初対面。

マーロウはS5のときも襲われて、たまきさんに手当されてましたよね。よく襲われます。

このマーロウ襲撃事件をきっかけにして、特命係もマーロウの隠している秘密へと少しずつ迫ります。

そして無事退院したマーロウと、バーで待ち合わせるなんていう場面も。

マーロウは過去に花の里にも来店したり、バーで特命係とお酒を飲んだりもしていましたが、今回は残念ながら特命との呑みシーンは無しでした。こてまりにてマーロウが話題には上がっていましたが。美和子さんとの再会も無しでした。

その代わり、事件の解決後に、三人で横並びで歩くというたまらん場面が待ってます。

どうやらこの後、三人は祝杯を挙げに行ったと思われます。きっと楽しい時間になったことでしょうね。

右京さん、亀山くん、マーロウ矢木の3人が一緒にいるのを見ていますと、過去に戻ったのような気にもなります。S5のときの物語が、そのまま続いているかのような。

マーロウ矢木は、とぼけた振りをしたキレ者なだけじゃなく、優しくてかっこいい男でもあるんです。

ただのハードボイルドなおじさん探偵じゃありません。

今回も彼の行動は、全て里紗を守るため。

「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きている資格がない」

まさにマーロウ矢木にぴったりの言葉です。

 

その他の見どころ

それでは続いて、第6話『名探偵と眠り姫』のさらに細かい見どころを、少しだけ挙げてみたいと思います。

ハードボイルド定食

マーロウ矢木か考案したという「ハードボイルド定食」なるものが登場しました。

マーロウが行きつけの定食屋さんで作ってもらったものと思われます。

ほぼ揚げ物というまさにハードボイルド。

煮卵が硬く煮てあるのがポイントらしいです。

まさにハードボイルド。

 

亀山の変装

亀山くんが尾行のため、変装でスーツにメガネ姿を披露してくれました。髪型も七三分けです。

街に溶け込むサラリーマンスタイルの変装とのこと。

伊丹さんには「亀リーマン」と言われてました。

亀山くんの眼鏡というのは、初期亀山シリーズも通して、これが初ではないかと。七三分けもです。

やはり見慣れないせいか、じゃっかん胡散臭さはありましたが、新鮮でもありました。

スーツ姿自体ははこれまでも何度か登場しています。復帰後に関しては、『ペルソナ・ノン・グラータ』でマオカラースーツ着てますが、それを除けば初ですね。

眼鏡や七三はともかく、亀山くんのスーツ姿は、いつもとは違うかっこよさもあります。

二人ともスーツの特命係というのも、またかっこいいもんです。

いつか右京さんにもMA-1姿を披露して欲しい。

 

以上、今日は相棒season22第6話『名探偵と眠り姫』についてでした。

 

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